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殿様の試写室

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タグ:アレクサンダー・フェーリング ( 3 ) タグの人気記事


顔のないヒトラーたち -3-
Im Labyrinth des Schweigens


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(C)2014 Claussen+Wobke+Putz Filmproduktion GmbH / naked eye filmproduction GmbH & Co.KG


異例の3編ものとなってしまいました。
前回、トーマスにオフィスから資料を盗まれたヨハンですが・・・

ストーリー
トーマスは無断で記事を書いたお詫びにヨハンをホームパーティに誘った。
そこで交通違反の罰金を立て替えて上げたことのあるマレーネと再会。
その晩、酔いつぶれたシモンをトーマスと共に自宅まで送り届けた彼は
そこで、ものすごいものを発見する。
シモンがアウシュヴィッツから持ち帰った実名入りの親衛隊員の資料だ。

その一部を持ち帰ったヨハンはすぐさまバウアー検事総長に報告。
本格的に調査の指揮を命じられた。
膨大な文書の山を1つ1つ調べ、被害者と証言者の名前をリストアップ。
国際アウシュヴィッツ委員会事務局長ヘルマン・ラングバインの援助を受け、
ついに最初の証人を尋問する。
その証言によりヨハンはアウシュヴィッツで行われた犯罪が
いかに広範囲にわたっていたかを知ることになった。

米軍のドキュメントセンターには60万人分のSSのファイルがある。
その内アウシュヴィッツで働いていた8000人全員が容疑者だった。
ヨハンは住所から容疑者を特定するため、
ドイツ全域の電話帳を調べ始めた。
バウアー検事総長はオットー・ハラー検事をチームに加え、
秘書のエリカ・シュミットも加わった。
3人の実働メンバーで調査を続けるヨハンに、ある検事正は
「息子たちが父親に加害者だったのかと問い詰めるのか?」と詰め寄る。
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証言を要請するため、シモンを訪れたヨハンは
彼の娘たちからメンゲレ医師が行った人体実験の話を聞く。
メンゲレこそアウシュヴィッツの象徴と考えたヨハン。
南米に逃亡中のメンゲレが帰独していることをつきとめ、
彼の父親の葬儀の場での拘束を試みる。
だが、連邦情報局の協力を得られず、後一歩というところで逃してしまう。

「メンゲレは国に守られている。彼から手をひけ」と言うバウアー検事総長。
ナチス時代、多くの罪はごく普通のドイツ人によってなされていたのだ。
その後、地道な調査と生存者の証言によって
アウシュヴィッツの元所長や親衛隊員たちが逮捕された。
しかし、誰ひとり謝罪の態度を示すものはいなかった。

ある日、ヨハンは母親から父について衝撃的な事実を告げられる……

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そして、映画は
ドイツの歴史認識を大きく変えたアウシュヴィッツ裁判の開廷で幕を閉じるのですが、
いや、ドイツ人自身が自分たちの犯罪を裁いたというところがすごいです。

当時のアデナウアー首相もあの事実に蓋をしていきたいと思っていた時代です。
上司が主人公に
「きみは自分の父の犯罪をそうやって暴き立てるのか」
と糾弾するシーンがありました。
これ重いです。

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昔観た『ミュージック・ボックス』(‘89)という映画に同様なシーンがあり、考え込んでしまいました。
「Z」コスタ=ガヴラス監督作品。
ユダヤ人虐殺犯としての疑いをかけられたハンガリー移民の父の弁護を受け持った
女性弁護士の葛藤と、事件の裏側に潜む真実をサスペンスフルに描いたもの。
ミュージック・ボックス(オルゴール)の中から出てきた写真が衝撃的でした

自分は父を裁くことはできない、
しかし、それはホロコーストを容認することになるのだし・・・
自分なら、と思うととてもつらいです。
だから、自国の、それも、近い過去の犯罪を裁くというのは確かに非常に重い行為だと思います。

ドイツもニュルンベルグ裁判というドイツの戦争犯罪を裁いた
国際軍事裁判を経験しています。
東京裁判と並び、二大国際軍事裁判の1つです。

他国によって裁かれるのみではなく、自分たち自身の手で自らを裁くこと。
謝り続け、過去を決して忘れないこと。
このアウシュヴィッツ裁判がなければ、今ドイツはどんな国になっていたことでしょう。

しかし、こんな重い映画なのに、痛快に楽しませてくれるところもいいです。
アレクサンダー・フェーリング、男をあげました。





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顔のないヒトラーたち
監督/ジュリオ・リッチャレッリ、脚本/エリザベト・バルテル、ジュリオ・リッチャレッリ、製作/ウリ・プッツ、サビーヌ・ランビ、ヤコブ・クラウセン、撮影/マルティン・ランガー、ロマン・オーシン
出演
アレクサンダー・フェーリング/ヨハン・ラドマン、アンドレ・シマンスキ/トーマス・グニルカ、フリーデリーケ・ベヒト/マレーネ・ウォンドラック、ヨハネス・クリシュ/シモン・キルシュ、ハンシ・ヨクマン/エリカ・シュミット、ヨハン・フォン・ビューロー/オットー・ハラー、ロベルト・フンガー・ビューラー/ウォルター・フリードベルク、ルーカス・ミコ/ヘルマン・ラングバイン、ゲルト・フォス/フリッツ・バウアー
10月3日ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸他全国ロードショー
2014年、ドイツ、123分、配給/アット エンタテインメント、字幕/安本煕生、http://kaononai.com/

by Mtonosama | 2015-10-02 05:37 | 映画 | Comments(10)

顔のないヒトラーたち -2-
Im Labyrinth des Schweigens

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(C)2014 Claussen+Wobke+Putz Filmproduktion GmbH / naked eye filmproduction GmbH & Co.KG


2015年1月、ナチス虐殺被害者の追悼式典で、メルケル首相は語りました。

「ナチスはユダヤ人への虐殺によって人間の文明を否定しました。
その象徴がアウシュヴィッツです。
私たちドイツ人は恥の気持でいっぱいです。
何百万人もの人々を殺害した犯罪を見て見ぬふりをしたのはドイツ人自身だったからです。
私たちドイツ人は過去を忘れてはいけません。
数百万人の犠牲者のために過去を記憶していく責任があります」

安倍さん、聞いてましたか?
記憶するためには学ばなければなりませんのよ。

あ、すいません。
つい腹が立って。

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前回は、一人のジャーナリストが、アウシュヴィッツ収容所・元親衛隊員が
学校教師をしていることを知ったというところまでお話しました。

その後、若き検事ヨハンが様々な圧力や苦悩を抱えながら
アウシュヴィッツで犯したナチスの犯罪の詳細を
生存者の証言や実証を基に明らかにして行きます。
実に感動的であります。

主役の若き検事ヨハンを演ずるのは
『ゲーテの恋』でゲーテを演じたドイツの誇るイケメン俳優
http://mtonosama.exblog.jp/16661792/ http://mtonosama.exblog.jp/16675792/
アレクサンダー・フェーリング。
若き、というところが重要です。
もし、とのの好きなモーリッツ・ブライプトロイなんかだと
ちょっと歳がいきすぎちゃいますからね。

このアレクサンダーくん、
1981年生まれですからブライプトロイより10歳も若い34歳。
若いだけでなくお顔立ちがとても端正でありながら華やかでございましょ?
この華やかさと美しさが
暗い時代のドイツの暗い部分を深刻なだけではなく、
ハラハラドキドキ夢中にさせて、ラストには感動の涙が頬を伝う映画にしあげています。

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まあ、まずはストーリーにいってみましょう。

ストーリー
1958年、フランクフルト。戦後13年。ドイツは経済復興の真っただ中。
人々もあの忌まわしい戦争を忘れつつあった。

新米の検事ヨハン・ラドマン。
意欲も野心も満々だが、担当する裁判は交通違反ばかり。
ところが、交通違反で出廷した女性マレーネ・ウォンドラックに一目惚れ。
彼女の罰金額の一部を法廷で立て替えた。

ジャーナリストのトーマス・グニルカ。
彼は友人のシモン――戦争中アウシュヴィッツに収容されていたユダヤ人――
から、元親衛隊(SS)にいた男が違法に教師をしていることを聞き、
検察庁のロビーでその苦情を申し立てた。
だが、検察官はアウシュヴィッツのことを知らず、トーマスの話に耳を傾ける者もいない。
ただ一人ヨハンは彼の話に関心を示し、調査を始めた。

調査の結果、その男がアウシュヴィッツの親衛隊であったことが確認され、
ヨハンは検察官の定例会議で報告。検事正はしぶしぶ文部省への確認を約束。

しかし、トーマスはヨハンを信じなかった。
ヨハンも他の同世代の人々と同じく”アウシュヴィッツ“の実態を知らないことに
「史上最悪の残虐行為は忘れ去られてしまった」と嘆くのだった。

トーマスはヨハンのオフィスから書類を盗み出し、
ルントシャウ紙に「闇に葬られたスキャンダル」と題した記事を発表する。
その責任を問われ、検事総長フリッツ・バウアーに呼び出されたヨハン。
状況を説明する一方で、
バウアー検事総長から政府機関内には未だにナチ党員がいること。
確かに殺人が行われたという証拠がなくては、
戦争犯罪者を裁くことはできないのだと知らされる・・・

まだまだストーリーは続きます。
しかし、当試写室の容量不足のため、異例ではありますが、
またも続きとさせていただきます。

次回いよいよ最終編。
乞うご期待でございます。



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顔のないヒトラーたち
監督/ジュリオ・リッチャレッリ、脚本/エリザベト・バルテル、ジュリオ・リッチャレッリ、製作/ウリ・プッツ、サビーヌ・ランビ、ヤコブ・クラウセン、撮影/マルティン・ランガー、ロマン・オーシン
出演
アレクサンダー・フェーリング/ヨハン・ラドマン、アンドレ・シマンスキ/トーマス・グニルカ、フリーデリーケ・ベヒト/マレーネ・ウォンドラック、ヨハネス・クリシュ/シモン・キルシュ、ハンシ・ヨクマン/エリカ・シュミット、ヨハン・フォン・ビューロー/オットー・ハラー、ロベルト・フンガー・ビューラー/ウォルター・フリードベルク、ルーカス・ミコ/ヘルマン・ラングバイン、ゲルト・フォス/フリッツ・バウアー
10月3日ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸他全国ロードショー
2014年、ドイツ、123分、配給/アット エンタテインメント、字幕/安本煕生、http://kaononai.com/

by Mtonosama | 2015-09-30 05:02 | 映画 | Comments(2)
                  ゲーテの恋  
          ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~ -1-
                         GOETHE!

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(C) 2010 Senator Film Produktion GmbH / deutschfilm GmbH /Warner Bros. Entertainment GmbH / SevenPictures Film GmbH / Erfttal Film- und Fernsehproduktions GmbH & Co. KG / Goldkind Filmproduktion GmbH & Co. KG / herbX film Film- und Fernsehproduktion GmbH / Summerstorm Entertainment GmbH / magnolia Filmproduktion GmbH / CC Medienproduktions- und Verwaltungs GmbH

                    「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」                         
                         なんて川柳がございます。
                     Goetheの著作が初めて日本に入ってきたとき、
           当時の日本人はGoetheを日本語でどう表記するのか、たいそう困ったでしょうね。

                     今でこそ、ゲーテといえばすんなり通りますが、
           その昔、明治政府のお抱えでやってきたドイツ人が、Goetheと発音したとしても、
                       ざんぎり頭になったばっかりの日本人は
          「えっ、ギョエテ?グエーテ?ゲョエテ?なんのこっちゃねん。もー、ゲーでんがな」
                              と言ったかどうか。
                   いずれにしても、さぞ聞き取りにくかったことと思います。

             そんなこんなで斎藤緑雨さんも「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」と
                           詠みたくなったのでしょう。

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               さて、現代人のわたしたちはゲーテと聞いて、何を思い浮かべるか。
                       70歳を過ぎて17歳の少女に恋をしたこと?
            それとも臨終時につぶやいたという”Mehr Licht!”(もっと光を)という言葉?

             とのが持っているゲーテのイメージは、イタリア好きで、女の子が大好きな、
                           好き好き爺さんなんですが。

          しかし、そんな好々爺ゲーテにも、人生につまずき、自慢の文才もこっぴどくけなされ、
           父親の敷いたレールに乗らざるをえない、という、まあ、若い頃には誰でも味わう
                          ほろ苦い時期もあった訳でして。

             本作「ゲーテの恋」は、そんな誰でもが経験する青春の日々を描いた映画。
                ただ、甘く、酸っぱく、また、かなり苦く、切なかった青春が
           「若きウェルテルの悩み」の上梓とその大ヒットという香しくも誇らしい成功の時を
                もたらしてくれたところが並みの青春と違うところですが。

f0165567_5574185.jpgヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年8月28日 - 1832年3月22日)はドイツの詩人、劇作家、小説家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家。ドイツを代表する文豪であり、小説『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広い分野で重要な作品を残した。
その文学活動は大きく3期に分けられる。初期のゲーテはヘルダーに教えを受けたシュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒涛:18世紀後半にドイツで起こった反合理主義的文学運動)の代表的詩人であり、25歳のときに出版した『若きウェルテルの悩み』でヨーロッパ中にその文名を轟かせた。その後ヴァイマル公国の宮廷顧問(その後、枢密顧問官・政務長官つまり宰相も勤めた)となりしばらく公務に没頭するが、シュタイン夫人との恋愛やイタリアへの旅行などを経て古代の調和的な美に目覚めていき、『エグモント』『ヘルマンとドロテーア』『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』などを執筆、シラーとともにドイツ文学における古典主義時代を築いていく。
シラーの死を経た晩年も創作意欲は衰えず、公務や自然科学研究を続けながら『親和力』『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』『西東詩集』など円熟した作品を成した。大作『ファウスト』は20代から死の直前まで書き継がれたライフ・ワークである。ほかに旅行記『イタリア紀行』、自伝『詩と真実』や、自然科学者として「植物変態論」『色彩論』などの著作を残している。(Wikipediaより)


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        こんな大人物のゲーテですから、ずいぶん映画には描かれたのだろう、と思いきや、
                なんとこれまでに彼を描いた映画は皆無なのだとか。

                     プロダクション・ノートによれば、
   「ゲーテは裕福な家の出身で顔立ちが美しく、社会的にも成功を収め、万能の天才だったので、
               映画にするには面白みがないと思われたのだろう」
                           とありました。

                  たしかに、何も持っていない立場の者としては、
        富も名誉も才能も美も持っている人の話に素直に耳を傾ける気にはなりません。
     だから、並みの人と同様あまり冴えなかったゲーテの青春時代を描くことにしたのでしょうか。
             (でも、充分に恵まれた日々のようにも思えるんですけどね)

         ま、どんなお話かは、次回までお待ちくださいませ。乞うご期待でございますよ。

                               

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ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~
監督/フィリップ・シュテルツェル、製作/クリストフ・ムーラー、ヘルゲ・ザッセ、脚本/フィリップ・シュテルツェル、クリストフ・ムーラー、アレクサンダー・ディディナ、撮影監督/コーリャ・ブラント、衣装/ビルジット・フッター、美術/ウド・クラマー、音楽/インゴ・L・フレンツェル
出演
アレクサンダー・フェーリング/ヨハン・ゲーテ、ミリアム・シュタイン/シャルロッテ・ブフ、モーリッツ・ブライブトロイ/アルベルト・ケストナー、フォルカー・ブルッフ/イェルーザレム、ブルクハルト・クラウスナー/シャルロッテの父、ヘンリー・ヒュプヒェン/ゲーテの父、ハンス・ミヒャエル・レーベルク/カマーマイヤー、リン・ロイセ/アンナ・ブフ
10月29日(土)TOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次ロードショー
2010年、ドイツ、105分、配給/ギャガGAGA★、後援/ドイツ連邦共和国大使館、http://goethe.gaga.ne.jp/

by mtonosama | 2011-10-09 05:53 | 映画 | Comments(11)