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殿様の試写室

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タグ:グザヴィエ・ドラン ( 2 ) タグの人気記事


エレファント・ソング
-2-
Elephant Song

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(C)Sebastien Raymond


『トム・アット・ザ・ファーム』ではブロンド長髪の美青年を演じたグザヴィエ。
本作では、もちろん相変わらずの美青年ながら、
長い入院生活に疲れ、
無精ひげと疲れたまなざしに複雑な内面をのぞかせるマイケルを演じました。

どっちも素敵。
でも、個人的な好みとしてはロン毛の方が好きなんですけど。
あ、そんなことはどうでもいいですね。

60年代という時代は150歳のとのにとっても懐かしい時代でありながら、
あまりにも遠くへ去ってしまった時代。
懐かしさと同時に寂寥感もつきまとってなりません。

いったいどんなお話でしょうか。

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ストーリー
ひとりの精神科医が病院から姿を消した。最後に彼の姿を見たのは長期入院患者マイケル。
マイケルはその精神病院の問題児で、象にまつわることに異常なまでの執着を示す青年だ。

医師失踪の事情解明のため、クリスマス休暇中のグリーン院長が病院に呼び戻された。
失踪した医師と最後に一緒にいたのはマイケルだった。
マイケルの性格をよく知るピーターソン看護婦長の警告にもかかわらず、
院長は自分がマイケルに事情を訊くといってきかない。

ピーターソン婦長の心配は的中。マイケルは象やオペラについて話すばかり。
そんな彼が事情を話すために院長に出した条件は3つ。
一つ目、マイケルのカルテを読まないこと。
二つ目、ご褒美にチョコレートをくれること。
三つ目、ピーターソン婦長をこの聞き取りに参加させないこと。

実はグリーン院長と婦長は元夫婦。
ふたりには事故で一人娘を失うという悲しい過去があった。
未だに自分を責め続けるピーターソン婦長。
「君は悪くない」と言いながら、心の底で彼女を責めずにはいられないグリーン院長。
ふたりは離婚した今もわだかまりを抱えたままだ。

マイケルはピーターソンのことを持ち出し、さらに、
消えた医師ローレンスから受けた性的虐待のこともほのめかして、
グリーン院長を動揺させる。

一方マイケルの日常をよく知るピーターソンは彼の異変を感じていた。
彼女はグリーン院長にマイケルとの話を中断し、病室に戻すよう申し入れる。
だが、マイケルに翻弄されている院長は彼女の申し入れを無視する。

話を続行するうちに、マイケルは院長にポツポツと「真相」を話し始める。
失踪した医師ローレンスへの愛、
オペラ歌手の母の自殺、
死にゆく母の傍らでかつて彼女から習った「象の歌」を歌ったこと。
そして、母のいまわの言葉。「音程を3つ外した・・・」

ローレンスの行方は発覚した。
「倒れた姉のところに行くから明日は休診に」
と記した彼のメモをマイケルが隠し持っていたのだ……

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チョコレートとひきかえに秘密を明かしたマイケルは一つずつ口に入れていきます。
全体に蒼みがかったスクリーンからしーんとした緊張感が伝わってきます。

やがて慌てふためくピーターソンの様子から
ナッツアレルギーのマイケルがチョコレートで自殺をはかったことが判明。
チョコレートを食べるという子供じみた安らぎのイメージが
死へとつながっていく急展開に仰天します。

緊迫した会話、
そして、マイケルが内に孕んだ狂気と幼いままの愛情と孤独感。
俳優グザヴィエ・ドランの本領発揮というところです。

グザヴィエ・ファン必見の一本であります。

カナダの冬の寂寥感
蒼白い光
良いですねぇ。





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☆6月3日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

エレファント・ソング
監督/シャルル・ビナメ、原作・脚本/ニコラス・ビヨン、撮影/ピエール・ギル
出演
グザヴィエ・ドラン/マイケル・アリーン、グリーン院長/ブルース・グリーンウッド、キャサリン・キーナー/ピーターソン看護士長、キャリー=アン・モス/オリビア、コルム・フィオール/ローレンス医師、ガイ・ネイドン/ジョーンズ医師
6月6日(土)新宿武蔵野館、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー
2014、カナダ、100分、配給/アップリンク、特別協力/ケベック州政府在日事務所、後援/カナダ大使館、http://www.uplink.co.jp/elephantsong/

by Mtonosama | 2015-06-03 05:34 | 映画 | Comments(6)

エレファント・ソング
-1-
Elephant Song

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(C)Sebastien Raymond

またもやグザヴィエ・ドランの登場です。
一旦好きになるとしつこいとのであります。
醜女(しこめ)の深情ってヤツ?

グザヴィエ・ドラン。今回は俳優としての登場。
監督としての評価が高いグザヴィエですが、
実は、彼、監督業より俳優業の方がお気に入りなんだそうです。
監督をやって、自分も出演すれば、両方できるのにな・・・

でも、先日当試写室で上映したグザヴィエ監督作『Mommy/マミー』
http://mtonosama.exblog.jp/23915924/ http://mtonosama.exblog.jp/23926931/
には登場していませんでした。
『わたしはロランス』にも出ていませんでした。

『Mommy/マミー』や『わたしはロランス』には
容姿や年齢が合うキャストがなかったからということです。
脚本も書くのだから、無理矢理自分の役を作っちゃえばいい、
と、とのなどは俗人なので考えますが、
グザヴィエくんにとって映画への情熱の中心はあくまでも演技。

心技体
なんていうとお相撲みたいですが、彼にとっての映画もそう。
まずはキャストに合った「体」がないといけないのだと思います。

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そんなグザヴィエが
「この主人公は僕だ。この役を僕にやらせてほしい」
と出演を熱望したのが本作『エレファント・ソング』。

主人公マイケルは、
オペラ歌手である母が自殺した後、ずっと精神病院に入院している象にこだわる青年。
本作は『トム・アット・ザ・ファーム』と同じく
http://mtonosama.exblog.jp/23216811/ http://mtonosama.exblog.jp/23232949/
戯曲「エレファント・ソング」を原作とする心理劇です。
周囲の人間を翻弄しつつ、痛ましいほどに愛を求める青年マイケルを
まるで自らの分身であるかのごとく熱演しています。

戯曲「エレファント・ソング」
1978年オタワ出身のニコラス・ビヨンの処女戯曲。
2004年にストラトフォード・フェスティバルで初上演。
パリのプチ・モンパルナス劇場で100回以上上演された。
最新の舞台ではモリエール賞2部門にノミネートされている。
今回の映画化にあたり、ビヨン本人が脚本を書き、
カナダのアカデミー賞カナダ・スクリーン・アワード2015で脚色賞を受賞。


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戯曲では80年代という設定でしたが、映画では60年代半ばになっています。
60年代はまだまだ精神病者にとってはつらい時代。
ジャック・ニコルソンの鬼気迫る演技が衝撃的だった『カッコーの巣の上で』(’76)
のロボトミー(前部前頭葉切裁術)も行われていたし、
監禁なども普通に行われた時代でした。

さてさて、そんなすごい時代の精神病院を舞台に、
すごい脚本とすごい俳優を使った本作を監督したのはシャルル・ビナメ。

シャルル・ビナメ監督
1949年、ケベック州出身。計8本の長編作品を撮っている。
『Eldrado』(’95)を含む三部作はカンヌ国際映画祭監督週間の特別賞を受賞した他、
監督及びスタッフが数々の国際映画賞を受賞。

薄暗い冬の曇天のもと、繰り広げられる心理劇。
一人の医師の失踪を核に患者マイケルと精神病院院長との間に展開される会話。
限られた空間での出来事でありながら観客の視線をひきつけてやまない作品であります。

続きは次回まで乞うご期待ください。



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☆5月31日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

エレファント・ソング
監督/シャルル・ビナメ、原作・脚本/ニコラス・ビヨン、撮影/ピエール・ギル
出演
グザヴィエ・ドラン/マイケル・アリーン、グリーン院長/ブルース・グリーンウッド、キャサリン・キーナー/ピーターソン看護士長、キャリー=アン・モス/オリビア、コルム・フィオール/ローレンス医師、ガイ・ネイドン/ジョーンズ医師
6月6日(土)新宿武蔵野館、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー
2014、カナダ、100分、配給/アップリンク、特別協力/ケベック州政府在日事務所、後援/カナダ大使館、http://www.uplink.co.jp/elephantsong/

by Mtonosama | 2015-05-31 05:50 | 映画 | Comments(2)