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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!


マイビューティフルガーデン
-2-

This Beautiful Fantastic

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(C)This Beautiful Fantastic UK Ltd 2016


主人公は、絵本作家になる夢を持ちながら
自分の殻を破れない図書館勤務のベラ。
その殻はけっこう堅いんですよ。
歯ブラシやコップは曜日ごとに変えるから
洗面台には7本の歯ブラシと7個のコップが並び、
図書館に着ていく服も
同じデザインで色違いのものが曜日ごとにクローゼットにズラリ。

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ストーリー
ちょっと変わったベラ・ブラウン。
生後間もなく公園に捨てられていた彼女は
予測のできない自然の営み、とりわけ、植物を恐れている。
だから、彼女は何にでもちゃんとした秩序がないと気が済まない。

ラジオが18時半の時報を告げると同時に夕食。
自分が決めたスケジュールをきっちり守って暮らすベラ。
家はきちんと整えられ、快適な一人暮らし。
ただひとつの問題は荒れ放題のバックヤードだった。
植物嫌いのベラは手入れができずにいる。

ある日、ベラの勤める図書館に発明家のビリーがやってきた。
図書館内でサンドイッチを食べながら調べ物をし、
自由気ままにふるまう彼が気になって仕方のないベラ。
そんな彼が書き散らしたメモの1枚を自宅に持ち帰り、
読もうとしたところに一陣の風。
メモは庭へ吹き飛ばされ、茂りに茂った木の枝に乗っかり、
取ろうとしたベラは転んで気を失ってしまう。
彼女を助けたのは隣人のアルフィー。
彼は「庭の手入れをしないから罰が当たったんだ」と毒づく。
一人暮らしのアルフィーは自宅で雇っている料理人のヴァーノンにも
口喧しい偏屈な老人。

翌朝、ベラを心配して朝食を作りに来たヴァーノン。
二人の楽し気な様子を見て焼きもちを焼いたアルフィーは
ヴァーノンにクビを言い渡す。
それに怒ったベラは「だったら私のところで働いてもらう」と――

ある日のこと、ベラの家に家主がやってきた。
荒れ放題の庭に近所から苦情が出たというのだ。
1ヶ月以内に庭を元通りにしないなら出ていってもらうという。
でも、ベラはどこから手を付けたらいいのかわからない。
一方、アルフィーは料理人のいない生活に耐えられず、
連日「料理人を返せ!」とベラに電話してくる。

さあ、どうなる?ベラ……

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発明家ビリーとのなりゆきも気になるところですが、
「ガーデニングとはカオスに美を見出すことだ!」
が自説のアルフィーの庭園も、邸内のインテリアもとっても素敵です。

ベラを演じたジェシカ・ブラウン・フィンドレイは
美少女というより美少年顔で、
もうそれだけでどこか不思議な世界に来た気分にさせてくれます。
同じデザインでも毎日色違いのファッションも可愛くて真似したくなってしまいますし。
偏屈な隣人アルフィーは『フル・モンティ』(’97)のトム・ウィルキンソン。
甘い映画にこういう渋い俳優が登場するところがイギリス映画の良さですね。

観終わったらアフタヌーンティを楽しみながら
女友達と女子トークしてしまいたくなるような映画でした。





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マイビューティフルガーデン
監督・脚本/サイモン・アバウド、美術/アレクサンドラ・ウォーカー、撮影/マイク・エリー、
プロデューサー/クリスティン・アルダーソン
出演
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ/ベラ、トム・ウィルキンソン/アルフィー、アンドリュー・スコット/ヴァーノン、ジェレミー・アーヴァイン/ビリー、アンナ・チャンセラー/ミス・ブランブル、
アイリーン・デイヴィーズ/ミリー
4月8日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、イギリス、92分、カラー、日本語字幕/原田りえ、提供・配給/ココロヲ・動かす・映画社、http://my-beautiful-garden.com/

# by Mtonosama | 2017-04-02 06:18 | 映画 | Comments(6)

マイビューティフルガーデン
-1-
This Beautiful Fantastic


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(C)This Beautiful Fantastic UK Ltd 2016


寒い時もありますが、ずいぶん日が長くなりましたね。
映画を観終わって外に出ると、まだまだ明るくて、
いけないことをしていたような気分になってしまう季節です。

そんな罪悪感を払拭し、
心の底から春を楽しめる映画が
イングリッシュガーデンの本場イギリスからやってきました。

フランスの庭園が左右対称の幾何学的庭園で良家の子女風だとしたら、
イングリッシュガーデンは野放図に生い茂る草花が
自由奔放な女の子みたいなお庭。

映画の中でも
「美しい秩序を保った混沌の世界」
なんてセリフがありました。

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本作『マイビューティフルガーデン』
原題は”This Beautiful Fantastic”
寒い冬の間、肩こりするほど肩をすぼめていた150歳の女の子なら
あ、いえ、もっと若い女の子でも男の子でも
こんなファンタスティックな映画で
春を満喫してみてもいいんじゃないでしょうか。
うふっ♪

これまでファッションブランドやミュージックビデオを手掛けてきた
サイモン・アバウド監督。
2010年にポール・マッカートニーの長女メアリーと結婚。
あのアビーロード・スタジオで、
ジョニー・デップ、ショーン・ペン、ジュード・ロウ、
メリル・ストリープ、ジェレミー・アイアンズ等を集めて
ポールの「クィーニー・アイ Queeny Eye」の
プロモーションビデオを監督したことでも話題を呼びました。

監督自身にお庭の趣味はなかったそうなのですが、
“How are you?”の代わりに
“How is your garden?”
と挨拶するスコットランド出身の映画監督が彼の知り合いにいます。
その挨拶がすっかり気にいってしまい
庭に興味を持つようになったサイモン・アバウド監督。

ベラという植物恐怖症の不思議なキャラクターの主人公を誕生させ、
このハッピーな映画を生み出してしまいました。

さすがマッカートニー家の婿さんです。

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物語の舞台はロンドン。
時代は現代なのですが、どこかファンタジーな感じ。
ベラの生い立ちだって公園の池のほとりに捨てられ、
アヒルたちに見守られていた赤ん坊という設定なんですから。

ガーデニング大国の英国では
バックヤード(裏庭)をとても大切にします。
季節の草花を植え、ハーブを茂らせ、
果樹は美味しい実を実らせます。
鳥もさえずり、
夏には気持ちの良い木陰を作ってくれます。

主人公のベラはそんなバックヤード付きの素敵なアパートに暮らすのですが、
彼女には大変な問題点がありました。
それは―――
彼女が植物恐怖症だったこと。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいね。
乞うご期待でございますよ。




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マイビューティフルガーデン
監督・脚本/サイモン・アバウド、美術/アレクサンドラ・ウォーカー、撮影/マイク・エリー、プロデューサー/クリスティン・アルダーソン
出演
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ/ベラ、トム・ウィルキンソン/アルフィー、アンドリュー・スコット/ヴァーノン、ジェレミー・アーヴァイン/ビリー、アンナ・チャンセラー/ミス・ブランブル、
アイリーン・デイヴィーズ/ミリー
4月8日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2016年、イギリス、92分、カラー、日本語字幕/原田りえ、提供・配給/ココロヲ・動かす・映画社、http://my-beautiful-garden.com/

# by Mtonosama | 2017-03-30 06:05 | 映画 | Comments(6)

ジャッキー
ファーストレディ 最後の使命
-2-
 
JACKIE


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(C)2016 Jackie Productions Limited

 
そうなんです。
ケネディ大統領はもはや伝説。
ジャクリーン夫人宛にお悔やみの手紙を書いたとのも
伝説の時代に属する150歳ですが。

お返事はありませんでした。そりゃあ、世界中からたっくさんお悔やみが来たのでしょうから当り前ですわね。
いくら子どもだったとはいえ、どうしてケネディにあれほど夢中になったのでしょう。
 

昔は、ジャクリーン夫人については
目と目の間が広い人だなあという印象でした。
今では、顎ががっしりした個性的な顔立ちの美人だなと思っていますが。
 
だから、ナタリー・ポートマン演じるジャッキーは
可愛すぎてまるでバービー人形みたいでした。
でも、この際、そうした物足りなさは脇に置いて、
ジャッキーの苦悩と決断を
大人の目で確認してみるのもいいかもしれません。

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ストーリー
1963年11月22日。テキサス州ダラスに着陸したエアフォース・ワンの中で
ジャッキーはスピーチの練習に余念がなかった。
夫ジョン・F・ケネディの政治活動の重要な鍵を握るジャッキーは
来年の大統領選挙に向けて、
彼への反感が強い南部での人気を得ようと必死だった。
大統領とその美しい妻を見ようと集まった観衆に
パレードのオープンカーからにこやかに手を振るジャッキー。

と、その時
銃声が!
彼女の膝の上に崩れ落ちるケネディ――
 
病院で夫の死を告げられたジャッキー。
だが、悲しんでいる時間はない。
夫の遺体と共にワシントンD.C.へ戻り、
機中ではジョンソン副大統領の大統領就任宣言に立ち合い、
到着後は司法解剖が待っている。
 
血糊のついた服を着替えるように勧められても
「反ケネディ派の人間に彼らがしたことを見せてやる」と
血まみれのピンクのスーツを脱ごうとしないジャッキー。
空港には大統領の弟のロバート・ケネディ司法官が出迎えていた。
 
ロバートと共に病院からホワイトハウスへ夫の遺体を運び、
一人になった彼女はようやく思いっきり泣いた――
 
翌日、彼女は葬儀の準備にとりかかる。
人気絶大だったとはいえ、就任わずか2年10か月での暗殺。
このままなら、ケネディはあっという間に忘れ去られてしまうだろう。

ジャッキーが考えたのは没後100年を経ても未だ偉大な大統領として
人々の記憶に残るリンカーン大統領。
馬車と騎馬に先導され、
参列者と共にセント・マシューズ大聖堂まで徒歩で進む。
リンカーン大統領のような葬列にするのだ―――
 
親族を集め、ケネディにふさわしい墓地を探し、
葬儀の招待客リストを作り、
さらにホワイトハウスを出た後の住居も探さなければいけない。

ホワイトハウスはただの公邸ではなかった。
倉庫にあった膨大な美術品や調度品などを選び出して飾り、
自ら調達した資金で新たな品も買い足して修復もしたのだ。
それはホワイトハウスを国民と分かち合い、
アメリカの偉大さを伝えるためだった。
ホワイトハウスをジャッキー自身が案内するTV番組は
大変な視聴率を記録したものだ。
 
そして、まだ幼い子どもたちに
パパの死を理解させるという母親としての大切な仕事もあった―――
 
世界中の要人が葬儀への出席を表明した。
だが、各国政府は自国元首たちに徒歩行進は控えるように通達。
ジョンソン新大統領の特別補佐官もロバート司法長官に
あの事件の直後にジャッキーと歩くのは危険過ぎると告げ、
ロバートも葬列に反対する。
孤立無援のジャッキー。

その頃、夫を狙撃したオズワルドも護送中に殺され、
さすがに恐怖を覚えるジャッキーだったが……
 
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私人か公人か、が話題になっていましたが、
ファーストレディはまさしく公人です。
公人であるがゆえに涙を拭い去り、
大統領の葬儀を後世に語り継がれるものとしてプロデュースしたんですね。
 
ジャッキーへの偏見はそろそろ捨ててもいいかもしれません。
 
ただ、バービー人形のナタリー・ポートマンに一言。
もう少し肩の力を抜いて演技してほしいんですけど。
いつまでも優等生然とした女優さんからは脱却してほしいものです。
 


 


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ジャッキー
監督/パブロ・ラライン、脚本/ノア・オッペンハイム、撮影/ステファーヌ・フォンテーヌ、衣装/マデリーヌ・フォンテーヌ、プロデューサー/ダーレン・アロノフスキー
出演
ナタリー・ポートマン/ジャクリーン・ケネディ、ピーター・サースガード/ロバート・F・ケネディ、グレタ・ガーウィグ/ナンシー・タッカーマン、ビリー・クラダップ/ジャーナリスト、ジョン・ハート/神父、リチャード・E・グラント/ウィリアム・ウォルトン、キャスパー・フィリップソン/ジョン・F・ケネディ
3月31日(金)TOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー
2016年、英語、アメリカ・チリ・フランス、カラー・モノクロ、99分、日本語字幕/松浦美奈、配給/キノフィルムズ/木下グループ、http://jackie-movie.jp/

# by Mtonosama | 2017-03-27 06:08 | 映画 | Comments(6)


ジャッキー

ファーストレディ 最後の使命

-1-


JACKIE


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(C)2016 Jackie Productions Limited


いまのアメリカ大統領を見れば、

まさにケネディ大統領は伝説、いえ、神話にも思えます。

その神話ともいえる彼のイメージを

彼の死後、半世紀以上にもわたって保ち続けるのに貢献しているのが

ジャッキー ーー ジャクリーン・ケネディ

であるというのが本作のコンセプトです。


19631122日。

世界中に衝撃が走りました。

若くてハンサムなケネディ大統領が銃弾に斃れた、というのです。


日本では

1123日早朝、放送史上画期的な実験が行われました。

太平洋を越えたテレビ初の日米宇宙中継。

午前528分、太平洋を越えてきた映像がモニターテレビに映し出されます。


この歴史的な電波に乗って送られてきたのが

ケネディ大統領暗殺の悲報でした。


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子どもだったとのもこのニュースを見ました。

目に飛び込んできたのはオープンカーに乗っていた大統領が倒れる様子。

霧のような血しぶきが画面を染めたように見えたのは

その後、繰り返しテレビや映画でその場面を観たせいかもしれません。

ジャクリーン夫人が”O,No!”と叫んだということも知りました。


ただ、とのの目に灼きついたのは

銃撃の後、車のトランクの方へ這って逃げていくジャクリーン夫人の姿。

まるで、ケネディを見捨てて逃げ出すような姿が

子ども心に許せないと思っていました。


当時の第一印象があまりに強いため、

「彼女がいたから、JFKは伝説になった――」

と言われても素直にうなずけないのが本心であります。


でも、幼いジョンJ.や、つい先日まで日本大使だったキャロラインが

父の棺を見送ったあの情景は今も心に残っていますし、

北爆を開始したのがケネディだったということを知っても

彼が素晴らしい大統領だったと思えるのは

やはり誰かの努力があったからだし、

その努力は一番身近なジャクリーン夫人が行った

と考えるのが妥当なのかもしれません。


子どもの頃のトラウマはとりあえず脇において

彼女の年表を見てみましょう。


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ジャクリーン・ケネディ

1929728日 NYに生まれる。父は裕福な上流階級の株式仲買人

1940年 両親が離婚

1942年 母が資産家と再婚

1947年 ヴァッサー女子大に入学

社交界デビューした女性のトップ

「デビュタント・オブ・ザ・イヤー」を受賞

1949年 フランス留学。帰国してワシントン大学に編入

1951年 知人のパーティでジョン・F・ケネディに出会う

1952年 「ワシントン・タイムズ・ヘラルド」に入社。

金融会社に勤める男性と婚約するが、

ケネディと再会し交際するようになり婚約解消

同年11月 ケネディがマサチューセッツ州から上院議員に選出される

1953年 ケネディと結婚

1956年 最初の子供を死産

1957年 長女キャロライン誕生

1960年 ケネディ、大統領選への出馬表明

1961年 長男ジョンJ.誕生。

ケネディが大統領に就任し、31歳でファーストレディに

1962年 ホワイトハウスを案内するTV番組に出演

同年10月 キューバ危機

1963年 次男パトリックが生後3日で亡くなる

同年1122日 ケネディ大統領暗殺。34歳で未亡人になる

1964年 NY

1968年 ロバート・ケネディ暗殺

ギリシャの海運王オナシスと再婚

1975年 オナシス死去。出版社に入社し、編集者として働く

1988年 マイケル・ジャクソンの自伝を出版

1994519日 死去。享年64歳。

アーリントン墓地のケネディの隣に埋葬される


あの、私事で恐縮ですが、

ジャクリーン夫人はとのの母と生まれた年も亡くなった年も同じなんです。

自分は恐らくどこかで彼女に母を投影している部分があって

オープンカーから逃げ出そうとしたり、

大金持ちのオナシスと結婚した彼女が嫌だったのだと思います。

母にはそんなふうであってほしくないですから。


彼女自身、自ら演出したケネディ大統領の伝説化に

束縛された人生だったのかもしれませんね。


それはさておき、

いったいどんな映画なのでしょうね。

次回まで乞うご期待でございますよ。



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ジャッキー

監督/パブロ・ラライン、脚本/ノア・オッペンハイム、撮影/ステファーヌ・フォンテーヌ、衣装/マデリーヌ・フォンテーヌ、プロデューサー/ダーレン・アロノフスキー

出演

ナタリー・ポートマン/ジャクリーン・ケネディ、ピーター・サースガード/ロバート・F・ケネディ、グレタ・ガーウィグ/ナンシー・タッカーマン、ビリー・クラダップ/ジャーナリスト、ジョン・ハート/神父、リチャード・E・グラント/ウィリアム・ウォルトン、キャスパー・フィリップソン/ジョン・F・ケネディ

331日(金)TOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー

2016年、英語、アメリカ・チリ・フランス、カラー・モノクロ、99分、日本語字幕/松浦美奈、配給/キノフィルムズ/木下グループ、http://jackie-movie.jp/


# by Mtonosama | 2017-03-24 06:59 | 映画 | Comments(2)

未来よ こんにちは
-2-

L’avenir

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(C)2016 CG Cinema・Arte France Cinema・DetailFilm・Rhone-Alpes Cinema

受験に失敗してしまった人、
デートをすっぽかされてしまった人、
交通事故に遭ってしまった人、
担当を外されてしまった人――
もうこの世の終わりと思える程つらいとお思いでしょうね。

でも、どんなに泣いても喚いても死んだ方がましだと思っても
朝は訪れます。

例えば、本作の主人公ナタリーのように
夫に浮気され、離婚し、母を亡くし、
よりどころとしていた専門分野でも流行遅れと言われ、
どこかで春めいた気持ちを抱いていた教え子も去っていき、
いきなり迎えることになった一人暮らし。

結構きつい日々です。
さあ、彼女はいったいどんな風に生きるのでしょうか。

ストーリー
パリの高校で哲学を教えるナタリー。
同じく哲学教師の夫ハインツと2人の子どもとの4人家族である。
数年前のバカンスには家族とブルターニュを訪れた。
退屈した子どもたちには構わず、
文学者シャトーブリアンの墓前でゆったりと対話を続ける仲の良い夫婦だ。

今や子どもたちも成長し、家を離れ、
ナタリーはパリ市内に一人暮らしをする母の介護に追われる。
深夜にも授業中にも構わず電話をかけてくる母。

その頃、ナタリーの勤務する高校はストで揺れていた。
かつて五月革命では学生運動に参加した彼女も今は政治とは関わらず、
スト中の学生からなじられようとも授業を続ける。
その日の授業はルソー。
自分で考えることのできる生徒を育てることが彼女の目標だった。

そんな生徒がかつての教え子ファビアン。
彼女の授業で哲学に目覚め、教師になった青年だ。
彼女の監修で哲学書も出している。

一方、母は認知症の症状が進行していた。
1週間に3度も救急隊を呼び出しているという。
これ以上、母を1人にしておくことはできなかった。

更に思いもよらなかった事態が。
結婚25年目を迎えた夫ハインツが好きな人ができたから、と
家を出ていってしまったのだ。

やがて母はあれほど嫌がっていた老人ホームに自ら入居。
そんな母を悲しみ、近づく死の気配をそっと受け入れるのだった。
施設に入居した母の家の整理をし、
母が愛した黒猫を猫アレルギーのナタリーが飼うという
皮肉な事態も待ち受けていた……

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次から次へと巻き起こる出来事に追いまくられて
ナタリーはいつもせかせかと歩いています。

そんな彼女に慣れていた目には
教え子ファビアンとその仲間たちが暮らすコミューンがあるアルプスで
山々をみつめるナタリーの姿に違和感を覚えてしまう程でした。

考える時間がない程、予期せぬ事態に追われていれば
せかせかと動き回り、生き急ぐことが事態を乗り切る手立てなのかもしれません。

え、これって老いに向かう自分自身の姿かしらん。

数か月後、娘が子どもを産みます。
去っていった家族もいれば新しく加わった家族もあり、
穏やかな笑みを浮かべるナタリーの背後に流れるアンチェインドメモリーの調べ。
ああ、なんか大きなDNAの螺旋がゆっくりゆっくり回転しているような
不思議な感覚に包まれました。

みんないろんな問題を抱えながら生きているんですよね。

あ、あと黒猫のパンドラがおりこうさんでした。
アルプスに向かう列車に乗っていてもケージの中で大人しくしているんです。
華奢な体のイザベル・ユペールがこの大柄なパンドラを重そうに抱えているのが
羨ましかったです。





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未来よ こんにちは
監督・脚本/ミア・ハンセン=ラブ、撮影/ドニ・ルノワール、
製作/シャルル・ジリベール
出演
イザベル・ユペール、アンドレ・マルコン、ロマン・コリンカ、エディット・スコブ
3月25日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ・有楽町ほか全国順次ロードショー
2016年、フランス・ドイツ、102分、カラー、日本語字幕/寺尾次郎、配給/クレストインターナショナル、http://crest-inter.co.jp/mirai/

# by Mtonosama | 2017-03-21 05:37 | 映画 | Comments(6)