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殿様の試写室

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嘆きのピエタ -1-
피에타
PIETA

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© 2012 KIM Ki-duk Film All Rights Reserved.

キム・ギドク監督が戻ってきました。
なんと今回は、第69回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞をひっさげて、です。

カンヌ、ヴェネチア、ベルリンという世界三大映画祭の全てで受賞という韓国映画史上初の快挙であります。
ヴェネチアでは2004年にも「サマリア」で銀獅子賞を受賞しています。

さて、キム監督。
彼は先日当試写室で上映したウディ・アレン監督と同じく
ほぼ毎年のように映画を撮る監督でした。
1996年「鰐~ワニ~」で監督デビューして以来、
毎年たてつづけに作品を発表し続けていましたが、
2008年「悲夢」の後、3年間も作品が途絶えました。

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というのも、「悲夢」撮影の際、主演女優が死にかかるという事故があったからです。
彼女に事なきは得たものの、いっさい制作活動ができなくなってしまった監督。
その後3年間、彼は山中にこもっていました。
その間の山ごもりの日々を撮ったのが「アリラン」(‘11)。
http://mtonosama.exblog.jp/17268231/ http://mtonosama.exblog.jp/17280223/
脚本も監督も製作も撮影も録音も編集も音響も美術も、そして、出演も
キム・ギドク一人というセルフ・ドキュメンタリーです。
この作品もまたカンヌ国際映画祭で<ある視点>部門最優秀作品賞を獲得しました。

同年「プンサンケ(豊山犬)」で劇映画に復帰。
http://mtonosama.exblog.jp/17862317/ http://mtonosama.exblog.jp/17872088/
これも手に汗握る映画でした。
本作では監督としてではなく脚本・製作総指揮担当でしたが、
きれのよいスリリングな展開に瞠目しました。


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そして、いよいよ満を持しての劇映画への監督復帰作が
「嘆きのピエタ」です。
「ピエタ」。
イタリア語で「哀れみ」「慈悲」。

バチカンのサン・ピエトロ大聖堂にミケランジェロ作の「ピエタ」像があります。
聖母マリアが十字架から降ろされたイエスを抱いている彫刻です。

監督はこの彫刻から映画のヒントを得たそうです。


以前、当試写室で「アリラン」を上映したときにもご紹介しましたが、
監督は牧師をめざしたことがあります。
そんな訳で、本作を含め、キリスト教を思わせるタイトルの作品が多いです。
しかし、「サマリア」(‘04)にせよ、「嘆きのピエタ」にせよ、
私たちがキリスト教に描いているイメージとその映画とはうまく合致しません。
思わずハンカチを握りしめたくなるような暴力的なシーンがあったり、
作品のどこかに聖書と該当する部分があるのではないかと求めても
空振りに終わったり――

やはり鬼才とよばれる人は違うなぁと脱帽するしかありません。

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本作「嘆きのピエタ」も目をそむけたくなるような痛いシーンがあります。
生まれてすぐに親に捨てられ、天涯孤独に生きてきた30歳の主人公。
債務者の指を切断し、足を折り、その保険金で借金を支払わせるという
情け容赦のない消費者金融の取り立て屋です。
気の弱い人はもうこの段階で拒絶反応を起こしそうですね。
ですが、主人公の母だと名乗る不思議な女が登場すると、
思わず知らず、のめりこんでいくに違いありません。

ギドク監督、3年の隠遁生活の間にさらに映画表現を深めたように思います。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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☆6月11日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

嘆きのピエタ
脚本・監督/キム・ギドク、撮影/チョ・ヨンジク、美術/イ・ヒョンジュ、編集/キム・ギドク、製作/キム・ギドクフィルム、エグゼクティブ・プロデューサー/キム・ギドク、キム/ウテク、プロデューサー/キム・スンモ
出演
チョ・ミンス/チャン・ミソン、イ・ジョンジン/イ・ガンド、ウ・ギホン/フンチョル、カン・ウンジン/フンチョルの妻、チョ・ジェロン/テスン、イ・ミョンジャ/テスンの母、ホ・ジュンソク/薬物で自殺する男、クォン・セイン/ギターの男、ソン・ムンス/飛び降り自殺をする男、キム・ボムジュン/明洞の男、ソン・ジョンハク/チャン社長、チン・ヨンウク/車椅子の男、ユ・ハボク/コンテナに住む男、ソ・ジェギョン/コンテナに住む男の息子、キム・ジェロク/僧侶、イ・ウォンジャン/ミソンの息子
6月15日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
2012年、韓国、104分、カラー、日本語字幕/根本理恵、提供/キングレコード、クレスト・インターナショナル、配給/クレスト・インターナショナル
http://www.u-picc.com/pieta/

by Mtonosama | 2013-06-11 06:30 | 映画 | Comments(4)