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                   ANPO -1-

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                            中村宏さん

ANPOです。
漢字で書けば安保です。
正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/pdfs/jyoyaku.pdf
略して日米安全保障条約。
1960年6月19日、大半の日本国民の反対を圧し切り、死者まで出して成立した条約です。

それから半世紀。

日本で生まれ育ったアメリカ人、リンダ・ホーグランド監督が
日本人としてでもなく、アメリカ人としてでもない独自の視線で、
そして日本とアメリカの双方向からの視線で、
安保、沖縄、基地、日米関係をみつめ、
画家、舞台芸術家、映画人、写真家などの作品を通し、
彼らとのインタビューを通じて、
映画「ANPO」をつくりました。

皆さまは「60年安保」と聞くと、どんな映像を思い浮かべますか?
おそらくはモノクロ画面の中に白いシャツと黒いズボンをはいた学生たちと
およそデモには不向きな洋服を着た女性たちが道路を埋めている光景だと思います。
彼らが向かう先は国会であり、
その国会も現在のように背後に高いビルを控えた姿ではなく、
ひとりドーンと建っています。

ですが、「ANPO」では、
例えば、
横尾忠則さんが、
写真家・石内都さんが、
歌手・加藤登紀子さんが、
美術家・会田誠さんが、
版画家・風間サチコさんが、
作品の前で、安保について、沖縄について、戦争について、アメリカについて、そして、日本について
語ります。

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                       風間サチコさん

実は会田さんも、風間さんも、安保世代ではありません。
それどころか1960年にはまだ生まれていない人たちです。

日米安全保障条約
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(英:Treaty of Mutual Coopera-
tion and Security between the United States and Japan、昭和35年条約第6号)は、
日本とアメリカ合衆国の安全保障のため、日本にアメリカ軍(在日米軍)を駐留することなどを定めた二国間条約のことである。
通称日米安全保障条約、(日米)安保条約、日米安保と呼ばれる。
1960年(昭和35年)1月19日に、ワシントンD.C.で締結された。日米同盟の根幹となっている。
1951年9月8日にサンフランシスコ平和条約と同日に、日米間で締結された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧安保条約)を形式的には失効させて成立しているが、
旧安保条約に基づくアメリカ軍の駐留を引き続き認めており実態的には改定とみなされ、
これにより60年安保条約ともいわれる。(Wikipedia)

安保は50年前に結ばれた過去の条約ではなく、今も発効し続けており、
普天間をはじめとした基地問題はここから始まっているのですから、
“安保を知らないこどもたち”(「戦争を知らない子どもたち」という歌がありましたね)こそ、
戦争について、安保について、大いに語らなくてはいけないのだと思います。

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でも、60年安保といえば、デモであり、国会であり、
太い黒ぶちの眼鏡をかけたおじさんたちが偉そうにしゃべる、というイメージ、
そしてきわめて政治的なイメージしか持ち合わせていなかったとのにとって、
アーティストがそれぞれに自分の言葉で語る「ANPO」は新鮮でした。

この新鮮な「ANPO」をつくったリンダ・ホーグランドさんって、
一体どんな人なのでしょう。

彼女、映画業界人の間では、海外映画祭に出品する際の通訳や英語字幕翻訳者として
知られるアメリカ人。日本で生まれ育っています。
〈当然ながら日本語はペラペラです。満員の試写室に挨拶のため、
顔を出した彼女の日本語の達者だったこと!〉
彼女は字幕翻訳の仕事を通じて、日本映画を深く知れば知る程、
“60年安保”が当時の映画監督に大きな影響を与えていることに気付きました。
そんな監督として、深作欣二監督、川島雄三監督、大島渚監督などの作品も
「ANPO」には登場します。

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リンダ・ホーグランドさんは宣教師のお嬢さんとして山口県と愛媛県で育ち、
地元の小・中学校へ通学したので、
日本の戦争については日本人と一緒に学び、
原爆についても小学校4年生のとき、教室で学びました。

原爆の話の後、同級生たちが一斉に彼女のことをふりかえって見たそうです。
同級生のリンダちゃんが原爆を落としたアメリカと同じ国の人間だということに
ビックリしたんでしょうね。
監督も、自分の国が行ったむごたらしい行為に、子どもながら罪の意識を持ち、
教室から逃げ出したい気持ちだったということです。

プロデューサーを担当した前作「TOKKO ―特攻―」 (2007)、そして今回の「ANPO」
監督の映画づくりの背景にはそのときの体験が大きく影を落としています。

“安保を知らない子どもたち“にとっては、
リンダ・ホーグランドさんのような外国人の眼を通して描かれたANPOの方が
すんなり入ってくるのかもしれません。

さ、リンダさんは、沖縄、基地、日米関係をどのように描いてくれたのでしょうか。
アーティストたちは1960年どのように安保に関わったのでしょうか。
乞うご期待です。





                             

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♪8月27日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪

ANPO
監督・プロデューサー/リンダ・ホーグランド、撮影/山崎裕、編集/スコット・バージェス、音楽/武石聡、永井晶子
出演・作品
会田誠、朝倉摂、池田龍雄、石内都、石川真生、嬉野京子、風間サチコ、桂川寛、加藤登紀子、串田和美、東松照明、富沢幸男、中村宏、比嘉豊光、細江英公、山城知佳子、横尾忠則
出演
ティム・ワイナー、半藤一利、保阪正康
作品
安部合成、石井茂雄、井上長三郎、市村司、長濱治、長野重一、浜田友明、濱谷浩、林忠彦、丸木位里、丸木俊、森熊猛、山下菊二
9月18日(土)より渋谷アップリンク、横浜シネマ、ジャック&ベティ他全国順次公開
2010年、89分、アメリカ・日本、配給/アップリンク
http://www.uplink.co.jp/anpo/

by mtonosama | 2010-08-27 06:30 | Comments(6)