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タグ:サラエボ,希望の街角 ( 2 ) タグの人気記事

        サラエボ,希望の街角 -2-
                         NA PUTU
                     ON THE PATH

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        © 2009 Deblokada / coop99 / Pola Pandora / Produkcija Živa
              / ZDF-Das kleine Fernsehspiel / ARTE


ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都・サラエボ。
行ったことはありませんが、かつてはさまざまな民族が仲良く暮らし、
イスラム教もセルビア正教もカトリックも共存する街だったそうです。

街だったそうです…?
今のサラエボがまるでそうじゃないみたいに聞こえてしまいますね。


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でも、スクリーンに見る街はヨーロッパの古い街並みを思わせる素敵な雰囲気。
主人公のルナが籠に入れた花束もオシャレなら、彼女もとてもキュートな女性です。

原題”Na Putu”は「道の途上」という意味。
例によって「サラエボ,希望の街角」という邦題とはまったく違いますが、
なんとなく「過去を振り返ってばかりじゃ、いけないよ」って言っているような気もします。

ストーリー
ルナとアマルは結婚を前提にサラエボのアパートで一緒に暮らしています。
ルナはスチュワーデス、アマルは空港管制官。
2人は早く子どもが欲しいのですが、なかなか授かりません。

そんなある日のこと、アマルが勤務中に酒を飲んでいることがわかり、
半年の停職処分と禁酒セラピーを受けるように言い渡されました。
さらに悪いことに、担当医から「自然妊娠の可能性は低いので、人工授精をしては?」
と薦められます。ショックを隠せないルナ。

「仕事が見つかった」と告げるアマル。
アマルの戦友・バフリヤに紹介された仕事です。
バフリヤはイスラム原理主義者で、
数日前、ルナが差し出した手を「女性とは握手できない」と払いのけた人物でした。
仕事場がサラエボから遠いということも心配です。
アマルは、必死に止めるルナを無視してアパートを出ていきました。
ルナの親友は「アマルの行き先はテロリストのキャンプよ」と脅します。

アマルの許へ向かうルナ。
そこでは、女性たちは黒いベールで全身を隠し、男性たちとは隔離されて暮らしています。
自由なイスラム教徒として育ったルナにとっては奇妙な光景でした。
夜になってようやく対面できたアマルは、
「自分のアルコール依存症は戦争体験の後遺症で、信仰に安らぎを見出した今は酒を断つことができた」と嬉しそうに語ります。
複雑な思いを抱いて帰路につくルナ。

数週間後、アマルはすっかり変わって帰ってきました。
なんとか彼を理解しようと努めるルナでしたが、
2人の間に生まれた溝を埋めることはできません。
そんな時、ルナの妊娠が判明しました。
そして、彼女のとった選択は……


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ボスニア戦争に参戦し、弟を失ったアマル。
ボスニア戦争で両親を殺され、祖母と共にサラエボへ逃れてきたルナ。
お互いに過去の戦争で大きな心の傷を負い、
一方は酒に溺れ、一方は過去を封印してきた―――

サラエボの2人の男女が、生活も服装も私たちと変わらないだけに、
過去の戦争がなおさら呪わしいものとして蘇ってきます。
これって、太平洋戦争の後の日本の男女も同じだったっていうことですよね。
でも、不幸な過去を恨んで嘆くのではなく、
決然として未来に向かって踏み出していくルナはかっこいい。素敵です。

男なんていくらだっているからね。がんばれ、世界中のルナ!
150歳のとのは応援しちゃいます。


                                 

サラエボ,希望の街角
監督・脚本/ヤスミラ・ジュバニッチ、撮影/クリスティーン・A・マイヤー、プロデューサー/ダミル・イブラヒモビッチ、ブルノ・ワグナー、バーバラ・アルバート、カール・バウムガルトナー、ライモンフォ・ゲーベル、レオン・ルチェフ
出演
ズリンカ・ツヴィテシッチ/ルナ、レオン・ルチェフ/アマル、ミリャナ・カラノヴィッチ/ナジャ、エルミン・ブラヴォ/バフリヤ、マリヤ・ケーン/祖母、ニナ・ヴィオリッチ/シェイラ、セバスチャン・カヴァーツァ/デヨ、イズディン・バイロヴィッチ/ユスフ、ルナ・ミヨヴィッチ/ディヤ
2月19日(土)、岩波ホール他にて全国順次ロードショー
2010年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア合作映画、ボスニア語・クロアチア語・セルビア語、104分、配給/アルバトロス・フィルム
http://www.saraebo-kibou.com/


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♪2月7日。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2011-02-07 05:58 | 映画 | Comments(8)
     サラエボ,希望の街角-1-
                        NA PUTU
                    ON THE PATH

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© 2009 Deblokada / coop99 / Pola Pandora / Produkcija Živa/ ZDF-Das kleine Fernsehspiel / ARTE

ボスニア戦争という戦争があったことを覚えておいででしょうか?
「次から次へと戦争やら紛争やらが起きてるからわからないよ」とおっしゃるあなた、
確かにそうです。
でも、15年前に終わった戦争ですから、それほど昔の話ではありません。
1995年、戦争が終わった年に生まれたサラエボの赤ん坊は今年16歳。
もう高校1年生ですが、中学生や高校生にとっては昔の話でも、
今30歳前後の人は多感な時期に戦争を体験したわけで、
現在もいろいろな思いを抱えているのでしょうね。

「サラエボ,希望の街角」はそんな年頃の男女を主人公にしたお話。
前作「サラエボの花」につぐヤスミラ・ジュバニッチ監督の作品です。


f0165567_5564275.jpg ヤスミラ・ジュバニッチ監督
1974年サラエボ生まれ。サラエボ演劇アカデミー舞台・映画監督科を卒業。
映画製作に携わる前は、アメリカ・ヴァーモントを拠点とする人形劇の劇団でピエロとして活躍していたという経歴の持ち主。1997年から映画製作を始める。
「サラエボ、希望の街角」は長編第2作。デビュー作「サラエボの花」は2006年ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。AFI映画祭の審査委員賞とヨーロッパ人権協会のグランプリオディッセイを受賞した。戦争を生き延びたシングルマザーのエスマ、その10歳の娘サラの痛
ましい秘密にまつわるドラマで多くの人の胸を打った。


f0165567_613698.jpgボスニア戦争というと思い浮かぶのは《サラエボのロミオとジュリエット》。
1993年5月、16歳のボシュコとアドミラがサラエボの危険地帯で抱き合うように死んでいました。
サラエボを脱出しようとした2人はここで狙撃され、ボシュコは即死、まだ息のあったアドミラは彼のところまで這っていき、そこで息絶えたのです……
民族も宗教も違う2人ですが、戦争が始まるまではセルビア人もイスラム教徒も皆仲良く暮らしていました。戦争が散らした若い2人、忘れようにも忘れられません。

あと、スナイパー・ストリート(狙撃兵通り)も衝撃的でした。
サラエボを包囲したセルビア兵士がビルの上に銃を構え、通りを行く人々を狙撃するのです。
ボスニア政府軍の攻撃が目的でしたが、
撃たれた人の中には一般市民も多く含まれています。
ボシュコとアドミラもそんな一般市民でした。
海外ニュースで見た、首をすくめるようにして通りを横切る市民の姿を今も思い出します。

少し前までは車が行き交い、買い物客が笑いながら歩いていた目抜き通りに
銃弾が飛び交っているのです。かなりショッキングな映像でした。
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いいえ、「サラエボ、希望の街角」にはそんな悲惨なシーンはまったく出てきません。

ただ、ボスニア戦争は、サラエボから遠く離れた日本でニュースを見ていただけの人間にも、多くの悲惨な記憶を残した戦争です。
思春期に現地でこの戦争を体験した人の心にはどんな想いが残っているのでしょう。

もちろん、過去を振り返ってばかりいては先へは進めませんけれど。

さ、どんなお話なのでしょうか。次回まで、乞うご期待であります。

                           


サラエボ,希望の街角
監督・脚本/ヤスミラ・ジュバニッチ、撮影/クリスティーン・A・マイヤー、プロデューサー/ダミル・イブラヒモビッチ、ブルノ・ワグナー、バーバラ・アルバート、カール・バウムガルトナー、ライモンフォ・ゲーベル、レオン・ルチェフ
出演ズリンカ・ツヴィテシッチ/ルナ、レオン・ルチェフ/アマル、ミリャナ・カラノヴィッチ/ナジャ、エルミン・ブラヴォ/バフリヤ、マリヤ・ケーン/祖母、ニナ・ヴィオリッチ/シェイラ、セバスチャン・カヴァーツァ/デヨ、イズディン・バイロヴィッチ/ユスフ、ルナ・ミヨヴィッチ/ディヤ
2月19日(土)、岩波ホール他にて全国順次ロードショー
2010年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア合作映画、ボスニア語・クロアチア語・セルビア語、104分、配給:アルバトロス・フィルム
http://www.saraebo-kibou.com/


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♪2月4日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2011-02-04 06:26 | 映画 | Comments(7)