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殿様の試写室

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タグ:マシュー・ブラウン監督 ( 2 ) タグの人気記事


奇跡がくれた数式
-2-
The Man Who Knew Infinity

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(C)Kevin Nunes


トロント国際映画祭でプレミア上映された後、
アメリカ、イギリス両国の観客から愛されてヒット、
その後も欧州、アジアを回りながら観客を感動させた映画が
本作『奇跡がくれた数式』です。

ベートーヴェンの第10番交響曲の発見と同価値といわれたラマヌジャン・ノート。
それが彼の死後に発見され、
数学者ラマヌジャンは今も”アインシュタイン並みの天才“と称されています。

本作はラマヌジャンがG・H・ハーディによって呼び寄せられた
ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジでの撮影が許されました。
ニュートンが重力を発見したリンゴの木のある中庭も登場しますよ。

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(C)Richard Blanshard


ストーリー
1914年、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの教授G・H・ハーディのもとに
英国植民地インドに住む見知らぬ事務員から1通の手紙が届く。
夢中で手紙を読み、
その未知の差出人ラマヌジャンを大学に招聘することを即決したハーディ。

独学で数学を学び、学歴も金もないラマヌジャンは
自分の研究を初めて発表できるチャンスに興奮する。
母は大反対するが、新妻は「私を呼び寄せてくれるなら」と
夫の英国行きを泣く泣く許してくれた。

長い船旅を経て英国に到着。
カレッジに足を踏み入れた瞬間、学の殿堂の崇高さに息を呑むラマヌジャン。
そんな彼をG・H・ハーディの友人リトルウッド教授は温かく迎え入れてくれた。
だが、人づきあいが苦手なハーディは短い挨拶だけで旅の苦労をねぎらうこともなく消えてしまう。
他の教授たちは肌の色も違い、学歴もない彼を受け入れようとしない。
ハーディが称賛する素晴らしい発見も
論理的な証明がなければ絵空事に過ぎないのである――

ハーディはラマヌジャンに証明の義務を説く。
だが、公式や数式が直感で閃く彼には証明など時間の無駄と思えた。
そんな彼をハーディは学内の図書館へと誘う。
そこに展示されるニュートンの本を見せ、
「成功すれば君のノートもこの隣に並ぶんだ」と励ます。
更に、ラマヌジャンに代わって証明した彼の研究の一つを
ロンドン数学会の会報に発表する。

最初の発表を成し遂げ歓喜するラマヌジャンだったが、
第一次世界大戦への英国の参戦がその運命に影を落としていく。
菜食主義者の彼が食すべき野菜は払底し、兵士達からは暴力を振るわれる。
発熱が続き、体調も悪い。
そして、妻からの便りも絶えてしまった。

ラマヌジャンから笑顔が消え、穏やかな彼が怒り狂ったのは
ハーディが彼の“直感”を否定した時だった。
顔のアザや瘦せ細った体に気付きもしないハーディ。
激しい口論をする二人。
その夜、ラマヌジャンは衰弱した体で証明を仕上げる。
だが、それ以来、彼は心を閉ざし、
孤独の中で数字のみを追いかけるようになっていった。

ある日、ハーディの許にラマヌジャンが地下鉄に飛び込んだという知らせが……

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(C)Richard Blanshard

希望に燃えてイギリスにやってきた天真爛漫な青年が
故国インドとはまるで異なったロンドンの空気の中で
花が萎れるように、弱っていく様子をデヴ・パテルが好演しました。

数学が苦手でも、頭の良い人にやっかみがあっても、
啓示のように公式や定理を思いつく人がいて、
かたや、やはり数学を愛する学者がいて
彼らが様々な軋轢を乗り越えながらも真理を求め続け、
国や生まれの違いを超えて友情に結ばれる姿は感動的です。

そして
神を通じて降りてくる数式や公式――

天才とはこういう人のことを言うのですね。
友情映画でもあるのですが、
数学の深淵に少しだけ触れることができたような気がします。

いま彼の理論はブラックホールの解明にも貢献しています―――

学問って決してすぐに結果が出るものではないんですね。






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奇跡がくれた数式
監督・脚本/マシュー・ブラウン、原作/ロバート・カニーゲル、撮影/ラリー・スミス、美術/ルチャーナ・アリギ、プロデューサー/エドワード・R・プレスマン、ジム・ヤング、ジョー・トーマス、マシュー・ブラウン、ソフィア・ソダーヴァン、ジョン・カッツ
出演
デヴ・パテル/ラマヌジャン、ジェレミー・アイアンズ/G.H.ハーディ、デヴィカ・ビセ/ジャナキ、ジェレミー・ノーサム/バートランド・ラッセル、ケヴィン・R・マクナリー/パーシー・アレキサンダー・マックマーン、リチャード・ジョンソン/ヘンリー・ジャクソン、アンソニー・カーフ/ロバート・アルフレッド・ハーマン、ポードリック・ディレーニ―/ベグラン、シャザド・ラティフ/チャンドラ・マハラノビス、アルダティ・ナグ/コーマラタンマル、ドリティマン・チヤタージー/S・ナーラヤーナ・アイヤル、スティーヴン・フライ/サー・フランシス・スプリング、トビー・ジョーンズ/ジョン・リトルウッド
10月22日(土)角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国順次ロードショー
2016年、イギリス、108分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/KADOKAWA、http://kiseki-sushiki.jp/

by Mtonosama | 2016-10-14 06:25 | 映画 | Comments(6)

奇跡がくれた数式
-1-
The Man Who Knew Infinity

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©2015 INFINITY COMMISSIONING AND DISINTRIBUTION,LLC.ALL RIGHTS RESERVED


ノーベル賞の季節が来るたびに「頭の良い人はいるものだなあ」と
いつも感心しつつ、我が身、我が係累には誰もいないな、
と改めて己が頭脳に絶望するのであります。

今回、当試写室で上映するのは
ノーベル賞こそ受けはしませんでしたが、
独学で数学を学んだインド人天才数学者
シュリニバーサ・ラマヌジャンと
英国人数学者G・H・ハーディの
友情と美しい数式を描いた『奇跡がくれた数式』です。

美しい数式といっても数学に弱いとのには
美しいのかどうかわかりません。
でも、
宇宙のごとく整然としているような気はします。

あ、本作は実話です。

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(C)Richard Blanshard


シュリニバーサ・ラマヌジャン
シュリニバーサ・ラマヌジャン(1887~1920)はインド南部に生まれる。
独学で数学を学んだインド人天才数学者。
正式な教育は受けていなかったが、
数学的解析、数論、無限級数、及び連分数において多大な貢献をもたらした。

10歳の時、数学に出会い、すぐに才能を開花。
さらに独自の定理を発見し、オイラーの等式を独力で再発見した。
16歳の時、ジョージ・シューブリッジ・カーズ著「純粋数学の初等的結果要覧」を
教科書にして、高等数学を独学。
17歳の時にはベルヌーイ数とオイラーの定数における独自の研究を行っていた。
その後、インド南部の大学から奨学金を受け、入学したが、
数学以外の授業を落第したことから奨学金は停止。
別の大学に移り、研究を続けながら、
生計を立てるためマドラス港信託事務所経理局の事務員として働いていた。
1912年~13年、ケンブリッジ大学の3人の教授に研究のサンプルを送る。
その中の1人だったG・H・ハーディはラマヌジャンの才能に気付き、
ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジへ誘う。
1914年~19年、2人は共同研究を行い、
ラマヌジャンは英国王立協会とトリニティ・カレッジのフェローとなる。
1920年、インドに帰国した翌年、栄養失調、肝臓の感染症が原因で死去。
32歳だった。

G・H・ハーディ
G・H・ハーディ(1877年~1947年)は
数論と数学的分析において功績を残した英国人数学者。
1940年に発表した論文「ある数学者の障害と弁明」は
数学に対する美意識を洞察したものとして有名。
あるインタビューで最大の功績は何かと訊ねられ、
「ラマヌジャンを見出したことだ」と答えたという。

ハーディはサリー州に住む教育者の家庭に生まれ、
数学に優れた両親の下で幼い頃から数学に親しんでいた。
ウィンチェスターカレッジから奨学金をもらい、研究者として働き始める。
1896年トリニティ・カレッジに移り、1900年にはフェローとなる。
1919年にはバートランド・ラッセルの事件の余波を受け、ケンブリッジを去る。

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(C)Richard Blanshard

数式と言えば「博士の愛した数式」(小川洋子著)しか知らないので、
このお二人の説明ばかりが長くなってしまいました。

映画の方はどうかといいますと
ラマヌジャンを演じたのはデヴ・パテル。
『スラムドッグ$ミリオネア』の気弱そうな様子が印象的だった彼です。
http://mtonosama.exblog.jp/10706035/

そうそう
『マリーゴールドで会いましょう』でも
http://mtonosama.exblog.jp/18459415/  http://mtonosama.exblog.jp/18510401/
口から先に生まれたような調子のよいホテルマネージャーを演じていましたね。
スラムドッグから7年、マリーゴールドからも5年、
スリムな少年もほんの少し男らしくなっての出演で「大きくなったね」と
150歳はつぶやいてしまいました。

G・H・ハーディ先生は先日上映した
『ある天文学者の恋文』
http://mtonosama.exblog.jp/25751942/  http://mtonosama.exblog.jp/25782299/
で教授役だったジェレミー・アイアンズですよ。

数学は成績こそ悪かったけど、数の不思議には惹かれる150歳。
自分の誕生日が月も日にちも素数であることが自慢です。
月と日にちをとっぱらって一つの数字にしても素数なんですよ。
って、どうでもいいですよね。

さあ、いったいどんな映画でしょうか。
数学が苦手でも十分に楽しめる映画だということはお約束します。
乞うご期待でございます。



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☆10月10日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

奇跡がくれた数式
監督・脚本/マシュー・ブラウン、原作/ロバート・カニーゲル、撮影/ラリー・スミス、美術/ルチャーナ・アリギ、プロデューサー/エドワード・R・プレスマン、ジム・ヤング、ジョー・トーマス、マシュー・ブラウン、ソフィア・ソダーヴァン、ジョン・カッツ
出演
デヴ・パテル/ラマヌジャン、ジェレミー・アイアンズ/G.H.ハーディ、デヴィカ・ビセ/ジャナキ、ジェレミー・ノーサム/バートランド・ラッセル、ケヴィン・R・マクナリー/パーシー・アレキサンダー・マックマーン、リチャード・ジョンソン/ヘンリー・ジャクソン、アンソニー・カーフ/ロバート・アルフレッド・ハーマン、ポードリック・ディレーニ―/ベグラン、シャザド・ラティフ/チャンドラ・マハラノビス、アルダティ・ナグ/コーマラタンマル、ドリティマン・チヤタージー/S・ナーラヤーナ・アイヤル、スティーヴン・フライ/サー・フランシス・スプリング、トビー・ジョーンズ/ジョン・リトルウッド
10月22日(土)角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国順次ロードショー
2016年、イギリス、108分、字幕翻訳/松浦美奈、配給/KADOKAWA、http://kiseki-sushiki.jp/

by Mtonosama | 2016-10-10 06:45 | 映画 | Comments(11)