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              いのちの子ども -1-
                           尊い命

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イスラエルがゴラン高原を占領した第3次中東戦争(1967年)開戦記念日の5日、シリア側からゴラン高原とイスラエルの境界へ向かったデモ隊にイスラエル軍が発砲し、シリア国営メディアによると25人が死亡、350人以上が負傷した。(CNN 6/6)
                       つい先日のニュースです。
      国の内外で起きているこういう悲しい事件を目にすると心が折れてしまいそうになります。
          それに、はっきり言ってしまえば「イスラエル!いい加減にしたら」って気分にも――       
       ところが、この「いのちの子ども」には、そのイスラエルの医師ラズ・ソメフが登場します。
監督と撮影とナレーションを担当したのもイスラエルの商業テレビチャンネル・チャンネル10のレポーターとして
    アラブ情勢を中心に取材を続けるジャーナリスト、シュロミー・エルダールというイスラエル人です。

ラズ・ソメフ医師
イスラエルのテル・アビブ近郊にある病院テル・ハ・ショメール医療センターに勤務する小児科医。
この病院はパレスチナからの病人も受け入れ、ソメフ医師も民族や宗教を越えて、人道的な治療活動を行っています。

そのイスラエル人医師が、治療をしないと1歳になる前に死んでしまうというパレスチナ人の難病の赤ん坊を救う、
                     というドキュメンタリー映画なのですから、
             「またまた、イスラエルは良いところ見せて点数稼ごうとしてるんじゃないの?」
                         などと、つい勘ぐってしまいます。

        でも、イスラエル人すべてがネタニヤフ首相みたいな人ばかりではない筈ですし、
    シュロミー・エルダール監督も20年以上にわたってガザ地区に暮らすパレスチナ人たちの実情を
                     レポートし続けてきたジャーナリストです。
            イスラエル人が皆パレスチナ人を虐げていると考えるのはそれこそ偏見で、
                      風評被害みたいなものかもしれません。

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                     まずはガザ地区では何が起こっているのか、
                   イスラエルはパレスチナに対して何をしているのか、
              パレスチナ人はイスラエルに助けてもらう同胞に、どんな態度をとるのか―――

             どちらが悪いのか、などという断罪ではなく、まずは知りたいと思います。

                  シュロミー・エルダール監督も語っています。
         「イスラエルでは、パレスチナの人たちについての報道がほとんどされていません。
                    もちろんパレスチナでも同じ状況です。
            パレスチナ、イスラエルともにお互いがそれぞれのことを理解し、
         恐怖心をなくすこと、そして命を大事にすることが1番大切だと気付いてくれれば
                  終わりの見えない問題の糸口になるはずです


       まずは観てみましょう。そして、考えてみますか。あのフランスの幼稚園児たちのように。

                               

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☆6月26日に更新しました。いつも応援してくださって、誠にありがとうございます☆

いのちの子ども
監督・撮影・ナレーション/シュロミー・エルダール、プロデューサー/エフード・ブライベルグ、ヨアヴ・ゼェヴィー
出演
ラーイダ&ファウジー・アブー=ムスタファー、ラズ・ソメフ医師、アモス・トーレン、ナイーム・アブー=ムスタファー、サウサン・アブー=ムスタファー、イッズッディーン・アブル=アイシュ医師、アレックス・ワインガルト
7月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町にてロードショー
90分、2010年、アメリカ・イスラエル、カラー、配給/メゾン、http://www.inochinokodomo.com/


                映画『いのちの子ども』公式サイト
by mtonosama | 2011-06-26 07:10 | 映画 | Comments(6)
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     (C) 2008 Bridgit Folman Film Gang, Les Films D'ici, Razor Film Produktion,
     Arte France and Noga Communications-Channel 8. All rights reserved

戦場でワルツを
WALTZ WITH BASHIR

「おくりびと」が米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞したとき
もっくんが「ぼくはイスラエルのあの映画が受賞すると思っていた」と言っているのをききました。

今回、当試写室で上映するのは、彼が驚いていたあの映画「戦場でワルツを」です。

イスラエルの戦争映画―-
それもよくある第2次世界大戦の収容所のユダヤ人を描いたものではなく
1982年レバノン侵攻時の侵略者としてのイスラエルを描いた映画。
それをイスラエル人自身が描いた映画です。

監督アリ・フォルマンは19歳でレバノン侵攻に従軍しました。
その時のある時間が彼の記憶の中から完全に欠落しています。
これはその欠落した記憶を追うドキュメンタリー映画です。

アニメーション映画!
アニメーション・ドキュメンタリー映画!

!!!な映画です。
驚きました。圧倒されました。
アニメーションでここまで表現できること。
そして
アニメーションでなければここまでできなかったことの両方に。

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ストーリー
2006年冬。
映画監督のアリ・フォルマンは、戦友のボアズから
26頭の犬に襲われる悪夢に悩まされていると告げられる。

1982年6月イスラエル軍は南レバノンに侵攻した。
1975年から続く内戦のため、レバノンは壊滅状態にあり
南レバノンにはPLO(パレスチナ解放機構)が勢力をのばしていた時代。
PLOの拠点を潰すこと――それがイスラエルの侵攻の目的であった。

ボアズの悪夢は19歳で従軍したこのレバノン戦争の後遺症なのか。
だが、アリには当時の記憶がまったくない。
アリは臨床精神科医である親友オーリの勧めによって
自らの失われた記憶と、世界中に散った戦友を求める旅に出ることを決意する。

カルミ
カルミはヘルシー・フードの屋台を企業展開して成功。
オランダの広大な土地に暮らしていた。
彼の記憶は、戦場へ向かう船から、海に浮かぶ巨大な裸女の幻影を見たこと。
そして、上陸するや、通りがかった一般市民の車に銃を乱射したこと。
アリはその記憶を共有していない。

ロニー
戦車隊員だったロニーは仲間を失い、ひとり敵地に取り残され、海を泳いで助かった。
その記憶は彼にとって封印すべきものであり、いまだ戦友たちの墓参もできずにいる。
ロニーにもアリと一緒にいた記憶はなかった。

フレンケル
マーシャル・アーツの専門家フレンケルが語ったのは
たったひとりロケット砲で戦車を爆撃した少年に向かって
兵士たちが一斉に銃を撃ったこと。
そして、その中にアリもいたということ…

戦友たちの言葉を通して、アリの記憶もうっすらと見えてきます。

都合の悪い過去を忘れることは人間に備わった防衛本能です。
忘れなければ壊れてしまうから、です。

アリ・フォルマン監督はヨルダンで一体何を見たのでしょう。
それほどまでに忘れてしまいたい過去とはなんだったのでしょうか?


サブラ・シャティーラ大虐殺
http://www5e.biglobe.ne.jp/~JCCP/history_19820916.htm

1982年9月14日、親イスラエル派ファランヘ党の若手指導者バシ―ル・ジュマイエル
(原題Waltz with Bashirのバシ―ルは彼のこと)の暗殺に端を発して起きた事件。
この事件の真相は不明である。
9月16~18日、レバノンの首都ベイルートにあるパレスチナ人キャンプ・サブラとシャティーナで、イスラエル軍にキャンプが包囲される中、レバノンの右派民兵により
キャンプに暮らす1800人以上の一般市民が虐殺された。

イスラエルとパレスチナの関係は複雑です。
戦後、大国の国家エゴに蹂躙され、争いのない日などなかった両国。

イスラエルの巨大な軍事力によって蹂躙されるパレスチナ。
一方、イスラエルはホロコーストを経て、念願の国家を持ち
その後はアメリカの後ろ盾を得てやりたい放題。
言葉は悪いけれど、イスラエルに対してはそう思っていました。

しかし、国家と個人はイコールではありません。

19歳で従軍し、訳もわからぬまま、銃を乱射し、敵を殺す少年兵たち。
その行為のもたらす罪悪感は、兵士としての正義に包みこまれはしますが
いつまでも心の棘となって残ります。
戦争は個人を殺し、負傷させ、癒しようのない心の傷を負わせるものです。

それを告発するでもなく、事実として描く手法。
アニメーションはそれに合っているのでしょう。
19歳の兵士が見る幻影、瓦礫に圧し潰された遺体、子どもや老人の無残な姿。
これらを実写ではなく、アニメーションで描いたことは
その方が表現しやすい、ということもありましょうが
監督のトラウマがいまだ完全に癒えていない証拠ではないでしょうか。
アニメーションなら自分の実人生の間にひとつ距離をおくことができますものね。

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監督は言っています。
「数年にわたって基本アイディアを温めていた頃から、
実写ビデオでは作りたくないと感じていた。
実写だったらどうだったろう?
ある中年男が、自らの25年も前の暗い過去について取材する様子を、
当時の実録映像もないままに語っていたとしたら?(中略)
戦争とは非常に超現実的なものであり、記憶とはとてもトリッキーなものです。
私はむしろ腕のいいイラストレーターたちの力を借りて、記憶の旅を描いてみたい、
そう思ったのです」


戦場でワルツを
脚本・監督・製作/アリ・フォルマン、美術監督・イラストレーター/デイヴィッド・ポロンスキー、アニメーション監督/ヨニ・グッドマン
キャスト
ボアズ・レイン¬=バスキーラ、オーリ・シヴァン、ロニーダヤグ、カルミ・クナアン、シュムエル・フレンケル、ロン・ベン=イシャイ、ドロル・ハラジ、ソロモン博士
2008年、イスラエル・ドイツ・フランス・アメリカ合作、イスラエル映画、90分
11月28日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
www.waltz-wo.jp


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by mtonosama | 2009-09-29 06:03 | Comments(14)