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8月の家族たち -2-
August:Osage County

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(C) 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.


そもそもが舞台劇ですから、大きな動きはありません。
つまり、宇宙船がやってきたり、戦争が起きたりといった動きのことですが。
8月のオクラホマの暑そうな田舎町。
ただでさえ暑いのに、エアコンもつけない蒸し暑い家の中。
あまりに暑過ぎて買ってきたオウムも3日で死んでしまう、なんて台詞がありました。

動きはありませんが、
ミステリー・サスペンスをその持ち味とするトレイシー・レッツの脚本ということで
最後まで気を抜くことができません。
もちろんメリル・ストリープvsジュリア・ロバーツの母娘対決に圧倒されて、
気を抜いている暇などありませんけどね。


ストーリー
オクラホマ州オーセイジ郡の田舎町。
薄暗い書斎でその家の主人べバリー・ウェストンは
家政婦兼看護士として住み込むことになったジョナと面談している。

そこへべバリーの妻ヴァイオレットがふらつきながら入ってくる。
べバリーはジョナに「妻はガン治療のため、何種類もの薬を服用しており、
そのせいで情緒不安定になっているからよろしく頼む」と告げる。

ある日、コロラドに住むバーバラに父べバリーが行方不明との知らせが。
両親の近くに暮らす次女アイビーからだ。
バーバラは夫ビルと娘ジーンとともに両親の家へ急ぐ。
そこにはヴァイオレットの妹マティ・フェイと、その夫チャーリーも到着していた。
再会を喜び、抱き合う母娘。
だが、喜びもつかの間。ヴァイオレットのいらつく一言。

その夜、保安官がウェストン家にやってくる。
湖でべバリーの遺体が発見されたというのだ。

べバリーの葬儀。
教会に集まってくるウェストン家の人々。
フロリダに住む末娘のカレンも婚約者のスティーヴと共にやってきた。
父の葬儀の場でようやく顔をそろえた三姉妹。
長い間実家とは疎遠だったバーバラとカレンはそれぞれに事情を抱えている。
バーバラは浮気した夫ビルと別居中で、反抗期の娘ジーンに手を焼き、
カレンもようやく婚約したスティーヴ(どこか怪しい男だが)を運命の人と信じ込んでいる。
ひとり地元に残り、両親の面倒を見ていたアイビーも、
実は従弟のリトル・チャールズと密かに交際中。ニューヨークで一緒に暮らすつもりでいる。

葬儀の後、リトル・チャールズも遅くなって到着。一同は食卓を囲む。
べバリーを偲ぶ祈りで始まった会食。
マティ・フェイの夫チャーリーが年長の男としてしきろうとするが、
べバリーの毒舌が炸裂する。会食は台なし。
そんなヴァイオレットの振る舞いにバーバラがキレた。
母親の異常な言動の原因である大量の精神安定剤を奪おうと、彼女に飛びかかる。
母娘の猛烈な肉弾戦は一同を巻きこみ……

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アルコール依存症の父、薬物中毒で毒舌家の母。
その父が失踪し、三人娘と叔母が駆けつけ、ウンザリするほど蒸し暑いオクラホマの
田舎の家で女の舌戦が繰り広げられます。
母の悪口雑言を主に受けて立つのは長女。大学の教員仲間と結婚し、その夫とは別居中。
次女は男ッ気がなく地元で一人暮らし。
フロリダ暮らしの三女は女癖の悪そうな婚約者を連れて登場。
母の妹もまた夫と気弱な息子同伴で駆けつけます。
このいかにもアメリカ的でスノッブな面々が蒸し暑い家で汗を流しながらしゃべくりまくります。

メリル・ストリープ演ずるガンを患い、
精神安定剤をチョコボールみたいにほおばる母の
「ここまで言うか」という憎々しい言葉にのけぞり、
いかにも優等生で融通のきかない長女がキレていく様にのめりこまされます。
長女を演じるのは歳相応に老けたジュリア・ロバーツ。
しゃべり倒し、罵りまくります。
ひきつけられるのはこの2人の芸達者の持つ吸引力。
肉弾戦も交えた母娘の舌戦に圧倒されつつ、
次女や三女がコソコソと示す態度にも「ある、ある」と頷かされます。
アクの強い母や姉の下で子供の頃から要領良くふるまってきたであろう妹たち。
もらえるものはもらってトットと出ていこう、という下心も透けてみえます。
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アメリカの家族といえばハグしたりキスしたりI love youだのImiss youだの、
正直いって納得できませんでした。
ところが、汗や蒸し暑さが溢れかえる真夏のオクラホマの田舎町で、
差別やら金銭欲やら色欲やらの本音がぶつかりあう家族のなんと強烈なこと。
どうなるものかと観ている内に思わぬ展開にもひきずりこまれます。

母が露骨に示す差別をものともせずネーティヴ・アメリカンの家政婦が
この熱い家族を冷静にみつめるという第三者の設定も巧みです。

家族ならではの本音というのは洋の東西を問わないものですよね。
しかし、これだけ言いたいことが言えたらスッキリするよなぁ。
女同士のバトルの陰で薄れがちな男優たちですが、
サム・シェパード、クリス・クーパーが静かなりに良い味を出していました。
それにしても家族って難しい。
ジャンルとしてはこれもホームドラマなのでしょうが。





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8月の家族たち
監督/ジョン・ウェルズ、トレイシー・レッツ/原作・脚本、ジョージー・クルーニー、グラント・ヘスロヴ/製作
出演
メリル・ストリープ/バイオレット、ジュリア・ロバーツ/バーバラ、ユアン・マクレガー/ビル、アビゲイル・プレスリン/ジーン、マーゴ・マーティンデイル/マティ・フェイ、クリス・クーパー/チャールズ、ベネディクト・カンバーバッチ/リトル・チャールズ、ジュリアン・ニコルソン/アイビー、ジュリエット・ルイス/カレン、ターモット・マローニー/スティーヴ、サム・シェパード/べバリー、ミスティ・アッバム/ジョナ
4月18日TOHOシネマズ シャンテほかロードショー
2013年、アメリカ、121分 http://august.asmik-ace.co.jp/

by Mtonosama | 2014-04-11 06:13 | 映画 | Comments(6)
8月の家族たち -1-
August:Osage County

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(C) 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

「8月の家族たち」。
なかなか良いタイトルです。観たくなります。
オリジナルタイトルは“August:Osage County”。“8月オサゲ郡”。
え?オサゲではなくオセージ?

Osage.
辞書には「オセージ族(の人)《北米先住民族》」とありました。
ふーん。以前はオサゲにした先住民族がたくさん住んでいたんでしょうね。

だから、オサゲじゃないって・・・

本作は戯曲“August:Osage County”を映画化したもので、原作はトレイシー・レッツ。
狭いモーテルを舞台に、虫に象徴された様々な妄想に取りつかれ追い込まれていく男女を描いた「BUG」、
シカゴでドーナツ屋を営む初老の男と作家をめざす黒人青年との心の交流を描いた「シュぺリオール・ドーナッツ」
を発表していますが、いずれも日本で翻訳上演されていて、日本の演劇界でも知られた劇作家です。

いかにもアメリカ的なミステリー・サスペンスを得意とした作家で、
本作「8月の家族たち」の脚本も彼が担当しています。
それに製作はなんとジョージ・クルーニーですよ。
出演してはいませんけど――

監督は、TVドラマ「ER」シリーズの監督・製作総指揮を担い、
クルーニーとは20年来の仲のジョン・ウェルズです。

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な~んもないオクラホマ州の田舎町の保守的な人々が頑固そうな顔をして
砂埃を巻き上げながらピックアップトラックを運転してるって感じの
いかにもアメリカっぽい雰囲気がジワリッと滲み出ている作品です。

オクラホマ州はインディアンの保留地が非常に多い州なんですって。

州名もチョクトー族インディアンの言葉okla と hummaを合わせたもの、意味は「赤い人々」。1907年11月16日に元のインディアン準州とオクラホマ準州を合わせた合衆国46番目の州。当初は全米のインディアン部族のほとんどを強制移住させる目的で作られた。
(Wikipediaより)

へえ、知らなかった。


2007年に初演され翌年のピュリッツァー賞戯曲部門とトニー賞演劇部門を受賞した“August:Osage County”。
本音がぶつかる家族劇であります。でも、ミステリーっぽくもあり、サスペンスフルでもあります。
売りはなんといっても母娘の激しい舌戦でしょうけど――

主演は、本作で18回目のアカデミー賞ノミネートを果たし、
自身が持つ俳優としてのノミネート最多記録を更新したメリル・ストリープ。
もうひとりは本作で13年ぶりにアカデミー賞にノミネートされたジュリア・ロバーツ。

今回が初共演という豪華な組合せです。
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他の家族にも注目ですよ。
長女を演ずるジュリア・ロバーツの夫にはユアン・マクレガー。
(でも、こんな影の薄いユアン・マクレガーは初めてです)。
そして、オーディションで本作出演をかちとったベネディクト・カンバーバッチ。
父親役にはサム・シェパード。
さらに、熱く燃える家族たちの中で冷静な観察者として存在する家政婦は
オクラホマ州らしく、先住民族の女性。
彼女がまた「フローズンリバー」(‘08)で印象的な演技を見せてくれたミスティ・アッパム。
http://mtonosama.exblog.jp/12509768/ (当試写室でも2009年12月に上映しています)。

とまあ、とてもそそられるキャスティング。
舞台劇ですからね。なんといっても演技力が命です。

さぁ、大女優の汗と唾が飛び散る大舌戦!
いったいどんなお話なのでしょうね。
次回まで乞うご期待でございます。



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☆4月8日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

8月の家族たち
監督/ジョン・ウェルズ、トレイシー・レッツ/原作・脚本、ジョージー・クルーニー、グラント・ヘスロヴ/製作
出演
メリル・ストリープ/バイオレット、ジュリア・ロバーツ/バーバラ、ユアン・マクレガー/ビル、アビゲイル・プレスリン/ジーン、マーゴ・マーティンデイル/マティ・フェイ、クリス・クーパー/チャールズ、ベネディクト・カンバーバッチ/リトル・チャールズ、ジュリアン・ニコルソン/アイビー、ジュリエット・ルイス/カレン、ターモット・マローニー/スティーヴ、サム・シェパード/べバリー、ミスティ・アッバム/ジョナ
4月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほかロードショー
2013年、アメリカ、121分
http://august.asmik-ace.co.jp/

by Mtonosama | 2014-04-08 05:45 | 映画 | Comments(6)