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殿様の試写室

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                   サラの鍵 -1-
                       Sarah’s Key

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        ©2010-Hugo Productions-Studio37-TF1 Droits Audiovisuel-France2 Cinema

              これまで生きてきた150年間に、大泣きした映画があります。
                 「禁じられた遊び」(‘52 ルネ・クレマン監督)
                 「ひまわり」(‘70 ヴィットリオ・デ・シーカ監督)
                 「火垂るの墓」アニメ版(‘88 監督/脚本 高畑勲)
                           が、それです。

            「禁じられた遊び」は中学の時、学校の映画鑑賞会で観たのですが、
           泣いて、泣いて、泣いて、泣き過ぎて、頭が痛くなってしまったほどでした。
            「ひまわり」は初めて観た劇場で泣き、再放送で泣き、何度観ても泣き、
               あのヘンリー・マンシーニの曲を思い浮かべるだけで泣き、
                 今では自分がどこで泣くか、完全に把握しています。
       「火垂るの墓」はアニメだけに人前で泣くのはさすがに恥ずかしいのでコソコソ泣きますが、
                  一人で観ているときには安心して号泣します。

                    この3作に共通する主題は戦争でした。

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                今回、当試写室で上映する「サラの鍵」も戦争がテーマです。
        それもフランスにおけるユダヤ人の一斉検挙(La Rafle)を物語の根幹に据えたお話。
       今年7月当試写室で上映した「黄色い星の子供たち」http://mtonosama.exblog.jp/16213471/
                と同じくフランスにおけるユダヤ人迫害を描いた映画です。

              「黄色い星の子供たち」は、脚本も担当したローズ・ボッシュ監督が、
                          当時の資料を読みこみ、
               戦後に製作されたラジオやテレビのインタビューを探し出し、
               わずかに生き残った事件の関係者たちからその内容を聴き取り、
              フランス人として初めて、この事件の全貌を形にしようとしたものなら、
              「サラの鍵」はタチアナ・ド・ロネという作家の小説を映画化したもの。

              戦時中、フランス政府が行った暴挙を、初めてフランス人のみならず、
                私たちの前にはっきりと示したのが「黄色い星の子供たち」。
                そして、「サラの鍵」は、小説という更に一歩踏み込んだ形で、
              ユダヤ人一斉検挙と、それを体験したサラのその後を描いています。

                「サラの鍵」の中で、1人のジャーナリストがこの事件を取材し、
              最初は事件とは一定の距離をおきつつ、客観的に関わっていたのに、
         歴史の闇を手探りしつつ、やがて自分の全存在を賭けて、サラを追いかけていく━━━

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                       10歳の少女サラのその後の人生と、
         人は過去とのつながりを断って生きる存在であってはいけないことを知ってしまった
                 ジャーナリストの目が、この映画に深さを与えています。

                 「黄色い星の子供たち」がユダヤ人一斉検挙という事件を
                   まずは全体で捉えて提示してくれた映画だとしたら、
                「サラの鍵」はサラという女性にレンズを固定し、定点観測のように、
                 戦時中フランスで起こったこの悲惨な事件を描いた映画です。

          実は、「黄色い星の子供たち」でもラストシーンでしゃくりあげて泣いてしまいました。
             試写室の隣席におすぎさんがいらしたので「なによ。うっとおしいわね」と
                 思われたのではないかと、余計な心配をしていたとのです。

                   でも、本作「サラの鍵」では涙が出ませんでした。
                              なぜでしょう。
                 サラとジュリアの人生がパラレルワールドのように描かれつつ、
              ミステリアスに観客を導いていくので、泣いているヒマがありませんでした。
       それと、思いもかけないサラの人生にまばたきすることすら忘れてスクリーンをみつめていたので
               湧き出した涙も瞳の上で乾いてしまったのが、その理由でしょうか。
                          深く重く感動的な映画でした。

      ジャーナリストを演じたクリスティン・スコット・トーマス(「イングリッシュ・ペイシェント」)が良かったぁ。
                     アメリカ出身のジャーナリストという設定なので、
           ほんとだったら、正義感をふりかざした大げさな演技になってしまうと思うんです。
                     もう「わかった、わかった」って言いたくなる感じで。
           でも、彼女、ほとばしる感情を抑え、静かに、深い悲しみと怒りを示していました。

            そして、さらにすごいのがサラの少女時代を演じたメリュジーヌ・マヤンス。
                       鬼才フランソワーズ・オゾン監督をして
                     「メリュジーヌは幼い少女ではなく、女優なのだ」
              と言わしめた名女優。すごい!としか言いようのない演技でした。

            さあ、どんなお話なのでしょうか。続きは次回までお待ちくださいませ。

                                

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サラの鍵
監督/ジル・パケ=プレネール、脚本/セルジュ・ジョンクール、ジル・パケ=プレネール、原作/タチアナ・ド・ロネ、製作/ステファーヌ・マルシル/ヒューゴ・プロダクションズ、撮影/パスカル・リダオ、音楽/マックス・リヒター
出演
クリスティン・スコット・トーマス/ジュリア、メリュジーヌ・マヤンス/サラ、ニエル・アレストリュプ/ジュール・デュフォール、フレデリック・ピエロ/ベルトラン(ジュリアの夫)、エイダン・クイン/ウィリアム・レインズファード、ミシェル・デュシューソワ/エドゥアール・テザック、ドミニク・フロ/ジェヌヴィエーヴ・デュフォール、ジゼル・カサドシュ/マメ、ナターシャ・マシュケヴィッチ/ミセス・スタルジンスキ、アルベン・バジュラクタラジ/ミスター・スタルジンスキ、サラ・パー/レイチェル、カリーナ・ヒン/ゾイ(ジュリアの長女)、ジョージ・バート/リチャード・レインズファード、シャーロット・ポートレル/成長したサラ
12月17日(土)銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館他全国順次ロードショー
2010年、フランス映画、111分、後援/フランス大使館、協力/ユニフランス・フィルムズ/東京日仏学院、配給/ギャガGAGA★
http://www.sara.gaga.ne.jp/

by mtonosama | 2011-11-20 06:33 | 映画 | Comments(8)