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ライオンは今夜死ぬ


LE LION EST MORT CE SOIR

-2-

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(C)2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BALTHAZAR-BITTERS END


ごめんなさい。
ジャン=ピエール・レオーが出演した
ゴダール監督の
『アルファビル』(’65)も『気狂いピエロ』(’65)も
『中国女』(’67)も『ウィークエンド』(’67)も
トリュフォー監督の
『アメリカの夜』('73)も
パゾリーニ監督の『豚小屋』も
ベルトルッチ監督の
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(’72)も
『ドリーマーズ』(’03)も
最近ではカウリスマキ監督の
『ル・アーブルの靴みがき』(’11)も
観ているのに
レオーさんの印象がほとんどないんです。

もちろん15、16歳の紅顔の美少年だった
『大人は判ってくれない』と
73歳で出演した本作だったら
わからなくても仕方ありません。
(実は管理人は顔認証が大の苦手)

7年前の作品『ル・アーブルの靴みがき』
http://mtonosama.exblog.jp/17438978/
も予告編を観て、「ああ、この人か!」と
やっとわかった位の認識力なのです。

とはいえ、
60年近く映画に出続け、
悪目立ちせず、
というか、
存在を消すかのように
映画の人になりきるって
すごいことではないでしょうか。

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実際も老俳優、
作品中でも老俳優。

「どのように死を演ずるか」
老優のつぶやきにも似たせりふから
始まる本作。
コート・ダジュールの明るい風景の中で
どのようなお話が繰り広げられるのでしょうか。

ストーリー
コート・ダジュールの青い海を望む
テラスで
老優ジャンが
映画のリハーサルを続ける。
だが、ヒロインを演じる女優が
部屋にこもって出てこないので
再開には数日はかかりそうだ。
ジャンは監督に問いかける。
「死とは体験ではなく
その訪れを見ることではないか」

撮影が中断され、
ジャンは街に出る。
グラジオラスの花束を持ったジャンは
かつて愛した女性ジュリエットの
住んでいた屋敷を訪れる。

屋敷の中を見渡すジャン。
ベッドで横たわっていると
一団の子どもたちが現れた。
脅かすとクモの子を散らすように逃げ、
窓の外から憎まれ口をたたいている。

部屋の鏡を見るジャン。
すると
ジュリエットが若い時の姿のまま現れ、
微笑みながらジャンをかき抱いた。
懐かしい思いで暫く語り合うが、
ふと気づくと彼女はいなくなっていた。

墓地に向かうジャン。
子どもたちが後をつける。
墓石に刻まれた
ジュリエット・ギャロンの文字。

映写室で
子どもたちが隠し撮りした
ジャンの映像を見ている。

「撮りたい場所があれば
撮影許可を取る。
人を撮る時も同じだ」
と映写技師フィリップが教える。
そう、
子どもたちは映画を作っているのだ。

ジャンを尾行する子どもたち。
噴水前で買い物袋を置いて
歩き出した彼は子どもたちに
荷物を持つように指示。
屋敷に到着すると
荷物を受け取り立ち去るジャン。
「お礼くらい言いなよ。じいさん」
「じいさんじゃない。ジャンだ」

そんなやりとりの後、
子どもの一人が
「僕たちの映画に出てくれませんか?」
と出演交渉。
屋敷を貸すこと、映画に出演することを
快諾したジャンは
脚本を用意するように
子どもたちに言う……

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さあ、なんとも予想のつかない
展開になってきました。

かつて一世を風靡した老優が
映画の中でも俳優を演じる――

横分けロン毛のいかにもな髪形。
なのに、
たっぷりしたお腹と
膝や足が痛くてしょうがない
といった老人特有の歩き方。

“成れの果て”という残酷な言葉が浮かぶほど
冷ややかな目で見ていた管理人です。

が、しかし
映画そのものが
「死とは出会いだ」
というジャンの言葉が実体を持っていく
その過程を描き出している
ように思えました。

幽霊あり、映画作りの子どもたちあり、
ライオンあり。

それらが南仏の明るい光と影の中に
融和していました。



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☆2018年1月10日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆


ライオンは今夜死ぬ
監督・脚本/諏訪敦彦、プロデューサー/吉武美智子、ジェローム・ドプフェール、共同製作/定井勇二、脚本協力/久保寺晃一、翻案/エレオノール・マムディアン、撮影/トム・アラリ
出演
ジャン=ピエール・レオ―/ジャン、ポーリーヌ・エチエンヌ/ジュリエット、モード・ワイラー/ジュールの母、アルチュール・アラリ/撮影技師、イザベル・ヴェンガルテン/マリー、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、ノエ・サンピ/ユキ
2018年1月20日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
2017年、フランス=日本、103分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/寺尾次郎
www.bitters.co.jp/lion/

by Mtonosama | 2018-01-10 05:41 | 映画 | Comments(2)

ライオンは今夜死ぬ

LE LION EST MORT CE SOIR


-1-

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(C)2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BALTHAZAR-BITTERS END


「ライオンは今夜死ぬ」
思わせぶりなタイトルですが、
“The Lion Sleeps Tonight”
「ライオンは寝ている」といえば
ああ、あれか、と思い出されるでしょう。

1950年代にアメリカで“Wimoweh”という
タイトルでヒットした曲です。
管理人などは
♪リンゴベッタリンゴベッタ♪
と覚えて歌ってました。

“The Lion Sleeps Tonight”
は61年に新しい歌詞で作られ、
「ライオンキング」の劇中歌で
知ったという人も多い筈です。

といっても本作はミュージカルでも
なんでもありません。

一人の老俳優の物語です。

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演じるのはジャン=ピエール・レオー。
フランソワ・トリュフォー監督の
『大人は判ってくれない』で
鮮烈なデビューを果たした俳優で、
トリュフォー、ゴダール、パゾリーニ、
ベルトルッチ、アキ・カウリスマキ、
錚々たる監督たちの映画に出演しています。

そして、
本作でメガホンをとったのは
諏訪敦彦(すわのぶひろ)監督。
ジャン=ピエール・レオーを
演出することによって
彼もまた巨匠たちの系譜に連なることに
なりました。

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ジャン=ピエール・レオー
1944年5月28日パリに生まれる。
父は劇作家、母は女優。
13歳の時に『罪と罰』('56)で
映画初出演。
その後、トリュフォー監督の
『大人は判ってくれない』の主役に
オーディションで抜擢された。
以降、監督の分身として映画出演。
更に、ジャン=リュック・ゴダール、
ジャック・リヴェットなど
ヌーヴェルヴァーグの監督たちの
様々な作品に出演、
ヌーヴェルヴァーグを
代表する俳優となる。
パリ五月革命以降、
不仲となったゴダールとトリュフォーの
板挟みとなり、フランスを離れ、
イタリア等他国の映画作品に出演。
トリュフォーの死により、
映画出演を控えていたが、復帰。
ツァイ・ミンリャン監督
『ふたつの時、ふたりの時間』('01)、
アキ・カウリスマキ監督
『ル・アーブルの靴磨き』(’11)など
世界中の映画監督から
オファーが絶えない名優。

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諏訪敦彦(すわのぶひろ)
1960年広島生まれ。
東京造形大学卒業後、
長崎俊一、山本政志、石井聰亙(岳龍)
などの作品に参加する一方で
『はなされるGANG』
(‘84/8ミリ)を発表。
TVドキュメンタリーの演出を
手掛けた後、
『2/デュオ』(’97)で監督デビュー。
定型のシナリオ無しで撮影された
その作品の
完成度の高さが絶賛され、
ロッテルダム国際映画祭で
NETPAC賞を受賞。
2作目『M/OTHER』では
三浦友和を主演に起用し、
99年カンヌ国際映画祭監督週間に出品、
国際批評家連盟賞を受賞。
アラン・レネ監督の『24時間の情事』を
リメイクした3作目『H Story』が
01年カンヌ国際映画祭ある視点部門
に出品。
ヨーロッパでの評価は圧倒的。
ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ主演の
『不完全なふたり』は
ロカルノ国際映画祭で
審査員特別賞を受賞し、
フランスでの上映は
ロングランヒットを記録。
オムニバス映画『パリ・ジュテーム』
では唯一の日本人監督として
『ヴィクトワール広場』を制作。
主演にジュリエット・ビノシュを起用。
その際に出演していた
イボリット・ジラルドと共同監督した
『ユキとニナ』(’09)発表、
同年カンヌ国際映画祭監督週間に出品。
08年から13年まで
母校・東京造形大学の学長を務め、
現在は東京藝術大学大学院教授
を務める。
また、小中学生の子どもたちに
映画制作を教えるワークショップ
「こども映画教室」講師として参加。
本作でも子どもたちが自ら
映画制作をする
シーンが登場している。

ヌーヴェルヴァーグのレジェンドと
日本の監督との出会い――

一体どんなお話でしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆2018年1月7日に更新しました。当試写室、初映画上映でございます☆

ライオンは今夜死ぬ
監督・脚本/諏訪敦彦、プロデューサー/吉武美智子、ジェローム・ドプフェール、共同製作/定井勇二、脚本協力/久保寺晃一、翻案/エレオノール・マムディアン、撮影/トム・アラリ
出演
ジャン=ピエール・レオ―/ジャン、ポーリーヌ・エチエンヌ/ジュリエット、
モード・ワイラー/ジュールの母、アルチュール・アラリ/撮影技師、
イザベル・ヴェンガルテン/マリー、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、ノエ・サンピ/ユキ
2018年1月20日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
2017年、フランス=日本、103分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/寺尾次郎
www.bitters.co.jp/lion/

by Mtonosama | 2018-01-07 05:43 | 映画 | Comments(5)