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グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
-2-
THE GOOD LIE

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さて、前回は『ぼくたちのムッシュ・ラザール』に心が泳いでいってしまい、
皆さまにはご迷惑をおかけしました。
戻ってまいりました。

いや、異文化の出会いや移民について描いたら、
その優しいまなざしでファラルドー監督の右に出る人はいないでしょう。

さあ、どんなお話かというと――

ストーリー
1983年、スーダン南部で内戦が始まった。
北軍による突然の襲撃で両親を殺されたマメールは
兄テオ、姉アビタル、生き残った子どもたちと共にケニアを目指す難民の列に連なる。
そこには兵士になるのが嫌で北部から逃げ出してきたジェレマイアとポールの兄弟も。
苦しい移動の途中では敵兵と出会い、狙撃され死んでいく子どもたちがいる。
あるいは、飢えと喝きからも多くの子どもが命を落とした。
ある朝マメールは敵兵にみつかってしまう。
だが、兄テオが弟を救うために身代わりとなって連行された。
テオに代わってリーダーとなったマメールは仲間を率いてカクマ難民キャンプに辿りつく。

それから13年。
キャンプで成長したマメール、アビタル、ジェレマイア、ポール。
彼らのもとにアメリカ移住という話が舞い込んだ。
胸躍らせて飛行機に乗り込み、JFK空港に降り立った彼らを待っていたのは
女性は一般家庭が受け入れるという移民局の規則。
姉アビタルとは空港で引き離されてしまった。

職業紹介所で働くキャリーはマメール、ジェレマイア、ポールを迎えるため
カンサスシティの空港へ向かう。
彼女の仕事は彼らに仕事を紹介すること。
今回もいつものようにてっとり早く片付けよう、というつもりだった。

翌朝、キャリーは3人を連れて面接に行くが、断られてしまう。
困った彼女はボスのジャックから彼らに
アメリカ式の笑顔や自己アピールの仕方などを指導してもらう。
それが効を奏してポールは組み立て工場に、マメールとジェレマイアはスーパーに就職。

マイクとジェリーという名札を与えられた2人は
スーパーには犬用の食べ物までもが売られていることに驚き、
賞味期限切れの食品がゴミ箱に捨てられていることに仰天する

なんとか新生活に慣れ始めたかに見えた3人だったが、
ポールは同僚に勧められて麻薬に手を出し、
ジェレマイアは貧しい人に廃棄食品を渡しているところを上司にみつかり、
医師になるため必死に勉強しているマメールは夢のかないそうにない現実に悩んでいた。

そんな中、いつしか3人に共鳴するようになっていたキャリーのところに悪い知らせが。
ポールが警察に連行されてしまったのだ……

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キャリーと3人のとんちんかんな会話に笑わされます。
ま、そういうところはこの手の映画ではよくあるパターン。

共感できるのは彼らスーダンの若者たちがとても誇り高く生きていることです。
「難民キャンプから自由の国アメリカへ連れ出してやったんだぜ。感謝しろよな」
みたいな感じの映画だったらイヤだなって思っていたら見事に外れました。
それも良い方向に。

前回、マズローの5段階欲求説などと唐突に言い出したのには理由があります。

マメール、アビタル、ジェレマイア、ジャックが危険な村を離れ、
難民の列に加わり、キャンプで暮らす様子は
生理的な欲求であり、
安全・安心な暮らしがしたいという安全欲求であり、
集団に属したり、仲間が欲しくなったりする社会的欲求です。

そして、アメリカに渡り、
他者から認められたい、尊敬されたいという尊厳欲求を持ち、
そして、優しい嘘をつき、あることを行う感動のラストは
まさに、自分の能力を引き出し創造的活動がしたいという自己実現の欲求でした――

思わぬところで心理学の勉強にもなってしまう映画です。
つらい事件が続く今日この頃ですが、こんな映画で心を温めていただければと思います。





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☆4月4日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~
監督/フィリップ・ファラルドー、脚本/マーガレット・ネイグル、製作/ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ・シャーウッド、モリー・スミス、サッド・ラッキンビル、トレント・ラッキンビル
製作総指揮/アンドリュー・A・コソーヴ、ブロデリック・ジョンソン、キム・ロス、エレン・H・シュワルツ、ディーパック・ナヤール、ボビー&デボラ・ニューマイヤー、撮影/ロナルド・プラント
出演
リース・ウィザースプーン/キャリー、コリー・ストール/ジャック、アーノルド・オーチェン/マメール、ゲール・ドゥエイニー/ジェレマイア、エマニュエル・ジャル/ポール、クース・ウィール/アビタル、サラ・ベイカー/パメラ
4月17日(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー
アメリカ、110分、字幕翻訳/稲田嵯裕里、後援/国際移住機関(IOM)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、配給/キノフィルムズ、http://www.goodlie.jp/

by Mtonosama | 2015-04-04 06:55 | 映画 | Comments(2)