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殿様の試写室

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湾生回家 
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©田澤文化有限公司


150歳にもなりながら、
あまりにも歴史を知らない自分が情けのうございます。
いえ、知ってはいるのですが、
遥かかなたの星雲のように自分とは関わりないもののようにしていたことが
恥ずかしうございます。


「湾生」という言葉、説明されれば「なるほど」と思うのですが、
この歳まで知りませんでした。

湾生
戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を指す言葉。
台湾で生まれたから「湾生」です。
1895年日清戦争後に下関条約が締結された年から
1945年第二次世界大戦で日本が敗戦を迎えるまでの50年間、
台湾は日本に統治されていました。

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当時は日本から公務員や企業駐在員が海を渡り、
農・漁業従事者も移民として台湾に根付きました。
そして1945年の敗戦後、彼らのほとんどは
中華民国政府の方針によって強制送還されました。
引揚者が持ち出すことができたのは1人当たり現金1000円、
(今の価値に換算すれば100万円位でしょうか)
そして、わずかな食糧とリュックサック2個だけでした。

台湾で半世紀も暮らしていれば
相当の家屋敷や財産もあったことでしょう。
すべてを台湾に残し、
見たこともない日本へ行くというのは
さぞかし不安だったことでしょう。

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下関条約も日本の敗戦も
教科書の中でしか知りません。

この試写を観た時、後ろの座席に2人のおじいさんがいました。
多分、耳も遠いのでしょう。
大きな声で世間話をしているので
聞くともなく聞いていたのですが、
プレス資料を見ながら
「ああ、これ、懐かしいな」「覚えているよ」などと話しています。
そうなんですね。
そのおじいさんも湾生でした。

戦後71年経つと、家族と共に帰還船に乗った幼児も
こんなおじいさんになっているんです。
こういう湾生たちがまだ元気なうちに
日本ではなく、台湾で、
本作を撮り、
台湾の観客にも「湾生」が優しく受け入れられているのは
本当にありがたいことです。

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監督はホァン・ミンチェン(黄銘正)
台湾のアカデミー賞といわれる金馬奨で
最優秀短編作品賞を受賞した
『トゥー・ヤング』(第14回東京国際映画祭上映)が注目された。
本作ではプロデューサーが同郷であった縁で監督に抜擢される。
監督は当初「湾生」を知らなかったが、
彼らとの触れ合う中で、その人生に潜むドラマを発見し、
「湾生」たちが戦後の混乱をどう生き延びたのか、
また台湾でどんな生活を送り、台湾のことをどう思っているのか、
「湾生」たちに寄り添い、「湾生」の目線で本作を完成させた。

1945年台湾から日本本土へ強制送還された日本人は
軍人・軍属を含めると50万人に及んだそうです。
彼らにとって台湾は植民地の仮住まいでは決してなく
一生涯を送り、子供や孫もずっと暮らすだろう故郷でした。

『湾生回家』は湾生たちの望郷の思いを描いたドキュメンタリー映画です。

さあ、どんなお話かは次回までのお楽しみでございます。



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☆11月7日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

湾生回家
監督/ホァン・ミンチェン(黄銘正)
出演
富永勝、家倉多恵子、清水一也、松本洽盛、竹中信子、片山清子ほか
11月12日(土)より岩波ホールにてロードショーほか全国順次公開
2015年、台湾、111分、提供/マクザム、ワコー、太秦、配給/太秦、http://wansei.com/

by Mtonosama | 2016-11-07 05:34 | 映画 | Comments(4)