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    君を想って海をゆく  -1-
                     WELCOME

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     (C)2009 Nord-Ouest Films-Studio37-France 3 Cinema-Mars Films-Fin Aout Productions.

前にもお話したかとも思いますが、とのはSwimmerです。
速くは泳げないけれど、長く泳げと言われるなら、いくらでも泳ぎます。
そんなとのも未だ試みていないこと(これからもやれないと思いますが)。
それはドーバー海峡横断です。

偉そうに言っても、江ノ島を一周しただけのとの。
その時も絶えず身体にぶつかってくる波に酔ってしまい、気持ち悪くなってしまいました。
波酔いというやつです。

しかし、この映画の主人公はドーバー海峡34kmを渡ろうというのです。
クロールも泳げなかった17歳のクルド人の少年が、です。

「荒唐無稽な話だなぁ」とお思いでしょうね。
とのもそう思いました。
それに「君を想って海をゆく」という邦題――
以前、対岸の島に住んでいる彼女に会うため、毎朝海を泳いでわたる犬が話題に
なりましたが、それを思い出してしまいました。

しかし、映画を観て、そんな牧歌的な妄想は一瞬にして拭い去られました。

ヨーロッパが、そして、日本が、抱える難民問題。
難民として祖国を離れなければならなくなった人の問題。その国の抱える問題。
相変わらず、世界は抱えきれない問題のなかであえいでいます。

で、ありながら、肩をいからせて「われわれはこの不条理な難民問題を告発しなければっ!」
と怒声を発する映画ではありません。
社会派の映画でありながら、しみじみと訴えかけてくる作品。
泣きました。

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クルド人の少年が良いです。
そして、
彼に水泳を教える元水泳選手の市民プールのフランス人コーチも良いです。

少年は英国に暮らす恋人に会うため、数千キロの隔たりをものともしないのに、
フランス人コーチは離れていこうとする目の前の妻を抱きしめることすらできない。
厳しい現実を軸に、成就させたい愛と消えそうな愛で
希望と切なさを点綴しながら描きあげた映画。

ああ、なんとしても観ていただきたいです。

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クルド人
クルド人とは、トルコとイラク、イラン、シリアの国境地帯に跨って住む中東の先住民族で、
人口は約3000万人。 現在、クルド人は世界最大の「独立した祖国を持たない民族」だと言われています。
クルド人の宗教は、かつてはペルシャから伝わったゾロアスター教(拝火教)でしたが、7世紀にアラブ人によって征服されてからはイスラム化が進み、現在では75%がスンニ派、15%がシーア派だと言われています。このほか、キリスト教やユダヤ教、アレヴィー教(シーア派とゾロアスター教、トルコのシャーマン信仰との融合宗教)やイェズディー教(シーア派とキリスト教、ゾロアスター教、ユダヤ教の融合宗教)のクルド人たちもいます。
19世紀からクルド人たちは自治や独立を求める闘争を続けてきました。現在でもトルコやイラク、イランでクルド人の様々な政治組織が独立や自治を求める戦いを続けています。
http://www.geocities.jp/kuludojp/index.html

難民
難民とは、対外戦争、民族紛争、人種差別、宗教的迫害、思想的弾圧、経済的困窮、自然災害、飢餓、伝染病などの理由によって居住区域(自国)を強制的に追われた人々を指す。
その多くは自身の生命を守るため、陸路、海路、河路、空路のいずれかで国外に脱し、
他国の庇護と援助を求める。現在の国際法では、狭義の「政治難民(Political Refugee)」を
一般に難民と呼び、弾圧や迫害を受けて難民化した者に対する救済・支援が国際社会に義務付けられている。(Wikipediaより)

17歳のクルド人少年がどんな理由から難民となったかは映画では描かれていません。
しかし、とにかく彼はイラクから3ヶ月間も歩いてフランスのカレまでやってきました。
それはどうして?

続きは次号で。乞うご期待であります。



君を想って海をゆく
監督/フィリップ・リオレ、脚本/フィリップ・リオレ、エマニュエル・クールコル、オリヴィエ・アダム、製作代表/クリストフ・ロシニョン、撮影/ローラン・ダイヤン(A.F.C.)
出演
ヴァンサン・ランドン/シモン、フィラ・エヴェルディ/ピラル、オドレイ・ダナ/マリオン、デリヤ・エヴェルディ/ミナ、ティエリー・ゴダール/ブリュノ、セリム・アクジュル/ゾラン、フィラ・セリク/コバン、ミュラ・スバシ/ミルコ、オリヴィエ・ラブルダン/警察代理官、ヤニック・ルニエ/アラン、ムアファク・ロシュディ/ミナの父親、ベイ・ジャナティ・アタイ/ミナの母親、パトリック・リガルド/シモンの隣人、ジャン=ポル・ブリサール/裁判官、ブランディーヌ・ペリシエ/家事担当裁判官、エリック・エルソン=マカレル/収容所の警官、ジル・マッソン/拘置所役人、エマニュエル・クールコル/スーパー店長
12月18日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
2009年、フランス、1時間50分、フランス語・英語・クルド語、配給/ロングライド
http://www.welcome-movie.jp/


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by mtonosama | 2010-11-30 05:23 | 映画 | Comments(10)
ペルシャ猫を誰も知らない 
                           -1-

      Kasi Az Gorbehayeh Irani Khabar Nadareh
         No One Knows About Persian Cats

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ペルシャ猫という言葉にひかれて、ここへ遊びに来て下さった猫好きの皆さま、ごめんなさい。
猫の映画ではありません。
「ペルシャ猫を誰も知らない」というどことなく楽しげなタイトルに魅かれた方も、
ごめんなさい。少し深刻な映画です。
旅行の好きな方、ピンポ~ンです。
テヘラン市内なんて、この映画でしか観られません。
音楽好きな方も大正解でした♪
この映画はイランの首都テヘランに暮らす若いミュージシャンたちを描き、
第62回カンヌ国際映画祭<ある視点>審査員特別賞を受賞した作品です。

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タイトルのペルシャ猫というのはミュージシャンである映画の主人公のこと。

イランでは犬も猫も外に連れ出すことができません。
映画の中にもありましたが、
犬を車に乗せていた主人公は警官に停車命令を出されました。
ペットを連れ歩くことが禁止されているからです。
犬や猫は本当はとても国民に愛されているのですが、
イランでは家の中でしか飼うことができません。
それって国家に規制された音楽を演奏するミュージシャンそのまんま。
愛されているのに、表だって演奏することができないんですから、
可愛くて、散歩させたいのに、外に連れ出せないペットと同じです。

ペルシャ猫はターキッシュアンゴラとペルシャ土着の猫を交配させて生まれたと
いわれるようにイランに源を持つ猫。映画のタイトルとしては最高です。

ペルシア、ペルシャ (ギリシャ語 Περσία Persia) は、現在のイランを表す古名。
漢名は波斯(はし)・波斯国(はしこく)。波斯と書いてペルシアと読ませることもある。
かつてイランに対する外国からの呼び名として「ペルシア」が用いられたが、
1935年3月21日に「イラン」に改めるよう諸外国に要請したものの混乱が見られ、
1959年、研究者らの主張によりイランとペルシアは代替可能な名称と定めた。

その後1979年のイラン・イスラーム革命によってイスラーム共和国の名を用いる一方、
国名はイランと定められた。
歴史的には、古代ペルシアのパールサ地方 Pârsâ のこと。(パールサ、パールサ・・・ペルシャ)
語源は騎馬者を意味するパールス Pârs。
ギリシャ語ではペルシス (Πέρσις Persis) と呼ばれ、
現代イランでファールス地方にあたる。
ペルシアに相当する日本語や諸外国で表記される語は、現代のペルシア語ではイラン、
またはパールサの現代形のファールスと呼ばれている語である。
ペルシア湾をファールス湾(ペルシア語:یج فارس khalij-e fārs)、
ペルシア語をファールス語(ファールスィー ペルシア語:فارسى‎ fārsi)に
相当する現代のペルシア語で呼ばれる。
また、この地に興ったペルシア帝国と呼ばれる諸王朝のこと。
ただし、同じ地に興ったパルティア(アルシャク朝)はペルシアとは語源的に無関係である。
イランの文化や特産物に対する呼び名としても使われる。(Wikipediaより)

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さて、イランの音楽事情です。
ポップミュージックの規制が厳しいイランでも音楽好きな若者は大勢います。
禁止されればされるほど夢中になってしまうのは、いずこも同じですね。
とのはイラン・イスラム革命時の指導者ホメイニ師の厳しい顔つきが
頭にこびりついているため、
イランでは街中をラクダが闊歩し、市民はターバンを巻き、
礼拝時間になると一斉にお祈りを始めるんだろう、と思っていましたが―――
いえいえ、とんでもない。
この映画に映し出されたテヘラン市内は思ったより近代的な街でした。
若者たちは東京やNYと同じようなファッションですし、
ロック、ブルース、ヒップホップ、ラップ…
イランのアンダーグラウンドなミュージック・シーン(そのステージこそ東京やNYとは違いましたが)も
厳格なお国柄とは違って、なかなかカラフルなもの。

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本作を監督したバフマン・ゴバディ氏は42歳のクルド人です。
過去4作の長編映画はすべてクルド地方を舞台にしたものでした。
そこにあった風景は緑のない黄土色の山ばかりの世界でした。

そのゴバディ監督の撮ったテヘラン市内を舞台にしたミュージシャンの映画。
さてさて、いったいどんなお話なのでしょう。


                        To be continued.
 
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ペルシャ猫を誰も知らない

監督/バフマン・ゴバディ、脚本/バフマン・ゴバディ、ロクサナ・サベリ、ホセイン・アプケナール、撮影/ハイェデー・サフィヤリ
出演
ネガル・シャガギ/ネガル、アシュカン・クーシャンネジャード/アシュカン、ハメッド・べーダード/ナデル、その他テヘランのミュージシャンたち
8月7日(土)ユーロスペースほか全国順次ロードショー、他全国順次公開
2009年、イラン、カラー、106分、配給/ムヴィオラ
http://www.persian-neko.com/

by mtonosama | 2010-07-07 06:47 | 映画 | Comments(8)