ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:クロワッサンで朝食を ( 2 ) タグの人気記事

クロワッサンで朝食を -2-
Une Estonienne à Paris

f0165567_51549.jpg

(C)TS Productions - Amrion Ou - La Parti Production - 2012

ジャンヌ・モローの名前に魅かれはしたものの、
パリ在住の裕福な老夫人とその身の廻りを世話するために
故郷エストニアから単身でパリにやってきた中年女性の登場――
とくれば、眼には見えずとも確実に存在する上下関係を感じさせられて、
イヤな感じになるに違いない、と最初は思っていました。

裕福でわがままな老夫人フリーダを演じるのはジャンヌ・モロー。
冴えないファッションで憧れのパリを散策する家政婦アンヌを演じるはエストニアの女優ライネ・マギ。

パリの高級アパルトマンで優雅に暮らすフリーダ、
そして、かつての鉄のカーテンの中にあった小国エストニアの中年女性アンヌ。
ファッションひとつとっても、
シャネルとジュエリーを最初から身につけて生まれてきたかのごとくに着こなすフリーダと、
野暮ったいダウンコート、毛糸の手袋と帽子を身に付けた田舎のおばさんアンヌ。
水と油のような二人です。
さあ、この違い過ぎる二人が織りなすのは、いったいどんなお話なのでしょうか。


ストーリー
エストニアの田舎町で母の最期を看取ったアンヌ。
葬儀も終わり、子どもたちも帰っていった後、彼女はもの想いに耽っていた。
そこへ、かかってきた一本の電話。
パリで暮らすエストニア出身の老夫人が世話係を捜しており、
フランス語を話せるアンヌにどうだろうと、以前勤めていた老人ホームからの電話だった。
アンヌは若い頃から憧れていたパリへと旅立つことにする。

空港に迎えにきたのはステファンという同年代の男性。
彼は老夫人が暮らすパリ16区の高級アパルトマンへとアンヌを案内する。
だが、彼女は既に就寝中。
問題があったら自分が経営するカフェへ連絡するように言い残し、ステファンが帰った後、
アンヌはアパルトマンを出て、心ときめかせながら夜のパリの街を散策する。

翌朝、アンヌはフリーダの部屋へ朝食を届けるが彼女は手をつけようとしない。
さらに、不機嫌なフリーダは「家政婦などいらないわ」と彼女を解雇。
困ったアンヌがステファンのカフェに行くと、フリーダの朝食はクロワッサンと紅茶に
決まっていることを教えられる。

次の朝、言われた通り、クロワッサンと紅茶を供するアンヌ。
すると、フリーダはスーパーで買ったクロワッサンなどは偽物で、
本物のクロワッサンはパン屋で買うものだ、と怒り、またもや口をつけようとしない。

そこへやってきたステファン。満面の笑顔で迎えるフリーダ。
ステファンは「アンヌを解雇しても別の家政婦を雇うだけだよ」とフリーダを優しく諭し、
アンヌを受け入れることを納得させる。

その後アンヌは、ステファンの口から、かつてフリーダとは歳の離れた恋人であったこと、
さらに、彼女ははるか昔エストニアからパリに来て、今は天涯孤独の身であると、
教えられる。

翌朝、言われた通りパン屋で買ったクロワッサンと紅茶をテーブルに運ぶアンヌ。
フリーダは喜び、美味しそうにクロワッサンを食べながらステファンとの関係を打ち明ける。

ある日、フリーダはアンヌを誘い、一緒におしゃれをしてカフェに向う。
そして、アンヌに、ダウンはやめて、もっとシックなコートを着るようにと
自分のトレンチコートをプレゼントするのだった。
カフェに向って楽しげに腕を組んで歩く二人……

f0165567_5232573.jpg

わがままで偏屈な老マダムに仕える、田舎からやってきた冴えない中年女性。
そんな主従関係を背景にした人情ものを予想したとの。
反省します。大間違いでした。偏見でした。

皆さんが想像なさった通り、フリーダとアンヌはとても良い関係を結びます。
孤独に年老いたマダムと、孤独な中年女性の心の交流。
よくある話です。
ま、そこにステファンというマダムの元恋人が不思議な要として存在するのですが。

しかし、結局、心が交わっても、昔の恋人であっても、人はみな孤独なんですよね。
でも、孤独ってそんなに悪くない。
人生の節目節目に人はなにかを決断しながら今ここにこうしているのです。
今まで通りひとりで生きていけばいいのでしょう。

朝食はクロワッサンと紅茶。
そのクロワッサンもスーパーなんかで買ったものじゃダメ――
そんなさりげないこだわりの積み重ねが人生なのだ、と、
どこかホッとしながら静かな気持になれる優しい映画でした。





今日もポチッとしていただけたら嬉しゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆7月11日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

クロワッサンで朝食を
監督/イルマル・ラーグ、脚本/イルマル・ラーグ、アニエス・フォーブル、リーズ・マシュプフ、撮影/ローラン・ブリュネ、美術/パスカル・コンシ二、製作/フィリップ・カウフマン、アドリアン・ポトフスキー&時リー・ウォータークリン、共同製作/ミレナ・ポワヨ&ジル・サクト、リーナ・スィルドス
出演
ジャンヌ・モロー/フリーダ、ライネ・マギ/アンヌ、パトリック・ピノー/ステファン、フレデリック・エポー/ドミニク(ギャルソン)、ヘレ・クニンガス/リディア
7月20日(土)シネスイッチ銀座他全国順次公開
2012年、フランス=エストニア=ベルギー、フランス語・エストニア語、95分、日本語字幕/古田由紀子、協力/ユニフランス・フィルムズ、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/croissant/

by Mtonosama | 2013-07-11 05:36 | 映画 | Comments(8)
クロワッサンで朝食を -1-
Une Estonienne à Paris

f0165567_5482955.jpg


(C)TS Productions - Amrion Ou - La Parti Production - 2012

最近、老人を描いた映画が本当に多いです。
とのが150歳だから、おじいさんおばあさんの映画ばかり選んでいるという訳ではないんですよ。
ええ、違いますとも。
当試写室では、厳正公平なる個人的な主観で上映いたしておりますもの。

とはいえ、この人は別格でしょう。
ジャンヌ・モローです。
御歳85歳でありながら、このゴージャスさ!
シャネルがこれほどサマになっている女優は
世界広しといえどもこのお方しかおられないのではないでしょうか。

けっして整ったお顔立ちというのではありません。
お口は大きいし、顔にも首筋にも歳相応のしわが年輪を刻んでいますし、
おなかも相当たっぷりしておいでです。
だけど、この存在感、このオーラといったらどうでしょう!

f0165567_5565651.jpg

ルイ・マル、フランソワ・トリュフォー、オーソン・ウェルズ、ルイス・ブニュエル――
1950~60年代、映画史を綺羅星のように点綴する巨匠たちの名作を
このお方が彩ってきたというのも頷けます。
しかし、今回彼女が出演した「クロワッサンで朝食を」の監督は
エストニア生まれのイルマル・ラーグ。45歳。
これまで主にテレビ畑で活躍してきた人で、本作が劇場長編映画初監督作となります。
はっきり言って巨匠ではありません。無名です。

そんなことを聞くと、「え、ジャンヌ・モロー、落ちぶれちゃったの!?」
と早とちりなさる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

ノン、ノン!それは大女優に対しても、イルマル監督に対しても、失礼ってものです。
というのも、彼女は大作であるとか、有名監督であるとかに、とらわれず、
自身のセンスで選んだ作品に出演するピシーッと筋の通った女優だからです。

今回もイルマル監督が持ち込んだ脚本の世界に惚れ込んでの出演とあいなりました。
その脚本というのはイルマル監督の母親の身に起こった実話に基づいたお話。
“Une Estonienne à Paris”(原題:パリのエストニア人女性)です。

このエストニアですが、えっと、どこだったっけ?


エストニア
エストニアというのはバルト三国(ラトヴィア、リトアニア、エストニア)の中の一国で、
三国中一番北に位置する人口136万人ほどの国。
かつてのソ連に隣接しています。
その地理的位置から、13世紀以来、デンマーク、ドイツ系騎士団、スウェーデン、ロシア帝国、
ナチス・ドイツ、そして、近年にはソ連からの侵略によって翻弄され続けてきました。
独立したのはソ連が崩壊した1991年のことです。

自国の言語と文化を守り通してきたエストニアですが、
1920年代には多くのエストニア人が祖国を後にし、オーストラリアやブラジルに移民として渡りました。
パリに移った人も大勢います。現在、フランス在住のエストニア人は1000人を超えているそうです。
その後、第二次大戦時には、ナチス・ドイツ、続いてはソ連の脅威から逃れるため、
再び多くの人がスウェーデンやカナダへ渡っていきました。

エストニアは、現在ではeストニアと呼ばれる程のIT大国で、
2007年には世界で初めて議会選挙でインターネット投票を行った国です。
その他、室内では靴を脱ぐ習慣もあるとか。ま、これはトリヴィアです。

新鋭イルマル・ラーグ監督。先ほど無名などとご紹介しましたが、
本作はロカルノ国際映画祭でエキュメニカル賞を受賞。注目を集めています。

ジャンヌ・モロー、エストニア、クロワッサン。
不思議な組み合わせですよね。
さぁ、いったいイルマル・ラーグ監督はどんな映画を見せてくれるのでしょうか。

続きは次回まで、これは乞うご期待でございますよ。



今日もポチッとお願いできれば嬉しゅーございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村

クロワッサンで朝食を
監督/イルマル・ラーグ、脚本/イルマル・ラーグ、アニエス・フォーブル、リーズ・マシュプフ、撮影/ローラン・ブリュネ、美術/パスカル・コンシ二、製作/フィリップ・カウフマン、アドリアン・ポトフスキー&時リー・ウォータークリン、共同製作/ミレナ・ポワヨ&ジル・サクト、リーナ・スィルドス
出演
ジャンヌ・モロー/フリーダ、ライネ・マギ/アンヌ、パトリック・ピノー/ステファン、フレデリック・エポー/ドミニク(ギャルソン)、ヘレ・クニンガス/リディア
7月20日(土)シネスイッチ銀座他全国順次公開
2012年、フランス=エストニア=ベルギー、フランス語・エストニア語、95分、日本語字幕/古田由紀子、協力/ユニフランス・フィルムズ、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/croissant/

☆7月8日に更新しました。いつも応援をありがとうございます☆
by Mtonosama | 2013-07-08 06:04 | 映画 | Comments(8)