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ザ・コ―ヴ -2-
THE COVE

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(c)OCEANIC PRESERVATION SOCIETY. ALL RIGHTS RESERVED.

日本では、映画の舞台となった和歌山県太地町のほか
静岡県伊豆半島の富戸でも、イルカの追い込み漁が行われています。

伊東市出身の知人は「スーパーでイルカ肉を売っていた」と言いますし
〈イルカ料理〉で検索すると、出てくる、出てくる!
「イルカ味噌煮」「イルカステーキ」「イルカたれ焼き」などなど。
本当にイルカを食べていました。
ところ変われば、品変わる――です。

イルカを食べることを知らない地域に育った人や、欧米人にとっては
かなりビックリですが、食文化として定着している地域があるのは事実でした。

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「ザ・コーヴ」で太地町の漁師さんを悪役に仕立てたスタッフたちは
太地町の町民や漁師たちの意見にも耳を傾けたのでしょうか。

ストーリー
60年代「わんぱくフリッパー」の調教師として活躍し
今は世界中でイルカ解放運動の活動をするリック・オバリー。
彼は日本で行われているイルカ漁をやめさせたいという強い思いで
和歌山県太地町へやってきた。
太地は400年にわたる捕鯨の歴史を持つ町である。

オバリーの情熱に導かれるように
イルカ保護に共感するスタッフが続々と太地に到着。
太地町に着いた監督のルイ・シホヨスは
オバリーがマスクや帽子で顔を隠していることに不審をいだく。
だが、シホヨス監督自身、太地町内で常に数台の車に尾行されているのを知り
オバリーの変装の理由を理解する。
ある日、彼らは太地町の海岸で行われているショー用のイルカの捕獲を目撃。
それは海岸に行けば、誰でも見物できるのだが
実はその入り江のさらに奥、鎖や鉄条網で守られた入り江で
町の人も知らない秘密のイルカ漁が行われていたのだ…

よくあるB級映画の筋書きのようですね。

映画はさらにIWC(International Whaling Commission/国際捕鯨委員会)で
調査捕鯨の正当性を語る日本側の発言を批判し
ロンドンで開かれた反捕鯨集会で、クジラの悲しい鳴き声を大音量で流し
捕鯨がいかに野蛮であるかと口々に訴える人々の様子を映し出しています。
そこでは興奮した市民が日の丸を燃やしています。
日本でも、銀座を歩く人々にマイクを向けて
「え、イルカを食べるの?」「知らなかったわぁ」
などというコメントも取っています。

でも、長年クジラ漁、イルカ漁に従事してきた太地の漁師さんたちに
マイクが向けられることはありませんでした。
後でモザイクをいれたという漁師たちの映像は
「写真撮るな!」とか「帰れ!」とすごんでいるものばかり。

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リック・オバリーさんやスタッフは
「なぜイルカ漁をするのか?」と冷静な取材をしたのでしょうか。
クジラ漁400年の歴史を持つ太地の漁師にとって
アメリカ人から「金を出すからイルカを殺すな」といきなり言われて
「はい、お説の通りです。やめましょう」
と身をひくわけにはいかないでしょう。
こういう取材って地元になじみ、じっくりと話を聞きつつ
了解点を見出していくというのが基本のはず。

この映画
「自分たちこそ、正義の味方だ」
「賢いイルカを残虐な方法で殺すことは許せない」
という《上から目線》でイルカ漁関係者に接しているようで、すごく気になります。
ハリウッド映画お得意の〈イルカを愛する文明人〉と〈イルカを殺す野蛮人〉という
勧善懲悪ものになっています。
エンタテインメントってことでしょうが、一方的に悪者にされるのってイヤな感じです。

リック・オバリーさんは
「私たちは人道的な視点からのみイルカを食べることに反対しているのではない」
と言います。
「食物連鎖の頂点に位置するイルカの体内には水銀が蓄積している――
このこともイルカ漁に反対する理由です」。
なるほど、これは今日的な問題です。
たしかに、沿岸に生息するイルカの体内に蓄積された水銀量は400年前とは
比べ物にならないほど高濃度にのぼっているでしょう。

ご指摘いただき、ありがとうございます。
リックさんにご心配いただくまでもなく
私たちは水俣病のもたらした悲惨な状況を知っております。
国民の健康のため、厚生労働省や水産庁にしっかり調べていただきましょう。

と、ブツブツ言いながら、映画はラストへ向かいます。
入り江全体が殺されたイルカの血で真っ赤に染まっていくシーンは
心優しい我々には見るに堪えないものであると同時に
彼らの撮りたかったのはまさにこれだったのだ、と納得できます。

これを撮りたいがために、ハリウッド映画技術の粋をこらした隠し撮りをしたわけですね。

しかし、ここまで日本を悪者にして描かれると
「攘夷ぜよ」と叫びたくなってしまいます(オイ、オイ)。
シー・シェパードがしつこく日本の調査捕鯨船を追い回す理由も
「ザ・コーヴ」を見て、よーくわかりました。

イルカは人間より大きな脳を持っていて賢いから殺してはいけないと
いうのがこの映画の底流としてありますが
ならば、他の頭の悪い動物(人間も含め)なら殺していいのですかねぇ。
イルカにせよ、クジラにせよ、牛にせよ、豚にせよ、マグロにせよ
人間は彼らの死によって、生かしていただいているんですけど。

「ザ・コーヴ」のスタッフの皆さんに提案です。
この次は、皆さんを生かしてくれるあらゆる生き物
牛や豚、羊、鶏の屠殺から解体、そして食するまでを映画にしてみませんか?

屠殺現場の隠し撮り、すごいシーンになるでしょうね。

ザ・コーヴ
監督/ルイ・シホヨス、プロデューサー/フィッシャー・スティーヴンス、ポーラ・デュプレ・ペスマン、エグゼクティブプロデューサー/ジム・クラーク、編集/ジェフリー・リッチマン、キャクホン/マーク・モンロー、共同プロデューサー/オリビア・アネマン、音楽/ジェイ・ラルフ
出演
ルイ・シホヨス、リック・オバリー、サイモン・ハッチンズ、チャールズ・ハンブルトン、ジョー・チズルム、マンディ=レイ・クルークシャンク、カーク・クラック
6月26日(土)、シアターN渋谷他全国ロードショー
2009年、アメリカ映画、91分、提供/メダリオンメディア、配給/アンプラグド
http://thecove-2010.com/


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♡4月3日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♡
by mtonosama | 2010-04-03 05:05 | 映画 | Comments(10)