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殿様の試写室

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フェアウェル 
さらば,哀しみのスパイ 
 -1-
L’AFFAIRE FAREWELL

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                  © 2009 NORD-OUEST FILMS

世界には、私たちの知らない出来事があまりにも多いです。

1989年、ベルリンの壁が崩壊し、
ルーマニアではチャウシェスク大統領夫妻が処刑され、
東欧諸国は次々にソ連のくびきから解き放たれます。
そして、1991年
地球上の全陸地面積1/6弱から構成された巨大な国家
ソヴィエト社会主義共和国連邦=ソ連が崩壊しました。

1991年
1917年の10月革命によって生まれた世界初の社会主義国家が
その74年の歴史の幕を閉じました。
冷戦時代が終わりを告げたのです――――

と、ここまではかなりの数の人が知っています。

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今回、当試写室で上映する作品は現代史の大きなエポック=ソ連崩壊のきっかけとなった
ひとりのソ連諜報部員の起こした事件=フェアウェル事件を描いたフランス映画です。

フェアウェル事件―――
知りませんでした。

あの大きな歴史のうねりの背後にこんなできごとがあったのか、と驚きました。
同時に、世界を変えることを真剣に考えた人間的なひとりの諜報部員の生き方に
感じ入ってしまいました。
これが実話というのですから、事実は映画よりも奇なり、です。

人間的な諜報部員って矛盾した表現です。
でも、ほんとに、今まで見たことも聞いたこともないスパイ像でした。
あのエミール・クストリッツァ監督がこの人間的なスパイを演じています。
今回は監督ではなく俳優です。主役です。

事件の主・諜報部員グリゴリエフ大佐(コードネーム:フェアウェル)は
巨大な国家の中枢部分にいたからこそ、この事件を起こし得たわけですが、
逆に、彼のような地位にあったら「ふつう、そんなこと考えないよな」
というようなことに手をつけたともいえるわけです。

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バランス・オブ・パワー。
その昔、大学の現代史の講義で、講師は何度もこの言葉を口にしました。
バランス・オブ・パワー。
それはこの言葉ひとつで〈歴史〉を解明できるかのような魔法の言葉でした。

当時、世界はソ連とアメリカの勢力のバランスの上に成り立っていました。
世界は、どちらかが少しでも前に出たら、一挙に、右へ、あるいは左へ、
大きくはねあがる巨大なシーソーみたいなものでした。

グリゴリエフ大佐の行動はからくも平衡を保っている巨大なシーソーの上で
一歩前に踏み出したようなものです。
でも、その結果、シーソーが跳ね上がったのはどちら側だったのでしょうか。
それは、わたしたちもよく知っているあの興奮に満ちた出来事でした。

さて、グリゴリエフ大佐は一体何をしたのでしょう?
ソ連、アメリカ。
バランス・オブ・パワーのはざまでフランス・ミッテラン政権はどう動いたか。
ソ連、アメリカ、フランス。
なんとも規模の大きい、フランス映画には珍しいジャンルの映画です。

と、期待と好奇心が膨らんだところで、続きは後編で。See you.

To be continued.

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♪6月24日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪

フェアウェル さらば,哀しみのスパイ
クリスチャン・カリオン/監督・脚本、クリストフ・ロシニョン、ベルトラン・フェーブル、フィリップ・ボファール/プロデューサー、エリック・レイノー/原案脚本、「ボンジュール・フェアウェル」/原作、クリント・マンセル/音楽、ウォルター・ヴァン・デン・エンデ/撮影
出演
エミール・クストリッツァ/グリゴリエフ大佐、ギヨーム・カネ/ピエール・フロマン、アレクサンドラ・マリア・ララ/ジェシカ、インゲボルガ・ダプコウナイテ/ナターシャ、アレクセイ・ゴルブノフ/ショーホフ、ディナ・コルズン/アリーナ、フィリップ・マニャン/ミッテラン大統領、ニエル・アレストリュプ/ヴァリエ、フレッド・ウォード/レーガン大統領、デヴィッド・ソウル/ハットン、ウィレム・デフォー/フィニーCIA長官、エフゲニー・カルラノフ/イゴール、ヴァレンチン・ヴァレツキー/アナトリー
7月31日(土)、シネマライズほか全国順次ロードショー
2009年、フランス映画、113分、提供/ロングライド + マイシアター、配給/ロングライド
www.farewell-movie.jp

by mtonosama | 2010-06-24 06:19 | 映画 | Comments(6)