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殿様の試写室

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タグ:パブロ・ベルヘル監督 ( 2 ) タグの人気記事

ブランカニエベス -2-
Blancanieves

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(C)2011 Arcadia Motion Pictures SL, Nix Films AIE, Sisifo Films AIE, The Kraken Films AIE, Noodles Production, Arte France Cinema

スペインという国には情念のかたまりといったイメージがあります。
クールジャパンというあとづけのイメージとは違う濃くて激しい国家精神――
あ、少しおおげさですか。

白雪姫といえば森を舞台に小人たちと過ごすお姫様という
ディズニーワールドに洗脳されている気味がありますが、
スペインの白雪姫はちょっと、いえ、かなり違います。

きれいでピュアで心根が優しくて、字が読めないところは(でも、決しておバカさんではないけれど)
ディズニー版とも通じる部分もあります。
しかし、これまでと大きく違う点は彼女が闘牛士であること。

さあ、いったいどんな白雪姫なのでしょうか。


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ストーリー
時代は1920年代。
スペインNO.1の人気を誇る天才闘牛士アントニオ・ビヤルタ。
彼は多くの観衆と美しい身重の妻が見守る中、6頭の牛を相手に闘います。
華麗な技にオーレの大歓声!
ですが、最愛のふたりに悲劇が待ちうけるのは残酷なならいであります。
観衆の興奮が最高潮に達したそのとき、
アントニオの体は猛牛の角に貫かれ、ドウと倒れるのでした。
悲鳴をあげ、ショックから産気づく妻のカルメン。
2人はともに病院へ。
アントニオは一命をとりとめますが、全身に麻痺が残り、二度と闘牛場には立てない身に。
そして、妻カルメンは娘を産み落とした後、そのまま還らぬ人となってしまいます。

天才闘牛士の父の血を受け継ぎ、美しい母カルメンの命とひきかえに生まれたカルメンシータ。

父は妻カルメンを亡くした衝撃から立ち直れないまま、
娘カルメンシータを置き去りにして邪悪な継母エンカルナと再婚してしまいました。

残されたカルメンシータは祖母に愛され、雄鶏を友に、素直で愛らしい少女に成長し、
聖体拝受式を迎えます。
祖母が縫ってくれた美しいドレスを着て、ダンスをするカルメンシータでしたが、
その幸せな場で愛する祖母を見送ることになってしまったのです。

ああ、カルメンシータ。

父と継母の家にひきとられるカルメンシータ。
身体の不自由な父アントニオを開かずの間に閉じ込めたまま、贅沢三昧な日々を送る継母。
彼女は哀れなカルメンシータを不潔な地下室に住まわせ、下働きとしてこきつかうのでありました。
ある日、カルメンシータは開かずの間の父と出会います。
「おとうさま!」「カルメンシータ!」
母カルメンが亡くなって以来、初めて父と娘として出会うことができたのでした。
その日からエンカルナの目を盗み、
これまでの日々を取り返すかのように父娘の情愛を深める二人。
父は闘牛士としての技を伝え、娘はやがて闘牛士への夢を抱くのでありました。

しかし、邪悪なエンカルナの陰謀によって父娘は再びひき裂かれてしまいます。

ああ、カルメンシータの運命や、いかに……


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つくづく思います。
熟知した単純なストーリーであっても、台詞や華やかな色彩が無くても、
こんなにものすごい映画ができるものなのですねぇ。
台詞を言わない俳優たちの演技がこれほど観る者をひきつけるものなのですねぇ。

闘牛場に向う人々の影が真っ白い道に短く黒い矢印を示し、
光と影のコントラストを、絵画のように、いえ、絵画よりも先鋭に刻み込みます。
カルメンシータのあとをついてまわる雄鶏のとさか、
頭を低く構え、角をつきつけてくる猛牛をさばく布、
モノクロームであっても、なによりも赤い強烈な色彩を感じさせます。

映画は光であり、映像である。
映画の基本ともいえるものを教えてもらいました。

祖父をはじめとする活弁士たちの感動に思いを至らせつつ、
つくづく祖父の活弁でこの映画を観たかった孫であります。





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☆11月28日に更新しました。いつも応援してくださって誠にありがとうございます☆

ブランカニエベス
監督・脚本・原案/パブロ・ベルヘル、製作/アイボン・コーメンザナ、ジェローム・ヴィダル、撮影/キコ・デ・ラ・リカ、音楽/アルフォンゾ・デ・ヴィラロンガ、美術/アラン・ペイネ、編集/フェルナンド・フランコ、衣装デザイン/パコ・デルガド
出演
マリベル・ベルドゥ/エンカルナ(継母)、ダニエル・ヒメネス・カチョ/アントニオ・ビヤルタ(父親)、アンヘラ・モリーナ/ドナ・コンチャ(祖母)、マカレナ・ガルシア/カルメン(白雪姫)、ソフィア・オリア/カルメンシータ(白雪姫 子供時代)、インマ・クェスタ/カルメン・デ・トリアーナ(母親)、ホセ・マリア・ポー/ドン・カルロス(興行主)
12月7日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
2012年、スペイン、フランス、104分、モノクロ
提供/新日本映画社、配給・宣伝/エスパース・サロウ、後援/スペイン大使館、協力/セルバンテス文化センター、http://blancanieves-espacesarou.com/

by Mtonosama | 2013-11-28 06:46 | 映画 | Comments(6)
ブランカニエベス -1-
Blancanieves

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(C)2011 Arcadia Motion Pictures SL, Nix Films AIE, Sisifo Films AIE, The Kraken Films AIE, Noodles Production, Arte France Cinema

ブランカニエべス。
またまた覚えにくい名前です。

100回くらい繰り返してやっとなんとか言えるようになりました。
スペイン語で『白雪姫』という意味だとか。
カサブランカ(白い家)のブランカですね。
となるとニエべスが雪?
Nieveが雪でNievesは複数形みたいです。

いえ、スペイン語の意味を追求する必要はありませんでした。すいません。

頂いた試写状を見ると、強烈な眼力のゴージャスな女性が目に飛び込んできたので、
恋に生きる激しい女性の映画かなぁ、と思っていました。

ところが、さにあらず、意味がわかってみれば”白雪姫”、
映画を観てみればモノクロ、無声映画!
モノクロ無声映画といえば『アーティスト』(‘12)もありましたけど。
本作はなんといっても光と影の国スペインの映画でありますから、
スペインの強い陽光がみなぎり、コントラストが鮮明であります。

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な~るほど、台詞がなくても映像はこんなに多くのことを語るのか――
と目からうろこが落ち、視力が改善するという稀有な体験をさせていただきました。

しかし、ここで愚痴を言わせていただけば、
試写室に入る時間が遅れ(ま、自分が悪いんですけど…)、
最前席の中央というお気に入りの席に座れず、不本意ながら後方座席になってしまいました。
前席には座高の高いおにいさんが座り、スクリーンの下部真ん中がマッチの頭状に欠落。
ああ、イライラ。
椅子に座る時は多少姿勢やお行儀が悪くなってもいいから、
椅子の背から上には頭を出さないようにしてほしいものです。

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「ブランカニエベス」
第37回トロント国際映画祭でのプレミア上映に始まり、いくつもの国際映画祭に出品。
ゴヤ賞といえば、スペイン版アカデミー賞ともいうべき大変な賞でありますが、
その第27回ゴヤ賞で最優秀作品賞をはじめとして18部門にノミネートされ、
なんと最多10部門を制覇したのが本作「ブランカニエベス」。
第60回サン・セバスチャン国際映画祭では審査員特別賞・最優秀女優賞を果たし、
第85回アカデミー賞では外国語映画賞のスペイン代表作に選ばれました。
世界の主要な映画賞を50部門以上受賞という大変な映画なのであります。
それがモノクロ無声映画なのです。

活弁士を祖父に持つとのとしては、
スクリーンの横で名調子を聴かせる祖父を想像するという望外の喜びも味わうことができました。
(祖父は“センチメンタル夢郷”と呼ばれた洋画専門の弁士でした)

モノクローム、白雪姫。
最近目につく手法とテーマではありますが、
いかにもスペインらしい鮮烈な陰影と、
グリム童話の持つダークな側面が一体となった美しくて懐かしくてすこ~し怖い作品です。
メメントモリ(死を想え)という言葉を想い起こさせます。
陰影の深さは、強い陽光であり、同時に、カタコンベ(地下墓所)の暗闇と土の匂いです。

小人、意地悪な継母――
白雪姫という大人も子どもも知るシンプルな物語だからこそ実現できた無声映画。
台詞はなくても、これほどの作品ができるとは驚異であります。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
あ、お話は皆さんもよくご存知の「白雪姫」ではありますけれどね。

続きは次回に。
乞うご期待でございます。



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ブランカニエベス
監督・脚本・原案/パブロ・ベルヘル、製作/アイボン・コーメンザナ、ジェローム・ヴィダル、撮影/キコ・デ・ラ・リカ、音楽/アルフォンゾ・デ・ヴィラロンガ、美術/アラン・ペイネ、編集/フェルナンド・フランコ、衣装デザイン/パコ・デルガド
出演
マリベル・ベルドゥ/エンカルナ(継母)、ダニエル・ヒメネス・カチョ/アントニオ・ビヤルタ(父親)、アンヘラ・モリーナ/ドナ・コンチャ(祖母)、マカレナ・ガルシア/カルメン(白雪姫)、ソフィア・オリア/カルメンシータ(白雪姫 子供時代)、インマ・クェスタ/カルメン・デ・トリアーナ(母親)、ホセ・マリア・ポー/ドン・カルロス(興行主)
12月7日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
2012年、スペイン、フランス、104分、モノクロ
提供/新日本映画社、配給・宣伝/エスパース・サロウ、後援/スペイン大使館、協力/セルバンテス文化センター、http://blancanieves-espacesarou.com/

by Mtonosama | 2013-11-25 04:54 | 映画 | Comments(8)