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           アレクサンドリア -2-
                        AGORA

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えー、恥ずかしながら、「アレクサンドリア」のヒロインでありますヒュパティアという
女性天文学者のことを知らなかったとのです。

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ヒュパティア(Hypatia、Υπατία、370年?-415年3月)は、古代エジプトの著名な女性の数学者・天文学者・新プラトン主義哲学者である。日本ではハイパティアともヒパティアとも呼ばれる。キリスト教徒により異教徒として虐殺された。(Wikipediaより)

数学者であり、天文学者であり、哲学者でもある彼女はアレクサンドリア図書館長テオンの娘であります。そして、新プラトン主義哲学校の校長として教壇に立っていました。






映画の舞台である紀元4世紀末はローマ帝国末期という時代、
アレクサンドリアにはギリシャ文明と古代宗教のおおらかさと自由が残っていました。
学究の徒として生きるヒュパティア、すごいです。

と、感嘆しつつも、その後、彼女とアレキサンドリアに襲いかかった歴史の暗い波に圧倒されてしまいました。さて、どんなお話なのでしょうか。

   ストーリー
天文学者のヒュパティア。彼女は学問を志す者はみな生徒として受け入れ、信仰のことで言い争う生徒たちには「世の中がどうなっても、ここで学ぶ私たちは兄弟よ」と諭すのでした。
美しく聡明な彼女に生徒のオレステスは愛を告白しますが、きっぱりと拒絶されます。
ヒュパティアに仕える奴隷のダオスも彼女を密かに慕う1人でしたが、奴隷が人として扱われることのないこの時代には、それは決して実ることのない恋でした。

ローマ帝国末期、キリスト教はテオドシウス1世によって国教に定められ、ここアレキサンドリアでもキリスト教徒が急速にその数を増やしていました。
修道兵士のアンモ二オスが群衆の前で見せた奇跡をはじめ、貧しいものを助けるキリスト教に多くの人々がひきつけられていったのです。
ヒュパティアの父テオンは奴隷たちにキリスト教を禁じましたが、ダオスもまたこの教えに傾いていきました。

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次第に勢力を拡大するキリスト教。とうとうアレクサンドリアにも流血の事態が。
キリスト教徒に自分たちの神々を侮辱された科学者たちは武器を手に報復に打ってでました。アゴラは乱闘の場と化し、ヒュパティアの父テオンも重傷を負います。
科学者たちは図書館に逃げ込み、たてこもりました。

裁きはローマ皇帝の手に委ねられます。
皇帝の下した言葉は「科学者たちの罪は問わないが、その代わり、図書館を放棄せよ」
というもの。
その結果、キリスト教徒たちが図書館に入り、処分を行うことに。
最後の最後まで図書館の書物を持ち出そうと努めるヒュパティアたち。
その時、ダオスは奴隷としてヒュパティァと行動を共にするか、
キリスト教徒として自由を獲得するか、迷います。
しかし、混乱の中で取り乱した彼女の叱責に傷ついたダオスは
キリスト教徒として生きる道を選んだのでした。
修道兵士アンモ二アスに先導されるまま、神々の像を打ち壊し、
書物に火をつけるダモスたち。人類の智恵はすべて灰になってしまいました。

この出来事を境にして、アレクサンドリアではキリスト教とユダヤ教のみが認められることに。
多くの異教徒たちはキリスト教に改宗。ヒュパティアに愛を告げたオレステスも改宗します。
しかし、ヒュパティアは……


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「十戒」(‘56)にせよ、「ベンハー」(‘59)にせよ、記憶にある歴史スペクタクルものといえば、
キリスト教を讃めたたえ、ハレルヤ、ハレルヤで大団円!という印象がありました。
なのに、これはまた……

なんともまた残虐で、容赦なく、攻撃的な加害者として登場するキリスト教徒。
そして、女性は常に男性の背後で静かに祈るのみという姿が、
スペクタクル史劇の定番でありました。
が、なんとヒュパティアは学者として、また教師として、社会の前面で活躍しています。

中世以降(もしかしたら、現代も)女性のあるべき姿として描かれているのは、
聖書に基づくもの。
古代ギリシャでは身分の差こそあれ、男女差を感じることってありません。
ギリシャ神話に登場する奔放な神様たちを見ればわかりますよね。

キリスト教的男女観が定着することで、
女性は控えめに生きることを要求されるようになったわけです。な、なんか悔しい。

古代ギリシャの自由を体現していたヒュパティアですが、
彼女は古代から中世に移行しつつあった時代の犠牲になった女性。
直接、手を下したのは台頭しつつあったキリスト教徒ですけど。

キリスト教は「愛の宗教」などと言われますが、宗教が政治勢力と結びついたり、
宗教そのものが1つの勢力として形をなすときには、実に容赦ないことをするものです。

アメナ―バル監督は
「僕の目標は、観客を『CNNの取材チームが4世紀に起きたことをドキュメンタリーにしたものを観ている』気分にさせることだった」
と語っています。

たしかに―――
ヒュパティアという女性の生きたアレクサンドリアという街と時代のドキュメンタリー
というとらえ方は面白いです。

この春は見ごたえのある作品が多くて、皆さんも忙しいことになりますよ。
さ、映画館が皆さんを待っています。

                             

アレクサンドリア
監督/アレハンドロ・アメナーバル、脚本/アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル、製作/フェルナンド・ボバイラ、アルバロ・アウグスティン、製作総指揮/シモン・デ・サンティアゴ、ジェイム・オルティス・デ・アルティネイト、撮影/シャビ・ヒメネス
出演
レイチェル・ワイズ/ヒュパティア、マックス・ミンゲラ/ダオス、オスカー・アイザック/オレステス、アシュラフ・バルフム/アンモニオス、マイケル・ロンズデール/テオン、ルバート・エヴァンス/シュネシオス、ホマユン・エルシャディ、サミ・サミール/キュリロス、オシュリ・コーエン/メドルス
3月5日(土)、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国順次ロードショー
2009年、スペイン映画、英語、127分、配給/ギャガGAGA★


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by mtonosama | 2011-02-28 04:58 | 映画 | Comments(8)