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鉄くず拾いの物語 –1–
AN EPISODE IN THE LIFE OF AN IRON PICKER

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「ノー・マンズ・ランド」(’02公開)という映画をご記憶でしょうか。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの監督ダ二ス・タノヴィッチのデビュー作です。
ボスニア紛争中、いがみ合う男たちの不条理な運命を皮肉めいた笑いを交えて描き出しました。
塹壕の中から顔だけのぞかせている兵士のラストシーンがなんとも印象に残る映画でした。

当時、すごい映画だなぁ、とびっくりしたので、
「鉄くず拾いの物語」がこのダ二ス・タノヴィッチ監督作品と聞いてとびつきました。
そして、これまたびっくり!
なんていうか、現実の事件をその当事者が演じることで再現した映画なんです。
プロの俳優は出演していません。
ドキュメンタリーではなく再現ドラマならぬ再現映画でした。

それにしても、ダ二ス・タノヴィッチ監督。熱い人です。


ダ二ス・タノヴィッチ監督
1969年ボスニア・ヘルツェゴヴィナ生まれ。サラエボのフィルム・アカデミーで習作を撮った後、92年のボスニア戦争勃発と同時にボスニア軍に参加。「ボスニア軍フィルムアーカイヴ」を設立。戦地の最前線で300時間以上の映像を撮影、その映像はルポルタージュやニュース映像として世界中で放映された。
94年にベルギーに移住して再び映画を学ぶ。2001年にボスニア紛争を描いた「ノー・マンズ・ランド」で監督デビューを果たし、アカデミー賞外国語映画賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞など幾多の賞を受賞。05年にはエマニュエル・ベアール、キャロル・ブーケなどフランスを代表する俳優たちを起用し、クシシュトフ・キエロフスキの遺稿を映画化した「美しき運命の傷跡」を発表。その後、コリン・ファレル主演の「戦場カメラマン 真実の証明」(‘09)「Circus Columbia」(‘10)で戦争とその結果について描いた。08年ボスニア・ヘルツェゴヴィナで「私たちの党」という民族主義にとらわれない多民族政党を設立。しかし、自身は党首とはならず、あくまで映画監督としての立場を貫いている。

まだ40代のタノヴィッチ監督がこの映画に描こうとしたのは
あの戦争を経た後も、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに存在する差別です。
ボスニア紛争(‘92 ~‘95)時、最前線で人々の勇気や献身を眼にしてきた監督だけに
戦争から10数年経った今、社会的に恵まれない人々から眼を逸らしたり、
自分たちの周囲にある恐怖をないものとするような社会を
余計に許すことができないのでしょう。

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この映画はロマ人の女性セナダにふりかかった事件を描いたものです。


熱血監督ダニエル・タノヴィッチが描きたかったのは何か――

続きは次回で。
乞うご期待でございます。



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☆2014年1月10日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

鉄くず拾いの物語
監督・脚本/ダニエル・タノヴィッチ
出演
セナダ・アリマノヴィッチ、ナジフ・ムジチ
2014年1月11日(土)新宿武蔵野館、2月1日(土)梅田ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=フランス=スロベニア、2013年、74分、配給/ビターズ・エンド、http://www.bitters.co.jp/tetsukuzu/

by Mtonosama | 2014-01-10 05:42 | 映画 | Comments(4)