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殿様の試写室

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タグ:エマヌエ―レ・クリアレーゼ ( 2 ) タグの人気記事

海と大陸 -2-
TERRAFERMA

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(C)2011 CATTLEYA SRL・BABE FILMS SAS・FRANCE 2 CINEMA

当試写室でつい先頃上映した「ある海辺の詩人 ―小さなヴェニスで―」もそうでしたが、
ヨーロッパと、移民、難民とはもはや切っても切り離せない関係にあります。
この関係はホットな政治のテーマでもあり、人道的な問題でもあります。

ただ、難民を迎える側に余裕があるならいいのですが、必ずしもそうではない場合もある訳です。
そんな時はいったいどうすればいいんでしょう。

本作はまさにそんな映画です。

数年前、父を海で亡くし、今は祖父を手伝って漁師をする20歳の主人公フィリッポ。
漁師を続ける祖父、観光業に転じた叔父、本土で新しく生活を始めたい母――
主人公の家族もまた生活の岐路に立っているところです。
そこへアフリカから決死の覚悟でサラとその息子がやってきました。サラは臨月の身重。
さあ一体どうなるのでしょうか。


ストーリー
地中海に浮かぶ小島リノーサ島。
20歳のフィリッポは代々漁師をやってきたプチッロ家のひとり息子。
2年前に海で父を亡くし、今は70歳の祖父エルネストと2人で漁に出ている。

先の見通しの立たない漁業に見切りをつけ、観光業に転じた叔父ニーノは、
漁船を廃船にして老後を楽しむべきだとエルネストに勧める。
母ジュリエッタは息子を連れて島を離れ、新しい土地で暮らしたいと思っている。

夏、小さな島は観光客で溢れかえる。
一家は家をリフォーム。貸別荘にして、自分たちはガレージで生活することに。
フィリッポと同世代の3人の男女が貸別荘を契約した。
北イタリアから観光にきたマウラ、ステファノ、マルコという若者たちだ。

ある日、漁に出ていたエルネストとフィリッポは数人の難民を助け、
その中にいた妊娠中のサラとその息子をガレージで匿うことになった。
その晩、サラはジュリエッタの助けを借りて出産。
狭いガレージに、生まれたばかりの赤ん坊までが加わり、
彼らの存在は一家の生活をさらに脅かすものとなった。

ジュリエッタはサラたちを警察に引き渡すべきだとエルネストに訴える。
とまどうエルネスト。
昔は海で溺れかかった人を助けることは立派な行為だったはずなのに。

サラはエチオピアから2年かけてこの島まで辿り着いた。夫のいるトリノへ行きたいのだ。
ジュリエットはサラたちの存在を疎ましく思っているが、困り果てた彼らを見捨てることもできない。
同じ母として、サラの気持は痛いほどにわかっているのだ――

夜、フィリッポは貸別荘のマウラを海へ誘う。
空には無数の星。
その時、フィリッポは異変に気づいた。
彼の船に向って、暗い海を難民たちが必死に泳いでくるのだ。
船べりに手をかけた彼らを見て恐怖を感じたフィリッポは、彼らを船から振り払い港へと逃げ帰る。

翌朝、浜には昨晩の難民たちが遺体となって打ち上げられ、島は大騒動に。
マウラたち観光客も島を去っていった。
生き残った難民たちが送還されていくのをフィリッポはただ見ていることしかできなかった。

その夜、サラたちを乗せた車がエンジン音をひそめてすべりだす……


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溺れかけている人が眼の前にいれば助ける――
これは人が人であるための掟であり、それ以前に、本能です。

国も法律も越えた人間としての〈掟〉に従って生きてきた祖父エルネストだが、
時代の流れはそれを許さない。
法を犯したくはないし、先行きのない生活もなんとかしたい。
しかし、子を持つ母としてサラの存在を受け入れる母ジュリエッタ。
マウラとデートをしている時に助けを求めてきた難民たちを見殺しにしてしまったフィリッポ。

スクリーンに展開される三人三様の悩み。
どれもよくわかるのですが、この三択問題の解答を迫られたら答えられません。
おばかなクイズ解答者のような自分・・・

そんな中で彼らのとった選択はやはり感動的でした。
今日をきちんと生きれば、明日は明日でなんとかなっていくものなのでしょう。





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☆4月1日に更新しました。なんとまあ!もう4月でございます。いつも応援ありがとうございます☆

海と大陸
監督・原案/エマヌエーレ・クリアレーゼ、脚本/エマヌエーレ・クリアレーゼ、ヴィットリオ・モロー二、キャスティング/キアーラ・アニェッロ、助監督/エミリアーノ・トッレス、カメラ・オペレーター/ルイジ・アンドレイ、ライン・プロデューサー/フェデリコ・フォーティ、美術/パオロ・ボンフィーニ、撮影監督/ファビオ・チャンケッティ、製作総指揮/ジーナ・カルディー二、プロデューサー/リッカルド・トッツィ、ジョバンニ・スタビリーニ、マルコ・キーメンツ
出演
フィリッポ・チッロ/フィリッポ、ドナテッラ・フィノッキアーロ/ジュリエッタ、ミンモ・クティッキオ/エルネスト、ジュゼッペ・フィオレッロ/ニーノ、ティムニット・T/サラ、マルティーナ・コデカーザ/マウラ、フィリッポ・スカラフィア/マルコ、ピエルパオrp・スポッロン、ティツィアーナ・ロダート/マリア、ルベル・ツェガエ・アブラハ/サラの息子、クラウディオ・サンタマリア/財務警察官
4月6日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
2011年、93分、イタリア、フランス/イタリア語、日本語字幕/岡本太郎、提供/クレスト・インターナショナル、朝日新聞社、提供/イタリア大使館、http://www.umitotairiku.jp/

by Mtonosama | 2013-04-01 06:34 | 映画 | Comments(8)
海と大陸 -1-
TERRAFERMA

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(C)2011 CATTLEYA SRL・BABE FILMS SAS・FRANCE 2 CINEMA

試写状が送られてきて、さて、どの映画を観ようか、と考えるひとときは至福のときであります。

どれを観るかの決め手にするものにはいろいろあります。

お気に入りの監督の作品であること、あまり知らない国を舞台にした映画であること、
好きな俳優が出ていること、良いタイトルであること、そして、試写状の写真が良いこと――

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「海と大陸」はまさにその写真が決め手になりました。
青い海に向って小さな船から多くの男女が飛び込んでいきます。
それはまるで船の底から人が溢れ出すようであり、次から次へと人が盛り上がり
まるで仕掛け花火のようにダイブしていく写真です。

内容はどうあれ、このシーンをスクリーンで観られるだけで満足、
と試写室に向いました。

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本作は、シチリア島とアフリカ大陸の中間地点にあるリノーサ島が舞台の映画です。
この島は漁民が大半を占める小さな島ですが、今や漁業も衰退し、夏場だけの観光地になっています。

監督はエマヌエ―レ・クリアレーゼ。

エマヌエ―レ・クリアレーゼ
1965年ローマに生まれ、祖父はシチリア出身。1991年ニューヨーク大学で映画演出を学び、短編映画を何本か撮った後、1997年”Once We were Strangers”をニューヨークで撮影、長編映画監督デビューを果たす。その後、イタリアに戻り、シチリアのランぺドゥーサ島で撮った初めてのイタリア作品「グラツィアの島」(‘02)でカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを獲得。2006年シャルロット・ゲンズブールを起用し、20世紀初頭のアメリカへの移民問題を描いた「新世界」を監督。第63回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲得。この作品はマーティン・スコセッシによって公開され、第79回アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表に選ばれた。本作「海と大陸」では第68回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、さらに第84回アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表に選ばれた。

小さな島の素朴な風景と美しい海を背景にしたお話なのですが、
実は、この島の地図上の位置に映画のキーポイントがありました。
本作の舞台であるリノーサ島は、べラージェ諸島に属し、
シチリア島の南方、チュニジア東方のシチリア海峡上に位置しています。

つまり、アフリカからヨーロッパへの玄関口なんですね。
シチリアと北アフリカの中間地点にあるため、
北アフリカからヨーロッパに渡る人々を乗せた船が漂着するケースが多いということです。

その昔ベトナムからやってくるボートピープルと呼ばれた人々もそうでしたが、
充分な装備を持たない小さな漁船に多くの人々が乗ってくるので、病気や遭難によって
途中で大勢亡くなるそうです。

もうおわかりでしょうが、この映画にはアフリカからの難民が登場します。
難民と、ヨーロッパへの玄関口にあたる小さな島の住民との関わりを描いた映画です。

あのダイビングシーンも気になりますが、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回で。乞うご期待でございますよ。



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海と大陸
監督・原案/エマヌエーレ・クリアレーゼ、脚本/エマヌエーレ・クリアレーゼ、ヴィットリオ・モロー二、キャスティング/キアーラ・アニェッロ、助監督/エミリアーノ・トッレス、カメラ・オペレーター/ルイジ・アンドレイ、ライン・プロデューサー/フェデリコ・フォーティ、美術/パオロ・ボンフィーニ、撮影監督/ファビオ・チャンケッティ、製作総指揮/ジーナ・カルディー二、プロデューサー/リッカルド・トッツィ、ジョバンニ・スタビリーニ、マルコ・キーメンツ
出演
フィリッポ・チッロ/フィリッポ、ドナテッラ・フィノッキアーロ/ジュリエッタ、ミンモ・クティッキオ/エルネスト、ジュゼッペ・フィオレッロ/ニーノ、ティムニット・T/サラ、マルティーナ・コデカーザ/マウラ、フィリッポ・スカラフィア/マルコ、ピエルパオrp・スポッロン、ティツィアーナ・ロダート/マリア、ルベル・ツェガエ・アブラハ/サラの息子、クラウディオ・サンタマリア/財務警察官
4月6日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
2011年、93分、イタリア、フランス/イタリア語、日本語字幕/岡本太郎、提供/クレスト・インターナショナル、朝日新聞社、提供/イタリア大使館、http://www.umitotairiku.jp/

by Mtonosama | 2013-03-29 06:55 | 映画 | Comments(4)