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(C)2008-PENTAGRAMA FILMS-TELECINCO CINEMA-WILD BUNCH-FIDELITE FILMS.

マラドーナ  MARADONA

また、なんでマラドーナ?

自慢じゃないんですが、サッカーのことはちっともわかりません。
オフサイドなんて、何度説明を聞いても理解できません。
多分、球技関係の脳内回路が切れているのだと思います。
だから、彼の「神の手」ゴールとか、華麗なパスワークとか、ルールとか
そういうことにはまったくのトンチンカンなので、あらかじめお断りしておきますね。

なのに、この映画を当試写室で上映するのは、監督がエミール・クストリッツァだから。
4月に上映した「ウェディング・ベルを鳴らせ!」http://mtonosama.exblog.jp/10837510/
の監督です。
あの“ウンザ・ウンザ”サウンドが今回も炸裂していました。

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クストリッツァ監督の祖国・旧ユーゴスラヴィアもサッカーの強い国でした。
オシム(元日本代表監督)とかストイコヴィッチ(現名古屋グランパス監督)
を輩出した国です(さすがに彼らの名前ぐらいは知っています)。
エミール・クストリッツァ自身、サッカー選手としての将来を捨て
映画監督に転身したという経歴の持ち主です。

少年時代、サッカーやロックに夢中だった監督ですが
不良友達と遊んでばかりいるのを心配した情報省のお役人だったおとうさんに一喝され
プラハのチェコ国立芸術アカデミー映画学部に留学し、この道に入りました。

一方マラドーナことディエゴ・アルマンド・マラドーナは
1960年10月30日アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの貧民街で
4人姉妹の長男として生まれました。
幼少時から、左利きの天才少年としてサッカー関係者の注目を集め
なんと9歳の時にはロス・セポジータスというクラブにスカウトされます。
アルヘンチノス・ジュニアーズの一員となった76年10月に15歳でプロデビュー。
翌年16歳でアルゼンチン代表に選ばれ、最年少でハンガリー戦に出場しました。

クルクルしたカーリーヘアで愛くるしいディエゴ・マラドーナ
彼は79年に日本で開催された第2回ワールドユース選手権にキャプテンとして出場。
初優勝に貢献し、大会MVPも受賞。
同年19歳でアルゼンチン・リーグの得点王になり
南米最優秀選手賞も獲得し、スーパースターになりました。

しかし、好事魔多し。人生、そうトントン拍子には行きません。

対戦相手はマラドーナを標的として、ありとあらゆる反則を繰り返す。
それにブチ切れて報復し、退場処分。
さらに病気。

 ← 音声ヴォリュームにお気をつけください。

それでも不死鳥マラドーナは蘇ります。
1986年、メキシコワールドカップ。
準々決勝の対イングランド戦で見せた5人抜きドリブルの「世紀のゴール」!
これこそ、世界中のサッカー音痴の眼すら釘付けにした名場面でした。
「マラドーナの、マラドーナによる、マラドーナのための大会」
ともいわれたメキシコW杯で、彼は5得点5アシストのMVPと優勝を勝ち取ったのです。

が、しかし
サッカーの神様は残酷です。
マフィアとの関係、不倫、薬物依存、1994年アメリカW杯からの追放
次々と不祥事が発覚。
1997年10月30日、37歳の誕生日には現役引退を発表しました。
その後も薬物使用やアルコール依存症で入退院を繰り返し
「あの可愛かったカーリーヘアーの少年はどこへ?」という激肥り。

実はこの肥満と薬物使用からマラドーナは一時危篤に陥りました。
生き残った英雄の墜落は悲惨です。

再び、が、しかし
マラドーナは胃の部分切除を受け、体重を落とし
さらにアルコール依存症と不摂生による体重増加を治療するために入院しました。
健康を回復した昨年11月にはワールドカップ南アフリカ大会のアルゼンチン代表監督に
就任しチームの指揮をとっています。


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マラドーナとクストリッツァ。この2人の元不良少年は2005年に出会いました。
マラドーナが胃を部分切除した翌々年のことです(映画の中ではまだ太ってました)。

この年、クストリッツァ監督はディエゴ・マラドーナのドキュメンタリー企画を
公式発表したのです。
「マラドーナの人生すべての側面を映しだす初めての作品である」
と、2つのパルムドールと数々の国際賞を受賞した名匠は宣言。
ところが、この時点でマラドーナはクストリッツァ監督の名前も知らず、映画も観たことが
ありませんでした。

でも、天性のスターの持つおおらかさでしょう。
旧知の友のように監督の肩を抱くマラドーナの顔は満面の笑顔。

この二人、サッカー以外にも意外な共通点がありました。
チェ・ゲバラを尊敬していること(マラドーナの右上腕部にはチェのタトゥがあります)。
帝国主義、ネオリベラリズム、ブッシュに反対していること。

2005年11月ブッシュ大統領のアルゼンチン訪問に反対して結成された
抗議運動に参加したクストリッツァ監督は共に闘うマラドーナを撮影しています。

2000年にはマラドーナ教まで生まれました。
10月30日のマラドーナの誕生日が「クリスマス」
6月22日のマラドーナが「神の手ゴール」を決めた日が「復活祭」と呼ばれます。
この日にはファンたちの間で盛大なお祭りが催されています。

♪マラドーナになって あんな人生を送りたい
 マラドーナになって あんなゴールをしたい
 マラドーナになって 正しいことをしたい
 マラド―ナになって 派手に暮らしたい
*人生はギャンブル 昼も夜も関係ない
  人生はギャンブル 同じことの繰り返し

マラドーナになって あんな人生を送りたい
花火と友達ん囲まれ いつでも全力で進む
マラドーナになって テレビに映ってみたい
FIFAの連中に罵声を浴びせるため
*繰り返し

マラドーナになって あんな人生を送りたい
世の中ウソつきばかり みんな本音を隠してる
マラドーナになって試合に勝ってみたい
マラドーナになって 神聖な左手を使いたい
*繰り返し
“La Vida Tombola” Manu Chao


神とまで呼ばれるマラドーナの強烈なカリスマ性。
さしものサラエボの風雲児クストリッツァもタジタジする場面が随所に見られて
あらためてマラドーナの放つ強烈な光線に目を射られました。
オーラなんて生易しいものじゃありません。
サッカー音痴でも十分にビックリした映画でした。

マラドーナ
監督/エミール・クストリッツァ
出演
ディエゴ・アルマンド・マラドーナ、エミール・クストリッツァ、マラドーナ・ファミリー、カストロ将軍、エミール・クストリッツァ&ノースモーキング・オーケストラ、マヌ・チャオ他
2008年、スペイン・フランス合作映画、原題/MARADONA BY KUSTURICA、95分、英語/イタリア語/セルビア・クロアチア語/スペイン語
12月12日(土)より、シアターN渋谷にて公開
www.maradonafilm.com


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by mtonosama | 2009-11-23 06:10 | Comments(16)
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ウェディング・ベルを鳴らせ!
Promets Moi


エミール・クストリッツァという監督さんは旧ユーゴスラヴィア
(現在はボスニア・ヘルツェゴビナ)サラエヴォの生まれです。
「黒猫・白猫」あたりからこの監督の映画を観ていますが
なんといっても好きなのは“ウンザ・ウンザ”サウンド。
この地方特有の音楽でしょうが、とてもいい感じなのです。
映画パンフ見て、初めて知った言葉“ウンザ・ウンザ”サウンド
なるほどウンザッ、ウンザッと走ってる感じがする音楽です。

  「ウェディング・ベルを鳴らせ!」はクストリッツァ監督4年ぶりの新作。
  オムニバス「それでも生きる子供たちへ」(‘05)中の一編「ブルー・ジプシー」以来の映画です。

ゲルマン民族大移動の頃のヨーロッパはこんな感じ?と思わせるセルビアの山村を
ウンザッ、ウンザッと駆け回る元気なじいちゃん、ばあちゃん、おじさん、おばさんたち。
さらに、さらに、大砲から飛び出した人間が空を飛んでるし、もうクストリッツァ・ワールド全開です。
「ブルー・ジプシー」で主人公を演じたあの可愛いウロシュ・ミロヴァノヴィッチくんが
ちょっと大きくなって登場。
主役のツァーネ少年を演じ、この村の平均年齢をほんの少し下げることに貢献しています。

        《ストーリー》
        セルビアの山奥でおじいちゃんと牛と猫と暮らすツァーネ少年。
        お隣には、おじいちゃんを追って町からやってきた女性ボサが住んでいます。
        発明好きなおじいちゃんの作ったおかしなメカに囲まれて
        のんびり暮らしていたツァーネくんでしたが、ある日突然学校が廃校に。
        おじいちゃんの追っかけ、村の先生のボサも失業です。
        おじいちゃんはツァーネくんに3つの約束をさせて、町へ行かせます。
        それは
        1.牛を売ったお金で、聖ニコラスのイコンを買う
        2.自分の好きなお土産を買う
        3.ツァーネの花嫁を村に連れてくる

        都会へやってきたツァーネくん。
        聳えるビルや過激なファッションの女の子に目を白黒させながら、町を歩いていると
        早速、美しい女子高生ヤスナに一目惚れ。
        これはまたなんと幸先の良いことでしょう。
        ところが、そう簡単にことは運ばない。
        セルビア初の世界貿易センタービル建設を企むマフィアが
        ツァーネの前に立ちふさがったのです。
        そのマフィアのボスがヤスナの美しさに目をつけて
        娼館で働かせようというのだから、大変。
        さあ、ツァーネ少年はヤスナをマフィアの手から取り戻し
        花嫁として村へ連れ帰ることはできるのでしょうか…

ウンザッ、ウンザッとストーリーは展開します。
その舞台となった村は前々作「ライフ・イズ・ミラクル」(‘04)のロケ地だった場所。
その場所が気に行ったクストリッツア監督は土地を買い取り、自分の村を造ってしまいました。

これまでの映画では戦争を描きながらも
その中にクスッと笑わせるものを詰め込んでいたクストリッツァ監督。
戦争すらも生活の一部と化してしまうふてぶてしいまでの逞しさが身上でした。
今回はセルビアの街にも襲い来るグローバリズムの大波が背景に。

今や、日本も外国も、都会はみんな同じような貌になってしまいました。
太古の昔から変わらないようなこの村と、高層ビルやマフィアのいる都会。
どっちがいいか、なんて選べないかもしれないけど、どっちが自然かはよくわかる。
ここでも、またクストリッツァはウンザッ、ウンザッと走ります。
牛も猫もニワトリも重要なキャスト。
戦争もグローバリズムも人の営み。
最後に勝つのは始原のエネルギーかも、と一緒に走りながら思えてくる映画です。

ウェディング・ベルを鳴らせ!
監督/エミール・クストリッツア、音楽/ストリボル・クストリッツァ、
製作/オリヴィエ・デルボスク、マルク・ミソニエ、マーヤ・クストリッツア、エミール・クストリッツア
キャスト
ウロシュ・ミロヴァノヴィッチ/ツァーネ、マリヤ・ペテロニイェヴィッチ/ヤスナ、
アレクサンダル・ベルチェック/祖父、ミキ・マイノロヴィッチ/マフィアのボス
4月25日(土)シネマライズ他全国順次ロードショー
http://www.weddingbell.jp/

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by mtonosama | 2009-04-18 05:36 | 映画 | Comments(6)