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タグ:マリオン・コティヤール ( 2 ) タグの人気記事


サンドラの週末
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DEUX JOURS,UNE NUIT

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(C)Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema


前回の『少年と自転車』もそうでしたが、
本作も、日本でも案外身近に起こりそうな出来事が描かれています。
頭の中に♪あなたな~らどうする?♪というけだるい声がエンドレスで聞こえ続け、
ヨーロッパ経済の置かれている状況も垣間見えてきます。
グローバリズムなんですねぇ。

さあ、サンドラがどんな週末を過ごしたかというと・・・

ストーリー
サンドラはレストランで働く夫マニュと2人の小さな子どもと暮らしている。
彼女の勤務先はソーラーパネル工場だが、体調不良から暫く休職していた。
ようやく復職できるメドのついた金曜日。
サンドラは突然解雇を言い渡される。
社員たちにボーナスを支給するためには1名解雇しなくてはならないというのだ。
マイホームを手に入れ、夫と共に家族を養っていこうとしていた矢先の解雇。
ベッドに逃げ込み、途方にくれるサンドラ。

しかし、同僚のとりなしで週明けの月曜日、16人の同僚たちの投票が行われることに。
彼らの内、ボーナスを諦め、サンドラを選ぶ者が過半数を超えれば、彼女は仕事を続けられる。
同僚たちにとっては仲間を選ぶか、ボーナスを取るか、という厳しい選択だ。
サンドラは折れそうになる心を、夫や友人によって奮い立たされながら、
同僚たちを説得して回る。

中国が勢力を伸ばしている世界的な経済情勢の中で、会社側にも余裕はない。
サンドラの休職中、16人で仕事を回せた以上、何かを犠牲にするしかないという。

ある同僚は妻が失業し、ボーナスがなければ生活が成り立たない。
また、ある者は工場の賃金だけでは足らず、休日にも働いている。
ある者はサンドラを裏切るような形になっていたことに罪悪感を抱いている。
ある者はボーナス派の夫と友人サンドラとの間に挟まれ悩んでいる――

転職しようにも仕事はほとんど無い。
仕事を続けることも、ボーナスが必要なことも、サンドラも同僚たちもよく知っていた。

夫のマニュは「それでも説得するしかない」とサンドラを励ます。
「自分は必要ではない人間」だと落ち込むサンドラを支え、
彼女自身が生きる自信を取り戻すために励まし続けるマニュ。

でも、「ボーナスを諦めて、私を職場に戻して」とは
なかなか言い出しにくいサンドラだった。

そして、投票の日……

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おそらくは心の病で休職していたのでしょうか。
解雇の通知を受け、ベッドに身を投げるサンドラ。
そして、薬品棚から大量の薬を取り出し服用します。

気弱で、脆くて、自信のないサンドラ。
真夏の日差しの中を歩き続け、同僚たちと話し、
その結果に一喜一憂するサンドラ。

「ボーナスよりも同じ職場に働く仲間の復職でしょ」
と簡単に考えていたとのも、同様に深刻な同僚たちの状況を知る内に萎えていきます。

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労働組合もなく、
米欧一人勝ちの時代ではとっくになく、
小さなサンドラの会社にもアフリカからの難民が働いています。

サンドラと一緒に週末を歩きまわる内に、
問題は復職でもボーナスでもないような気がしてきました。

だからといって世界を席巻するグローバリズムというような
太刀打ちしがたい事態を訴えているのでもありません。

じゃあ、なにか。
それはラストのサンドラの晴れ晴れとした顔を見て判断していただけたらいいな、
と思います。

今回も感動を味あわせてくれたダルデンヌ兄弟監督でした。





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サンドラの週末
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、助監督/カロリーヌ・タンブール、撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、制作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド、エグゼクティヴ・プロデューサー/デルフィーヌ・トムソン、共同製作/ヴァレリオ・デ・パロリス、ピーター・ブッケルト、製作協力/アルレッテ・ジルベルベルク
出演
マリオン・コティヤール/サンドラ、ファブリツィオ・ロンジャーネ/マニュ、ピリ・グロワーヌ/エステル、シモン・コードリ/マクシム
5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2014年、ベルギー=フランス=イタリア、95分、日本語字幕/寺尾次郎、後援/ベルギー大使館、ユニフランス・フィルムズ、提供/GAGA、共同提供/ビターズ・エンド、サード・ストリート、KADOKAWA、WOWOW、配給/ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/sandra/

by Mtonosama | 2015-05-07 06:13 | 映画 | Comments(10)

サンドラの週末
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DEUX JOURS,UNE NUIT

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(C)Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema


やってきました!
ダルデンヌ兄弟監督最新作『サンドラの週末』です。

彼らの映画にどうしてこんなに夢中になってしまうのか、
よくわからないのですが、
『息子のまなざし』以来、ダルデンヌ監督と聞くと心が騒ぎ、
観ないではいられなくなります。
150歳になっても未だこのような気持になれるのはある意味幸せなことではあります。

思い起こせば2002年。
あらま、もう13年も前になりますか!?
『息子のまなざし』のプロモーションのため、来日なさったお二人を拝見して以来、
乙女のように思い詰めている150歳であります。

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ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督はベルギー・リエージュ近郊の生まれ。
兄は1951年、弟は3つ下の1954年生まれです。
リエージュは工業地帯で、兄弟がものごころついた頃から労働闘争の日常的な地方でした。

その後、映画を志す二人は原発で働いて得た資金で機材を購入し、
労働者階級の団地に住みこみ、
土地整備や都市計画の問題を描くドキュメンタリーを製作し始めました。
74年のことです。

二人の映画製作の原点は戦後のリエージュという労働者の多い街に生まれ育ったことと
このドキュメンタリー製作にあると思います。

サッチャー時代のイギリスがそうであったように、
戦後のリエージュも兄弟監督にとって映画製作のお宝の山だったのかもしれません。

ダルデンヌ兄弟監督は
外国人違法労働者、首切りにあった人、少年犯罪、父に棄てられた子ども・・・
社会の底辺に暮らす人々を描き出しながら
ヒステリックにならず、淡々と、彼らに寄り添うように映画を撮ってきました。
社会派という言葉は手垢にまみれていますが、
ダルデンヌ兄弟監督は巨匠とよばれるようになった今も
彼らの視点と姿勢は、生活者のそれであり、
手法の根底にはドキュメンタリーがあります。

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あ、恋するあまり緊張して調子が固くなってしまいました。
13年前に見た彼らの謙虚で優しげな様子に今も夢中なものでして――

あれから13年、新作の『サンドラの週末』はどんな映画でしょうか。
主人公を演ずるのは『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(‘07)で
アカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤールです。

季節は夏。
主人公はソーラーパネル工場をしばらく休職していた後
ようやく復職できるようになったサンドラ。
マイホームも手に入れ、さあ働くぞという矢先、突然上司から電話を受けました・・・

ピアフのあの細い眉毛はこの際、忘れてください。
スッピンで、黒ゴムで無造作に結わえた髪に夏の日差しを受けて、
歩きまわる工場労働者サンドラの週末に
あなたもきっとドキドキしながらつきあってしまうことになるはず。

さあ、どんな週末なのでしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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サンドラの週末
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、助監督/カロリーヌ・タンブール、撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、制作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド、エグゼクティヴ・プロデューサー/デルフィーヌ・トムソン、共同製作/ヴァレリオ・デ・パロリス、ピーター・ブッケルト、製作協力/アルレッテ・ジルベルベルク
出演
マリオン・コティヤール/サンドラ、ファブリツィオ・ロンジャーネ/マニュ、ピリ・グロワーヌ/エステル、シモン・コードリ/マクシム
5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2014年、ベルギー=フランス=イタリア、95分、日本語字幕/寺尾次郎、後援/ベルギー大使館、ユニフランス・フィルムズ、提供/GAGA、共同提供/ビターズ・エンド、サード・ストリート、KADOKAWA、WOWOW、配給/ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/sandra/

by Mtonosama | 2015-05-04 06:13 | 映画 | Comments(8)