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殿様の試写室

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クロワッサンで朝食を -1-
Une Estonienne à Paris

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(C)TS Productions - Amrion Ou - La Parti Production - 2012

最近、老人を描いた映画が本当に多いです。
とのが150歳だから、おじいさんおばあさんの映画ばかり選んでいるという訳ではないんですよ。
ええ、違いますとも。
当試写室では、厳正公平なる個人的な主観で上映いたしておりますもの。

とはいえ、この人は別格でしょう。
ジャンヌ・モローです。
御歳85歳でありながら、このゴージャスさ!
シャネルがこれほどサマになっている女優は
世界広しといえどもこのお方しかおられないのではないでしょうか。

けっして整ったお顔立ちというのではありません。
お口は大きいし、顔にも首筋にも歳相応のしわが年輪を刻んでいますし、
おなかも相当たっぷりしておいでです。
だけど、この存在感、このオーラといったらどうでしょう!

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ルイ・マル、フランソワ・トリュフォー、オーソン・ウェルズ、ルイス・ブニュエル――
1950~60年代、映画史を綺羅星のように点綴する巨匠たちの名作を
このお方が彩ってきたというのも頷けます。
しかし、今回彼女が出演した「クロワッサンで朝食を」の監督は
エストニア生まれのイルマル・ラーグ。45歳。
これまで主にテレビ畑で活躍してきた人で、本作が劇場長編映画初監督作となります。
はっきり言って巨匠ではありません。無名です。

そんなことを聞くと、「え、ジャンヌ・モロー、落ちぶれちゃったの!?」
と早とちりなさる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

ノン、ノン!それは大女優に対しても、イルマル監督に対しても、失礼ってものです。
というのも、彼女は大作であるとか、有名監督であるとかに、とらわれず、
自身のセンスで選んだ作品に出演するピシーッと筋の通った女優だからです。

今回もイルマル監督が持ち込んだ脚本の世界に惚れ込んでの出演とあいなりました。
その脚本というのはイルマル監督の母親の身に起こった実話に基づいたお話。
“Une Estonienne à Paris”(原題:パリのエストニア人女性)です。

このエストニアですが、えっと、どこだったっけ?


エストニア
エストニアというのはバルト三国(ラトヴィア、リトアニア、エストニア)の中の一国で、
三国中一番北に位置する人口136万人ほどの国。
かつてのソ連に隣接しています。
その地理的位置から、13世紀以来、デンマーク、ドイツ系騎士団、スウェーデン、ロシア帝国、
ナチス・ドイツ、そして、近年にはソ連からの侵略によって翻弄され続けてきました。
独立したのはソ連が崩壊した1991年のことです。

自国の言語と文化を守り通してきたエストニアですが、
1920年代には多くのエストニア人が祖国を後にし、オーストラリアやブラジルに移民として渡りました。
パリに移った人も大勢います。現在、フランス在住のエストニア人は1000人を超えているそうです。
その後、第二次大戦時には、ナチス・ドイツ、続いてはソ連の脅威から逃れるため、
再び多くの人がスウェーデンやカナダへ渡っていきました。

エストニアは、現在ではeストニアと呼ばれる程のIT大国で、
2007年には世界で初めて議会選挙でインターネット投票を行った国です。
その他、室内では靴を脱ぐ習慣もあるとか。ま、これはトリヴィアです。

新鋭イルマル・ラーグ監督。先ほど無名などとご紹介しましたが、
本作はロカルノ国際映画祭でエキュメニカル賞を受賞。注目を集めています。

ジャンヌ・モロー、エストニア、クロワッサン。
不思議な組み合わせですよね。
さぁ、いったいイルマル・ラーグ監督はどんな映画を見せてくれるのでしょうか。

続きは次回まで、これは乞うご期待でございますよ。



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クロワッサンで朝食を
監督/イルマル・ラーグ、脚本/イルマル・ラーグ、アニエス・フォーブル、リーズ・マシュプフ、撮影/ローラン・ブリュネ、美術/パスカル・コンシ二、製作/フィリップ・カウフマン、アドリアン・ポトフスキー&時リー・ウォータークリン、共同製作/ミレナ・ポワヨ&ジル・サクト、リーナ・スィルドス
出演
ジャンヌ・モロー/フリーダ、ライネ・マギ/アンヌ、パトリック・ピノー/ステファン、フレデリック・エポー/ドミニク(ギャルソン)、ヘレ・クニンガス/リディア
7月20日(土)シネスイッチ銀座他全国順次公開
2012年、フランス=エストニア=ベルギー、フランス語・エストニア語、95分、日本語字幕/古田由紀子、協力/ユニフランス・フィルムズ、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/croissant/

☆7月8日に更新しました。いつも応援をありがとうございます☆
by Mtonosama | 2013-07-08 06:04 | 映画 | Comments(8)