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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!


沈黙
―サイレンス―

-1-

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Copyright :(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved


1966年に刊行された遠藤周作の「沈黙」は2016年に50年を迎えました。

キリスト教徒である遠藤周作が
江戸時代の初め、長崎に繰り広げられたキリシタン弾圧を背景に、
神の沈黙を問いかけた作品です。

2016年はまた遠藤氏没後20年という年でした。

世界の20カ国以上で翻訳されたその「沈黙」が映画化されました。

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小学校4年生の頃、ひいばあちゃんに
「教会へ行って良い子になってきなさい」となぜか突然言われ、
毎週日曜は教会に行っていたとの。
実は、帰りにもらえるきれいなカードが楽しみだったのですけどね。
更に、中学高校とプロテスタント系の学校に通いました。
だから「沈黙」を読んだ時には、神様ってなんて意地悪なんだろうと幻滅したものです。
信者たちも拷問なんか受けてないで、さっさと踏み絵を踏んじゃえばいいのに、
と思ってもいました。

遠藤周作先生、ごめんなさい。
薄っぺらな読み方しかできなくて。

ですが、
本作を監督したマーティン・スコセッシは
少年時代にはカトリックの司祭になろうと考えていた程で
その人生も宗教への思いや習わしに囚われてきたといいます。
そして、1988年に「沈黙」と出会い、
28年を経てついに映画化を果たしました。

マーティン・スコセッシ監督
1943年ニューヨークのシチリア系イタリア移民の家に生まれる。
ニューヨークのリトル・イタリーで少年時代を過ごし、ニューヨーク大学で映画を専攻。
卒業後は母校の講師を務めながら、様々な映画関係の仕事をこなし、
72年「明日に処刑を…」で商業映画監督デビュー。
76年「タクシードライバー」でカンヌ映画祭グランプリを受賞。
主演のロバート・デ・ニーロとともにアメリカ映画の新世代を代表する存在に。
80年「レイジング・ブル」、
83年「キング・オブ・コメディ」、
90年「グッド・フェローズ」、
95年「カジノ」とデ・ニーロとともに傑作を連発、
最も重要な映画監督と称されるようになる。
02年レオナルド・ディカプリオを主演に迎えた「ギャング・オブ・ニューヨーク」、
04年「アビエイター」でアカデミー賞監督賞にノミネート。
06年「ディパーテッド」で作品賞と監督賞を受賞する。
自身初の試みとなった3D映画「ヒューゴの不思議な発明」(11)で
7度目の監督賞候補になった。
(映画・comより)

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本作『沈黙』は日本が舞台ですから、当然日本の俳優も登場します。
奉行所のしつらえや日本家屋の舞台設計なども
日本の技術アドバイザーや俳優たちが行っています。
だから、アメリカ人監督が日本を舞台にする場合にありがちな
妙に大味で不自然な建物は出てこないので
どうぞご安心ください。

日本の時代劇を外国人監督が撮るというのは
なんかちょっと不思議な感覚ですが、一体どんな作品になっているのでしょうか。

続きは次回までのお楽しみです。


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沈黙 ―サイレンス―
監督/マーティン・スコセッシ、原作/遠藤周作、脚本/ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ、撮影/ロドリゴ・プリエト
出演
リーアム・ニーソン/フェレイラ、アンドリュー・ガーフィールド/ロドリゴ、アダム・ドライバー/ガルぺ、窪塚洋介/キチジロー、浅野忠信/通詞、イッセー尾形/井上筑後守、笈田ヨシ/村長、塚本信也/モキチ
2017年1月21日(土)全国ロードショー
2016年、アメリカ、英語、カラー、配給/KADOKAWA
http://chinmoku.jp/

# by Mtonosama | 2017-01-17 06:00 | 映画 | Comments(6)

未来を花束にして
-2-

Suffragette

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(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.


女性たちが連帯して立ち上がるというと
ヒステリーのおばさんたちというステレオタイプのイメージをあてはめてきた世間。
映画だって同じでした。

サラ・ガヴロン監督が語っています。
「こんなパワフルな物語をどうしてこれまで映画化しなかったんだろう」

男性はもちろんですが、女性自身も女性活動家というと
怖いおばさんというレッテルを張り付けていたんではないでしょうかねえ。

でも、本作はちょっと違います。
女性参政権が背景となってはいますが、
主人公は7歳から洗濯工場で働き続ける24歳の若い女性です。
まるで奴隷のように過酷な環境で働き、
男よりも長時間働きながら、賃金は男より少なく、
家に帰れば、家事も育児も一人でこなさなければなりません。

キャリー・マリガンが、けなげに生きる洗濯女モード・ワッツを
泣きたくなるほどに好演します。
さあ、彼女はどんな風にしてめざめていくのでしょう。

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ストーリー
1912年ロンドンの洗濯工場で働くモードは、
同じ工場で働く夫と幼い息子の3人で暮らしている。
貧しい暮らしながら夫は優しく、息子の存在は彼女の支えだった。

ある日、モードが洗濯物を届けに行く途中、
洋品店のショーウィンドウをのぞき込んでいると、ガラスに石が投げ込まれる。
女性参政権運動を展開するWSPUの「行動」現場にぶつかったのだ。
それが彼女とサフラジェットとの出会いだった。

モードは洗濯工場の同僚ヴァイオレットの紹介で
薬剤師のイーディスを知る。
彼女は9回の逮捕歴を持ち、協力的な夫と共に
自分たちの薬局をサフラジェットの集会所として提供していた。

その頃、警察は女性参政権運動への取り締りを強化し、
世界初のカメラによる市民監視システムを導入。
モードは偶然そこに写ってしまい、
サフラジェットとは無関係だったにもかかわらず、
捜査対象として認識されてしまう。

やがて、モードに大きな変化が――
下院の公聴会でヴァイオレットに代わって証言をすることになったのだ。
「7歳でパート、12歳から社員で、今は24歳です。洗濯女は短命です。
体は痛み、咳がひどく、指は曲がり、工場内のガスで頭痛がひどい」
彼女は証言を通じて「違う生き方を望む自分」を発見する。
だが、法律改正は叶わず、
デモに参加した大勢の女性が警官に殴打され、逮捕される。
モードも例外ではなかった……


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夫によって家を追い出され、愛する息子も奪われながら、闘い続けるモード。
しつこいようですが、キャリー・マリガンが素晴らしいんです。
女性運動映画のイメージを変えました。

教育もなく、貧乏な若い女性が
次第に行動主義に走り始めた女性参政権運動に入り込んでいく姿が
他人事とは思えず、ひきこまれます。

行動のきっかけって偶然なんですよね。
行動を通じて自分の信念が浮き上がってくる―――っていうか。
モードの心の動きとその変化に
「そうだよね、そうだよね」と頻りに頷いてしまいました。
そんなモードの自然な心の動きから
大きなムーブメントになっていく女性たちの行動までが
描きこまれた映画でした。感動しました。

その後、イギリスでは
1918年、30歳以上の女性に制限選挙権が与えられ、
1925年、母親の親権が認められ、
そして
1928年、男女平等による普通選挙が行われました。


歴史は女が作ります。






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未来を花束にして
監督/サラ・ガヴロン、脚本/アビ・モーガン、製作/フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、製作総指揮/キャメロン・マクラッケン、テッサ・ロス、ローズ・ガーネット、ニック・バウアー、ジェームス・シェイマス、テレサ・モネオ、撮影/エドゥアルド・グラウ
出演
キャリー・マリガン/モード・ワッツ、ヘレナ・ボナム=カーター/イーディス・エリン、ブレンダン・グリーソン/アーサー・スティード警部、アンヌ=マリー・ダフ/バイオレット・ミラー、ベン・ウィショー/サニー・ワッツ、ロモーラ・ガライ/アリス・ホートン、メリル・ストリープ/エメリン・パンクハースト、フィンバー・リンチ/ヒュー・エリン、ナタリー・プレス/エミリー・ワイルディング・デイビソン、サミュエル・ウェスト/ベネディクト・ホートン、ジェフ・ベル/ノーマン・テイラー
2017年1月27日(金)TOHOシネマズ・シャンテほか全国ロードショー
2015年、イギリス、英語、1時間46分、シネマスコープ、日本語字幕/寺尾次郎
http://mirai-hanataba.com/

# by Mtonosama | 2017-01-14 06:35 | 映画 | Comments(4)

未来を花束にして
-1-
Suffragette


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(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.


『未来を花束にして』
これは女性参政権獲得運動のお話です。
でも、タイトルの意味がよくわかりません。

オリジナルタイトルの“Suffragette”という言葉もわかりません。
まず、どう読むのでしょう?
いや、知らないことだらけで・・・

だけど、本作に主演したキャリー・マリガンもSuffregette(=サフラジェット)を
知らなかったんですって。
この運動が起こった国イギリスに生まれた女優すら知らなかったのだから、
150歳とはいえ日本人のとのが知らないのも当然。
(と、開き直るか?)


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実は
少し前に観た映画なんですが、
ある主人公が英国の港で
サフラジェットの一団に取り囲まれました。
女癖が悪い彼は彼女たちに追及され、
ホテルまでつきまとわれます……

すいません。タイトルも何もまったく覚えていません。
ただ、サフラジェットがヒステリックな女たちの集団のように描かれていたので、
本作を観て「ええっ?全然違うじゃん」と思い出した次第です。

Suffragetteという言葉は女性の参政権を求める活動家の蔑称として
イギリスの「デイリー・メイル」紙が作った造語で、
その後、女性運動を指す言葉として定着したのだとか。

とのがタイトルを忘れてしまった映画のように、
男はいつだって口当たりのいいことをいいながら、
本音では女性は自分たちに都合のよい存在であってほしいと
思っているんじゃないですかねえ。

ねえ、安倍さん。

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本作の舞台となった1912年のロンドン。
女性の参政権を要求する運動が先鋭化し始めた時代です。
それまで50年にわたり女性たちは平和的に参政権を求めてきましたが、
ずっと黙殺され続けてきました。
1912年は
カリスマ的リーダーのエメリン・パンクハースト率いるWSPU(女性社会政治同盟)が
「言葉より行動を」と過激な抗争を呼びかけ始めた時代です。

エメリン・パークハースト
1903年にマンチェスターで女性社会政治同盟を立ち上げる。
彼女自身は中流階級出身だが、同盟設立当初から
本作の主人公モード・ワッツのような労働者階級の女性も
メンバーにしていた。

つまり、女性社会政治同盟は、階級を超え、
女性として連帯する組織だったんですね。

モードを演じたキャリー・マリガンの素晴らしさといったら!
いやあ、女が女に惚れました。

デモの際に身に着けたコサージュや帽子の花がまた可愛いんですよ。
この組織のシンボルカラーである紫・白・緑の花々なんですけど。
多分ここから邦題が決まったのでしょうね。

組織のモットーは「言葉より行動」。
もしかして年末BS3「映像の世紀プレミアム」でご覧になった方もおいででしょうか。
ダービー競馬でジョージ5世の持ち馬が疾走するところに飛び込んで
壮絶な死を遂げたエミリー・ワイルディング・デイビソンも
行動でその意志を貫いた一人でした。

監督サラ・ガヴロン、製作フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、
脚本アビ・モーガン
女性たちの手による女性たちのための映画です。

エメリン・パンクハーストを演じたメリル・ストリープは
「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、
すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」
と言っています。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。
次回まで乞うご期待でございます。



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未来を花束にして
監督/サラ・ガヴロン、脚本/アビ・モーガン、製作/フェイ・ウォード、アリソン・オーウェン、製作総指揮/キャメロン・マクラッケン、テッサ・ロス、ローズ・ガーネット、ニック・バウアー、ジェームス・シェイマス、テレサ・モネオ、撮影/エドゥアルド・グラウ
出演
キャリー・マリガン/モード・ワッツ、ヘレナ・ボナム=カーター/イーディス・エリン、ブレンダン・グリーソン/アーサー・スティード警部、アンヌ=マリー・ダフ/バイオレット・ミラー、ベン・ウィショー/サニー・ワッツ、ロモーラ・ガライ/アリス・ホートン、メリル・ストリープ/エメリン・パンクハースト、フィンバー・リンチ/ヒュー・エリン、ナタリー・プレス/エミリー・ワイルディング・デイビソン、サミュエル・ウェスト/ベネディクト・ホートン、ジェフ・ベル/ノーマン・テイラー
2017年1月27日(金)TOHOシネマズ・シャンテほか全国ロードショー
2015年、イギリス、英語、1時間46分、シネマスコープ、日本語字幕/寺尾次郎
http://mirai-hanataba.com/

# by Mtonosama | 2017-01-11 06:05 | 映画 | Comments(4)

網に囚われた男
-2-
The Net

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(C)2016 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.


南北分断をテーマにした作品には
キム・ギドクが脚本・製作を担当した『プンサンケ』(’11)
http://mtonosama.exblog.jp/17862317/ http://mtonosama.exblog.jp/17872088/
『レッド・ファミリー』(’13)もあります。

韓国の人間なら分断に目を背けることはできない訳で
キム・ギドク監督もそれは同様です。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。

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ストーリー
韓国との国境に近い北朝鮮の村で、
妻子と共に貧しいながらも平穏な日々を送る漁師のナム・チョル。
その朝、いつものように国境警備の兵士に漁に出かけることを報告し、
唯一の財産であるモーターボートに乗って出漁。
だが、漁網がスクリューに絡まり、ボートは
チョルの意に反して韓国側に流されてしまった。

韓国の警察に連行されたチョルはスパイの疑いをかけられ、
執拗で残忍な取り調べを受ける。
だが、彼の監視にあたる青年警護官は
家族の許に帰りたいというチョルの思いを知り、彼の潔白を信じるように。

そんな時、やはりスパイ容疑で捕まった男が追い詰められ、
チョルにソウルに住む娘への伝言を託し、舌を噛み切り自死してしまう――

スパイ容疑もはっきりせず、妻子の許に戻ることしか考えていないチョル。
韓国側は彼を泳がせるよう方針転換する。
チョルはソウルの繁華街に一人放り出される。
街には商品が溢れ、人々が自由に行き交う。
だが、チョルは固く目を閉じ、何も見ようとはしない。

いつまで待っても警護官は戻らず、一人になったことを知ったチョル。
目的もなく街をさまよう内、やくざに追われる若い女を助ける。
弟を大学に入れるため身を売った女だった。
街にはまだ使えるPCが無造作に捨てられ、
彼は、ソウルには華やかだけではない部分が存在することを知る……

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韓国で厳しい取り調べを受けるチョルを見ながら、
ああ、北ではもっと酷いことをされるんだろうな。
このまま韓国にいればいいのに、
と思う観客の気持ちとは裏腹に
漁師は頑なまでに北の家族の許へ帰ることしか考えていません。

北にも南にもダークサイドが存在します。
北だけが悪く、南は良い、とは決していえません。
ついついどちらかに肩入れしたくなる観客をいなしつつ
映画はチョルが直面する運命を淡々と描き出します。
南がどんなに華やかで自由でも、
彼にとって帰るべきところは妻子の待つ北なのです。

いつものギドク作品のように「あ、痛!」と観客が目を背けることもなく、
淡々と、静かに、
不条理というしかない漁師の運命をつきつけてきます。

しばらくは声も出ない程、映画に魅せられました。
キム・ギドク監督はいったいどれだけ進化するのでしょう。






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網に囚われた男
監督・脚本/キム・ギドク、エグゼクティヴ・プロデューサー/キム・ギドク、撮影/キム・ギドク
出演
リュ・スンボム/ナム・チョル、イ・ウォングン/オ・ジヌ、キム・ヨンミン/取り調べ官、チェ・グイファ/室長、ソン・ミンソク/北朝鮮の取り調べ官、イ・ウヌ/チョルの妻
2017年1月7日(土)よりシネマカリテ他全国順次ロードショー
韓国、2016年、112分、日本語字幕/根本理恵、提供/キングレコード、配給/クレストインターナショナル、http://www.thenet-ami.com/

# by Mtonosama | 2017-01-08 04:51 | 映画 | Comments(4)

網に囚われた男
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The Net

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(C)2016 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.


2017年第1回目の上映は
キム・ギドク監督の最新作です。

年が明けてもソウルの目抜き通りは
何万人ものデモ隊に埋められていることでありましょう。
ならぬものはならぬ
許せないものは許さない
と結集する韓国の人々のパワーに瞠目します。


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本作は二つに分断された朝鮮半島の悲劇を抉り出した
キム・ギドク監督の渾身の一作です。

漁船モーターが故障し、北朝鮮と韓国の国境線を越えてしまった
北朝鮮の平凡な漁師の身にふりかかった不条理な運命。

この半島が抱える問題点を
鬼才はあらためて私たちにつきつめてきました。

国境を描いた映画というと『JSA』(’00 パク・チャヌク監督)を思い出します。
JSA(Joint Security Area):共同警戒区域。
大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の
軍事境界線上にある約800m四方の地域を指す。

それにしても、
あらためて北朝鮮の正式国名を見ると
「民主主義ってなんだったっけ?」の感を新たにしますわねえ。

『JSA』も面白い映画でした。
微かな希望もありました。

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ところが
キム・ギドク監督作品となると
南北問題は少し趣が違ってきます。

キム・ギドク監督
これまで何度もご紹介してきましたが、
カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭を制覇し、
『嘆きのピエタ』
http://mtonosama.exblog.jp/19794903/ http://mtonosama.exblog.jp/19818003/
では第69回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた監督です。

鬼才という言葉がふさわしい監督でしたが、
本作『網に囚われた男』は、名匠、
もう一歩進んで巨匠という呼び名で
呼んでもいいような気がしてきました。

とのは『春夏秋冬そして春』('03)でキム・ギドク監督を知り、
その映像の美しさに仰天し、アジア的な世界観に酔いしれたのであります。
更に彼の名に惹かれて『サマリア』(‘04)、『弓』('05)なども観ましたが、
これらは正直言ってよくわかりませんでした。

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その後、久々に観たのが、
『アリラン』('11)
http://mtonosama.exblog.jp/17268231/ http://mtonosama.exblog.jp/17280223/
『嘆きのピエタ』('12)
『殺されたミンジュ』('14)
http://mtonosama.exblog.jp/24871440/  http://mtonosama.exblog.jp/24881792/

以前の作品に見られた独りよがり――
というと、ちょっと言葉が悪いですね。
そう、一人合点みたいなものがなくなって、わかりやすくなり、
作品として1ステージ高いところに来た感じがしました。

ところが、本作『網に囚われた男』は
さらに、心に直接訴えかけてきます。
国境線をめぐって翻弄される漁師の運命、
それは
政治性などでは解釈することのできないものでした。
わかりやすく、心にすとんと落ちてきました。
鬼才・奇才から名匠に進化したのだ、と思いました。

さあ、一体どんなお話でしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆2017年1月5日に更新しました。今年も当試写室に気軽にお立ち寄りくださいませ☆

網に囚われた男
監督・脚本/キム・ギドク、エグゼクティヴ・プロデューサー/キム・ギドク、撮影/キム・ギドク
出演
リュ・スンボム/ナム・チョル、イ・ウォングン/オ・ジヌ、キム・ヨンミン/取り調べ官、チェ・グイファ/室長、ソン・ミンソク/北朝鮮の取り調べ官、イ・ウヌ/チョルの妻
2017年1月7日(土)よりシネマカリテ他全国順次ロードショー
韓国、2016年、112分、日本語字幕/根本理恵、提供/キングレコード、配給/クレストインターナショナル、http://www.thenet-ami.com/

# by Mtonosama | 2017-01-05 05:50 | 映画 | Comments(7)