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     アンダー・コントロール -2-
                       Unter Kontrolle

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              ©2011credo:film in cooperation with WDR and ARTE

          さあ、初めて見る原発の内部、一体どんなふうになっているのでしょうか。

         「映画で見る原発解体マニュアル」というキャッチフレーズのつけられた本作。
                    フォルカー・ザッテル監督は
            「自分の意見を声高に訴えて世論を変えようとする作品ではなく、
                  冷静な議論の土台になる作品をめざした」
                          と語っています。

  原発は一年に一度、閉鎖されて保守点検を受けますが、そのタイミングで撮影許可を得たという本作。

             「え?このカメラの位置、ありえないでしょう」と驚いたのは、
                 燃料棒が交換される時の原子炉を撮影したもの。
                  監督は、原子炉のほぼ真上から撮っています。
                   (本作前回の冒頭の画像をご覧ください)

              原発内部での撮影には完全防護服を着用し、手袋も2枚重ね。
         撮影用具一式も床置き禁止、もちろん内部のものには何一つ触ってはいけません。
                そんなモコモコの状態で足場も悪く、猛烈に暑い中、
 ブルーの水を湛えた巨大なプールの上で撮影するのですから、監督の覚悟、情熱は半端なものじゃないです。

            そう、フォルカー監督は監督・脚本・撮影・リサーチの一人四役でした。

               この危険な撮影に対して、周囲は心配し、反対しました。
       ドイツでは陸続きのチェルノブイリの事故を経験していますから、とりわけナーバスです。
                      私たちもそれは同じですが・・・

                  でも、私たちが抱くこうした本能的な恐怖こそ、
             生きることへの根源的な危機意識なんじゃないかと思うんですけどね。

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              あの時までは原発って科学の最先端だとどこかで思っていました。
         ですが、映画の中で示される安全盤は、とのが子どもの頃観た東宝の怪獣映画で
            科学者が喧々諤々とやっていた制御室みたいな見かけ倒しな感じですし、
           テロ攻撃に備えた煙幕発生装置(これが起動すると高さ300メートルの煙が
              原子炉を含め、町全体を15分程覆い隠すのだそうです)なども
                 「マジかよ」とつっこみたくなってしまうような代物。

               そうそう、住民の反対で一度も使われることのないまま、
           遊園地に姿を変えたカルカー高速増殖原型炉のシュールな光景も登場します。
       よく海外の原発のニュースなどで見る巨大な煙突のようなもの、あれは冷却塔というのですが、
                その冷却塔の内部を回転ブランコがせりあがっていき、
           歓声と共に冷却塔のてっぺんの丸くくり抜かれた空をくるくる回るんです。
            乗りたいか、そうでないかは、個人の趣味に任されるところでしょうが。

                 こんな平和な光景もこの原発が未運転だからこそ。
       一度でも運転されてしまったら、原発は遊園地どころか、超巨大な放射性汚染物です。

  カメラは中低レベル廃棄物貯蔵のために作られた地下600メートルの深さにある施設にも入っていきます。
         地下600メートル。東京スカイツリーが地下に向かって伸びていった位の深さです。
           それでも安全性への懸念から廃止されることになったということですから…

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            知らなかった発電所内部や閉鎖された原発の延々と続く解体作業。
      原発は建設することよりも、管理や解体の方がうんと大変なんだ、ということがよくわかります。

                  原発のあまりの巨大さに恐怖を感じました。
             そして、原子力発電所と密接に結びつく企業や団体も映画に登場します。
                 なかなか一筋縄ではいかない業界ではあります。

              理科音痴のとのは本能的な恐怖ばかり感じてしまうのですが、
         科学に強い人、原発に関わったことのある人なら、どんな感想をお持ちになるのでしょう。

  

                               

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アンダー・コントロール
監督・脚本・撮影・リサーチ/フォルカー・ザッテル、助監督/ステファン・ステファネク、撮影助手/ティロ・シュミット、録音/ニコラウス・ヴェルンレ、フィリップ・フォルベルク、整音/ティム・エルツァー、ニコラウス・ヴェルンレ、ミキサー/アンスガー・フレリッヒ、編集/シュテファン・クルムビーゲル、フォルカー・ザッテル、演出/シュテファン・クルムビーゲル、フォルカー・ザッテル、演出/シュテファニー・ガウス、ライン・プロデューサー/ドロテア・ゼーガー、プロダクション・アシスタント/カタリナ・ベルクフェルト、製作/スザン・シムク、ヨルク・トレントマン、コミッショニング・エディター/ユッタ・クルーグ、ザビーネ・ロルベルク、アンネ・バウマン
11月12日(土)[シアター]イメージフォーラムにてロードショー
ドイツ、98分、ドイツ語、2011年、日本語字幕/西山敦子、字幕監修/小倉志郎、協力/ドイツ文化センター、配給・ダゲレオ出版イメージフォーラム・フィルム・シリーズhttp://www.imageforum.co.jp/control/

by mtonosama | 2011-10-30 07:26 | 映画 | Comments(8)
     アンダー・コントロール -1-
                       Unter Kontrolle

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                ©2011credo:film in cooperation with WDR and ARTE

                    Unter Kontrolle(Under control) 制御・管理下。
                なにを制御し、なにを管理するかというと、原子力発電所です。
                    でも、それが制御も管理もできなくなるということを、
                     私たちはあの日以降知ってしまいましたけれど…

            この映画はドイツの原子力発電所の内部と、それが現在解体されつつある状況を
                      3年という年月をかけて撮影したものです。

          既にドイツではすべての原発を2022年までに廃止するという法律が制定されていましたが、
                 2010年にメルケル政権は既存原発17基の稼働を延長しました。

                           しかし、福島原発事故の後、
ドイツ南部の州バーデン・ビュルテンベルクで3月27日に州議会選挙が行われました。
この選挙で、アンゲラ・メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と自由民主党(FDP)の
連立野党が反原発を掲げる環境政党の緑の党に敗北したのは周知のとおり。
閣議では17基の原発について、15、17、19年にそれぞれ1基ずつ、
21、22年には3基ずつ閉鎖することで合意。
残りの内、メルケル首相が3月に福島原発事故を受けて一時閉鎖を命じた7基は運転停止とし、
点検のため運転を停止している1基もそのまま閉鎖されています。
メルケル政権は、福島の事故をきっかけに2022年末までにドイツの原発を全廃することを決定。


               本作の撮影は福島の事故以前に行われています。

       私たちはあの事故の後、残骸としての原子力発電所は嫌というほど見てきましたが、
            壊れていないその内部がどうなっているのかはよく知りません。

    原発に対していかなる立場をとるにせよ、まずは敵情視察(あ、はなっから敵対してしまった)、
     もとい、現状を維持している原子力発電所の屋内やら建屋内をこの映画で見てみましょう。

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                           あ、その前に、
           (皆さまはもう既によくご存知のことと思いますが、とのは理科音痴なので)
                     原発が電気を作る原理を復習させてください。
              1.原子炉の中で燃料となるウランを核分裂させて、高熱を出させる
              2.その熱で水を沸騰させ、発生した水蒸気でタービンを回転させ、
               電気を起こす
                  なるほど、原理そのものは理科音痴にも理解できました。

                 ま、原理というものはいつだってシンプルなものですものね。
              ところが、それを形にするというところで問題が出てくるわけであります。

            核分裂で発生した熱を蒸気に変え、それを蒸気管でタービンまで運ばないことには
                              電気は起きません。
                                 だから、
        原子力発電所の内部には蒸気を運ぶためのたくさんの配管が複雑に張り巡らされています。
      こうした配管にダメージが生じると、放射能を含んだ蒸気が漏れる原因になるということなんですね。

                         発生した蒸気でタービンを回転させる。
                         その蒸気を運ぶ配管が張り巡らされる。
            原理的には産業革命のころから変わらない原子力発電が、火力発電と大きく違うのは、
                          燃焼によって発生した熱ではなく、
               核分裂という一旦狂い始めたら制御の効かない現象によって発生する熱を
                           利用していることなんですよね。

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                               やっぱり怖いです。
                               本能的に怖いです。

                    ドイツでは既に古くなった原子力発電所を解体していますし、
        完成はしたものの住民の反対によって一度も使われないまま、遊園地になった原発もあります。
                  原発解体では一足先を進んでいるドイツの状況を覗いてみましょう。

                                    

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監督・脚本・撮影・リサーチ/フォルカー・ザッテル、助監督/ステファン・ステファネク、撮影助手/ティロ・シュミット、録音/ニコラウス・ヴェルンレ、フィリップ・フォルベルク、整音/ティム・エルツァー、ニコラウス・ヴェルンレ、ミキサー/アンスガー・フレリッヒ、編集/シュテファン・クルムビーゲル、フォルカー・ザッテル、演出/シュテファン・クルムビーゲル、フォルカー・ザッテル、演出/シュテファニー・ガウス、ライン・プロデューサー/ドロテア・ゼーガー、プロダクション・アシスタント/カタリナ・ベルクフェルト、製作/スザン・シムク、ヨルク・トレントマン、コミッショニング・エディター/ユッタ・クルーグ、ザビーネ・ロルベルク、アンネ・バウマン
11月12日(土)[シアター]イメージフォーラムにてロードショー
ドイツ、98分、ドイツ語、2011年、日本語字幕/西山敦子、字幕監修/小倉志郎、協力/ドイツ文化センター、配給・ダゲレオ出版イメージフォーラム・フィルム・シリーズhttp://www.imageforum.co.jp/control/

by mtonosama | 2011-10-27 07:11 | 映画 | Comments(8)