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タグ:ラサへの歩き方 ( 2 ) タグの人気記事


ラサへの歩き方 
祈りの2400km
-2-
Paths of the soul

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本作のチャン・ヤン監督のチベットとの出会いは1991年。
24歳で旅行をし、チベットに惹かれた監督は、
その後大学を卒業してからも
しばしば訪れてドキュメンタリーを撮っていたといいます。

1年以上にわたる撮影を経て
チベットの厳しい自然とも向きあったこの作品。
政治的な部分はまったくありません。
ただチベットの人々の生き方を切り取り、
大自然の一部として生きる彼らを
共に歩きながら、撮影した映画です。

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ストーリー
チベット、マルカム県プラ村。
ニマの家では父親が亡くなって日も浅く、法事の最中である。
叔父のヤンペルは兄のように思い残すことがないよう
死ぬ前に聖地ラサへ行きたいと願っていた。
ニマは叔父の願いを叶えるため
一緒にラサへ巡礼にいくことを決意した。

それを聞いたケルサンは
来年が聖山カイラスの巡礼年にあたる午年で
長女ツェリンがもうすぐ産む子どもも午年にあたり、
入り婿セパも午年であることから
ツェリンとセパにも巡礼に行くことを勧める。

ツェリンの妹ツェワン
家畜解体業のワンドゥ
家の新築工事で死者を出してしまったジグメとムチュ夫婦
その娘タツォ
ケルサン家のダワ・タシ、甥のワンギュル
巡礼のメンバーは計11人となった。

村人たちは巡礼のための日用品を揃え、
トラクターに詰め込み、リーダーのニマがそれを運転する。
老いたヤンペルと妊婦ツェリン以外は
幼いタツォも含め、五体投地ではるか2400kmを進む。

ある日、ツェリンの陣痛が始まる。
トラクターで病院に運ばれたツェリンは無事男児を出産。
プラ村からツェリンの父ケルサンが妻と一緒にやってきて
赤ん坊をテンジン・テンダルと命名。
ツェリンとセパが子どもを連れてテントに戻り、
再び巡礼が始まった。

旅の途中、いろいろな出会いもあり、事故もあった。
外国人を乗せた車がトラクターに追突。
車軸が折れて、ひっくり返ったトラクター。
乗せていた外国人が高山病になり、
病院へ運ぶため急いでいたと平謝りに謝る運転手。
巡礼の一行は咎め立てもせず、病院へ急がせる。

トラクターを諦め、荷台だけを皆で押しながら進む。
峠を越える。
間もなく聖地ラサ・・・

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ラサ
チョカン寺ではたくさんの僧侶が読経し、
大勢の信者が祈りを捧げる。

ツェリンの叔父・高僧のラマ・トゥプテンが
一行の宿を訪れ、祝福してくれた。
彼らはここから更にカイラス山へ向かう。
だが、旅費も底がつき、ラサ市内で働いて金を稼ぐことに。

2ヶ月が経ち、再び巡礼を続ける一行。
季節は冬へ。
ある夜、ヤンペル老人は野外で夜を過ごそうとしている青年と出会う。
彼をテントに誘うヤンペル。
新しい巡礼者と共にカイラス山の麓に着いた一行。

翌朝
ヤンペル老人はテントの中で静かに息をひきとっていた。
鳥葬のため、彼は山の頂へ運ばれる。
運ぶのはヤンペル老人がテントに誘った若者。
親族が遺体を運ぶことはできないからである。

海底のように深く蒼い大空に僧侶たちの読経が響き、
幾羽もの鳥が滑空する―――

カイラス山をめぐる一行の巡礼はまだまだ続く……

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9年前に五体投地をするチベットの人々の姿を見たとき、
彼らは現世に絶望しているから、あえてこのような苦しい巡礼をするのだ、
と思いました。

でも、それは当たらないかもしれません。
巡礼は生きることそのものなのです。

だからこそ、『ルンタ』で観た
http://mtonosama.exblog.jp/24217115/
http://mtonosama.exblog.jp/24228150/

中国政府への抗議のため焼身自殺する若い人々の姿や想いが
痛々しくてなりません。

チベットはチベットの人々の手に――
と心の底から思います。





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ラサへの歩き方 祈りの2400km
監督/チャン・ヤン、撮影/グォ・ダーミン、編集/ウェイ・ロー、音声/チャオ・ナン、ヤン・ジャン、プロデューサー/チャン・ヤン
出演
ヤンペル、ニマ、ツェワン、ツェリン、セパ他
7月23日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
2015年、115分、中国、チベット語、字幕/樋口祐子、配給/ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/lhasa/

by Mtonosama | 2016-07-18 06:28 | 映画 | Comments(4)

ラサへの歩き方 
祈りの2400km
-1-
Paths of the soul

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9年前にチベットを訪れて以来、常にこの地を恋し続けているとのです。
実は、9年前どころか100数十年前の小学生の頃から憧れていました。

―当時の子どものお楽しみ番組『ポパイ』(日曜夜7時)で初めてチベットを知りました―

念願かなって9年前にラサの地に降り立った時は、
心が躍ったものです。

そして、たまたまバスの中から
五体投地しながら道路を進んでくる一団を目にした時、
この人達はなぜこのように苦しい祈りをするのか、
現世にそれほど絶望しているのだろうか、
と驚きました。

彼らは身体の前面を覆う皮のエプロンをまとい
両手には板きれをつけ、
硬いコンクリートの地面に
身を投げ、身を投げしながら、進んでいるのでした。

――――

本作『ラサへの歩き方』は中国四川省国境に近いチベットの小さな村から
聖地ラサを経てインドに近いカイラス山までの2400kmの道のりを
巡礼する村人たちの道中を描いた壮大なロードムービーです。
究極のロードムービーと言ってもいいかと思います。

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カイラス山は標高6656mの未踏峰。
チベット語ではカン・リンポチェといいます。
神々しく、美しい山ですね。
未踏峰というのは、カン・リンポチェは信仰の山であるため
登頂許可が下りないからなのです。
伝説では聖者ミラレバが登頂したということになっています。

主峰は本尊。
周囲の山々は本尊を取り囲む尊格と見立てられ
この地の巡礼は曼荼羅図をイメージして行なわれるのだといいます。

映画とは関係ありませんが、
そんな聖なるカイラス山を通る自動車専用道路の建設が
中国政府によって計画され、
現在その中止を求める運動が国際的に展開されています。

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監督はチャン・ヤン。
北京の胡同を舞台にした『こころの湯』(‘99)
『胡同のひまわり』(‘05)の監督です。

最初、中国人監督によるチベット映画と知り、
「どうしたもんじゃろのお」
と悩みました。
だって、ダライ・ラマやチベット仏教を目の敵にする
中国がこのような作品の上映を許可するでしょうか。

『こころの湯』も『胡同のひまわり』も
心温まる映画でした。
良い人ばかり登場する映画でした。

この手の作品を手掛けてきた中国人監督が
あまりにヘビーな五体投地をどのように捉えるのか、
映画を観て失望させられるのはなあ・・・
怖さの方が勝つ思いを抱きつつ鑑賞しました。

チャン・ヤン監督、
Warm @ heartなだけじゃありませんでした。

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一見ドキュメンタリー作品を思わせるシビアな映像ながら
実は本作はフィクションであります。
この作品、監督の転機となるかもしれません。

ドキュメンタリーを思わせるのは
本作に出演する人々がすべて
実際にチベット自治区マルカム県プラ村に暮らす農民たちで、
実際に自分自身と重なる役柄を演じているから、です。

そして、フィクションであるというのは
五体投地を最高の光の中で撮影するため、
前へ進んだり、後戻りしたり、を何度も繰り返すという演出を施したから。
実際、撮影したい対象が思い浮かばない時には数日撮影を休み、
巡礼者たちとおしゃべりしたりすることもありました。

監督はまた
おおよそのプロットと人物設定について
長い時間をかけてプランを練っていました。
巡礼の途中で死を迎える70~80歳の老人を出演させる。
巡礼の途上で出産する妊婦。
多くの殺生を行なったため、罪滅ぼしをしたいと願う家畜解体業の男。
7,8歳の女の子。
16,17歳の若者。
そして、50歳くらいの男に巡礼のかじ取りをさせる・・・
そんな人物設定とプロットを作ってはいました。

が、しかし、
プロットの根幹には、赤ちゃんが生まれ、老人が亡くなるという
生と死の対比がしっかり存在しました。
脚本はありません。

なんといっても
圧巻なのは五体投地です。
最後に大まかな五体投地のルールをお伝えします。

1.合掌
2.両手、両膝、額を大地に投げ出しうつ伏せる
両手、両膝、額で五体です。
3.立ち上がり、同じ動作を繰り返す
4.中断したら、戻って同じ場所から始める
決してズルをしてはいけません。
5.他者のために祈る

さあ、続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆7月15日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

ラサへの歩き方 祈りの2400km
監督/チャン・ヤン、撮影/グォ・ダーミン、編集/ウェイ・ロー、音声/チャオ・ナン、ヤン・ジャン、プロデューサー/チャン・ヤン
出演
ヤンペル、ニマ、ツェワン、ツェリン、セパ他
7月23日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
2015年、115分、中国、チベット語、字幕/樋口祐子、配給/ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/lhasa/

by Mtonosama | 2016-07-15 06:37 | 映画 | Comments(4)