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殿様の試写室

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タグ:ピーター・ミュラン ( 3 ) タグの人気記事

サンシャイン 歌声が響く街 -2-
Sunshine on Leith

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(C)DNA Films

え~、ミュージカルとしては「サウンド・オブ・ミュージック」が好きなとのであります。
しかし、ミュージカル映画のイントロとして今も印象的なのは「ウエスト・サイド物語」です。
冒頭、NYの摩天楼が俯瞰で映し出され、次第次第に高度が低くなりながら
現れるウエスト・サイドの風景・・・
まだ外国へ行ったことのない中学生だったとのはドキドキしました。

ミュージカルは最初のつかみが大事だなぁ、と思ったものであります。

その観方から行くと、本作もまた良いです。
目に入るのはどこまでも砂っぽい荒野。
なるほどアフガニスタンですね。
おっ戦闘か!一瞬身構える観客をつかむのは
戦闘服に身を固め、トラックに詰め込まれた兵士たちの歌声でした。

おお、これはあの『シェルブールの雨傘』みたく歌だけで構成される映画か。
久しく歌だけのミュージカルも観ていないなぁ。
いや、せりふから歌に切り替わるのもなんか新鮮だし――
うんうん、ひきつけられますよ。


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ストーリー
スコットランドのリースに暮らすロブとジーン。
彼らは間もなく銀婚式を迎える仲の良い夫婦だ。
そこへアフガニスタンでの兵役を終えた長男デイヴィーが予定より一日早く帰還。
長女リズの恋人アリーも一緒に帰って来た。再会を喜び合う一家。

だが、デイヴィーにはひとつ気がかりなことがあった。
同じ分隊だった友だちのロニーが負傷し、義足をつけることになったのだ。
「隊長だった僕が代わればよかったんだ」と自分を責めるデイヴィーを慰めるロブ。
一方、アリーも明るく振る舞ってはいるが、
仕事がみつかるまで姉夫婦の家に居候しなくてはならないことを心苦しく思っている。

その夜、地元の友人たちの集まるパブでデイヴィーとアリーのためにパーティが開かれた。
リズは同僚の看護士イヴォンヌに兄デイヴィーを紹介する。
そして、恋に落ちるふたり――

ある日、ロブは一通の手紙を受け取った。
それは24年前ジーンに隠れて関係を持った女性の訃報。
差出人はこれまで存在すら知らなかったロブの娘だ!
女性はロブの前から去った後、独りで子どもを産み、育てることを選んだのだった。
葬儀に出席し、娘と初めて対面するロブ――

数日後、ロブとジーンの銀婚式の当日がやってきた。
集まってくる大勢の親戚や友人達。
ロブがジーンに捧げる歌を熱唱し、宴が最高潮に盛り上がった時、それは起きた。
ジーンが偶然夫のジャケットのポケットに入っていた娘からの手紙を読んでしまったのだ。
更に、アリーがサプライズとして行った公開プロポーズをリズはその場で断ってしまった。
幸せのジェットコースターは一気に奈落へ――

裏切られ、傷ついたジーンはロブを許そうとはしない。
リズは狭いリースの街を出て、フロリダの地で自分の可能性を試すことを選択する。
一方、イヴォンヌと暮らし始めたデイヴィーだったが、考え方の違いから大げんかになり、
人生を共にすることの難しさを痛感する。
悩み、傷つき、バラバラになってしまった家族。
太陽は再び彼らの上に輝くのだろうか……

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リースの古い街並みを背景に繰り広げられる人々の群舞と
I’m Gonna Be(500Miles)の歌声。
『思秋期』
http://mtonosama.exblog.jp/18062059/ http://mtonosama.exblog.jp/18071991/
で渋いところを魅せてくれたピーター・ミュラン。
今回はあの深い悲しみをたたえた暴力的なおやじから一転。優しいパパ、素敵な夫を演じていました。
歌も上手なのでびっくりです。

人生、楽しいことばっかりじゃないけど、泣いたり怒ったりしたって、
何も変わらないなら、笑って歌って踊っていた方がいいかな、って改めて感じさせてくれる映画でした。
これがミュージカルの醍醐味ってものですねぇ。  





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サンシャイン 歌声が響く街
監督/デクスター・フレッチャー、製作/アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ、アラベラ・ペイジ・クロフト&キエレン・パーカー、脚本/スティーブン・グリーンホーン、美術/マイク・ガン、撮影/ジョージ・リッチモンド、振付/ロージー・ケイ、音楽/ポール・イングリッシュビー
出演
ピーター・ミュラン/ロブ、ジェーン・ホロックス/ジーン、ジョージ・マッケイ/デイヴィー、アントニア・トーマス/イヴォンヌ、フレイア・メーバー/リズ、ジェイソン・フレミング/ハリー、ポール・ブラニガン/ロニー
8月1日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほかロードショー
2013年、イギリス、100分、字幕翻訳/藤澤睦実、配給/ギャガ
http://sunshine.gaga.ne.jp/

by Mtonosama | 2014-07-28 05:58 | 映画 | Comments(9)
思秋期 -2-
Tyrannosaur

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(C)CHANNEL FOUR TELEVISION/UK FILM COUNCIL/EM MEDIA/OPTIMUM RELEASING/WARP X/INFLAMMABLE FILMS 2010

イギリス映画の奥深さを感じさせてくれる作品でした。
これを俳優出身の弱冠38歳のバディ・コンシダイン監督が撮ったとは驚きであります。

監督の実父がモデルだという救いようのない男と
穏やかで何の不自由もなく暮らす主婦が、人生の秋を迎えた時期に出会います。

これが、例えばロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープだったとしたら、
「恋におちて」(‘84)みたいになるわけですが――
う~ん、そうはいかないんですね。

さあ、一体どんなお話なのでしょうか。

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ストーリー

リーズ。イギリスの工業都市。
ジョセフは失業中のアル中男。妻は糖尿病で早世していた。
失業手当を受けながら、日々町で飲んだくれている。
彼はキレやすく、怒りと暴力の衝動を抑えることができない。
犬を蹴り、ガラスを割り、周囲に当たり散らす。
いつもあちらこちらにトラブルの種をまいて回っているような男だ。

f0165567_6293156.jpg今日もそんなトラブルで仕返しを受けたジョセフは血を流しながら、
とあるチャリティショップに逃げ込んできた。
そこにいたのがハンナ。チャリティの古着屋を営む40代半ばの女。
信心深く、古着の間に蹲って出てこようとしないジョゼフのために祈ろうとする。

彼女はこぎれいな高級住宅地に住み、夫のジェームスと2人で暮らしている。
何不自由なく暮らしている金持ちの有閑マダム・・・・・か。

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明るく、優しいハンナと出会い、ジョセフの心も少しずつ癒されていくように。
だが、彼女もまた酒に逃げ道を求め、その内部に大きな闇を抱える存在だった。

その闇がある日とんでもない事件に発展することに……

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どうしてそんなに理不尽なキレ方をするの?
どうしてそんなことでそこまで怒らなくちゃならないの?
あ~、止めようよ。自分の飼い犬をそこまで思いっきり蹴るのは。

人生の理不尽さに腹を立て、自分の不運はすべて周囲のせいと決めつけ、
人々はすべて自分に悪意を持っているものと思い込むジョセフ。
わかるような気はします。
でも、そこまで暴れる彼を観ていたら暗澹とした気持になってきます。

そして、生活を保証され、親切を押し売りするかのようにチャリティショップで
仕事をするハンナに、ジョセフ同様、八つ当たりしたくなりました。
でも、彼女の抱える闇にゾッとしました。
人って、表から見ただけでは何もわかりません。

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糖尿病で早世した妻をティラノザウルスと呼び、
おそらくは不幸な結婚生活を送ったジョセフ。
仕事も人生もうまくいかず、労働者階級の底辺で這いずり回る彼は、
酒を飲み、周囲に当たり散らすしかないのかもしれません。

およそ対照的なハンナもうわべを装わなくてはならないだけ、
薄気味悪いDV夫との日々には耐えがたいものがあったに違いありません。

人生って一筋縄ではいかないものです。
でも、もしかしたら、良い方向に展開するかもしれない――
そう思えるから生き続けていけるのでしょうけれど。

もの想う秋。思秋期
人生について深く考えてしまう映画です。





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☆10月16日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

思秋期
脚本・監督/バディ・コンシダイン、製作/ディアミッド・スクリムショウ、撮影監督/エリック・アレキサンダー・ウィルソン
出演
ピーター・ミュラン/ジョセフ、オリヴィア・コールマン/ハンナ、エディ・マーサン/ジェームズ、サミュエル・ポットモレイ/サミュエル、ネッド・デネヒー/トミー、ロビン・バトラー/ジャック
10月20日(土)新宿武蔵野館、梅田ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2011年、カラー、98分、英語、イギリス、字幕翻訳/岸田恵子、提供/新日本映画社、配給・宣伝/エスパース・サロー、後援/ブリティッシュ・カウンシル
http://tyrannosaur-shisyuuki.com/

by Mtonosama | 2012-10-16 06:20 | 映画 | Comments(8)
思秋期 -1-
Tyrannosaur
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(C)CHANNEL FOUR TELEVISION/UK FILM COUNCIL/EM MEDIA/OPTIMUM RELEASING/WARP X/INFLAMMABLE FILMS 2010

思春期は遠い昔に置いてきてしまったので、思秋期という言葉に心魅かれるようになりました。
思秋期―― もの想う秋にふさわしい美しい言葉ではありませんか。
もしかしたら思春期よりは味わい深い人生の季節かもしれません。

というわけで出かけたのですが、
ウワーッ!
これはものすごい映画でした。
圧倒されてしまいました。

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それゆえ、
「観に行こうと思っているけれど、どうだった?」
と訊かれたとき、
「いやぁ、暗いわ」
と答えてしまったとの。

「思秋期」という美しい言葉に魅かれて観に行くと、手痛いボディーブローをくらいます。
なんてったって、原題が“ティラノザウルス”ですから。

主人公も、その歳(とのより100歳年下の50代というお年頃でしょうか)になって、
これほどまでに追い詰められ、不器用で、悲しく、貧しい人生ではつら過ぎるよ――
と、なんとも暗澹たる気持ちになってしまいました。
ま、己が人生と重ね合わせるから、そんな想いにもなるのでしょうが。

「思秋期」の脚本を書き、監督を務めたのは、
「ボーン・アルティメイタム」(‘07)「ブリッツ」(‘11)などに出演した俳優パディ・コンシダイン。


パディ・コンシダイン
■生年月日 : 1974/09/05
■出身地 : イギリス
■バートン大学で演技の勉強を始めるが、途中で専門を写真に変えブライトン大学を首席で卒業。役者として成功を収める以前はカメラマンをしていた。「24アワー・パーティ・ピープル」「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」「シンデレラマン」など、話題作や大作への出演が続き、印象的な存在感と演技力を見せつけた。多くの映画賞に役者としてノミネートの経験があり、2007年に監督と脚本を勤めた「Dog Altogether」では英国アカデミー賞やヴェニス映画祭など数多くの映画賞の短編作品部門を受賞している。
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=728913

「Dog Altogether」で、映画監督デビューも果たしたコンシダイン監督の初の長編映画となったのが、
その拡大版ともいえる本作「思秋期」です。

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憧れの監督はケン・ローチ、と語るコンシダイン監督。
まだ40歳にもなっていない彼が、
50代半ばを越えたどうしようもない主人公の心情や行動や人生を
どうしてここまでリアルに描けるのか、と首をかしげていました。
いくら俳優としてさまざまな役柄を演じたとはいえ、
脚本も監督もつとめるとなるとなまじっかな理解や観察だけでは不充分なはずです。

が、しかし、
その理由がわかりました。
なんと、「Dog Altogether」と本作の共通の主人公であるジョゼフのモデルは
コンシダイン監督の実の父親だったのです。

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いや、やばい人物ですよ。この主人公は。

もしも、とのがこういう親を持っていたら、とても映画になどできないでしょうし、
人に話すこともできないかもしれません。
暗い気持になり、衝撃を受けながらも、ラストまで正視していられたのは、
予想外の展開と、主人公ジョゼフを演じるピーター・ミュランの眼の奥に宿る
哀しげで、優しげな光のせいだったような気がします。
また、もうひとりの主役ハンナを演じたオリヴィア・コールマンも
テレビのコメディシリーズ出身とは思えないキャラクターを見せてくれました。
新境地開拓といったところかもしれません。
あ、彼女、最近では「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(‘12)でサッチャーの娘キャロル役を演じています。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
乞うご期待でございますよ。

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☆10月13日に更新しました。いつも応援をありがとうございます☆

思秋期
脚本・監督/バディ・コンシダイン、製作/ディアミッド・スクリムショウ、撮影監督/エリック・アレキサンダー・ウィルソン
出演
ピーター・ミュラン/ジョセフ、オリヴィア・コールマン/ハンナ、エディ・マーサン/ジェームズ、サミュエル・ポットモレイ/サミュエル、ネッド・デネヒー/トミー、ロビン・バトラー/ジャック
10月20日(土)新宿武蔵野館、梅田ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2011年、カラー、98分、英語、イギリス、字幕翻訳/岸田恵子、提供/新日本映画社、配給・宣伝/エスパース・サロー、後援/ブリティッシュ・カウンシル
http://tyrannosaur-shisyuuki.com/

by Mtonosama | 2012-10-13 06:52 | 映画 | Comments(6)