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殿様の試写室

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タグ:マリオン・コティヤール ( 3 ) タグの人気記事


愛を綴る女
-2-

MAL DE PIERRES

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(C)(2016) Les Productions du Tresor - Studiocanal - France 3 Cinéma - Lunanime - Pauline's Angel
- My Unity Production



女優ほど素敵なお仕事はないかもしれません。
いろんな人生、いろんな顔を演じられるなんて
随分お得な生き方です。

端正で知的なマリオン・コティヤールが演じる
理想の愛を求め続けるヒロイン・ガブリエル。
さあ、お楽しみください。

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ストーリー
プロヴァンス地方のラ・シオタから
リヨンにやってきたある一家。
ピアノのコンクールに出場する息子に
付き添い、この街を訪れたのだ。
会場へ向かうタクシーの中から
妻はある通りの名に目を止める。
“コミーヌ通り”
その瞬間、
助手席の夫に「先に行って」
と告げ、タクシーを飛び下りた―――

1950年代
プロヴァンスの田舎町で
両親と妹と暮らすガブリエルは
理想の愛を求める美しい娘。
ある日「嵐が丘」を貸してくれた
高校教師に愛の手紙を送る。
あまりにも大胆で官能的なその内容に
恐れをなした教師は彼女を拒絶。

「あの子は病気なの。
彼女を治すには夫となる男が必要だわ」
ガブリエルの狂気を案じた母は
ラヴェンダー摘みの季節労働者ジョゼを
娘の夫に指名する。

ジョゼは
スペイン・カタロニア地方出身。
フランコ政権下、
レジスタンスに身を投じたこともある。
金はないが、真面目で働き者だった。

ガブリエルは
「結婚するか精神病院に入るか」
と迫られ、ジョゼと愛のない結婚。

ジョゼとガブリエルの経営する工務店は
彼の勤勉な働きぶりもあって
繁盛していた。
だが、二人が夜を共にすることはない。

ある晩、夫が街へ娼婦を買いに行くこと
を知ったガブリエルは
黒いストッキングとガーターベルトで
ジョゼを誘惑。
娼婦を買う金を自分に払えば、
夫の娼婦になるというのだ。
それでも、ふたりの間から
よそよそしさが消えることはなかった。

ある日、建設中の新居を訪ねた
ガブリエルは
発作に襲われ、流産する。
主治医から腎臓結石が原因と診断され、
アルプスの療養所で
6週間の温泉治療を受けることになった。

退屈な療養所での日々。
ガブリエルはプロヴァンス出身のメイド
アゴスティーヌと意気投合。
ある日、
ガブリエルは一人の青年と出会う。
彼、アンドレ・ソバージュは
インドシナ戦争に従軍した将校。
戦地で腎臓を一つ失い、
この療養所に来た
どこか憂いを帯びた青年だった。
「ぼくは戦争以外の人生を知らない」
と語るアンドレに
”運命の愛“を感じた彼女は
彼から借りた本に記された
「リヨン・コミーヌ通り」
の文字をじっとみつめるのだった。

そんな折、
なんの前触れもなく療養所を
訪れたジョゼに戸惑うガブリエル。
メイドのアゴスティーヌは
「良いご主人ね。
あなたは何が不満なの?」
と問いかける。
ジョゼの優しさを感じながらも
運命の愛、理想の愛への
突き上げるような衝動に
抗うことのできない
ガブリエル。

十数年後
息子のピアノ・コンクールで
訪れたリヨンで
みかけたコミーヌ通りの文字に
思わずタクシーを飛び下り、
アンドレの住まいを訪れたガブリエルが
目にしたものとは……

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療養所を出たガブリエルは
毎日毎日
アンドレに熱い想いを綴った手紙を
送り届けるのですが、
返事はなく、
やがて厚い束になって返送されてきます。

愛と幻想、狂気の間をさまよう妻を
大きく強い愛で包み込む夫・ジョゼ。

儚げで物憂い風情と繊細な感受性で
ガブリエルの心をつかんで放さないアンドレ。

そして
思いもよらない結末――

ガブリエルの激し過ぎる愛に
辟易し、反感すら抱きながらも
ひき込まれていく不思議な作品でした。





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愛を綴る女
監督/ニコール・ガルシア、脚本・脚色/ニコール・ガルシア、ジャック・フィエスキ、製作総指揮/プロダクション・トレゾー、撮影/クリストフ・ボーカルヌ、編集/シモン・ジャケ
出演
マリオン・コティヤール/ガブリエル、ルイ・ガレル/アンドレ・ソバージュ、アレックス・ブレンデミュール/ジョゼ、ヴィクトワール・デュボワ/ジャニーヌ、アロイーズ・ソバージュ/アゴスティーヌ、ダニエル・パラ/マルタン
10月7日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国ロードショー
2016年、フランス、120分、原作/「祖母の手帖」(新潮クレスト・ブックス)、配給/アルバトロス・フィルム、http://aiotsuzuru.com/

by Mtonosama | 2017-10-11 06:15 | 映画 | Comments(4)

サンドラの週末
-2-
DEUX JOURS,UNE NUIT

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(C)Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema


前回の『少年と自転車』もそうでしたが、
本作も、日本でも案外身近に起こりそうな出来事が描かれています。
頭の中に♪あなたな~らどうする?♪というけだるい声がエンドレスで聞こえ続け、
ヨーロッパ経済の置かれている状況も垣間見えてきます。
グローバリズムなんですねぇ。

さあ、サンドラがどんな週末を過ごしたかというと・・・

ストーリー
サンドラはレストランで働く夫マニュと2人の小さな子どもと暮らしている。
彼女の勤務先はソーラーパネル工場だが、体調不良から暫く休職していた。
ようやく復職できるメドのついた金曜日。
サンドラは突然解雇を言い渡される。
社員たちにボーナスを支給するためには1名解雇しなくてはならないというのだ。
マイホームを手に入れ、夫と共に家族を養っていこうとしていた矢先の解雇。
ベッドに逃げ込み、途方にくれるサンドラ。

しかし、同僚のとりなしで週明けの月曜日、16人の同僚たちの投票が行われることに。
彼らの内、ボーナスを諦め、サンドラを選ぶ者が過半数を超えれば、彼女は仕事を続けられる。
同僚たちにとっては仲間を選ぶか、ボーナスを取るか、という厳しい選択だ。
サンドラは折れそうになる心を、夫や友人によって奮い立たされながら、
同僚たちを説得して回る。

中国が勢力を伸ばしている世界的な経済情勢の中で、会社側にも余裕はない。
サンドラの休職中、16人で仕事を回せた以上、何かを犠牲にするしかないという。

ある同僚は妻が失業し、ボーナスがなければ生活が成り立たない。
また、ある者は工場の賃金だけでは足らず、休日にも働いている。
ある者はサンドラを裏切るような形になっていたことに罪悪感を抱いている。
ある者はボーナス派の夫と友人サンドラとの間に挟まれ悩んでいる――

転職しようにも仕事はほとんど無い。
仕事を続けることも、ボーナスが必要なことも、サンドラも同僚たちもよく知っていた。

夫のマニュは「それでも説得するしかない」とサンドラを励ます。
「自分は必要ではない人間」だと落ち込むサンドラを支え、
彼女自身が生きる自信を取り戻すために励まし続けるマニュ。

でも、「ボーナスを諦めて、私を職場に戻して」とは
なかなか言い出しにくいサンドラだった。

そして、投票の日……

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おそらくは心の病で休職していたのでしょうか。
解雇の通知を受け、ベッドに身を投げるサンドラ。
そして、薬品棚から大量の薬を取り出し服用します。

気弱で、脆くて、自信のないサンドラ。
真夏の日差しの中を歩き続け、同僚たちと話し、
その結果に一喜一憂するサンドラ。

「ボーナスよりも同じ職場に働く仲間の復職でしょ」
と簡単に考えていたとのも、同様に深刻な同僚たちの状況を知る内に萎えていきます。

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労働組合もなく、
米欧一人勝ちの時代ではとっくになく、
小さなサンドラの会社にもアフリカからの難民が働いています。

サンドラと一緒に週末を歩きまわる内に、
問題は復職でもボーナスでもないような気がしてきました。

だからといって世界を席巻するグローバリズムというような
太刀打ちしがたい事態を訴えているのでもありません。

じゃあ、なにか。
それはラストのサンドラの晴れ晴れとした顔を見て判断していただけたらいいな、
と思います。

今回も感動を味あわせてくれたダルデンヌ兄弟監督でした。





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サンドラの週末
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、助監督/カロリーヌ・タンブール、撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、制作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド、エグゼクティヴ・プロデューサー/デルフィーヌ・トムソン、共同製作/ヴァレリオ・デ・パロリス、ピーター・ブッケルト、製作協力/アルレッテ・ジルベルベルク
出演
マリオン・コティヤール/サンドラ、ファブリツィオ・ロンジャーネ/マニュ、ピリ・グロワーヌ/エステル、シモン・コードリ/マクシム
5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2014年、ベルギー=フランス=イタリア、95分、日本語字幕/寺尾次郎、後援/ベルギー大使館、ユニフランス・フィルムズ、提供/GAGA、共同提供/ビターズ・エンド、サード・ストリート、KADOKAWA、WOWOW、配給/ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/sandra/

by Mtonosama | 2015-05-07 06:13 | 映画 | Comments(10)

サンドラの週末
-1-
DEUX JOURS,UNE NUIT

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(C)Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema


やってきました!
ダルデンヌ兄弟監督最新作『サンドラの週末』です。

彼らの映画にどうしてこんなに夢中になってしまうのか、
よくわからないのですが、
『息子のまなざし』以来、ダルデンヌ監督と聞くと心が騒ぎ、
観ないではいられなくなります。
150歳になっても未だこのような気持になれるのはある意味幸せなことではあります。

思い起こせば2002年。
あらま、もう13年も前になりますか!?
『息子のまなざし』のプロモーションのため、来日なさったお二人を拝見して以来、
乙女のように思い詰めている150歳であります。

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ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督はベルギー・リエージュ近郊の生まれ。
兄は1951年、弟は3つ下の1954年生まれです。
リエージュは工業地帯で、兄弟がものごころついた頃から労働闘争の日常的な地方でした。

その後、映画を志す二人は原発で働いて得た資金で機材を購入し、
労働者階級の団地に住みこみ、
土地整備や都市計画の問題を描くドキュメンタリーを製作し始めました。
74年のことです。

二人の映画製作の原点は戦後のリエージュという労働者の多い街に生まれ育ったことと
このドキュメンタリー製作にあると思います。

サッチャー時代のイギリスがそうであったように、
戦後のリエージュも兄弟監督にとって映画製作のお宝の山だったのかもしれません。

ダルデンヌ兄弟監督は
外国人違法労働者、首切りにあった人、少年犯罪、父に棄てられた子ども・・・
社会の底辺に暮らす人々を描き出しながら
ヒステリックにならず、淡々と、彼らに寄り添うように映画を撮ってきました。
社会派という言葉は手垢にまみれていますが、
ダルデンヌ兄弟監督は巨匠とよばれるようになった今も
彼らの視点と姿勢は、生活者のそれであり、
手法の根底にはドキュメンタリーがあります。

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あ、恋するあまり緊張して調子が固くなってしまいました。
13年前に見た彼らの謙虚で優しげな様子に今も夢中なものでして――

あれから13年、新作の『サンドラの週末』はどんな映画でしょうか。
主人公を演ずるのは『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(‘07)で
アカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤールです。

季節は夏。
主人公はソーラーパネル工場をしばらく休職していた後
ようやく復職できるようになったサンドラ。
マイホームも手に入れ、さあ働くぞという矢先、突然上司から電話を受けました・・・

ピアフのあの細い眉毛はこの際、忘れてください。
スッピンで、黒ゴムで無造作に結わえた髪に夏の日差しを受けて、
歩きまわる工場労働者サンドラの週末に
あなたもきっとドキドキしながらつきあってしまうことになるはず。

さあ、どんな週末なのでしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆5月4日に更新しました。GW真っただ中、楽しいお休みをお過ごしください☆

サンドラの週末
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、助監督/カロリーヌ・タンブール、撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、制作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド、エグゼクティヴ・プロデューサー/デルフィーヌ・トムソン、共同製作/ヴァレリオ・デ・パロリス、ピーター・ブッケルト、製作協力/アルレッテ・ジルベルベルク
出演
マリオン・コティヤール/サンドラ、ファブリツィオ・ロンジャーネ/マニュ、ピリ・グロワーヌ/エステル、シモン・コードリ/マクシム
5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
2014年、ベルギー=フランス=イタリア、95分、日本語字幕/寺尾次郎、後援/ベルギー大使館、ユニフランス・フィルムズ、提供/GAGA、共同提供/ビターズ・エンド、サード・ストリート、KADOKAWA、WOWOW、配給/ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/sandra/

by Mtonosama | 2015-05-04 06:13 | 映画 | Comments(8)