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グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
-2-
THE GOOD LIE

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(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved.


さて、前回は『ぼくたちのムッシュ・ラザール』に心が泳いでいってしまい、
皆さまにはご迷惑をおかけしました。
戻ってまいりました。

いや、異文化の出会いや移民について描いたら、
その優しいまなざしでファラルドー監督の右に出る人はいないでしょう。

さあ、どんなお話かというと――

ストーリー
1983年、スーダン南部で内戦が始まった。
北軍による突然の襲撃で両親を殺されたマメールは
兄テオ、姉アビタル、生き残った子どもたちと共にケニアを目指す難民の列に連なる。
そこには兵士になるのが嫌で北部から逃げ出してきたジェレマイアとポールの兄弟も。
苦しい移動の途中では敵兵と出会い、狙撃され死んでいく子どもたちがいる。
あるいは、飢えと喝きからも多くの子どもが命を落とした。
ある朝マメールは敵兵にみつかってしまう。
だが、兄テオが弟を救うために身代わりとなって連行された。
テオに代わってリーダーとなったマメールは仲間を率いてカクマ難民キャンプに辿りつく。

それから13年。
キャンプで成長したマメール、アビタル、ジェレマイア、ポール。
彼らのもとにアメリカ移住という話が舞い込んだ。
胸躍らせて飛行機に乗り込み、JFK空港に降り立った彼らを待っていたのは
女性は一般家庭が受け入れるという移民局の規則。
姉アビタルとは空港で引き離されてしまった。

職業紹介所で働くキャリーはマメール、ジェレマイア、ポールを迎えるため
カンサスシティの空港へ向かう。
彼女の仕事は彼らに仕事を紹介すること。
今回もいつものようにてっとり早く片付けよう、というつもりだった。

翌朝、キャリーは3人を連れて面接に行くが、断られてしまう。
困った彼女はボスのジャックから彼らに
アメリカ式の笑顔や自己アピールの仕方などを指導してもらう。
それが効を奏してポールは組み立て工場に、マメールとジェレマイアはスーパーに就職。

マイクとジェリーという名札を与えられた2人は
スーパーには犬用の食べ物までもが売られていることに驚き、
賞味期限切れの食品がゴミ箱に捨てられていることに仰天する

なんとか新生活に慣れ始めたかに見えた3人だったが、
ポールは同僚に勧められて麻薬に手を出し、
ジェレマイアは貧しい人に廃棄食品を渡しているところを上司にみつかり、
医師になるため必死に勉強しているマメールは夢のかないそうにない現実に悩んでいた。

そんな中、いつしか3人に共鳴するようになっていたキャリーのところに悪い知らせが。
ポールが警察に連行されてしまったのだ……

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キャリーと3人のとんちんかんな会話に笑わされます。
ま、そういうところはこの手の映画ではよくあるパターン。

共感できるのは彼らスーダンの若者たちがとても誇り高く生きていることです。
「難民キャンプから自由の国アメリカへ連れ出してやったんだぜ。感謝しろよな」
みたいな感じの映画だったらイヤだなって思っていたら見事に外れました。
それも良い方向に。

前回、マズローの5段階欲求説などと唐突に言い出したのには理由があります。

マメール、アビタル、ジェレマイア、ジャックが危険な村を離れ、
難民の列に加わり、キャンプで暮らす様子は
生理的な欲求であり、
安全・安心な暮らしがしたいという安全欲求であり、
集団に属したり、仲間が欲しくなったりする社会的欲求です。

そして、アメリカに渡り、
他者から認められたい、尊敬されたいという尊厳欲求を持ち、
そして、優しい嘘をつき、あることを行う感動のラストは
まさに、自分の能力を引き出し創造的活動がしたいという自己実現の欲求でした――

思わぬところで心理学の勉強にもなってしまう映画です。
つらい事件が続く今日この頃ですが、こんな映画で心を温めていただければと思います。





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☆4月4日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
監督/フィリップ・ファラルドー、脚本/マーガレット・ネイグル、製作/ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ・シャーウッド、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
製作総指揮/アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、キム・ロス、エレン・H・シュワルツ、ディーパック・ナヤール、ボビー&デボラ・ニューマイヤー、撮影/ロナルド・プラント
出演
リース・ウィザースプーン/キャリー、コリー・ストール/ジャック、アーノルド・オーチェン/マメール、ゲール・ドゥエイニー/ジェレマイア、エマニュエル・ジャル/ポール、クース・ウィール/アビタル、サラ・ベイカー/パメラ
4月17日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
アメリカ、110分、字幕翻訳/稲田嵯裕里、後援/国際移住機関(IOM)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、配給/キノフィルムズ、http://www.goodlie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-04 06:55 | 映画 | Comments(2)
グッド・ライ
~いちばん優しい嘘~
-1-
THE GOOD LIE

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(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved.


あるところで聞いた話ですが、アメリカのアブラハム・マズローという心理学者が
人間の欲求は5段階から成るピラミッドのようなものだといったそうです。

マズローの5段階欲求説
第1段階は「生理的欲求」。生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たい)。
人はこの欲求を充たすことができれば、次の階層「安全欲求」を求めます。
「安全欲求」は危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康)という欲求。
「安全欲求」を充たすと「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。
そして次に「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。
ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わり、
最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。http://www.motivation-up.com/motivation/maslow.html

なぜ、唐突にマズロー先生のお説を持ちだしたかといいますと、
本作『グッド・ライ』を観て、ああなるほど、と膝を打ち、感動したからであります。

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今から約30年前、1983年。アフリカのスーダンで内戦が始まりました。
数万人の子どもたちが両親も家庭も家も失いました。
彼らは1600kmもの道のりを子どもたちだけで歩き、ケニアの難民キャンプに到着します。

そして、そこで成長しました。

2000年。
アメリカとスーダンが協力し、
“ロストボーイズ”と名づけられた3600人の青年たちを
全米各地に移住させる計画をアメリカ最大の規模で展開しました。

砂漠と難民キャンプしか知らない青年たちが、
いきなり文化も風習も風土も違う国へ送り出されたのです。
送り出された彼らも、受け入れるアメリカ人もびっくりすることばかりだったことでしょう。

ロストボーイズ
ロストボーイズとはケニアやエチオピアの難民キャンプで働いていた人道機関の職員が、
第2次スーダン内戦(1983年~2005年)で家を追われ、
親を失った約2万人の子どもたちのことを呼んだ名前。
ボーイズといってはいるが、もちろんガールズもいる。
スーダン内戦は2005年にスーダン北部と南部で包括和平合意が締結されるまで20年以上続いた。
約200万人の一般市民が命を落とし、約400万人がスーダン国内で避難民となり、
約50万人が近隣諸国に難民として逃れた。

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本作はアメリカ映画です。
アメリカ映画でこういう作品だと、
「おれっち、こんな良い人なんだぜぇ」って感じで、
スーダンの若者たちのことも何も知らない田舎者みたいに必要以上におとしめて描かれがち。
なので、ちょっと警戒して観ました。

ところが、それは杞憂でありました。
ほっこりした気持になれるとても良い映画でした。

それもその筈、監督はフィリップ・ファラルドー。
あの『ぼくたちのムッシュ・ラザール』(‘10)
http://mtonosama.exblog.jp/17762227/  http://mtonosama.exblog.jp/17772823/
の監督さんです。
アルジェリア移民で悲惨な過去を持つラザール先生が
おなじくそれぞれの問題を抱えるカナダの小学生と向かい合う素晴らしい映画でした。
今、思い返してもあの静かな感動がよみがえってきます。

と、なぜか想いが『ぼくたちのムッシュ・ラザール』に向ってしまいましたので、
続きは次回に。
本当に乞うご期待でございますよ。



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☆4月1日に更新しました。祝入学、入社、進級!新しい年度が始まりました☆
グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
監督/フィリップ・ファラルドー、脚本/マーガレット・ネイグル、製作/ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ・シャーウッド、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
製作総指揮/アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、キム・ロス、エレン・H・シュワルツ、ディーパック・ナヤール、ボビー&デボラ・ニューマイヤー、撮影/ロナルド・プラント
出演
リース・ウィザースプーン/キャリー、コリー・ストール/ジャック、アーノルド・オーチェン/マメール、ゲール・ドゥエイニー/ジェレマイア、エマニュエル・ジャル/ポール、クース・ウィール/アビタル、サラ・ベイカー/パメラ
4月17日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
アメリカ、110分、字幕翻訳/稲田嵯裕里、後援/国際移住機関(IOM)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、配給/キノフィルムズ、http://www.goodlie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-01 05:42 | 映画 | Comments(6)