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殿様の試写室

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ある天文学者の恋文 
-2-
Correspondence

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(C)COPYRIGHT 2015 - PACO CINEMATOGRAFICA S.r.L.


天文学や星というロマンチックできらびやかな先入観で頭をいっぱいにして
本作を観ると冒頭でカウンターパンチをくらいます。

まもなく朝を迎えるホテルの薄暗い部屋でもつれあう男女が
トルナトーレ監督の最新作に
胸躍らせる観客を出迎えるからです。
150歳は少しドキドキ。

エディンバラからイタリア、サン・ジュリオ島へ―――
物語は謎に満ち溢れて展開していきます。

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ストーリー
大学の大教室でエイミーは恋人のエドから届いたばかりのメールを
微笑みながら目を通した。いつも通りの優しい文面。
大教室では
恋人であり、指導教官でもあるエドの講義が行われることになっていた。
ところが、壇上の講師が発表したのは
著名な天文学者エド、エドワード・フィーラム教授の訃報―――

にわかに信じられないエイミーはニュースを検索。
すると、確かにエドは4日前に亡くなっている。
2人が出会った記念日である昨日も
彼から花束とビデオメッセージが届いているのに。

エイミーはエドが暮らすエディンバラ行きの飛行機に飛び乗った。
二人は深く愛し合う恋人であり、
天文学の教授と学生として星を研究する者同士互いに尊敬し、
純粋な絆で結ばれていた。

エイミーはエディンバラの街を歩き回り、
エドの家の周辺もさまようが、どこにも彼の気配はない。

と、そこへ、まるでエイミーを見ていたかのようなメールがエドから届く。
「弁護士事務所へ行くように」と。

弁護士から渡されたのは
手紙、エドの父の遺品である指輪、そしてDVD。
DVDの中で
「これ以上僕からのメッセージを受け取りたくなかったら
僕のアドレスに11回Amyと書いて送ってくれ」
とエドは語るのだった。

エイミーはあれほど一生懸命だった映画スタントのバイトにも行かなくなり、
エドの死を受け入れられないまま鬱々と日を送っていた。
そんな彼女に再びエドから手紙と鍵が届いた。
毎年エドの誕生日は
イタリア湖水地方サン・ジュリオ島にある別荘で過ごしていた二人。
今年もまたエドのいないまま、その日が近づいていたのだ。

島まで小舟で送ってくれる船頭はまるでエドが生きているようにふるまい、
想い出のレストランで、店主は席もメニューも
去年と何ひとつ変えずに用意して彼女を迎えた。

早朝物音に気付いて起きると別荘の管理人だった。
テーブルの上にDVDを置いてくれとエドに頼まれたのだという。
パソコン画面のエドに微笑みかけるエイミー。
その後、思いがけない言葉がエドの口から。
「君が隠していた秘密を知っている・・・」
エドはひそかにエイミーの過去を調べていた。
怒った彼女はDVDを暖炉に投げ込み、
エド宛のメールに11個のAmyの名を送ってしまう……

ITの進歩で夢物語とは思えなくなった永遠の愛。

映画の世界でも
テクノロジーを介在させた本作のような話や
AI(人工知能)との恋愛を描いた
『her/世界でひとつの彼女』(’14 スパイク・ジョーンズ監督))などが登場しています。
これはスカーレット・ヨハンソンが声だけで出演していました。
なんの声かって?
はい、AIの声です。

『her』などわずか2年前の作品ですが、
実は受け入れることができませんでした。
っていうか、わからなかったんです。
なので、当試写室でも上映できませんでした。
150歳にもなると頭が硬いんですよね。

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実は本作も、
エドはそんなに先の先まで考えて
メールの文面を考えたりしていたのか。頭の良い人は違うな、
などと的外れな感心をしていました。

でも、あるところで
亡くなった人からのメッセージを誕生日や記念日に送るという計画が
実際に行われているという話を聞いて
その計画自体に感動すると同時に
本作もストンと胸におさまりました。

そして、トルナトーレ監督の先進性と洞察力に驚いた次第です。
テクノロジーとロマンに満ちた星々の世界。
オリジナル・タイトルはcorrespondence(通信)です。
確かに通信そのまんまの作品ですが、
こればっかりは邦題『ある天文学者の恋文』に星3つ進呈したいと思います。





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ある天文学者の恋文
監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ、音楽/エンニオ・モリコーネ、撮影/ファビオ・ザマリオン
出演
ジェレミー・アイアンズ/エドワード・フィーラム教授、オルガ・キュリレンコ/エイミー・ライアン、ショーナ・マクドナルド/エドの娘・ヴィクトリア、パオロ・カラブレージ/島の舟乗り・オッタヴィオ、アンナ・サヴァ/島の女・アンジェロ、イリーナ・カラ/エイミーの母親
9月22日(木・祝)ロードショー
イタリア、英語、122分、カラー、字幕/松浦美奈、配給/GAGA、後援/イタリア大使館http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/

by Mtonosama | 2016-09-04 07:27 | 映画 | Comments(8)

ある天文学者の恋文 
-1-
Correspondence

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(C)COPYRIGHT 2015 - PACO CINEMATOGRAFICA S.r.L.


漱石先生「夢十夜」の第一夜。
真っ白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)へる程匂った。
そこへ遥かの上からほたりと露が落ちたので、
花は自分の重みでふらふらと動いた。
自分は首を前へ出して、冷たい露の滴(したた)る、
白い花辨(はなびら)に接吻した。
自分が百合から顔を離す拍子に思はず、
遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬(またた)いていた。
「百年はもう来ていたんだな」と此の時始めて気が附いた。

「星の王子さま」
夜になったら星を眺めてね。
ぼくの星はとても小さいから、どこにあるか教えてあげるわけにはいかない。
だけどそのほうがいい。
ぼくの星は……星のうちのどれか一つだということだから。
それできみは星全部を眺めるのが好きになる。

「自分」が見た星も
「きみ」が眺める星も
何億年も前に燃え尽きた星の光かもしれないのに
ここで眺める私たちにとって
星は生きて輝く星でしかありません。

星と同じように、
死んだ人も
愛する人を想う気持ちが強ければ
語りかけ、何かを贈ることができるのですね。

死んでしまった星が今この地球に住む私たちに
その時の光を届けているように―――

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天文学は無機的な科学と神秘な世界が
ひとつになったような不思議な学問です。

と、いきなりそんなことを言うのは
タイトルの天文学という言葉を聞いて
(原題はCorrespondenceですけれど)
『光のノスタルジア』
http://mtonosama.exblog.jp/24535828/
というものすごいドキュメンタリー映画を思い出したからです。

巨大な望遠鏡から見える超新星の誕生、暗黒の宇宙に怪しく輝く星雲、
そうした星々の光が
観客の視線を南米アタカマ砂漠の下に埋められた遺骨へと導きます。
チリ軍政の圧政下で殺された人々の遺骨です。
数億光年と数十年前の出来事
壮大な宇宙と幾十あるいは幾百体かの遺骨・・・
星の視点で虐殺の過去を暴いたその独自性、壮大さにぶっ飛びました。

本作『ある天文学者の恋文』は
やはりぶっ飛ばされる恋愛映画です。

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天文学を学ぶ女子学生に突如告げられる恋人の訃報。
が、しかし
彼女はまさにその時、彼からのメールに微笑みを浮かべているところだったのです――



監督は名作『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ。
最近では『鑑定士と顔のない依頼人』(’13)でも満足させてくれました。

ジュゼッペ・トルナトーレ
1956年5月27日生まれ
イタリア・シチリア島のバゲリーア出身の映画監督。
16歳の時に舞台演出家としてキャリアをスタートさせ、
以後ドキュメンタリーの短編映画やTV番組を監督する。
1986年『“教授”と呼ばれた男』(日本劇場未公開)で
初めて劇映画 のメガホンをとった。
1989年『ニュー・シネマ・パラダイス』が、
カンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリや
アカデミー外国語映画賞を受賞するなど
世界的に大ヒットし、一躍イタリアを代表する監督として名をはせる。
1995年『明日を夢見て』ではベネチア国際映画祭の審査員特別賞を受賞。
1998年『海の上のピアニスト』
2000年『マレーナ』
2006年「題名のない子守唄」
2009年『シチリア!シチリア!』
2013年『鑑定士と顔のない依頼人』でイタリアのアカデミー賞にあたる
ダビッド・デ・ドナティッロ賞の作品賞と監督賞を受賞。

90年代前半には、古典映画の修復作業に従事。
映画界での貢献が認められ、98年にイタリア政府から勲章コメンダトーレを叙勲された。
http://eiga.com/person/38920/

さあ、本作は果たして天文学という学問の映画なのか、
それとも死者からの伝言という霊界の映画なのか、

そんなわけはありません。

巨匠ジュゼッペ・トルナトーレの3年ぶりの新作です。
次回まで乞うご期待でございますよ。



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☆9月1日に更新しました。もう9月!台風の被害を受けた皆様、心よりお見舞い申し上げます☆

ある天文学者の恋文
監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ、音楽/エンニオ・モリコーネ、撮影/ファビオ・ザマリオン
出演
ジェレミー・アイアンズ/エドワード・フィーラム教授、オルガ・キュリレンコ/エイミー・ライアン、ショーナ・マクドナルド/エドの娘・ヴィクトリア、パオロ・カラブレージ/島の舟乗り・オッタヴィオ、アンナ・サヴァ/島の女・アンジェロ、イリーナ・カラ/エイミーの母親
9月22日(木・祝)ロードショー
イタリア、英語、122分、カラー、字幕/松浦美奈、配給/GAGA、後援/イタリア大使館http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/
by Mtonosama | 2016-09-01 06:07 | 映画 | Comments(6)