ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:マミー ( 2 ) タグの人気記事


マミー
-2-
Mommy

f0165567_585681.jpg


Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.



『トム・アット・ザ・ファーム』でグザヴィエの美しさに呆然とした皆さまにとっては
残念なことかもしれませんが、今回、彼は監督のみ。

しかし、それはそれで
「映画には未来がある」ことを確実に教えてくれる一作になっていると思います。

若くして天才といわれる人の作品は
周囲からの過度な期待と本人の大き過ぎる自信から
「はだかの王様」的な展開に陥ることになりがちです。
その結果、「もう30年遅く現れていればよかったね」などということを言われたりします。

先のことは誰にもわからないけれど、
『Mommy/マミー』で見せてくれたグザヴィエの老成には息をのみました。

f0165567_59498.jpg

ストーリー

カナダ(という仮想の国)。
2015年の連邦議会で新政権が成立。
2ヶ月後、内閣は公共医療制度の改正を目的としたS18法案を可決。
その中でも議論を呼んだのがS-14法案だった。
それは、発達障がい児の親が身体的、精神的危機に陥ったり、経済的に困窮した場合、
法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を有した法律である。

母ダイアン・デュプレの運命はこの法律により大きく左右されることになった。

ダイアンは掃除婦をして生計を立てるシングルマザー。
夫は3年前に亡くなった。
気が強く、おしゃべりで、ティーンエイジャーのようなファッションに身を包み、
15歳の息子スティーヴと2人で暮らしている。
スティーヴはADHD(多動性障害)。
情緒不安定で他人を罵ったり、喧嘩をふっかけたりする。
また女性とみれば親密にタッチする幼児性が抜けきらないまま、
青年期を迎えようとしている。他人との距離をうまく測ることができないのだ。
しかし、平静な時は知的で素直で純朴な少年である。

スティーヴは矯正施設から退所してきたばかり。
自宅で彼の面倒を見るにあたり、喜びもあるが不安もある。
彼はコントロールが効かなくなると相当厄介だから。

そんな母子の前に、奇跡的ともいえる出会いが訪れた。
お向かいに住むカイラという女性と母子ともに親しくなったのだ。
カイラは神経衰弱気味の休職中の高校教師。
家に引きこもり、夫とも娘ともきちんとした関係が結べていない。
精神的なストレスから吃音もある。

彼女は次第にスティーヴとも意気投合し、彼の家庭教師をすることに。
純粋な心を持ったスティーヴに勉強を教え、ダイアン母子と友情を育み、
カイラ自身も快方に向かっていくよう見えた。

だが……

f0165567_510572.jpg

光が降り注ぎ、青空はまぶしい。
スティーヴの金髪も、その容姿も明るく美しい好青年。
ダイアンも若干ヤンキーっぽいとはいえ、陽気で息子を愛する母親。
カイラだって最初こそ吃音で暗い印象だけど、
母子とつき合う中でとても楽しい素顔を見せてくれます。

なのに、なぜなの?
観終わった後も、え?え?え?と疑問符が連なります。

あの~、この人はこんなに明るいから、何を言っても応えないだろうと思って
大失敗したことってありません?
いえ、そんな印象の作品なんです。
人間って奥深いんです・・・

すいません。単純で。

観終わった後の複雑な感動とこの監督の底知れなさを改めて知りました。
恐るべし。グザヴィエ・ドラン。





どうぞ今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆4月22日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

マミー
監督/グザヴィエ・ドラン
出演
アンヌ・ドルヴァル/ダイアン、スザンヌ・クレマン/カイラ、アントワン=オリヴィエ・ピロン/スティーヴ
4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
2014年、138分、カナダ、フランス語、配給/ピクチャーズデプト、提供/鈍牛倶楽部、巖本金属、後援/カナダ大使館、特別協力/ケベック州政府在日事務所 
http://mommy-xdolan.jp/

by Mtonosama | 2015-04-22 05:21 | 映画 | Comments(8)

マミー
-1-
Mommy

f0165567_5352130.jpg


Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.



グザヴィエ・ドラン。
この人ただものじゃありません。
昨年11月に当試写室でご紹介した『トム・アット・ザ・ファーム』
http://mtonosama.exblog.jp/23216811/ http://mtonosama.exblog.jp/23232949/
で主演・監督を果たした弱冠26歳の超ハンサムな人物です。
今回またまた登場しました。

前回はゲイあり、閉鎖的な田舎社会の不気味さあり、ミステリーあり。
人間の心の奥底に潜む薄暗がりや
若さと表裏一体になった抑えがたい欲情や
北緯の高い国土にはつきもののうら寂しい荒寥感。
これらが一体となったうすら寒い空気感に包まれた作品でした。
「う~ん」と唸らされました。
しかし、どこかに26歳のハンサムな青年が作ったんだもんね――
みたいなバイアスがかかっていました。

ごめんなさい。
若くてきれいな男子が好きなんです。

f0165567_5373358.jpg

ところがです。
なんということでしょう。
本作ではそういった150歳の下心も何もかもすっとんで
「いったいどんな巨匠の作品なの?」と感じ入ってしまいました。

テーマは母と子。
ま、永久不滅のテーマではあります。
『トム・アット・ザ・ファーム』に較べても、
しっかりとテーマが絞り込まれていてわかりやすいです。
シンプルに、そして、ダイレクトに感動が伝わってきます。

とはいえ、随所にこの若い天才のこだわりが散りばめられてもいます。
例えば、映像画面の比率が1:1であること。
要するに正方形の画面ですね。
なんか新奇。
でも、映画中半で普通の長方形の画面が出てきたとき、
「あ、これは現実部分じゃないんだな」と構えるので、
映画理解の助けになりました。

正方形の画面に人物が映っていると、
その人物がきっちり描かれているように感じられるという効果もあります。
そう。レコード・ジャケットやCDジャケットと同じ。
そして、その人のポートレートを観ているような気持になれます。

グザヴィエも言っています。
「1:1という比率からは一種独特なエモーションが生まれる。誠実に感じるんだ。
正方形のフレーム内に顔をおさめると、とてもシンプルに映る。
キャラクターが主役になり、観客の視線は否応なしにそこに集まる」

f0165567_5393075.jpg

グザヴィエ・ドラン。
1989年3月20日生まれ。26歳になったばかりですね。
日本風に言えば平成元年生まれです。テニスの錦織圭と同い年です。

17歳で自ら書いた脚本を19歳の時監督として完成させた作品
『マイ・マザー』(‘09 I Killed My Mother)が
いきなり第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門に選ばれ、鮮烈なデビューを飾りました。
20歳で「若者の視点賞」を始め、C.I.C.A.E.Award、SACD Prizeを受賞。

翌年、21歳で脚本・監督・主演『胸騒ぎの恋人』(‘10 Heartbeats)が
第63回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式招待され、再び「若者の視点賞」を受賞。
映画祭ディレクターから「非常にエキサイティングな新世代の一人」と称され、
カンヌの常連監督へとスターダムを駆け上りました。

続く『私はロランス』(‘12 Laurence Anyways)では
第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への招待にとどまったものの、
主演女優のスザンヌ・クレマンが「ある視点」部門で最優秀女優賞を受賞。

そして第4作目『トム・アット・ザ・ファーム』(‘13 Tom at the Farm)。
第5作目が本作『Mommy/マミー』。
本作でとうとう第67回カンヌ国際映画祭のメインコンペティション部門に出品され、
初コンペで「審査員特別賞」を受賞。
なんとジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』とのW受賞という
映画史上における大きな転換点を記しました。

前回『トム・アット・ザ・ファーム』を当試写室で上映した時は
まだまだ彼を過小評価していました。ごめんなさい。

さあ、一体どんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待くださいませ。



今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆4月19日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

マミー
監督/グザヴィエ・ドラン
出演
アンヌ・ドルヴァル/ダイアン、スザンヌ・クレマン/カイラ、アントワン=オリヴィエ・ピロン/スティーヴ
4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
2014年、138分、カナダ、フランス語、配給/ピクチャーズデプト、提供/鈍牛倶楽部、巖本金属、後援/カナダ大使館、特別協力/ケベック州政府在日事務所 
http://mommy-xdolan.jp/

by Mtonosama | 2015-04-19 05:45 | 映画 | Comments(2)