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駆ける少年 -1-
DAVANDEH
THE RUNNER

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(C)kanoon

イラン映画です。
それも伝説の映画といわれる「駆ける少年」が
1985年の製作から27年経って、日本の劇場で公開されることになりました。

監督はアミール・ナデリ。
ナデリ監督は、昨年、西島秀俊主演の「CUT」のメガホンをとっていますから、
ご覧になった方もいらっしゃると思います。

激しい映画だなぁ、と感想を持たれたのではないですか?
打たれても蹴られても目的に向って突き進む主人公――
監督は、西島秀俊が演じた主人公のように目指すものが手に入るまで
全力で戦う人なのだそうです。


アミール・ナデリ監督
1945年8月15日、イラン・ペルシャ湾沿岸のアバダンに生まれる。
アッバス・キアロスタミと共に児童青少年知育協会に所属し、イラン映画が国際的に脚光を浴びるきっかけを作ったイランを代表する監督。
映画監督になりたくて12歳でテヘランに。映画製作会社のお茶くみから雑用係、スチールカメラマンを経て、1970年「さらば友よ」で監督デビュー。
若い頃からハリウッドで映画監督になる夢を抱いており、1976年にはNYロケによる「メイド・イン・イラン」を監督。革命後の「駆ける少年」(‘86)「水、風、砂」(‘89)で2作連続してナント三大陸映画祭グランプリを獲得。
その後、アメリカに移住し、1993年に念願のアメリカ映画「マンハッタン・バイ・ナンバーズ」を監督。日本でも劇場公開された。
監督は日本映画にも造詣が深い親日家である。

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日本映画から非常に大きな影響を受けている監督。「駆ける少年」は黒澤明監督の『七人の侍』のラストシーンに影響を受けている。「水、風、砂」は新藤兼人監督の『裸の島』、“Waiting”は小林正樹監督の『怪談』と市川崑監督の『ビルマの竪琴』。複雑なカメラワークや長回しは溝口健二監督。映画で子どもを扱うとき、街の色彩を決めるとき、大島渚監督の作品を参考にしている。清水宏監督は子どもの演技を撮る天才であり、小津安二郎監督の沈黙による表現も尊敬している。
(映画「CUT」オフィシャルサイトより)

「駆ける少年」は実は本当の意味では本邦初公開ではなく、
1987年の東京国際映画祭に出品されています。
「‘96・イラン映画祭」でも、イラン革命前の名作でダリウシュ・メールジュイ監督「牛」(‘69)、
モフセン・マフマルバフ監督「サイクリスト」(‘89)と共に新旧32本の映画の中の目玉として上映されています。
本作はイラン革命(‘79)以後、初めて海外で受賞した記念碑ともいうべきイラン映画。
1985年のナント三大陸映画祭でグランプリを受賞し、
世界中にイラン映画を知らしめることになった作品です。

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本作の主人公、目標地点に到達するまで全力で駆け続ける11歳の少年アミル。
このアミル少年は実は監督自身、自伝映画なのです。ほら、名前もほぼ同じですよね。
27年前から現在に至るまでぶれない芯を持ち続けている監督。
そんなナデリ監督に怖れにも似た敬意を覚えます。

こんな時代ですから、監督の生き方と作品は勇気と指標と元気を与えてくれます。
いや、ホントに。
この不安定で不安な時期に、ぶれないアミール・ナデリ監督が撮った
元気いっぱいのこの映画が劇場公開されるというのはなんとも嬉しいことです。

さあ、どんなお話なのでしょうか。次回まで乞うご期待でございますよ。



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☆12月18日に更新しました。いつも応援して下さり、本当にありがとうございます☆

駆ける少年
監督・脚本/アミール・ナデリ、撮影/フィールーズ・マレクザエ、編集/バハラム・ベイザイ、製作/児童青少年知育協会
出演
マジッド・ニルマンド/アミル、ムサ・トルキザデエ/ムサ、アッバス・ナゼリ/ゴラムおじさん
12月22日(土)オーディトリウム渋谷ほか全国順次ロードショー
1985年、イラン映画、カラー、91分、字幕翻訳/ショーレ・ゴルバリアン、土肥悦子、石田泰子
http://runner-movie.net/

by Mtonosama | 2012-12-18 06:17 | 映画 | Comments(6)
イラン式料理本 -2-
Iranian Cookbok

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(C) 2010 Mohammad Shirvani. All rights reserved.

料理をする女性がスカーフで髪を隠している以外は
台所のしつらえもそこにある家電製品も調理道具も日本と変わりません。

貫禄たっぷりな女性や知的なクールビューティの現代女性まで、
(このクールビューティは監督の奥さんです)
監督の身内の女性たちがカメラに向かって料理をつくり、
「嫁いできたのは13歳の時だったわよ」などとおしゃべりしたり、
「夜の10時にお客を連れてきて料理を作れって何なのよ」とカメラに向かって怒ったり。
ま、彼女の怒りたくなる気持ちはよくわかります。
いくら映画を撮るためとはいえ、大勢の料理を作らされる側にとっては迷惑この上ない企画ですよね。
(この怒ってる女性は監督の奥さんです)

年配の女性たちがしたたかなのは万国共通なのでしょう。
顔で笑いながら、姑や亭主にやり返すことも忘れません。
主婦歴35年の監督の義母の姑とのやりとりは最高。
「それにしてもあの頃はどうしてあんなにいじめたのよ」
とジャンボ肉団子を両手にバフッバフッとぶつけながら、チクチク文句を言い、
対する姑はすっかり枯れてフフフと笑って、いなしてるかと思えば、
料理に口をはさむ亭主(息子)をやっつける時は嫁と姑が共同戦線をはったりします。
女の敵は女だけど、女の味方も女なんですよね。

この辺のやりとりで笑い声が出るのは女性の観客のみ。
男性は何がおもしろいのかわからないところもおそらく万国共通かも。

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しかし、ここに登場する亭主や息子たち、っていうか、男たちはまったく役に立ちません。
それでもまだ笑いをとろうとする男たちは良い方でしょう。
この映画に登場する男たちはただ食べるのみ。
女たちが何時間もかけて作った料理をあっと言う間に平らげ、おいしいでもなければ、
ありがとうでもない。もちろん片づけもしません。

なかでも腹が立ったのは監督の妹の亭主。
午前中に大学で講義を受け、帰宅後、やんちゃな双子の男の子の面倒をみながら、
ナスの煮込みをつくります。
確かに要領はあまり良いとはいえないのですが、
休む間もなく10人近いお客さんの料理を作るのってメチャクチャ大変だと思うんですけど。
で、また双子がかなり悪い、ときてます。
調理台の上に(!)座り込んで騒ぎます。もちろんお手伝いなんてしませんよ。
とのならすっかりキレて怒鳴りまくっているところですが、
この双子のママ、怒りもしない。
さらにやっとの思いで作った料理をアッと言う間に食べ終わった男たちは
さっさとどこかへ消え、ひとり黙々と後片付けをする彼女。
「そこにあるカップをどかしてちょうだい」と言ってもシカとする双子。
父親がそこにいながら「ママのお手伝いをしなさい」と注意もしません。
ああ、こんな風にして思いやりのない男たちが育っていくのか、
と義憤に駆られてスクリーンを凝視するとのでありました。

最低限の資材と切り詰められるだけ切り詰めた予算で作ったに違いない映画なのでしょう。
でも、登場する女性たちと笑ったり怒ったりしながら楽しんでしまいました。

しかし、料理をつくるという行為は単なる家事には終わらず、文化、歴史、社会の在り方、
いろんなものを包み込んだ行為であります。
もうとっくにおわかりのように、本作は単なる料理映画ではありません。
結構シビアな社会批判映画だと思いません?

監督の奥さんも、監督の妹も、離婚して正解でしょう。
社会はこんな風にして変わっていくこともあるのでしょう。

それにしてもこんなに面白い映画なのに、イラン国内では上映されないのだそうですよ。





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☆9月4日に更新しました。いつも応援してくださり、本当にありがとうございます☆

イラン式料理本
監督・脚本・製作/モハマド・シルワーニ、撮影/フーマン・べーマネシュ、編集/モハマド・シルワーニ、エスマイル・モンセフ、録音/ファルシード・ファラジ
出演
監督の母、その友人、監督の妻、監督の伯母、監督の妹、監督の義母、監督の友人の母
9月15日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
2010年、イラン、ペルシャ語、カラー、72分、字幕/西村美須寿、字幕監修/ショーレ・ゴルバリアン、配給/アニープラネット
http://www.iranshiki.com/

by Mtonosama | 2012-09-04 05:44 | 映画 | Comments(10)