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タグ:ブンミおじさんの森 ( 2 ) タグの人気記事

      ブンミおじさんの森 -2-
                     ลุงบุญมีระลึกชาติ
UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES

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                     ©A Kick the Machine Films

    
今回の地震で被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
  また今も大変な思いをしていらっしゃる皆様、どうぞお気を強く持ってください。

    一日も早く平穏な日が戻ってきますように。
                        3月12日


タイの映画って、あまり馴染みはありません。
でも、タイの人たちは日本と同じようにお米を食べる国民ですし、
この世のあらゆるものに魂を認める人たちです。
遠い昔にはどこかでつながっているような気もしないではありません。
そう、それこそ前世ではつながっていたのかもしれません。

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前世が水牛だったり、王女さまだったり、死んだはずの奥さんと同席し、
晩御飯を食べたり。
米喰う人々である私たちにはストンとおさまる光景ですが、
欧米の人々にはとても霊的な世界なのでしょう。

第63回カンヌ国際映画祭で審査委員長を務めたティム・バートン監督は
こんなことを言っています。

「世界はより小さく、よりハリウッド的になっている。
でも、この映画には、私が見たこともないファンタジーがあった。
それは美しく、まるで不思議な夢を見ているようだった」


鬼才ティム・バートンを驚かせた「ブンミおじさんの森」どんなお話なのでしょうか。

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ストーリー
木の幹に水牛が一頭つながれています。
水牛をつないだ綱がほどけ、水牛は草原を走りだします。

ブンミおじさんに呼ばれて、ジェンとトンがおじさんの暮らすタイ東北部の村へやってきます。
ブンミおじさんは重い腎臓病を患っているのです。

周囲を暗闇が包み、虫がすだく中、テーブルの上だけが優しい灯りに照らされています。
ブンミとジェン、トンが夕食を囲んでいます。
そこへ、19年前に死んだブンミの妻フェイが現れました。
彼女はブンミの病気が心配でやってきたのです。彼女は亡くなった42歳の時のまま。
ブンミは嬉しそうに微笑みます。

暗い階段の方からもなにかがやってくる物音がします。
数年前、行方不明になった息子ブンソンでした。
彼が行方不明になったのは森の中で猿の精霊に出会い、自らも猿の精霊になったから。
ブンミの死が近いのを知って精霊たちが外に大勢集まってきているとブンソンは伝えます。

ブンミは自分の死んだ後、農場を継いでくれるように義妹のジェンに頼みます。
ためらうジェンに「心配はいらない。死んだ後も助けにきてあげるから」。

翌日ジェンに農場を案内するブンミおじさん。
作業小屋で透析をしながら、おじさんは自分の病気はカルマなのだとジェンに語りました。
「かつて共産兵士をたくさん殺し、農場でもたくさん虫を殺した」

やがてブンミおじさんの旅立つ日が来ました……
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生きている人と死んだ人や精霊たちが普通に話をし、前世と現在が混在する世界。
確かに変ですが、納得できるんですねぇ。これが。

17年前、母が亡くなった時、お坊さんが、
「亡くなってから四十九日までは、お母さんはいつもあなたの近くにいるんだよ。
ほら、あの天井の隅とかに」
と話してくれました。

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近くにいて見守っていてくれる、と信じれば、悲しさも乗り越えられるというものです。
小さな虫や魚や鳥もなにかの生まれ変わりと思えば、無益な殺生はできませんよね。
殺してしまったとしたら?
殺してしまっても、ブンミおじさんのように自分の不治の病をその報いとして、
納得して受け入れることができるようになりますものね。

久々に亡くなった家族や友人を身近に感じることができました。

合掌


ブンミおじさんの森
製作、脚本、監督/アピチャッポン・ウイーラセタクン、製作/サイモン・フィールド、キース・グリフィス、シャルル・ド・モー、アピチャッポン・ウイーラセタクン、共同製作/ハンス・W・ガイセンドルファー、ルイス・ミニャーロ、マイケル・ウィーバー、撮影監督/サヨムプー・ムックディープロム、ユッコントン・ミンモンコン、チャリン・ペンパーニット、音楽/コウイチ・シミズ
出演
タナパット・サーイセイマー/ブンミ、ジェンチラー・ポンパシ/ジェン、サックダー・ケァウブアディ/トン、ナッタカーン・アバイウォン/フェイ(ブンミの妻)、チィラサック・クンホン/ブンソン(ブンミの息子)、サムット・クウカサン/ジャーイ、ワラパー・モンコンプラサート/王女、スミット・スッブシー/兵士、ヴィエン・ピムディ/農夫
3月5日(土)シネマライズ、3月12日(土)梅田ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2010年、イギリス、タイ、ドイツ、フランス、スペイン合作映画、114分、提供/シネマライズ、配給/ムヴィオラ
http://uncle-boonmee.com/


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☆3月12日に更新しました。被害を受けた地域の皆様により早い救助の手が届きますように☆
by mtonosama | 2011-03-12 06:59 | 映画 | Comments(8)
      ブンミおじさんの森 -1-
                       ลุงบุญมีระลึกชาติ

  UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES

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                    ©A Kick the Machine Films

人間150歳まで齢を重ねなくとも、ときどきあちら側の世界のことを考えたりします。
あちら側の世界というのはどんなところであろうか、とか
あちら側に行くのは苦しいのか、楽チンなのか、とか
ま、あれこれ考えたりします。
親を亡くしたり、大事な人を亡くしても、やはりあちら側のことを想います。

2010年5月、第63回カンヌ国際映画祭でタイ映画として初のパルミドール(最高賞)の栄冠に輝いた
ブンミおじさんの森」。
この森では、あちら側の世界とこちら側が優しく溶け合います。

「ブンミおじさんの森」はアピチャッポン・ウィーラセタクンという一回口にしたくらいでは、
絶対に覚えきれない難しい名前の監督が、
あるお坊さんの書いた「前世を思い出せる男」という小さなブックレットに着想を得て制作した映画です。

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ウイーラセタクン監督の近所に住む僧院の院長がある日監督に、
瞑想を学んでいる老人のことを話しました。
その老人というのがブンミおじさんなのですが、
   「瞑想中、閉じた瞼の裏に、自分の過去が映画のように映るのを見た。
    水牛や肉体を持たない魂となって、草原をさまよった」
と僧院長に話したというのです。

彼はその話に感動しましたが、ことさら驚きはしませんでした。
なぜかといえば、そういう話をしたのはブンミおじさんが初めてではなかったからです。
僧院長は前世を見たという村人たちの話を集めて、1冊の小冊子にまとめあげました。
それがウイーラセタクン監督をひきつけた「前世を思い出せる男」でした。

アピチャッポン・ウイーラセタクン監督
 1970年、バンコクに生まれ、タイ東北部・コンケーンに育ったウイ―ラセタクン監督。
両親は医者で、少年時代は病院が遊び場。幼少時からアートや映画に興味を持ち、映画館に通っていました。地元のコンケーン大学で建築を学び、24歳のとき、シカゴ美術館付属シカゴ美術学校に留学し、映画の修士課程を修了。
 留学中にアッバス・キアロスタミ、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン等の映画に夢中になり、ジョナス・メカス、マヤ・デレン、アンディ・ウォーホル等の実験的な映画に出会い、商業映画とは異なる映画のあることを知り、個人的な映画をつくることを決意しました。

 1999年 山形国際ドキュメンタリー映画祭に短編映画「第三世界」を出品
       映画製作会社「キック・ザ・マシーン」設立

 2001年 初長編映画「真昼の不思議な物体」Mysterious Object at Noon
山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション優秀賞、NEPTAC特別賞受賞、全州国際映画祭グランプリ受賞

 2002年 「ブリスフリーユアーズ」Blissfully Yours
      カンヌ国際映画祭 ある視点賞、東京フィルメックス映画祭最優秀作品賞、テサロニキ映画祭グランプリ、ロッテルダム国際映画祭KNF賞、シンガポール国際映画祭Young Cinema Award、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭監督賞&国際批評家連盟賞

2003年 「アイアン・プッシーの大冒険」The Adventure of Iron Pussy
共同監督マイケル・シャオワナーサイ

 2004年 「トロピカル・マラディ」Tropical Malady
カンヌ国際映画祭審査員賞、東京フィルメックス映画祭最優秀作品賞、インディアナポリス国際映画祭審査員特別賞、サンパウロ国際映画祭批評家賞、トリノレズビアン&ゲイ フィルムフェスティバルグランプリ、カイエ・デュ・シネマ2004年度ベスト1

 2006年 「世紀の光」Syndromes and a Century
ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品、アジアン・フィルム・アワード監督賞ノミネート

2010年 「ブンミおじさんの森」Uncle Boonmee who can recall his past lives
カンヌ国際映画祭 パルムドール


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前世は、水牛であったり、王女さまであったり、
あるいは、電灯の灯りに群れる小さな虫だったり。
こういう転生説は日本人には比較的馴染み深いものですよね。
「あの人は前世で良いことをしたから、あんなに恵まれているんだよね」とか言ったりしますし。

タイ東北部の森の中の家で展開する不思議な物語。
死者と生者が静かに交歓します。
さてさて、どんなお話なのでしょうか。
続きは次回で。

                            

ブンミおじさんの森
製作、脚本、監督/アピチャッポン・ウイーラセタクン、製作/サイモン・フィールド、キース・グリフィス、シャルル・ド・モー、アピチャッポン・ウイーラセタクン、共同製作/ハンス・W・ガイセンドルファー、ルイス・ミニャーロ、マイケル・ウィーバー、撮影監督/サヨムプー・ムックディープロム、ユッコントン・ミンモンコン、チャリン・ペンパーニット、音楽/コウイチ・シミズ
出演
タナパット・サーイセイマー/ブンミ、ジェンチラー・ポンパシ/ジェン、サックダー・ケァウブアディ/トン、ナッタカーン・アバイウォン/フェイ(ブンミの妻)、チィラサック・クンホン/ブンソン(ブンミの息子)、サムット・クウカサン/ジャーイ、ワラパー・モンコンプラサート/王女、スミット・スッブシー/兵士、ヴィエン・ピムディ/農夫
3月5日(土)シネマライズ、3月12日(土)梅田ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2010年、イギリス、タイ、ドイツ、フランス、スペイン合作映画、114分、提供/シネマライズ、配給/ムヴィオラ
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♪3月9日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2011-03-09 06:39 | 映画 | Comments(8)