ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:ワレサ 連帯の男 ( 2 ) タグの人気記事

ワレサ 連帯の男 -2-
Walesa. Czlowiek z nadziei

f0165567_645654.jpg

(C)2013 AKSON STUDIO SP. Z O.O., CANAL+CYFROWY SP. Z O.O., NARODOWE CENTRUM KULTURY, TELEKOMUNIKACJA POLSKA S.A., TELEWIZJA POLSKA S.A. ALL RIGHTS RESERVED


今またウクライナ・クリミア半島ではロシアが乗り込み、緊張状態にあります。
プーチンさん、あなたはスターリンやブレジネフのようにはならないでください。

という訳で、とてもタイムリーな公開となった「ワレサ 連帯の男」。
公開時の4月5日にはウクライナ情勢も良い方向に向っているといいのですが。

映画は1980年代初頭、イタリアの女性ジャーナリスト、オリアナ・ファラチが
インタビューのためにワレサのアパートを訪問するシーンから始まります。

さあ、ポーランド史の激動のページを見ていきましょう。


ストーリー
1980年代初め。
グダンスクのレーニン造船所で電気工として働くレフ・ワレサの家に
イタリアから有名なジャーナリスト、オリアナ・ファラチが取材に訪れた。

ワレサは1970年12月に起こった食糧暴動の悲劇から語り始めた。
物価暴騰に抗して立ち上がった労働者たちの行動を政府が武力鎮圧した事件だ。
この時、彼は両者に冷静になるように呼びかけたが、混乱の中、検挙される。

グダンスクのアパートでつつましく暮らしていたレフとダヌタ。そして、子どもたち。
この事件の後、家族は大きな歴史の転換期の真っただ中を進み、
レフはそのカリスマ性を高めていくのだった。

1970年の事件から9回目の記念日。
造船所で演説しながらリーダーとしての使命を自覚するワレサ。
それから半年後1980年8月。
ワレサはレーニン造船所のストライキ指導部のトップに立ち、
「連帯」委員長として自由と権利のために闘う反体制の象徴となる。
そして、8月31日。
政府と労働者との間で政労合意が行われる。
これは社会主義圏としては画期的なことであった。

1981年12月。戒厳令。
その布告直後、ワレサは自宅から連れ去られる。
その時ワレサは必ず戻ってくると、腕時計と結婚指輪をはずしダヌタに預けるのだった。
そのまま一年間軟禁されたワレサは自由を奪われ、仲間との接触も遮断される。
孤立の中で政府への協力を求められ続けた。

1982年ソ連のブレジネフ書記長死去。
ワレサは解放され、人々の熱狂的な歓迎の中、再び運動に身を投じていく。

1983年10月ワレサ、ノーベル平和賞受賞。
出国できないワレサに代わり、ダヌタが授賞式に出席、スピーチを行う。

1989年、政府、「連帯」、カトリック教会が円卓会議。
「連帯」の勝利。

1989年11月9日、東西ベルリンの壁が崩壊。
その6日後、ワレサはワシントンに招待され、スピーチを行うのだった……

f0165567_664033.jpg

実写フィルムを挿入しながらの緊迫感溢れる映像には圧倒されます。

作品中、拘束されたワレサが政府側の人間に「お前も政治家ならイエスかノーか即答しろ」
という言葉を投げかけられ、
「俺は政治家じゃない。一人の電気工なんだ!」と答えるシーンがありました。
ここ、最高!
また、ダヌタが朝から晩までおしかける労働者や支持者に対し、一喝するシーン。
おー、よく言ってくれた!と胸のすく場面や、
思わずクスッと笑ってしまう場面などなど。

電気工から労働者たちのカリスマ的な指導者へと変わっていくレフ・ワレサの成長。
この映画はそんな英雄の記録にとどまってはいません。
これはレフ・ワレサという一人の英雄の話であるだけでなく、
すばらしい夫婦、家族の話でもある点にアンジェイ・ワイダの老成を見ることもできます。

夫だけではなく、弱々しかった若妻ダヌタも歴史の奔流に揉まれ、8人の子どもを産み育て、
公安の手によって夫を何度も連れ去られるという試練をくぐり抜ける内に
力強く変わっていきます。
レフ・ワレサのみが英雄なのではなく妻ダヌタも英雄なんです。
ダヌタを演じたアグニェシュカ・グロホフスカ、素晴らしかった!
(ポーランド映画はいいんですけど、この名前の難しさだけはなんとかしてほしいわ)

ワレサはレジェンドなんかじゃなく、
夫であり、父であり、一家庭人であることを
ダヌタもまた自分を犠牲にして英雄ワレサを支える妻という側面ではなく、
新しい社会のために共に闘った人間であることを描き出している感動的な映画でした。





今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆3月27日に更新しました。いつも応援してくださり、ありがとうございます☆

ワレサ 連帯の男
監督/アンジェイ・ワイダ、脚本/ヤヌシュ・グウォヴァツキ、撮影/パヴェウ・エデルマン、美術/マグダレナ・デュポン、音楽/パヴェク・ムィキェティン、製作/ミハウ・クフィェチンスキ
出演
ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ/レフ・ワレサ、アグニェシュカ・グロホフスカ/ダヌタ・ワレサ、マリア・ロザリア・オマジオ/オリアナ・ファラチ、ミロスワフ・バカ/造船所所長、マチェイ・シュトゥル/神父、ズビグニェフ・ザマホフスキ/公安職員、ツェザルイ・コシンスキ/公安職員
4月5日(土)より岩波ホールにてほか全国順次ロードショー
2013年、ポーランド映画、ポーランド語・イタリア語、127分、字幕翻訳/久山宏一、吉川美奈子、提供/ニューセレクト、NHKエンタープライズ、配給/アルバトロス・フィルム
http://walesa-movie.com/

by Mtonosama | 2014-03-27 06:20 | 映画 | Comments(6)
ワレサ 連帯の男 -1-
WALESA. MAN OF HOPE

f0165567_5322280.jpg

(C)2013 AKSON STUDIO SP. Z O.O., CANAL+CYFROWY SP. Z O.O., NARODOWE CENTRUM KULTURY, TELEKOMUNIKACJA POLSKA S.A., TELEWIZJA POLSKA S.A. ALL RIGHTS RESERVED


ベルリンの壁が倒れ、ソ連邦が崩壊する少し前、
東欧の人々が続々と脱出する様子を海外ニュースで見て異様な高揚感を覚えました。
あの時ほど世界が、歴史がいま目の前で動いていると実感したことはなかったような気がします。

東欧の民主化から25年。
レフ・ワレサはその口火となったポーランドのグダンスクで独立自主労組「連帯」を率いた初代委員長です。

当時、中学生や高校生だった方ならあの立派な口髭のおじさんを覚えておいでではないでしょうか。

レフ・ワレサ Lech Wałęsa
あちらの読み方だとレフ・ヴァウェンサと表記した方が正しいのだそうです。
そう言われても、ワレサの方がなじみ深いですからねえ。

レフ・ヴァウェンサ、いや、やっぱりワレサでいきます。


レフ・ワレサ
1943年9月29日生まれ。職業訓練学校を卒業後、
1967年グダンスクのレーニン造船所の電気工となる。
1969年、ダヌタ夫人と結婚。
1970年に食糧暴動の悲劇を目撃し、1976年以降、スト委員会の一員として活動。
1980年には物価値上げに端を発した造船所の争議を指導。
バルト海沿岸工場間ストライキ委員会に就任。グダンスク合意を勝ち取り、「連帯」の委員長となる。
1981年10月、全国大会で再選されるが、
12月ポーランド政府が戒厳令を発令し、
翌年11月まで身柄を拘束される。
1983年10月、ノーベル平和賞受賞。
1988年~89年の政府・「連帯」・カトリック教会との円卓会議実現に尽力。
1989年、「連帯」合法化後ポーランド初の部分的自由選挙で「連帯」を勝利に導く。
非共産主義政権発足。
1990年大統領に就任。1995年まで務める。

最近はあまり姿をお見受けしないという点でもまさに生きながらにしてレジェンドと化したワレサ氏であります。

f0165567_5432079.jpg

その生きた伝説レフ・ワレサを映画化したのが、
これまたポーランド映画界のアンジェイ・ワイダ監督。
今年米寿を迎えながら次々と話題作を送り続ける巨匠です。

アンジェイ・ワイダ監督。
その作品を初めて観たのは近所の名画座だったような。
「灰とダイヤモンド」(‘58)。
ズビグニエフ・チブルスキー演ずる主人公が干したシーツにしがみつきながら倒れるシーンが
思春期の少女(わたしのことです)の心をぶちぬきました。
この作品でアンジェイ・ワイダの名前を覚えました(遠い目)。

そのワイダ監督はグダンスク・レーニン造船所の労働者をテーマに
「大理石の男」(‘76)[鉄の男](‘81)と戦後ポーランドの変わりつつある時代を撮ってきました。

本作「ワレサ 連帯の男」は「男」シリーズから約30年を経て
三度同じテーマで描いた作品です。

f0165567_5445992.jpg

1970年から1980年代の東欧の国々はソ連の下、社会的に束縛され、経済的にも苦しく、
非常に困難な状況にありました。
1968年チェコ・プラハの春をソ連の戦車が踏みにじった光景もショッキングなものでした。
本作の舞台ポーランドでも同様に、人々は食糧を、そして、自由を、連帯を求め、闘っていました。
そのことを映画に記録し、後世に伝えるのは、同時代を生きた自分しかいない――
間もなく90歳になろうとするアンジェイ・ワイダ監督がまさにライフワークとして
メガホンをとったのが「ワレサ 連帯の男」です。

さあ、いったいワイダ監督は何を残そうとしたのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。
乞うご期待でございます。



毎度お手数をおかけしますが、今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆3月24日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ワレサ 連帯の男
監督/アンジェイ・ワイダ、脚本/ヤヌシュ・グウォヴァツキ、撮影/パヴェウ・エデルマン、美術/マグダレナ・デュポン、音楽/パヴェク・ムィキェティン、製作/ミハウ・クフィェチンスキ
出演
ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ/レフ・ワレサ、アグニェシュカ・グロホフスカ/ダヌタ・ワレサ、マリア・ロザリア・オマジオ/オリアナ・ファラチ、ミロスワフ・バカ/造船所所長、マチェイ・シュトゥル/神父、ズビグニェフ・ザマホフスキ/公安職員、ツェザルイ・コシンスキ/公安職員
4月5日(土)より岩波ホールにてほか全国順次ロードショー
2013年、ポーランド映画、ポーランド語・イタリア語、127分、字幕翻訳/久山宏一、吉川美奈子、提供/ニューセレクト、NHKエンタープライズ、配給/アルバトロス・フィルム
http://walesa-movie.com/

by Mtonosama | 2014-03-24 05:58 | 映画 | Comments(4)