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ローザは密告された
-2-

MA’ROSA

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©Sari-Sari Store 2016


フィリピンって東南アジアですが、
なんかタイやベトナム、カンボジアとは
雰囲気が違いますよね。
島だからでしょうか。

今後メンドーサ監督の活躍を通じて
フィリピンともお馴染みになっていけるかもしれません。

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ストーリー
夕方、ローサはスーパーマーケットへ買い出しに。
晩御飯の買い物にしては大量だ。
次男のカーウィンが一緒に来ているところを見ると
彼女が営むサリサリストアの買い出しのようだ。

雷鳴が轟くスコールの中、
二人が乗り込んだタクシーが停まったのはスラム街の一角。
大きな袋をいくつも抱えた二人を長男のジャクソンが手伝う。
店に入ると夫のネストールは店番もせず、
2階の小部屋でヤクをやっている。

売人が来てローサに麻薬を手渡す。

ローサとネストールは慣れた手つきで
麻薬を砕き、小さな袋に詰めていく。
この小袋が一家の生活を支えているのだ。

客が来る。
携帯電話画面の暗号を確認し、
タバコの箱に麻薬の小袋を押し込み、手渡す。

7時前、長女のラケルが学校から帰宅。
夕飯を買いに出かけるローサ。

雨の中、車から一団の男たちが降り、
ローサの店へ。
警察だ。
覚醒剤と顧客リストが押収され、
ラケルのスマホまで持ち去る警察。

連行されたローサとネストール。
「ブツと顧客リストがある。保釈はできないが、
20万ペソ(約45万円)で手を打ってやるぞ」
払えないなら刑務所行き、それが嫌なら売人を教えろという。

売人のジョマールを呼び出すローサ。

ローサは警官と共に
ジョマールを待ち受ける。

逮捕されたジョマールのバッグからは大量の麻薬と金が。
警官たちは押収した金を嬉しそうに山分けする。

「麻薬の取引は終身刑だ。20万ペソを払えば助けてやる」
ジョマールにも告げる……

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金、暴力。
警察全体が悪の巣窟です。

人で溢れるスラム街での逃亡と追跡。
絶望して足取り重く進むローサや子どもたちを
舐めるように追うカメラ。
揺れる画面。
緊迫感漂うドキュメンタリータッチの映像です。

ともすれば警察の悪事だけがクローズアップされがちですが、
警察官もまた月収2~3万円で暮らす低所得者です。
そして、ローサの存在は
日本でいえば、商店街の昔ながらの雑貨屋さんのおばちゃんが
麻薬を販売しているようなもの。

問題は
麻薬に関わらなければ生きていけないという貧困なんですよね。
これって社会構造を変えないことにはいたちごっこでしょう。

ドゥテルテ大統領がいくら張り切っても
今日もまたスラムの片隅でローサたちはヤクを売り、
ジャンキーたちはなけなしの金を握りしめて
サリサリストアにやってくるのでしょう。

やっぱり感情移入しづらい映画です。
でも、大きな課題をつきつけてくる作品でした。






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ローザは密告された
監督/ブリランテ・メンドーサ、製作/ロレート・ラリー・カスティーリョ
製作総指揮/ブリランテ・メンドーサ、脚本/トロイ・エスピリトゥ、撮影/オディッシー・フローレス
出演
ジャクリン・ホセ/ローザ、 フリオ・ディアス/ネストール、 フェリックス・ローコー/ジャクソン、アンディ・アイゲンマン/ラケル、 ジョマリ・アンヘレス/カーウィン
7月29日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
2016年、フィリピン、110分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/大西公子、字幕監修/澤田公信

by Mtonosama | 2017-07-28 06:11 | 映画 | Comments(2)

ローザは密告された
-1-

MA’ROSA

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©Sari-Sari Store 2016


その国のことを知らないと
自分はどういうスタンスに立つべきか、
主人公に感情移入できるのか、
いったい誰が悪者なのかすらわからなくなり、
とまどってしまいます。

本作はフィリピン、
「ローザ」というサリサリストアが舞台です。
フィリピン?
知ってるつもりでも、
案外わかっていません。

サリサリストア?
なんか乾燥した肌みたいな名前です。

サリサリというのはタガログ語で
「なんでも」という意味だそうです。
サリサリストアは
いってみればフィリピン版コンビニでしょうか。

フィリピンの女性は働き者だけど、
男性は怠け者という風評を聞いたことがあります。
フィリピンからやってきたメイドさんは
家事が上手で、英語も話せるから、
子どもの英会話能力が高まるというのも
聞いたことがあります。

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一方
貧困、スラム、麻薬という
イメージもこの国からは切っても切り離せません。

そうそう、暴言大統領というあだ名を持つ
こわもてのドゥテルテ大統領も忘れてはいけません。

フィリピンってどんな国でしょう。

以前、マニラとセブ島へ行ったことがあります。
そう、100年位前でしょうか。
やはり麻薬の国という印象は既に刷り込まれていましたわ。

で、
本作は麻薬の映画なのです。

マニラのスラム街で夫ネスト―ルと
サリサリストアを経営するローザ。
スーパーなどで仕入れた商品を売ります。
仕入れ価格は高くても
タバコなど1本からバラ売りするので商売になります。
まとまったものを買うだけのお金のない人たちが
バラで買っていきます。
割高ですけど、
貧しいからそういう買い方しかできないんですね。

ローザには4人の子どもがいます。
この一家も貧しいので、
米や洗剤販売という本業の他、
少量の麻薬を扱っています。
もちろん良いことではありません。
でも、
麻薬がどれだけ人々の間に浸透しているかの
証明みたいなものです。

ドゥテルテ大統領は
一貫して麻薬、薬物犯罪への取り組みを宣言しているのは
知っています。

ロドリゴ・ドゥテルテ
フィリピン共和国第16代大統領。
1945年南レイテ州マアシン生まれ。
1949年、家族でダバオに移住。その後、父がダバオ州知事に。
1972年、司法試験に合格。
特別弁護士を務めた後、ダバオ市検察庁の検察官に。
1988年、ダバオ市長に就任。
その後、2016年まで6期市長を務める。
2016年5月、大統領に就任。

ダバオ市長時代には
自警団による麻薬、薬物犯罪者の暗殺を黙認してきたとされ、
大統領就任直後から
麻薬、薬物犯罪者の殺害を容認、報奨金などで奨励している。

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この麻薬・薬物犯罪者の暗殺を担っているのが実は警察。

フィリピン国家警察にはドゥテルテ大統領以前から
汚職の歴史があります。

フィリピン国内には麻薬中毒者は370万人もいます。
これって群馬県高崎市の人口とほぼ同じ。
かなりやばい数字ですね。

大統領選翌日の16年5月10日から17年5月9日までの
1年間で1日平均9人の麻薬関連の死者が出ました。
その内5人が警察により殺害されているのだそうです。

監督はフィリピン映画界の鬼才ブリランテ・メンドーサ。
第69回カンヌ国際映画祭ではローザを演じた
ジャクリン・ホセがフィリピン初の主演女優賞を手にしました。

さあ、いったいどんな映画なのでしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ローザは密告された
監督/ブリランテ・メンドーサ、製作/ロレート・ラリー・カスティーリョ
製作総指揮/ブリランテ・メンドーサ、脚本/トロイ・エスピリトゥ、撮影/オディッシー・フローレス
出演
ジャクリン・ホセ/ローサ、 フリオ・ディアス/ネストール、 フェリックス・ローコー/ジャクソン、アンディ・アイゲンマン/ラケル、 ジョマリ・アンヘレス/カーウィン
7月29日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
2016年、フィリピン、110分、配給/ビターズ・エンド、日本語字幕/大西公子、字幕監修/澤田公信



by Mtonosama | 2017-07-25 06:24 | 映画 | Comments(6)