ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:わたしの名前は… ( 2 ) タグの人気記事


わたしの名前は・・・
-2-
je m’appelle hmm….

f0165567_4502467.jpg

(C)Love streams agnès b. Productions


さ、そんなア二エス・ベー、
いえ、アニエス・トゥルブルが撮ったのはどんな作品でしょう。

映画好きなデザイナーの隠し芸的なものでしょうか。
決してそんなことはないんですよ。

本人は
「私がこの映画を撮ったのは
洋服以外の方法で自己表現をする必要性を感じて
それが頭から離れなかったからです」
と言っていますし、
実は2000年代の初め頃から2~3分の短い映画を撮っていたそうです。

本作で監督も脚本も撮影も美術も担当しているのには
こんな素地があったからなんですね。

2日で一気に書き上げたという本作の脚本のきっかけは
10年以上前にル・モンド紙で読んだ記事。
検察官のオフィスでペーパーナイフで自殺した男。
自殺に至るまで、彼には何があったんだろう
と思ったことでした。

ドキドキしますね。

さあ、いったいどんなお話なんでしょうか。

ストーリー
セリーヌは12歳。小さな妹と両親と暮らしている。
時折、一家で祖母の家に遊びに出かけたりもする。

母が仕事で帰りが遅くなり、妹が就寝すると
父はセリーヌを2階に呼ぶ。
呼ばれるままに2階へ行き、何事もなかったかのように
階下へ降りてくるセリーヌ。

ある日、母とスーパーへ買い物に出かける。
学校の自然教育で海に行くのだ。
観光バスまで母に送ってもらうセリーヌ。

f0165567_4525137.jpg

ランド県(フランス南部の大西洋に面した県)の海辺。
砂浜と海と空が拡がるだけの場所だ。
クラスメートたちがそれぞれに遊びをみつけ、熱中する中、
セリーヌはひとり砂浜を散策する。

そして、そこにたまたま停まっていたトラックに乗り込み姿を隠す。
眠り込んでしまったのかもしれない。
トラックに現れたのはスコットランド出身の運転手。
この長距離トラック運転手は英語しか話せず、
セリーヌはフランス語しか話せない。

スキンヘッドにタトゥ。
いかめしい体つきながらどこか淋しい目をした彼に
セリーヌは言葉は通じないながらも心を許し、
二人は旅を続ける……

f0165567_45463.jpg

実は、彼女は父親から性的虐待を受けていて
そのことが彼女の人生だけではなく、運転手の人生にも深く関わっていきます。

近親相姦。
とてもおぞましいテーマです。
できれば観たくない。
とのはそう思いましたが、フランスの児童福祉局も同じことを考えました。
担当者は「この作品は作らせない」とまで言い、
実際に撮影は頓挫しました。
その後、その反対していた担当者が退職したことで撮影は再開しました。

父親から受ける行為の意味はわからなくても
決して楽しくはなかった少女。

そのセリーヌがトラック運転手との旅やいろいろな人との出会い・・・
例えば、森の中で踊る白塗りの日本人ダンサーや
イタリア人の放浪の哲学者との出会いの中で
12歳らしさを自然に蘇らせていく様子に安心します。

といっても「森や旅は人を癒してくれる」という映画ではありませんが。

異分野の人にありがちな抽象的で自己満足的な作品かも、
という偏見を見事に裏切ってくれた映画でした。

ただ随所に「ああ、やっぱりデザイナーだなぁ」と思わせるシーンが
点綴されていたところにアニエス・ベーを感じさせました。

タイトルの「私の名前は・・・」je m’appelle hmm….

セリーヌ自身、楽しげにふるまいながらも
トラック運転手との旅をただ天真爛漫に喜んでいたわけではなく、
少女らしからぬ、
とはいえ、やはり12歳の少女らしい思いを表しているのかもしれません。
Hmm





ブログランキングに参加しています。今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆10月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

わたしの名前は・・・
監督・脚本/アニエス・トゥルブル(アニエスベー)、協力/ジャン=ポル・ファルゴー、撮影/アニエス・トゥルブル、ジャン=フィリップ・ブーイエ、ゲストカメラマン/ジョナス・メカス、製作/ラブストリームス・アニエスベー・プロダクション、クリストフ・オドゥギ
出演
ルー=レリア・デュメールリアック/セリーヌ、シルヴィー・テステュー/母、ジャック・ボナフェ、ダグラス・ゴードン/トラック運転手、ノエミー・デュクロー/妹、エミール・ゴーティエ/弟、マリー=クリスティーヌ・バロー、亜弥/女性舞踏手、雫境(ダケイ)/男性舞踏手、アントニオ・ネグリ/放浪の哲学者
10月31日(土)渋谷アップリンク、角川シネマ有楽町ほか全国順次公開
2013年、フランス、121分、カラー、一部モノクロ、提供/アニエスベー、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/mynameis/

by Mtonosama | 2015-10-19 05:05 | 映画 | Comments(6)

わたしの名前は・・・
-1-
je m’appelle hmm….

f0165567_5502636.jpg

(C)Love streams agnès b. Productions


映画好きでつとに有名なデザイナー。
あのagnès b.(アニエス・ベー)がとうとう監督として映画作品を世に送り出しました。

アニエス・トゥルブレの本名で
監督のみならず脚本も撮影も美術も担当しています。
すごいですね。

え~、私、最近ミニマリストとしてデビューしまして、
(っていうか、ただお金がないってことですが)
服もバッグも何も買わないのですが、
昔はagnès b.のカーディガンも持っていました。
あ、そういえばバッグもあります。
とはいえ、カーディガンは母から
バッグは妹からもらったお古ですけどね。
スウェット素材のジャケットはシンプルで着やすく、
バッグも軽くて持ちやすく好きです。

でも、今日はファッションのagnès b.ではなく
映画監督のアニエス・トゥルブルの登場です。

f0165567_5523420.jpg

彼女、これまでにデヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』や
クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』ほか
話題の映画で衣装をデザインするだけでなく、
自分自身の映画製作会社
ラブストリームス・アニエスベー・プロダクションズも設立しています。

アニエス・ベー

アニエス・ベーは、1941年にフランス・ヴェルサイユで弁護士の娘として生まれる。本名アニエス・トゥルーブレ。美術館のキュレーターを目指して、ヴェルサイユ美術学校に進学。美術学校卒業後の17歳のときにクリスチャン・ブルゴワと結婚し、長男を出産するもののすぐに離婚。その後、1964年に雑誌出版社のELLEに入社して編集者となり子供向けのファッションを担当する。同社退社後は「ドロテビス」でスタイリストを2年経験、フリーの立場で「ピエール・ダルビー」でデザイナーを経験。
1975年に自らのファッションブランドとしてアニエス・ベーを立ち上げ、フランス・パリのレ・アール地区にブティックをオープン。1980年には、ニューヨークに2号店を出店。その後、オランダ・イギリス・日本・香港・スイスなどにも進出し世界中に店舗を持つブランドに成長した。
チャリティーにも熱心で、日本赤十字社、エイズ撲滅活動やサラエヴォやコソボに対する支援を行う。阪神・淡路大震災の際にも、Tシャツを販売して収益を支援活動にあてた。また、北極探検隊から始まり、2009年からは微小生物によるCO2吸収の調査を行ったTara expeditionの主な支援者である。(Wikipediaより)

f0165567_554651.jpg


皆さまもよくご存知の通り、アニエス・ベーはこんなすごい方です。
この他にも、各号ごとにひとりのアーティストを取り上げる無料のアート機関誌
「ポワンディロニー」を出版するなど、
常にファッション以外でも芸術的な表現の手段を探し求めています。

本作はそんな彼女が数日で書きあげた脚本『わたしの名前は…』を2012年から13年に撮影したもの。
第70回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ部門で上映された他、
ニューヨークやアブダビなどの有名な映画祭で上映されました。
サラエヴォ映画祭の設立時からの援助と現地での映画産業への発展への貢献が認められ、
「サラエヴォの心の名誉賞」を授与されています。

最近では映画の支援、振興、保護に対してアンリ・ラングロワ賞を受賞しました。
とまあ、アニエス・べーのことだけでいっぱいになってしまいました。
次回は映画の方をご紹介します。
乞うご期待でございますことよ。



今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆10月16日に更新しました。いつも応援してくださっている皆さん本当にありがとうございます☆

わたしの名前は・・・
監督・脚本/アニエス・トゥルブル(アニエス・ベー)、協力/ジャン=ポル・ファルゴー、撮影/アニエス・トゥルブル、ジャン=フィリップ・ブーイエ、ゲストカメラマン/ジョナス・メカス、製作/ラブストリームス・アニエスベー・プロダクション、クリストフ・オドゥギ
出演
ルー=レリア・デュメールリアック/セリーヌ、シルヴィー・テステュー/母、ジャック・ボナフェ、ダグラス・ゴードン/トラック運転手、ノエミー・デュクロー/妹、エミール・ゴーティエ/弟、マリー=クリスティーヌ・バロー、亜弥/女性舞踏手、雫境(ダケイ)/男性舞踏手、アントニオ・ネグリ/放浪の哲学者
10月31日(土)渋谷アップリンク、角川シネマ有楽町ほか全国順次公開
2013年、フランス、121分、カラー、一部モノクロ、提供/アニエスベー、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/mynameis/

by Mtonosama | 2015-10-16 06:01 | 映画 | Comments(4)