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殿様の試写室

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わたしは、ダニエル・ブレイク
-2-

I,Daniel Blake


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(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016


59年間、真面目に生きてきたダニエル・ブレイク。
大工の仕事に誇りを持ち、仲間たちからの信頼もあつく、
病気の妻を介護の末に亡くしてからも規則正しく暮らしてきました。
アパートの隣室のちゃらんぽらんなアフリカ移民のおにいちゃんに
ごみの出し方を教え、留守がちの彼のために荷物の受取人になったりしながら、
日々を送っています。

そんな彼が心臓発作を起こし、医者から仕事を止められました。

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ストーリー
ドクターストップをかけられたダニエルは国から雇用支援手当を受けることに。
今日はその継続審査の日。
事務的に職員が訊ねるのは
「腕が上がりますか?」「指は曲がりますか?」
といった心臓病とは関係ないことばかり。
思わず「カルテを読めよな」と答えるダニエル。
数日後「就労可能、雇用支援手当は中止」という通知書が届く。
憤慨したダニエルは窓口に電話をするが、延々と待たされ、
返ってきた言葉は「認定人からの電話を待て」の一言のみ。

結局、病身でも就労活動をせざるを得ず、職業安定所を訪れたダニエル。
求職者手当の申請をするように指示されるが、申し込みはオンラインのみ。
だが、彼はPCなど触れたこともない。
途方に暮れていると、若い女性の叫び声が――

その女性は約束の時間に遅れたために
給付金を受け取れず、さらに違反審査にかけると言い渡されたケイティ。

彼女が遅刻したのは引っ越してきたばかりで道に迷ったため。
ところが担当者は一切聞き入れようとしない。
幼い子供を2人連れた彼女に同情し、ダニエルも加勢するが、
一緒に追い出されてしまう。

買い物に付き合い、荷物も持ってくれたダニエルに身の上話をするケイティ。
ロンドンに住んでいた時、大家に雨漏りがすると言ったら、
追い出され、ホームレスの施設で2年間過ごすことになった。
母子3人での1部屋暮らしも限界となり、役所から紹介されたのが
ここニューキャッスルの古い住まい。
ケイティは通信制大学への復学を希望しているが、
電気代さえ払えない日々だ。

大工のダニエルは家を修理し、トイレを直し、何かとケイティを助け、
子どもたちもすっかり彼に懐くようになった。
一方、仕事もなくいよいよ困ったケイティは
食料と日用品が支給されるフードバンクへ行く。
ダニエルに付き添われ、長い行列に並ぶ彼女。
だが、自分の順番が回ってきた時、
あまりの空腹に我を失い、
手にした缶詰をその場で貪るように食べてしまった――
惨めさに泣き出すケイティ。

ダニエルの雇用支援手当支給の再審査の結果が出た。
またもや判定は就労可能。
心臓病で働くことはできないのにも関わらず、
現在のダニエルの唯一の収入源となる求職手当を受け取るには
求職活動を続けるしかない。
この矛盾、欺瞞……

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その後、スーパーで生理用品を万引きし、警備員にみつかってしまうケイティでしたが、
同情した警備員からいかがわしい場所を紹介されたり、
事態は悪い方へ悪い方へと向かうかに見えます。

心臓に爆弾を抱え、役所の理不尽な扱い故に、窮地に追い込まれているダニエル。
しかし、ケイティ同様困り果てている筈のダニエルが
ケイティ母子に向ける暖かい視線と友情。

まさに英国人魂!と精神論に帰するのはシンプル過ぎるかもしれません。
でも、魂はダニエルの中に居場所を見つけたのでしょう。
もうラストの展開は涙なくして観ることはできません。

ケン・ローチ監督、まさに名匠であり、映画の職人です。
しみじみと涙し、ほんの少し笑い、そして、大きな感動をくれた作品でした。

ああ、ケン・ローチ監督、いつまでも映画を撮り続けてほしい。







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わたしは、ダニエル・ブレイク
監督/ケン・ローチ、脚本/ポール・ラヴァティ、撮影/ロビー・ライアン
出演
デイヴ・ジョーンズ/ダニエル・ブレイク、ヘイリー・スクワイアーズ/ケイティ、ディラン・フィリップ・マキアナン/ディラン、ブリアナ・シャン/デイジー、ケイト・ラッター/アン、シャロン・パーシー/シェイラ、
ケマ・シカズウェ/チャイナ
3月18日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
2016年、イギリス、フランス、ベルギー、英語、100分、日本語字幕/石田泰子、
提供/バップ、ロングライド、配給/ロングライド、http://danielblake.jp/

by Mtonosama | 2017-03-15 05:19 | 映画 | Comments(4)

わたしは、ダニエル・ブレイク
-1-

I,Daniel Blake

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(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016


もう隠居生活に入る筈だった名匠ケン・ローチが
怒りのあまり再び映画を制作しました。

怒りは創作のエネルギーだっ!

というわけで、
当試写室では『わたしは、ダニエル・ブレイク』を上映します。

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前作『ジミー、野を駆ける伝説』('14)で
http://mtonosama.exblog.jp/23414571/ http://mtonosama.exblog.jp/23425830/
映画監督を辞めるつもりでいたケン・ローチ監督でしたが、
どうしても撮らなくてはいけない作品があると
引退宣言を取り下げました。
それが本作『わたしは、ダニエル・ブレイク』です。

そして、
それが2016年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。

いえ、賞を取ったか取らないかは関係ありません。
本作に漲る彼の枯れることのない反骨精神に
心の底から拍手大喝采です。

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ケン・ローチ監督
1936年6月17日、イングランド中部・ウォリックシャー州生まれ。
父は電気工、母は仕立屋。高校卒業後、2年間の兵役につき、
オックスフォード大学に進学し、法律を学ぶ。
卒業後、劇団の演出補佐を経て、
1963年、BBCテレビの演出訓練生になり、
1966年、「キャシー・カム・ホーム」で初めてTVドラマを監督。
1967年、『夜空に星のあるように』で長編監督映画デビュー。
1969年、2作目『ケス』でカルロヴィヴァリ映画祭グランプリ受賞。
その後、ほとんどの作品が世界三大映画祭などで高い評価を受けている。
カンヌ国際映画祭では『ブラック・ジャック』(’79)、『リフ・ラフ』(’91)、
『大地と自由』(’95)が国際批評家連盟賞を、
『ブラック・アジェンダ/隠された真相』(‘90)、『レイニング・ストーンズ』(’93)、
『天使の分け前』(’12)が審査員賞を受賞。
http://mtonosama.exblog.jp/19187590/ http://mtonosama.exblog.jp/19205432/
労働者や社会的弱者に寄り添った人間ドラマを描いた作品で知られる。
『ジミー、野を駆ける伝説』('14)を最後に引退すると宣言していたが、
現在のイギリスや世界中で拡大し続ける格差や貧困の現実を目の当たりにし、
どうしても伝えたい物語として本作を制作。
『麦の穂を揺らす風』(’06)に続く2度目のパルムドールを受賞。
同賞の2度受賞はミヒャエル・ハネケらと並ぶ最多受賞記録。
2017年、長編監督映画デビュー50周年を迎えた。

「生きるためにもがき苦しむ人々の普遍的な話を作りたいと思った」という監督。
死に物狂いで助けを求めている人に対して、
国はわざわざ煩雑な手続きを用意して、事態を非能率的にしています。
そうやって「働かないとこうなるぞ。仕事をみつけないなら苦しめ」
と言わんばかりのことをしているのをその目で見た怒りが
本作を作る原動力になったといいます。

主人公ダニエル・ブレイクとシングルマザーのケイティが出会った職業安定所。
ここはもうダニエルやケイティのような人に
仕事を紹介し、力を貸す場所ではありません。
それどころか、彼らの行く手を阻む関門でした。

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職業安定所やフードバンクにやって来るダニエルやケイティ。

本作の主人公は
今ぎりぎりのところで生きている多くのダニエルであり、ケイティなんです。

さあ、監督の怒りがいかなる名作を生み出しているのでしょう。
続きは映画館でお楽しみください。

あ、その前に後編もご覧くださいね。



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わたしは、ダニエル・ブレイク
監督/ケン・ローチ、脚本/ポール・ラヴァティ、撮影/ロビー・ライアン
出演
デイヴ・ジョーンズ/ダニエル・ブレイク、ヘイリー・スクワイアーズ/ケイティ、ディラン・フィリップ・マキアナン/ディラン、ブリアナ・シャン/デイジー、ケイト・ラッター/アン、シャロン・パーシー/シェイラ、
ケマ・シカズウェ/チャイナ
3月18日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
2016年、イギリス、フランス、ベルギー、英語、100分、日本語字幕/石田泰子、提供/バップ、ロングライド、配給/ロングライド、http://danielblake.jp/

by Mtonosama | 2017-03-12 05:07 | 映画 | Comments(10)