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殿様の試写室

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シスタースマイル
ドミニクの歌
-2-
Soeur Sourire

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(c) 2009 PARADIS FILMS - LES FILMS DE LA PASSERELLE - EYEWORKS FILM &
TV DRAMA-KUNST & KINO


ギターを持った修道女といえば、絶対に「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアですが、
またまた新たなギターを持った修道女が生まれました。シスタースマイルです

さ、皆さん、前編からここまでお読みになって、この修道女にどんな印象をお持ちになりました?
「いつも夢を追いかけて、明るくて、一生懸命で、良いじゃない?」ではありませんか?
♪ドミニク ニクニク♪のメロディが頭の中で響いている限り、
明るく、元気な修道女にしか思えません。

ところが…
人を第一印象やその作品だけで判断してはいけない、という実例が
“シスタースマイル“の物語なのです。

ストーリー
1950年代の終わり。ベルギー・ブリュッセルの近郊で、
ショートヘアーに黒ぶち眼鏡の賢そうな目をした女子学生が
男子学生に混じってサッカーをしています。ジャニーヌ・デッケルスです。
彼女は学校にやってきた修道女からアフリカ救援活動の話を聞き、
いつか従妹のフランソワーズと共に、アフリカへ行きたいと夢見ていました。
しかし、母はジャニーヌの夢には耳を貸さず、平凡な結婚だけを圧しつけるのでした。
ジャニーヌは生きる意味と心の安息を求め、修道院に入ることを決意。
母の「二度とこの家の敷居はまたがせませんよ」の声を背に、
ギターとエルビスのブロマイドを持って家を出ました。

フィシェルモンの修道院に着いたジャニーヌが修道院長から聞かされたのは、
修道女になるには6年間の修行が必要なこと。
ギターも取り上げられてしまいます。
修道院の厳しい規律になじめず、ことあるごとに問題を起こすジャニーヌ。
しかし、次第にその率直な性格が周囲に認められ、
ギターを弾くことも許されるようになります。
音楽の才能を発揮したジャニーヌは
ドミニコ教会の創立者・聖ドミニコを讃える「ドミニク」を作詞作曲します。

その明るいメロディと透き通った歌声はいつしかレコード会社の耳に入り
“歌うシスター”としてレコードデビューを果たします。
ジャニーヌは"シスタースマイル“という芸名で契約し、
印税はすべて教会に寄付されることになりました。「ドミニク」はたちまち世界中で大ヒット。
あらゆるメディアが”シスタースマイル“の素顔を知ろうと修道院に押し掛けてきました。
絶縁していた両親までもが彼女のサインをもらうため、会いにきます。

ある日、修道院からの現場中継でアメリカの人気テレビ番組に出演したジャニーヌは
「コンサート活動をしたい」と発言してしまいます。
ちょうど同じ時期、修道院から彼女の夢だったアフリカ救援活動への派遣を命じられました。
アフリカ救援の専門知識を学ぶため、大学で聴講するジャニーヌ。
彼女は大学で同世代の若者と語りあうことによって、
女性問題や社会問題にも目を向けるようになっていきます。
女性の産児制限を賛美する歌「黄金のピル」をつくったのもその頃でした。
でも、それが問題になり、修道院を去ることを決意するジャニーヌ。

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親友のアニーを訪ね、共同生活をしながら、レコード会社を回るジャニーヌ。
しかし、修道衣を脱いだジャニーヌにレコード会社はもはや関心を示すことはなく、
“シスタースマイル”という芸名を使うことも許されませんでした。
そんなある日、カナダでコンサートツアーをしないかという話が持ち込まれます…


60年代という時代は洋の東西を問わず、若い娘が生きるには難しい時代でした。
ましてベルギーはカトリックの国ですし、ジャニーヌは修道女。
ピルはもちろん親友のアニーと暮らすことすら、タブーだった時代に
あまり器用とはいえないジャニーヌは、それでも時代を先取りしてがんばりました。

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実は、“シスタースマイル”は1966年にハリウッドで映画化されています。「歌え!ドミニク」。
当時女優としても歌手としても大人気のデビー・レイノルズの主演です。
でも、イチゴのショートケーキのような明るく楽しい典型的な美談にしあがっていて
生前、この映画を観たジャニーヌは「こんなのウソばっかり」と怒ったそうです。
さもありなん、です。

映画の後半、世間知らずのジャニーヌが追い詰められていく様子を見ていると
人生も、教会も、家族も無情だよな、と思ってしまいます。
世界で何百万枚も売れた楽曲だというのに彼女には印税も入らず、困窮していきます。
神のため、人々のため、という彼女の信仰心と、世間のことに無知な彼女を
教会が利用したといっては言い過ぎかもしれませんが、
著作権契約もあいまいなままだったのですね。

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場末の酒場で歌わされ、怒って飛び出すジャニーヌ
行き交う車もないカナダの田舎道で車を降り、マネージャーに背を向けて立ち去るジャニーヌ。
思わず「そんなに癇癪起こして… この後どうするの?」と心の中で訊いてしまいました。
♪ドミニク ニクニク♪のメロディが静かに空からおりてくるような初冬の午後、
薄暗い曇天とジャニーヌの頑なな背中があまりに寂しく、胸がつまりました。

あの有名な歌に、
時代におしつぶされながらも不器用に頑張りぬき、
悲惨な最期を遂げるしかなかったジャニーヌの生き方をかぶせたガツンとくる映画です。
   
                            fin

シスタースマイル ドミニクの歌
ステイン・コニンクス/監督、エリック・ウーマン、マルク・シラム、クリスティーヌ・ピロー、ペーター・ブカ―ト/製作、クリス・ヴァンデル・スタッペン、アリアン・フェート、ステイン・コニンクス/脚本、ブルノ・フォンテーヌ/音楽、イヴ・ヴァンデルメーレン/撮影
出演
セシル・ド・フランス/ジャニーヌ・デッケルス、サンドリーヌ・ブランク/アニー、マリー・クレメール/従妹(フランソワーズ)、ジョー・デスール/ジャニーヌの母、ヤン・デクレール/ジャニーヌの父、クリス・ロメ/修道院長、フィリップ・ペータース/マネージャー、クリステル・コルニル/シスター・クリスティーヌ、ツィラ・シェルトン/最年長修道尼、ラファエル・シャルリエ/ピエール、ヨハン・レイセン/ジャン神父、ベルナルド・アイレンボッシュ/デュボア神父
7月3日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2009年、フランス=ベルギー、124分、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/dominique/ 


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♪6月9日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-06-09 06:40 | 映画 | Comments(8)
シスタースマイル
ドミニクの歌
-1-
Soeur Sourire


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(c) 2009 PARADIS FILMS - LES FILMS DE LA PASSERELLE - EYEWORKS FILM &
TV DRAMA-KUNST & KINO


ある年代以上の方なら確実にこの歌をご存知ですよね。
逆に知らない人はいくつ位の年齢層に属するのか、知りたいです。
(などと挑発的な態度をとってまで、自らの歳をさらしますか)
とにかく一世を風靡した有名な歌です。



日本ではザ・ピーナッツやペギー葉山も歌いました。


♪ドミニク ニクニク♪のフレーズは今もソッコウで記憶に蘇ってきます。
そして、この映画を観たため、殿の頭の中はさらにドミニク・メリーゴーラウンド状態に
なって、♪ドミニク ニクニク♪がエンドレスで鳴り響いております。

日本で大ヒットしたのは東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)のこと。
全米ビルボードで第1位、
レコード売り上げはエルビス・プレスリーを越え、世界で300万枚を記録しました。
その曲を作詞作曲し、自ら歌ったのがシスタースマイル、
フランス語でスールスーリールsoeur sourireという芸名のベルギー・ドミニコ教会のシスターでした。

最初、この映画の試写状を手にしたとき、邦題といい、写真といい、
“ただただ明るい右肩上がりの60年代”という感じで、
観にいくことをためらった殿です。
が、行ってビックリ、観てビックリ(なんか古いなぁ)。

この映画、殿が持ったような偏見を持ったままで、観ないでいると後悔します、
というわけで、老婆心ながら当試写室で上映することを決断しました。キッパリ

この映画の主人公であるジャニーヌ・デッケルスは1933年10月17日ブリュッセル生まれ。
実在の人物です。
60年代、戦争に疲れたヨーロッパも徐々に復興し、
若い人々は自由を求め、羽ばたきたいと夢見ていました。
でも、まだまだ古い価値観が幅をきかせていた時代。
ジャニーヌも頑迷な母親に抑えつけられ、鬱屈した日々を送っていました。
何かがしたい、でも、自分が本当に求めているものは何か、わからない。

そんな何かを求めてジャニーヌが飛び出した先はなんと修道院。
家族を捨て、仲の良い従妹とも別れ、ギターとエルビス・プレスリーのブロマイドを手に
修道院の門を叩いたのでした。

ギターを抱え、修道院の扉の前で胸を高鳴らせている様子は
「サウンド・オブ・ミュージック」のワンシーン(”I Have Confidence”を歌うシーンです)のようです。

1957年生まれのステイン・コニンクス監督も「サウンド・オブ・ミュージック」を
意識したのでしょうか。

ところで、このコニンクス監督、10年以上前に本作の脚本を手にしましたが、
気に入らず、一旦は監督を辞退したのだそうです。
ところが、別のプロデューサーから新しい脚本とセシル・ド・フランスという女優を
紹介され、考えを変えました。

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そうなんです。この女優さん、すごいんです。
一筋縄ではいかないシスタースマイルことジャニーヌ・デッケルスという女性を
本当によく理解して演じていました。
まるで、シスタースマイルに憑依されたかのよう、といったら言い過ぎでしょうか。

セシル・ド・フランス。
セザール賞新人女優賞をとった「スパニッシュ・アパートメント」(‘02)や
同じくセザール賞助演女優賞の「ロシアン・ドールズ」(‘05)に出演した時は
それほど存在感を感じませんでしたが、今回はすごいです。

さて、セシル・ド・フランス、どんな修道女を見せてくれるのでしょうか。
やはり皆さまご自身の眼で彼女を確認していただきたいところです。

という訳で、次回に続きます。乞うご期待!

to be continued.

シスタースマイル ドミニクの歌
ステイン・コニンクス/監督、エリック・ウーマン、マルク・シラム、クリスティーヌ・ピロー、ペーター・ブカ―ト/製作、クリス・ヴァンデル・スタッペン、アリアン・フェート、ステイン・コニンクス/脚本、ブルノ・フォンテーヌ/音楽、イヴ・ヴァンデルメーレン/撮影
出演
セシル・ド・フランス/ジャニーヌ・デッケルス、サンドリーヌ・ブランク/アニー、マリー・クレメール/従妹(フランソワーズ)、ジョー・デスール/ジャニーヌの母、ヤン・デクレール/ジャニーヌの父、クリス・ロメ/修道院長、フィリップ・ペータース/マネージャー、クリステル・コルニル/シスター・クリスティーヌ、ツィラ・シェルトン/最年長修道尼、ラファエル・シャルリエ/ピエール、ヨハン・レイセン/ジャン神父、ベルナルド・アイレンボッシュ/デュボア神父
7月3日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2009年、フランス=ベルギー、124分、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/dominique/ 


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by mtonosama | 2010-06-06 06:32 | Comments(6)