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タグ:コッホ先生と僕らの革命 ( 2 ) タグの人気記事

コッホ先生と僕らの革命 -2-
Der ganz grosse Traum

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(C)2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION

コッホ先生が英語教師として着任したのはドイツ地方都市の名門校。
当時のドイツ全体がそうであったように、
この学校の生徒たちの間でも国籍や階級に対する差別意識は根深いものでしたし、
英語に対する無理解や偏見も相当なものでした。

そんな生徒たちにサッカーを通じて英語やフェアプレイの精神を教えるコッホ先生の活躍。
痛快です。
エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」を彷彿させる作品でした。
愉快な子どもたちに、理解のある大人、そして、そうでない大人――。
ケストナーの作品って、少年少女が大活躍して血沸き肉躍る感じ。なんかこうすっきりしますよね。
ドイツ映画はこういう少年ものでも良い味を出してくれますよ。
本作でもそこのところを十二分に楽しんでいただきたいと思います。


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ストーリー
1874年、ドイツ帝国の古い都市ブラウンシュヴァイクに英語教師コンラート・コッホが到着しました。
彼は英国・オックスフォードに留学した新進気鋭の教師。
名門カタリネウム校の校長にドイツ初の英語教師として招かれたのです。
4年ぶりに母校へ帰ってきた彼の手には見慣れない皮革のボールがありました。
それは彼がイギリスで親しんだサッカーというゲームのボールでした。

ところが、初めて教室に入ったコッホ先生を待ちうけていたのは、
イギリスに対する生徒たちの強い偏見。
そんな中で、授業を始めようとした矢先、
歴史学の教師がノコギリで真っ二つにされた指示棒を持って
カンカンになって教室に飛び込んできました。
「誰の仕業だ」と問い詰める教師に、「ヨスト・ボーンシュテットです」と答える級長のフェリックス。
ヨストは否定しますが、鞄を開くとそこにはノコギリが。
ヨストはクラスでただ一人の労働者階級の子弟でフェリックスたちのいじめを受けていたのです。

その夜、開かれたパーティでコッホ先生はフェリックスの父親と会います。
彼は地元の名士で、カタリネウム校に対しても大きな権力を持つ人物です。
ドイツ帝国の教育の基本は秩序と規律、服従であると信じる彼は、
ことあるごとにコッホ先生と対立するのでした。

さて、相変わらず生徒たちは英語に関心を示しません。そこでコッホ先生は良い考えを思いつきました。
「みんな今から体育館に集合しなさい!」
不審そうに集まった生徒の前にコッホ先生は例のボールを示し、蹴ってみせます。
そう、先生はサッカーを通して生徒たちに英語を教えようとしたのです。
ゴール、ディフェンス、シュート――

たちまち夢中になる生徒たち。

中でもスポーツ用品メーカーの社長の息子オットーは
今まで見たこともないサッカー・ボールに興味を持ち、
自分でも作れないかと模索し始めます。
また、いじめられっ子だったヨストはフォワードとして並外れた才能を見せ、
クラスメートからも一目置かれる存在になってきました。ただ一人級長のフェリックスを除いては。

ある日、校長や地元名士ハートゥングたちがコッホの授業を参観しようと教室を訪れますが、
教室はもぬけのから。
生徒たちの声が聞こえてきた体育館に移動すると、まさにサッカーの試合の真っ最中です。
ところが、折悪しくヨストの蹴ったボールが見学していた牧師の股間に命中。
激怒したハートゥングは即刻サッカーの禁止を校長に言い渡し、
さもなければコッホをクビにすると脅したのです。
ヨストも退学処分の最後通告として補習室送りに。
一度はサッカー禁止令に従ったコッホでしたが、生徒たちの落ち込みようを見て一計をめぐらしました。
「放課後は何をしようと君たちの自由だ」。
満面の笑みを浮かべる生徒たち。
放課後、彼らはオットーを中心にサッカーの練習に取り組み始めました。
次第にほんもののチームとしてのまとまりを見せ始めるクラスメートたち。
級長のフェリックスも変わってきました。

しかし、コッホ先生の解雇とヨストの退学の危機は刻々と迫ってきます……

思いがけない生徒がクラスをひっぱり、フェアプレイの精神に目覚め、チームとしてのまとまりを見せる。
なんとも元気の出る映画です。
放課後のサッカーをリードするオットーはちょっと小太りの男の子。
あまり重要な役割を演じることのないキャラクターです。
おちびさんもいれば、大人っぽくて意地悪な子もいて、
やせっぽちも、お金持ちの子も、そうでない子もいます。
いじめもあれば、差別や偏見もあった子どもたちの世界が
サッカーのフェアプレイの精神を身をもって知ることによって変わっていく――
ま、ちょっと出来過ぎという感はなきにしもあらず、ですが、
ドイツサッカー初めて物語としてはこれで良し。
こんなに楽しく興奮できる映画を待っていました!

ドイツ映画ってしんねりむっつりした思弁的かつ哲学的な映画だけじゃないんです。
ケストナー的な世界、健在です。





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コッホ先生と僕らの革命
監督/セバスチャン・グロブラー、脚本/フィリップ・ロス、ヨハンナ・シュトゥットゥマン、原案/セバスチャン・グロブラー、ラウル・ライネルト、製作/アナトール・ニッチケ(DEUTSCHFILM)、ラウル・ライネルト(CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT),
H.W.ユルゲン(ARD DEGETO)、撮影/マルティン・ランガー
出演
ダニエル・ブリュール/コンラート・コッホ、ブルクハルト・クラウスナー/校長、カトリン・フォン・シュタインブルク/ヨストの母親、ユストゥス・フォン・ド―ナニー/フェリックスの父親、アクセル・プラール/スポーツ用品の製造業者、ユルゲン・トンケル/体育教師、トマス・ティーマ/歴史学教師
9月15日(土)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
2011年、ドイツ映画、114分、字幕翻訳/吉川美奈子
http://kakumei.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2012-08-23 10:03 | 映画 | Comments(6)
コッホ先生と僕らの革命 -1-
Der ganz grosse Traum

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(C)2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION

ロンドンオリンピックも終わりました。
なでしこジャパンは銀メダルに輝きましたが、日本男子サッカーは後一歩というところでメダルに及ばず。残念。

さて、サッカーと言えばドイツ。
と、球技の苦手なとのですら頭に刷り込まれている位、サッカーとドイツは切っても切れない関係。
守護神オリバー・カーンの姿は未だ鮮明です。

ドイツはFIFAワールドカップ優勝3回を誇り、FIFAランキングでは常に上位、
世界を代表するサッカー強豪国として知らない人はいません。

ところが、そんなドイツでも19世紀末ではサッカーは敵性スポーツ。
帝国主義下のドイツでは反英意識が強く、イギリスで生まれたサッカーなど反社会的な球技。
ドイツ人はサッカーのサの字も知らないし、
まして、そんな敵性スポーツを帝政ドイツの学校で教えるなどとんでもないことでした。

でも、そのとんでもないことをして、今回映画になった人がいました。
それがコンラート・コッホ。「コッホ先生と僕らの革命」の主役です。
演じるのは「グッバイ、レーニン」(‘03)のダニエル・ブリュール。
ちょっと頼りない男の子という印象の強かった彼も、
今回はドイツサッカー界の大恩人とでもいうべき人物を爽やかに演じてくれました。


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コンラート・コッホ
コンラート・コッホは1846年、ドイツ・ブラウンシュヴァイクに生まれた。ゲッティンゲンで神学と哲学を学ぶ。
1868年には教師として母校カタリネウム校でドイツ語と古典語を教え、1874年主任教授に昇進すると
体育教師アウグスト・ヘルマンと共にゲームスポーツの一環としてドイツに初めてサッカーを導入。
ドイツ語でサッカーのルールブックを出版するなどドイツサッカーの発展育成に尽力。
1911年に永眠するまで母校で教鞭をとった。

ま、コッホ先生はこんな人生を送った人。
映画では、オックスフォード大学に留学し、その地で親しんだサッカーボールを
抱えて、母校の英語教師に就任するという設定になっています。

しかし・・・・・

当時、つまり1870年代初頭ですが、普仏戦争に勝って国家統一を果たしたドイツ帝国は勢いづいていました。
次に戦争する相手はイギリスだということで反英感情に湧きかえっていたわけです。
だから、映画では、コッホ先生はオックスフォード帰りということになっていますが、
これはお話を面白くするための演出。英語の教師をするというのも同じくつくり話で、
進歩的な校長先生の理解があって英語教師として着任ということになっています。

でも、コッホ先生がドイツサッカーの父というのは本当です。

スポーツといえば軍事教練の真似事のような体操にしか過ぎなかったドイツの学校に、
不道徳かつ反社会的なゲームスポーツであり、
敵国イギリスで生まれたサッカーを持ち込むなど、とんでもないことだった筈です。

きっと大騒ぎになったことでしょうね。
さあ、コッホ先生と生徒たち、いったいどんな風にしてドイツにサッカーをとりいれることに成功したのでしょうか。

続きは次回で。
乞うご期待でございますよ。



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☆8月20日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

コッホ先生と僕らの革命
監督/セバスチャン・グロブラー、脚本/フィリップ・ロス、ヨハンナ・シュトゥットゥマン、原案/セバスチャン・グロブラー、ラウル・ライネルト、製作/アナトール・ニッチケ(DEUTSCHFILM)、ラウル・ライネルト(CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT),
H.W.ユルゲン(ARD DEGETO)、撮影/マルティン・ランガー
出演
ダニエル・ブリュール/コンラート・コッホ、ブルクハルト・クラウスナー/校長、カトリン・フォン・シュタインブルク/ヨストの母親、ユストゥス・フォン・ド―ナニー/フェリックスの父親、アクセル・プラール/スポーツ用品の製造業者、ユルゲン・トンケル/体育教師、トマス・ティーマ/歴史学教師
9月15日(土)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
2011年、ドイツ映画、114分、字幕翻訳/吉川美奈子
http://kakumei.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2012-08-20 06:19 | 映画 | Comments(6)