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殿様の試写室

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菖蒲 -1-
TATARAK

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映画と絵画って結びつきやすいです。
とのがすぐ想い起すのは「真珠の耳飾りの少女」(‘04)。
あ、そうそう、当試写室で2011年11月に上映した「ブリューゲルの動く絵」http://mtonosama.exblog.jp/16885040/、http://mtonosama.exblog.jp/16872307/
なんていう絵画そのものを映画にした作品もありました。

今回上映する「菖蒲」はポーランドを代表する作家ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィチの
短編小説を映画化した作品で、絵画とは直接は関係ありません。

なのに、なぜかムンクの「生命のダンス」を連想してしまいました。
「生命のダンス」は北欧の短い夏の始まりを告げる夏至祭のダンスを描いた作品ですが、
あのムンクらしく生・快楽・死を象徴する女性が描きこまれています。

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エドワルド・ムンク「生命のダンス」(1899~1900) 

いえ、この絵のテーマが映画に結びつくとかそういうことではありません。
ただ、ポーランドの短い夏を舞台にしたこのアンジェイ・ワイダ監督らしからぬ抒情的な
タイトルの映画が夏至祭のダンスを連想させただけなのかもしれないのですが。

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アンジェイ・ワイダといえば、
第2次世界大戦下、ソ連軍の捕虜となったポーランド将校達が殺された事件を描いた
「カティンの森」(‘07)http://mtonosama.exblog.jp/12306564/ といい、
「地下水道」(‘56)といい、「灰とダイヤモンド」(‘57)といい、
その映画には骨太な政治的なメッセージを含んだ作品が多いという印象があります。
それが「カティンの森」後の次作がこの「菖蒲」ですから、ちょっと意外でした。

とはいえ、これまでにも監督はヤロスワフ・イヴァシュキェヴィチの小説「白樺の林」、「ヴィルコの娘たち」
を70年代に映画化しているのですが。

この舌をかみそうな名前の作家は、人間の現実にしっかりと根を下ろし、登場人物の性格、
その孤独感を、ポーランドの美しい田園風景を背景にした小説を多く書きました。
アンジェイ・ワイダ監督は彼の小説がお好きなのだそうです。


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ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィチ
1894年~1980年。ポーランドの小説家、詩人。キエフ大学で法律を学んだが、詩と音楽に熱中。1918年にワルシャワに移り、翌年詩人としてデビュー。小説家としても「白樺の林」(‘32)「ヴィルコの娘たち」(‘33)で地位を確立。一貫して、人間の孤独、愛と死、運命の悲劇性をテーマに作品を発表した。戦後は文壇の中心的存在として活躍。
他の代表作に「尼僧ヨアンナ」(‘43)「菖蒲」(‘58)がある。ポーランド文学史上最も多くの自作がTV化、映画化された作家。アンジェイ・ワイダ監督は「白樺の林」「ヴィルコの娘たち」「菖蒲」を映画化。ワイダ監督は「ヴィルコの娘たち」を作家に捧げ、本人をスクリーンに登場させている。「尼僧ヨアンナ」はイェジ・カヴァレロヴィチ監督が映画化。なお「菖蒲」は1965年アンジェイ・シャフャンスキー監督によっても36分の短編TV映画にされている。

「菖蒲」。
いったいどんなお話なのでしょう。
お読みになった方はご存知でしょうが、掌篇ともいうべき、短い小説です。
1965年にアンジェイ・シャフャンスキー監督がTV映画化したときも36分の短編でした。
それが本作は87分。約1時間半です。
アンジェイ・ワイダ監督、いったいどんな仕掛けでみせてくれるのでしょうか。

乞うご期待でございます。では、続きは次回で。



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☆10月19日に更新いたしました。いつも応援ありがとうございます☆

菖蒲
監督/アンジェイ・ワイダ、撮影監督/パヴェウ・エデルマン、作曲/パヴェウ・ミキェティン、美術/マグダレナ・デュポン、プロデューサー/ミハウ・クフィェチンスキ
出演
クリスティナ・ヤンダ/マルタ、クリスティナ・ヤンダ/女優、パヴェフ・シャイダ/ボグシ、ヤドヴィガ・ヤンコフスカ=チェシラク/マルタの友達、ユリア・ピェトルハ/ハリンカ、ヤン・エングレルト/医師
10月20日(土)より岩波ホールにてロードショー(全国順次公開)
2009年、ポーランド、87分、ポーランド語、配給/紀伊國屋書店、メダリオンメディア、配給協力/アークフィルムズ、後援/ポーランド広報文化センター
www.shoubu-movie.com

by Mtonosama | 2012-10-19 07:34 | 映画 | Comments(4)