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タグ:イザベル・カレ ( 2 ) タグの人気記事


奇跡のひと ~マリーとマルグリット~
-2-
MARIE HEURTIN

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(C)2014 - Escazal Films / France 3 Cinema - Rhone-Alpes Cinema


三重苦で生まれたマリー・ウルタン。
しつけも教育もいっさい受けることなく10歳まで育った彼女。

映画はもう少しおねえさんになった彼女が
父に連れられ修道院へやってくるシーンから始まります。

髪はブラシも通さないほどグシャグシャ
着ているものは不潔そうなボロ。

始まりからなにやら不穏な雰囲気です。

さあ、いったいどんなお話でしょうか。

ストーリー
聴覚障がいを持つ少女たちを教育するラルネイ聖母学院に、
父親に負われておびえた動物のような少女がやってきた。
生まれた時から目も耳も不自由な彼女だが、見知らぬところに連れてこられた恐怖心から、
父親が少し目を離したすきに園庭を逃げ回り、大きな木によじのぼってしまった。
この様子を見ていた学院長は盲聾唖の子どもはこの学院の手には負えない、と
父娘を帰してしまう。

だが、少女を木から下ろした修道女のマルグリットは
少女の放つ魂の輝きに魅せられていた。
そして少女マリーの教育係になりたいと院長に訴えるのだった。

マルグリットに背負われて学院へと連れてこられたマリー。
この日から二人の激しい教育が始まった。
マリーはテーブルに着席して食事をとることができない。
もちろん食事は手づかみ。
お風呂を嫌がり、怖がる様子はまるで野生動物。
新しい服にも着替えようとはしない。
マリーとの肉弾戦にも似た教育は4ヶ月経っても進歩どころか後退にも思え、
マルグリットの意気を阻喪させる。

そんなマリーも次第次第に人間らしさを見せるようになってきた。
食事の時にはナイフもフォークも使えるようになり、
入浴もできるように。

だが、生まれた時から耳が聴こえないマリーはものには名前があることを理解できない。
マルグリットはマリーが家から持ってきたお気に入りのナイフを使って
「ナイフ」という言葉を何度も何度も発音して教える。

マリーが学院にやってきて8ヶ月過ぎた時、奇跡が起きた。
ナイフが「ナイフ」であると理解できたのだ。
最初の1語には時間がかかったが、その後、単語、形容詞、文章、文法と
乾いた砂が水を吸い込むように言葉を理解していくマリー。
面会に来た両親に自分の名前のスペルをアルファベットを使って正しく並べ、
「愛している」と手話で伝えるマリーを見て父も母も感激の涙を流す。

日に日に成長するマリー。
しかし、不治の病を負うマルグリットは医師から静養を命ぜられる。
それでも、彼女はマリーと共に生きる道を選ぶ。
それはマリーにとっては困難で悲しい言葉の意味を学ぶことを意味していた……

マリーはその後ラルネイ聖母学院で後輩たちを指導し、
アンヌ=マリー・ポワイエという少女にブライユ点字を教えたという記録も残っています。
しかし、36歳の若さで亡くなりました。

短い人生でありながら、マルグリットと出会い、教育を受けたことで
祭壇のろうそくのように赤々と燃え、人間としての素晴らしい生を生きることができたマリー。

この困難な役を熱演したのはアリアーナ・リヴォワール。
フランス・オーベルニュ生まれの20歳。
ジャン=ピエール・アメリス監督に見出され、本作でデビューしました。
彼女自身、耳が不自由で国立聾学校の寄宿生ですが、
バカロレアも取得しました。

彼女の捨て身の演技も本作を大いに輝かせています。

野生動物のようだった彼女が人へと変わっていく様子は
教育の大切さを今更ながら教えてくれました。





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奇跡のひと ~マリーとマルグリット~
監督/ジャン=ピエール・アメリス、脚本/ジャン=ピエール・アメリス、フィリップ・ブラスバン、撮影/アン・スリオ、美術/フランク・シュワルツ、プロデューサー/ソフィー・ドゥニ・キャロ
出演
イザベル・カレ/マルグリット、アリアーナ・リヴォワール/マリー・ウルタン、ブリジット・カティヨン/学院長、ジル・トレトン/マリーの父、ロール・デュティユル/マリーの母
6月6日(土)シネスイッチ他全国順次公開
2014年、カラー、94分、提供/ドマ、スターサンズ、ハピネット、配給/スターサンズ、ドマ、協力/ライフ・クリエーション(いのちのことば社)、推薦/カトリック中央協議会広報、年少者映画審議会推薦、字幕/齋藤敦子
http://www.kiseki-movie.jp/

by Mtonosama | 2015-05-28 06:35 | 映画 | Comments(6)

奇跡のひと ~マリーとマルグリット~
-1-
MARIE HEURTIN

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(C)2014 - Escazal Films / France 3 Cinema - Rhone-Alpes Cinema


「奇跡のひと」といえば
サリバン先生の奮闘を描いた映画『奇跡の人』(『ヘレン・ケラー物語』(‘63 アーサー・ペン監督)を
思い出します。
ラストでヘレン役のパティ・デュークが勢いよく溢れ出る水を手に受けて
“ワラー!”と声を発するシーンは100年以上経った今も新鮮です。
Waterとはワラーと発音するのか、とビックリしたことも懐かしい想い出。
自分自身が子どもだったので少女ヘレンを演じたパティ・デュークは憶えていても
サリバン先生を演じたアン・バンクロフトのことが記憶にないのは残念ですが。

アメリカで言葉の存在を知るため、
もがいていたヘレン・ケラーとほぼ同じ時代のフランスにも、
もうひとりの奇跡のひとがいました。
その名はマリー・ウルタン(1885~1921)。
ヘレン・ケラー(1880~1968)が1880年生まれですから、マリーの方が5歳年下です。

二人とも視えず、聞こえず、話せずの三重苦を背負っています。
でも、マリーの場合は生まれながらの三重苦でした。
2歳の時にかかった病気が元で視力、聴力を失ったヘレンとは違い、
光の記憶も音の記憶もまったくありません。

しかし、二人とも人間的に生きることを献身的に教えてくれた師に恵まれたことは同じでした。
ヘレンはサリバン先生。
そして、マリーはマルグリット先生――

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マリー・ウルタン
マリーは1885年4月13日、フランスのヴェルトゥに生まれた。
生まれつき眼も視えず、耳も聞こえず、

10歳までは動物のように食べて遊ぶだけの毎日で妹や両親のことを叩いていた。
意地悪で犬のようにわめく子どもだった(本人の言葉)。

そんな彼女は医師によって精神薄弱と診断され、精神病院へ入るよう勧められるが、
樽職人の父はラルネイ聖母学院での教育に望みを託す。
この学院で盲聾の少女の受け入れはマリーが3人目だったが、
シスター・マルグリットが献身的に教育を続けた。

ラルネイ聖母学院はラルネイ英知会という修道院によって1835年に創設。
もともとは聾唖の少女のための学院だったが、
1857年には盲目の少女たちも受け入れるようになり、
20世紀初頭には250人の寄宿生を抱える。
その後、男子も受け入れるようになり、
創立から180年を迎えた現在も盲聾の子どもたちへの教育を続けている。

ヘレン・ケラーが裕福な家に育ったことと比べると
マリー・ウルタンは貧しい樽職人の娘。
このラルネイ聖母学院の存在は本当にありがたいものだったでしょう。
そして、シスター・マルグリット。
不治の病を抱えながら、
狂犬のようだったマリーを人へと変えた愛情と努力には頭が下がります。

人が人として生きるには言葉を知ることがどれほど大切か、
そして、人が人らしく生きるためには礼儀もまた必要な心の糧であることが
二人の激しい肉弾戦のような教えと学びの中から知らされます。

『奇跡の人』(ヘレン・ケラー物語)を観た人も、そうでない人も
激しいぶつかりあいの中から学んでいくマリーとマルグリットのお話を
お楽しみください。

続きは次回までしばしお待ちくださいませ。



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奇跡のひと ~マリーとマルグリット~
監督/ジャン=ピエール・アメリス、脚本/ジャン=ピエール・アメリス、フィリップ・ブラスバン、撮影/アン・スリオ、美術/フランク・シュワルツ、プロデューサー/ソフィー・ドゥニ・キャロ
出演
イザベル・カレ/マルグリット、アリアーナ・リヴォワール/マリー・ウルタン、ブリジット・カティヨン/学院長、ジル・トレトン/マリーの父、ロール・デュティユル/マリーの母
6月6日(土)シネスイッチ他全国順次公開
2014年、カラー、94分、提供/ドマ、スターサンズ、ハピネット、配給/スターサンズ、ドマ、協力/ライフ・クリエーション(いのちのことば社)、推薦/カトリック中央協議会広報、年少者映画審議会スイセン、字幕/齋藤敦子
http://www.kiseki-movie.jp/

by Mtonosama | 2015-05-25 05:51 | 映画 | Comments(6)