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ローマの教室で
 ~我らの佳き日々~ -2-
IL ROSSO E IL BLU

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(C)COPYRIGHT 2011 BiancaFilm


さすがイタリアです。
熱血漢の国語補助教員は生徒たちに詩を暗唱させるし、
偏屈な老教師はテープレコーダー化(古いですか?)したとはいえ、美術史を教えます。
「歴史」の中でちょろっと触れるだけの美術史ではなく、
ちゃんと教科として美術史が存在しているところがいいですね。

生徒たちも、優等生もいればそうでない子もいるというのは当たり前にしても
移民もいれば、妙に幼い子や色っぽい子もいます。ま、等身大の高校生です。
彼らを演じたのが素人だというのも自然な雰囲気を醸し出している理由かもしれません。

さあ、どんなお話でしょうか。


ストーリー
ローマの公立高校で校長を務めるジュリアーナは
「教師は学校内の教育だけをすればいい」という考えの持ち主。
二学期になって、熱血先生ジョバンニが国語の補助教員として学校にやってきた。
片や美術史の老教師フィオリートは他の教師とも交流せず、
「生徒はみんな頭が空っぽ」と高言する気難しい人物。

ジョバンニは4年F組を受け持つことになった。
クラスにはお調子者のチャッカや、授業中にもイヤホンを外さないシルヴァーナ、
挑戦的なサフィラ、ルーマニアからの移民で優等生のアダムなど個性的な生徒たちが揃っていた。

一人暮らしのフィオリートの楽しみは2週間に1度のコールガールとのひととき。
異なる文化や国と接する「社会的生活」と称した時間に東洋系の女性と一夜を過ごす。
そんなとき、電話が鳴った。
留守電のスピーカーを通じて流れる声はエレナ・トガーニというかつての教え子のものだった。

公立高校の厳しい財政をやりくりするジュリアーナ校長。
彼女は常々教育は学校の内と外を区別しなければならないと考えているが、
ある朝、体育館で寝袋に入って寝ている男子生徒エンリコをみつける。
母と二人で暮らすこの生徒は三日前から母親が失踪していた。
ひどい咳をしているので病院に連れていくと入院することになってしまう。

ジョヴァンニは素行の悪い女子生徒アンジェラに手を焼いていたが、
その原因が母を失ったことと父の失業が原因と聞いて、なんとか彼女の力になろうとする。

フィオリートのところにはその後もエレナから電話がある。
留守電からは、近くの臨床検査室に勤務していること、先生に会いたい、という声が流れる。
彼女の勤務先に患者を装って訪れるフィオリート。
だが、自分に気づかないエレナに落胆し、声もかけずに病院を去る。

一方、欠席が続くアンジェラ。

ある晩、フィオリートの部屋にエレナが訪れる。
彼に気がつかなかったことを詫び、その時の検査結果を持参。
恩師との再会に感無量のエレナ。
「先生の授業が楽しみでした。
今でも先生のロマン主義と古典主義の授業に遅れたことを後悔しています」
そして、火曜日の11時に公園で待っていると言い残し、部屋を出て行くのだった。

ジョバンニに、生徒の生活に関わり過ぎないよう釘をさしたジュリアーナ校長だったが、
彼女自身、自分を頼るエンリコのことが気がかりになって仕方がない。

エンリコの退院の日になった。
彼は里親のところへ行き、別の学校に転校することになっていた。
学期末の成績会議のある火曜日、フィオリートは“家庭の事情”で欠席。
ジョヴァンニの評価に一任すると校長に伝えていた。そのジョヴァンニはアンジェラを落第させる。

4年F組ではフィオリートが期末最後の授業をしていた。テーマは「ロマン主義と古典主義」。
これまでの皮肉屋の面影はつゆも見せず、情熱的に生徒たちに語りかける。
と、その教室にエレナが入ってきた…

数日後、ジュリアーナはエンリコを訪ねていた。
彼女はかつての合理主義の鎧を脱ぎ棄てたようだ…

終業のベルが鳴り、一斉に駆け出す生徒たち。
深呼吸するジョヴァンニ…

今日から夏休みが始まる……


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ラストシーンが良かったなぁ。
教師といっても教えるだけ、指導するだけではないし、
生徒もまた教わるだけ、与えられるだけではありません。
学校って老若を問わず、学びの場であり、出会いの場であり、気づきの場なんですね。

学校ものを観るとき、自分を生徒の側に置いて観ることが多かったとのでありますが、
本作は教師の側に身を置く場面もありました。しみじみ沁みる映画でした。
やっぱり学校ものって良いですねぇ。






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☆8月12日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ローマの教室で ~我らの佳き日々~
監督/ジュゼッペ・ピッチョーニ、脚本/ジュゼッペ・ピッチョーニ、フランチェスカ・マニエーリ、原案/「赤と青」マルコ・ロドリ著(晶文社刊)、撮影/ロベルト・チマッティ、編集/エズメラルダ・カラブリア、プロデューサー/ドナテッラ・ボッティ
出演
マルゲリータ・ブイ/ジュリアーナ(校長)、リッカルド・スカマルチョ/ジョヴァンニ(国語補助教員)、ロベルト・エルリツカ/フィオリート(美術史教師)、シルヴィア・ダミーコ/アンジェラ・モルディーニ、ダヴィデ・ジョルダーノ/エンリコ・ブルニョーリ、ニーナ・トッレージ/メラニア、ヨヌッツ・ポーン/アダム、ルチア・マシーノ/エレナ・トガーニ(フィオリートの生徒)、ドミツィアーナ・カルディナーリ/シルヴァーナ、ジェーネ・ニョッキ/ジュリアーナのパートナー
8月23日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2012年、イタリア、イタリア語、101分、カラー、日本語字幕/岡本太郎、提供/朝日新聞社、NHKエンタープライズ、クレストインターナショナル、配給/クレストインターナショナル、文部科学省選定(青年、成人、家庭向き)
http://www.roma-kyoshitsu.com/

by Mtonosama | 2014-08-12 06:43 | 映画 | Comments(5)
ローマの教室で
 ~我らの佳き日々~ -1-

IL ROSSO E IL BLU

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(C)COPYRIGHT 2011 BiancaFilm

どういうわけだかわかりませんが、学校ものにそそられます。
やはり学園青春ものに夢中になった頃の名残りでしょうか?
(「いつの話やねん!」ではありますが)

『ローマの教室で』。
イタリアはローマの学校が舞台です。
オリジナルタイトルの”Il rosso e il blu”。意味は“赤と青”。
“赤と青”ではなんのことかわかりませんね。
ここは直截的に学校ものとわからせてくれる邦題が成功でありましょう。
「我らの佳き日々」ってのはちょっとなぁ、でありますが。

原題の”Il rosso e il blu”がどこから来たかといいますと、
これ、赤青鉛筆のことなのです。
ほら、真ん中で青と赤に分かれているヤツ。
昔、使ったことありますよね。

イタリアの学校では教師はこの赤青鉛筆を使って採点するのだそうです。
赤は落第。青は進級。
教師が青鉛筆をひっくり返したら、生徒は地獄へまっさかさま。
でも、先生だってできることなら生徒を地獄へ突き落としたくはないでしょう。

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原作は、ローマの学校で30年以上教師をしてきた作家マルコ・ロドリのエッセイ「赤と青」。
ジュゼッペ・ピッチョーニ監督はこの本を読み、
作家で詩人のマルコ・ロドリの教育方針や登場する生徒たちの描写に感動しました。
これを原案として、脚本を完成させたのが本作『ローマの教室で』です。


ジュゼッペ・ピッチョーニ監督
1953年イタリア生まれ。1980年から3年間ゴーモン映画学校に在籍。
1987年に発表した『青春の形見』でナストロ・ダルジェント賞、ビットリオ・デ・シーカ賞を受賞。1998年には第35回シカゴ国際映画祭でシルバー・ヒューゴ賞、第23回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞。アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表作品に選出された。2001年『ぼくの瞳の光』で第58回ヴェネチア国際映画祭において男優賞と女優賞を揃って受賞。

先ごろ来日したピッチョーニ監督は朝日新聞の取材に応えて
「学校は人が他者や社会と関わっていく場。
先生も閉じこもることなく学校の外と関わって学ぶ」
と語っています。

日本では、他者との関わりを学んできたはずの高校生が級友を殺すという事件が
起きてしまいました。
本作を観たからといって、その事件の解決策を発見することはできませんが、
教師も生徒も共に教え、教えられる関係にあるのだなぁ、ということは感じられるのかも。

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ここに登場する先生は3人。
教師は学校内の問題を外に持ち出すべきでない、という合理主義的な女性校長。
金八先生みたいな熱血漢の国語補助教師。
教育への情熱を過去に置いてきてしまった美術史を担当する皮肉な老教師。

そして、生徒や卒業生たち。

ここに登場するローマの高校生たちは
アメリカの学園ものや日本の高校生たちほどおふざけだったり、
無気力だったりはしないけど、そこはまあ現代のヤングですからね。
彼らと教師たちとの相互的な関わりは結構シヴィアなもの。
そう、学校は社会なんだ、と今さらながら実感させられます。

一体どんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませね。



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☆8月9日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ローマの教室で ~我らの佳き日々~
監督/ジュゼッペ・ピッチョーニ、脚本/ジュゼッペ・ピッチョーニ、フランチェスカ・マニエーリ、原案/「赤と青」マルコ・ロドリ著(晶文社刊)、撮影/ロベルト・チマッティ、編集/エズメラルダ・カラブリア、プロデューサー/ドナテッラ・ボッティ
出演
マルゲリータ・ブイ/ジュリアーナ(校長)、リッカルド・スカマルチョ/ジョヴァンニ(国語補助教員)、ロベルト・エルリツカ/フィオリート(美術史教師)、シルヴィア・ダミーコ/アンジェラ・モルディーニ、ダヴィデ・ジョルダーノ/エンリコ・ブルニョーリ、ニーナ・トッレージ/メラニア、ヨヌッツ・ポーン/アダム、ルチア・マシーノ/エレナ・トガーニ(フィオリートの生徒)、ドミツィアーナ・カルディナーリ/シルヴァーナ、ジェーネ・ニョッキ/ジュリアーナのパートナー
8月23日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2012年、イタリア、イタリア語、101分、カラー、日本語字幕/岡本太郎、提供/朝日新聞社、NHKエンタープライズ、クレストインターナショナル、配給/クレストインターナショナル、文部科学省選定(青年、成人、家庭向き)
http://www.roma-kyoshitsu.com/

by Mtonosama | 2014-08-09 06:21 | 映画 | Comments(2)