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殿様の試写室

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偉大なるマルグリット
-2-
Marguerite

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(C)2015 - FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINÉMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC.


舞台となる1920年代のパリ。
第一次世界大戦が終わった解放感と高揚から
狂騒の時代( Les années folles)と呼ばれた時代です。
ピカソやシャガール、ダリが活躍し、
アヴァンギャルドやシュールレアリズム、アールデコが盛り上がり、
禁酒法を逃れて大勢のアメリカ人が到来し、ポップカルチャーをもたらしました。

マルグリットの美声(?)さえ別にすれば
音楽もファッションもインテリアも十二分に楽しめる映画です。
マルグリットの毛皮コートも
パリ郊外の草原を駆け抜けるカブリオーレも
最高にかっこいいんですから。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。

ストーリー
1920年9月、マルグリット・デュモン男爵夫人の豪奢な邸宅。
いつものように慈善音楽会が華やかに開催されていた。
若い新聞記者ボーモンと無名の画家キリルは
塀を乗り越え、屋敷の中に忍び込み、招待客の貴族たちに紛れ込んだ。
新人歌手のアゼルが美声を披露した後、
いよいよ本日の主人公マルグリットの登場である。
孔雀の羽根を頭に飾り、堂々と客の前に現れた彼女は
「夜の女王のアリア」を歌い出した・・・

呆然とするボーモンとキリル。
新人歌手のアゼルは思わず周囲を見回す。
そして失笑を漏らす。

ああ、マルグリットはとてつもない音痴だったのだ。

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礼儀正しい貴族たちは拍手喝采を送るが、
勝手を知った客は既に別室へ避難。
マルグリットの夫ジョルジュもわざと遅刻。

翌朝の新聞には
ボーモンが書いた「心をわし掴みにする歌声だ」との評が載る。
確かに一度聴いたら忘れることができない歌声であるのは事実・・・
実はこの記事はボーモンが大金持ちのマルグリットに
接近したいがために書いたものだった。
だが、マルグリットは大喜び。
執事のマデルボスに車を出させ、パリに向かう。

夫のジョルジュはどうしてもそんな妻を理解できず、
妻の友人フランソワーズと浮気していた。
夫に相手にされないマルグリットは
もうひとつの生き甲斐である撮影会で心を紛らわせる。
憧れのオペラのヒロインに扮した彼女を撮るのは執事マデルボス。
邸宅内にはそんな彼女のポートレートがあちこちに飾られていた。

そんな折、
マルグリットはボーモン達からパリの音楽祭に出演しないかと誘われる。
必死で止める夫ジョルジュ。
マルグリットは戦没者に捧げるイベントだといわれ、
ラ・マルセイエーズを歌う。
だが、その音楽祭はボーモン達が仕掛けた反社会的な催し。
警察に踏み込まれ
マルグリットは新聞にデカデカと載ってしまった。
貴族の慈善クラブから除籍されるマルグリット。

だが、この事件をきっかけに
彼女は本物のお客の前で歌う喜びを知ってしまった。
パリでリサイタルを開くことを決意するマルグリット。
ジョルジュはなんとか阻止しようとする。
しかし、彼女だけが知らないあの真実を告げることだけはできない。
有名オペラ歌手ペッジーニを教師に雇い、
レッスンに励むマルグリット。
さあ、どうなる……

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いや、マルグリットの歌う「夜の女王のアリア」にはまいりました。
あまりの音程に笑ってしまいました。
が、しかし
音痴って色弱などと同じように、
音を認識する何かが欠けているということなのかもしれない、と気づきました。

この映画を観ているときの居心地の悪さは
マルグリットの湛える欠損感覚のようなものから出ているのでしょう。
脳内の音認識分野の欠落
そして
夫の愛を得られない欠落感・・・

ああ、いまわかった!

となるとカトリーヌ・フロの演技はただものじゃありません。
もちろん音を外して歌う演技だけをいっているのではなく。

彼女の孤独感が
孤独とはまるで関係のない音痴を通じて
沁み出しているから、居心地の悪さを感じたんだ。

音痴は自分が音を外していることがわからない。
そもそも音を外していることがわからないから音痴なんですね。

おもしろうて、やがて悲しき・・・

いや、深いぞ。この映画。





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☆2016年2月28日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

偉大なるマルグリット
監督、脚色、脚本/グザヴィエ・ジャノリ、脚本協力/マルシア・ロマーノ、撮影/グリン・スピーカート-SBC、製作総指揮/クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル、アルテミオ・ベンキ
出演
カトリーヌ・フロ/マルグリット、アンドレ・マルコン/ジョルジュ・デュモン、ミシェル・フォー/アドス・ベッジーニ、クリスタ・テレ/アゼル、デニス・ムブンガ/マデルポス、シルヴァン・デュエード/リュシアン・ボーモン、オベール・フェノワ/キリル・フォン・プリースト、ソフィア・ルブット/フェリシテ(髭女)、テオ・チョルビ/ディエゴ
2月27日(土)シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
2015年、フランス、129分、日本語字幕/古田由紀子、配給/キノフィルムズ、http://www.grandemarguerite.com/

by Mtonosama | 2016-02-28 06:04 | 映画 | Comments(7)

偉大なるマルグリット
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Marguerite

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(C)2015 - FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINÉMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC.


1940年代、アメリカにフローレンス・フォスター・ジェンキンスという
音楽とオペラに強い情熱を傾けているお金持ちの女性がいました。

彼女は社交界の人々の前で歌ったり、
レコードを出したり、
1944年、76歳の時には
カーネギー・ホールの舞台にも立ったのだそうです。

でも、なんということでしょう!

彼女はとてつもない音痴だったのです。

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ここで今回のお題。
本作『偉大なるマルグリット』が生まれたのは
10年程前、グザヴィエ・ジャノリ監督が
ラジオで「魔笛」の「夜の女王のアリア」を
盛大に音を外して歌っている声を聴いたのがきっかけ。
それがフローレンス・フォスター・ジェンキンスでした。

監督はその声を
「別世界から聞こえてくるような神秘的な声だった」
と表現しています・・・

監督もまたえらいお耳の持主でございます。

監督は彼女に興味を抱き、新聞の切り抜きを読んだり、
レコードも見つけ出したそうです。
そして、レコードで聴いたその声も、それはそれはひどいものでした。
ジャケットには天使の羽をつけ、ティアラを冠った彼女が写っています。

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とのにはとても信じられないのですが、
彼女は、自分の歌が普通じゃないということに気づいていなかったのですって。
誰も彼女に「あなたは音痴ですよ」と言い出せなかったんです。

周囲の人間が彼女に真実を告げなかったのは
お金目当てか、偽善者か、
一番良く見積もっても臆病者だったからでしょうね。
ま、それは彼女が大金持ちだったのがいけないのでしょう。

でも、彼女も自分でわからないかなあ。

が、しかし
監督はフローレンスさんの声を聴いたことで
創作意欲に駆られたのですから良しとしましょうか。

この風変わりな趣味を持ったグザヴィエ・ジャノリ監督は
グザヴィエ・ジャノリ監督
1972年生まれのフランスの映画監督、脚本家、映画プロデューサー。
1993年から10本の映画を監督している。
第69回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門では
『ある朝突然、スーパースター』が金獅子賞を争った。

フィルモグラフィー
2003年『EAGER BODIES』
セザール賞有望若手男優賞ノミネート
セザール賞有望若手女優賞ノミネート
2005年『情痴 アヴァンチュール』
2006年『THE SINGER』
2009年『IN THE BEGINNING』
2012年『ある朝突然、スーパースター』
2015年『偉大なるマルグリット』

ジャノリ監督はモデルとなった人物を細かく調査するタイプの監督さん。
多くのリサーチを行ってから、架空の話を書きます。
単なるドキュメンタリーや純粋なフィクションでは満足できないのだとか。
実際のできごとについて個人的な解釈を加え、
人間の真理を明らかにしたいということです。

人間の真理といわれても、
とのにはそんなに音程を外しながら
平気で大勢の前で歌うというところがどうしてもわからないのですが、
そのあたりは皆さまの目と耳でぜひお確かめくださいませ。

1920年代のパリ。
ファッションも大金持ちの邸宅のインテリアもお楽しみどころ。

それにしても一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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偉大なるマルグリット
監督、脚色、脚本/グザヴィエ・ジャノリ、脚本協力/マルシア・ロマーノ、撮影/グリン・スピーカート-SBC、製作総指揮/クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル、アルテミオ・ベンキ
出演
カトリーヌ・フロ/マルグリット、アンドレ・マルコン/ジョルジュ・デュモン、ミシェル・フォー/アドス・ベッジーニ、クリスタ・テレ/アゼル、デニス・ムブンガ/マデルポス、シルヴァン・デュエード/リュシアン・ボーモン、オベール・フェノワ/キリル・フォン・プリースト、ソフィア・ルブット/フェリシテ(髭女)、テオ・チョルビ/ディエゴ
2月27日(土)シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
2015年、フランス、129分、日本語字幕/古田由紀子、配給/キノフィルムズ、http://www.grandemarguerite.com/

by Mtonosama | 2016-02-25 05:50 | 映画 | Comments(10)