ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:ヴィム・ヴェンダース監督 ( 5 ) タグの人気記事


誰のせいでもない
-2-

EVERY THING WILL BE FINE


f0165567_5182284.jpg

(C)2015 NEUE ROAD MOVIES MONTAUK PRODUCTIONS CANADA BAC FILMS PRODUCTION GÖTA FILM MER FILM ALL RIGHTS RESERVED.


ヴィム・ヴェンダースを畏敬しています。
だから、その作品に臨むときはつい身構えてしまうし、緊張します。
憧れの人に会うときって、そういうものですよね。
『ベルリン・天使の詩』を観たときがそうでした。
今回も久々の彼の劇映画ですから身構えました。

しかし、
彼は熟成していました。
同時に、更なる進化を遂げていたのです。

ストーリー
凍った湖上の小屋で小説を書くトマス。
朝、小屋を出ると釣り人達が釣果を自慢している。
愛想よく言葉を交わすトマス。
だが、彼は作品に行き詰まっていた。
心配して頻繁に電話をかけてくる恋人のサラ。

その日の夕暮、トマスは車を走らせていた。
雪が舞い、視界は悪い。
突然、丘の上から橇が滑り落ちてきた。
間一髪で停まる車。
慌てて車から降りると、呆然とへたりこむ幼い少年。
怪我はない。
ホッとして少年を家に送り届けるトマス。
ドアを開けてにこやかに出迎えた母ケイトだったが、
息子を見て顔色を変えた―――

弟の姿がなかったからだ。

車を運転していたのはトマス。
小さな兄弟を雪の中で遊ばせ、読書に耽っていた母ケイト。
弟に注意を払うべきだった小さな兄クリストファー。
子供の死は誰のせい?
いや、誰のせいでもない。

だが、事故はトマスの心に深い傷跡を残した。
恋人サラとの関係も壊れた。
しかし、彼には書き続けることしかできない。

2年後
作家として成功したトマス。
あの事故から初めて現場を訪れ、ケイトと出会う。
ある日、ケイトはトマスを呼び出し、家へ招いた―――

4年後
トマスは編集者のアンとその娘ミナと新しく生活を始める。
ある日3人で遊園地に行くと観覧車が倒れてきた。
事故に遭った女性を冷静に救助するトマス。
その落ち着き払った姿に一抹の不安を感じるアン。

ある晩、アンと二人で出かけたコンサートでトマスはかつての恋人サラに出会う。
トマスの悪意はないが、不用意な言葉を受け、
苦しかった彼との日々を思い出したサラは思わず彼の頬を打つ。

f0165567_5195354.jpg

11年後
トマスのもとにケイトの息子クリストファーからの手紙が届く。
11年前の事故の日、5歳だった彼も今や16歳。
作家になる夢を持ち、トマスに憧れ、会ってほしいという手紙だ。
だが、トマスは「作品執筆中のため、会う時間はない」と断る
が、ケイトに責められ、クリストファーと会うトマス。

クリストファーは大学に入学。
息子を育て上げたケイトは家を売り、一人で英国へと旅立つ。
トマスは作家としての地位を確立していた。
ある夜、朗読会から帰宅したトマスに小さな事件が起きる……

ものすごく乱暴に括ってしまえば、
トマスという青年が作家として成功するまでの12年間の人生が描かれています。
その間に、出会いがあり、別れがあり、事故があり、苦しみがあり、
時が流れていきました。

f0165567_5212132.jpg

クリストファーがトマスに会いにきたとき、
「小説に出てくる少年は自分がモデルか?」と問います。
悲しい事故が起こり、
そこに関連した人々がそれぞれに自分を責めながら
12年間という歳月を生きてきました。

クリストファーが「自分がモデルか?」と訊ねたのは
弟の死に対して責任を感じてきたからだし、
トマスが「君はモデルじゃない」と答えたのは、
自分が事故で感じた想いを作品化しているのではないかと
罪悪感を抱いてきたからでしょう。

歳月は誰の上にも平等に流れていきますが、
それぞれが内部に抱え込んだ想いは一括りにはできません。

心を3Dで描こうとするヴィム・ヴェンダース監督。

こんな手があったのか、と
巨匠の熟成と進化に凡人は頭をうなだれるしかありません。

もう一度、今度は3D版を観に行かねば。







今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓

にほんブログ村

☆11月16日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

誰のせいでもない
監督/ヴィム・ヴェンダース、プロデューサー/ジャン=ピエロ・リンゲル、脚本/ビョルン・オラフ・ヨハンセン、撮影/ブノワ・デビエ、立体撮影監督/ジョセフィーヌ・ドローブ
出演
ジェームス・フランコ/トマス、シャルロット・ゲンズブール/ケイト、レイチェル・マクアダムス/サラ、マリ=ジョゼ・クローズ/アン、ロバート・ネイラー/クリストファー、パトリック・ボーショー/トマスの父、ピーター・ストーメア/編集者ジョージ
11月12日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷(3D&2D)、キネカ大森(2D)T・ジョイ蘇我(3D)、12月10日(土)よりシネマート新宿(3D)ロードショー
2015年、ドイツ・カナダ・フランス・スウェーデン・ノルウェー、118分、日本語字幕/松浦美奈、配給/トランスフォーマー

by Mtonosama | 2016-11-16 05:30 | 映画 | Comments(4)
 

誰のせいでもない
-1-

EVERY THING WILL BE FINE

f0165567_5415691.jpg

(C)2015 NEUE ROAD MOVIES MONTAUK PRODUCTIONS CANADA BAC FILMS PRODUCTION GÖTA FILM MER FILM ALL RIGHTS RESERVED.


ヴィム・ヴェンダース監督といえば
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』('98)
『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』('11)
http://mtonosama.exblog.jp/17198768/ http://mtonosama.exblog.jp/17210360/
『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(‘14)
http://mtonosama.exblog.jp/24281138/ http://mtonosama.exblog.jp/24291511/
といった卓越したドキュメンタリー映画が印象的です。

劇映画でいえば
『パリ・テキサス』(’84)
『東京画』(‘85)
『ベルリン・天使の詩』(’87)
等のちょっと尖った作品、
そして、
『都会のアリス』('73)
『まわり道』(’75)
『さすらい』(’76)
のロードムービー三部作を思い浮かべます。

いずれにせよ、作品を発表する度にファンの心を騒がせてくれる監督であります。

f0165567_5555251.jpg


今回はドキュメンタリーが二作続いた後の劇映画です。

これがまた尖った印象もなければ
ロードムービーでもありません。

主要登場人物は作家志望の男と
3人の女。
一寸見、普通の映画です。
天使も覗き見バーも出てきませんし、
ライ・クーダーの物悲しいギターの響きもありません。

f0165567_5453764.jpg

男がいて、恋人がいて、雪の中で交通事故を起こし、
事故にあった子供の母親と出会い、
12年の年月が流れ、
作家志望の男は作家になり、
新しい家族と出会う。

1人の男と3人の女とその子供たちの12年の年月が描かれています。

筋立てとしては極めて普通です。
ただ、登場人物が内省的なのが普通とはいいきれないところ。
(その前に「普通ってなによ」という問題はありますけどね)

本作がユニークなのは3D映画だということ。
『Pina』の時も3Dでした。
ダンスやアクションに3Dというのはわかります。
でも、なんで普通の劇映画で3Dの必要が?
と思ったとの。
ああ、バカでした。
ヴィム・ヴェンダースが3Dといえば3Dなのです。

眼鏡を二つ重ねるのは嫌だとか、
なんのために人は想像力を持っているのだとか・・・
つまらないこだわりから本作を2Dで観てしまったのです。

もちろん2Dも良かったですよ。
でも、監督の真の狙いを体感するためには
やはり3D版を見るべきでした。

f0165567_614573.jpg


本作は、心の中での自分との対話、あるいは内省といったものが
主要な部分となっています。
心の中というのは人間の奥深い部分。
つまり奥行きです。
3Dは平面に奥行きをプラスしたもの。
もちろん観客は心の中を想像することはできます。
でも、心の深奥を3Dで表現したとしたら・・・
これ、想像を超えています。

3Dはアクションものの専売特許じゃありませんでした。
どこかで3Dをなめていたことを深く反省します。

とのは浅知恵から2Dで観てしまいましたが、
皆さまにはぜひ3Dでご覧になることをお勧めします。

主人公を演じたのはジェームス・フランコ。
思わぬ事故から抱えることになる罪悪感と向き合いながら生きる作家志望のトマスを
静かに、知的に、そして、戸惑いを見せながら演じました。
だから、彼が、あの超音速監督ダニー・ボイルの
『127時間』の主人公とは最初わかりませんでした。
http://mtonosama.exblog.jp/15998518/ http://mtonosama.exblog.jp/16013752/
彼、俳優のみならず
プロデューサー、監督としても活躍し、
本作で演じたトマス同様作家でもあります。
多才ですね。

さあ、巨匠ヴェンダース久々の劇映画。
いったいどんな作品でしょう。
続きは次回まで乞うご期待です。



今日もポチッとお願いできればうれしゅうございます♪
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆11月13日に更新しました。いつも応援して下さってありがとうございます☆

誰のせいでもない
監督/ヴィム・ヴェンダース、プロデューサー/ジャン=ピエロ・リンゲル、脚本/ビョルン・オラフ・ヨハンセン、撮影/ブノワ・デビエ、立体撮影監督/ジョセフィーヌ・ドローブ
出演
ジェームス・フランコ/トマス、シャルロット・ゲンズブール/ケイト、レイチェル・マクアダムス/サラ、マリ=ジョゼ・クローズ/アン、ロバート・ネイラー/クリストファー、パトリック・ボーショー/トマスの父、ピーター・ストーメア/編集者ジョージ
11月12日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷(3D&2D)、キネカ大森(2D)T・ジョイ蘇我(3D)、12月10日(土)よりシネマート新宿(3D)ロードショー
2015年、ドイツ・カナダ・フランス・スウェーデン・ノルウェー、118分、日本語字幕/松浦美奈、配給/トランスフォーマー

by Mtonosama | 2016-11-13 05:55 | 映画 | Comments(7)

もしも建物が話せたら
-2-
Cathedrals of Culture

f0165567_4591838.jpg

(C)Heikki Farm

ハルデン刑務所

マイケル・マドセン監督がその話を聞いたのは
世界一受刑者に対して人道的であり、
甘やかしているともいわれるノルウェーのハルデン刑務所。

ノルウェーは国連によって選ばれた
「世界一豊かで住みやすい国」第1位の国。
そのノルウェーのハルデンにある刑務所です。
2010年に竣工された収容人員252名、総工費20億円の建物。
懲罰よりも更正・社会復帰を目的としています。

刑務所は語ります。

「私はここの刑務所の警戒を厳重にしている壁だ。
私の内側は小さな村のようだ。
私がこの村を外の世界と切り離している。
私の内側にはルールがある。
新しく入ってくる人々はここのルールを理解できない。
私はここのルールしか知らない。
ほとんどのルールは厳しく絶対だ。
誰かがルールを破ったらどうなるかも決まっている・・・」

めったなことでは見ることのできない外国の刑務所の内部。
興味津津です。
独房も、懲罰房も、面会家族が宿泊できる家も、
「これが刑務所?」と思わず声をあげたくなるものでした。
ノルウェーってすごい!


ソーク研究所

f0165567_51372.jpg

(C)Alex Falk

ロバート・レッドフォード監督が紹介するのは
カリフォルニア州サンティエゴ郊外ラホーヤにあるソーク研究所です。
ここはジョイナス・ソークによって創設された生物医学系の研究所で
1963年に竣工されました。
研究者の数は1000人にも満たない小さな研究所ながら
研究論文の引用度は世界でも1、2を争っています。
教授陣は各研究分野の先端を走っているとのこと。

土地には魂が宿り、
その地に建った建物にも霊気や魂が住みつくのかもしれません。
海に向かって、どの棟も風や陽光を受け入れ大きく腕を開くように配置された各研究棟。
どこか神殿を思わせます。

ポリオワクチンの開発者であり、
この研究所の創設者であるジョイナス・ソーク。

「彼は直感的に優れた科学を生むためには
心の深層に作用する環境が重要だと知っていた」

監督ロバート・レッドフォードがこの建物に語らせたかった言葉です。


オスロ・オペラハウス

f0165567_525276.jpg

(C)Oystein Mamen

1970年ノルウェーに生まれ、
ベルゲンとオスロでジャーナリズムとドキュメンタリーの制作を学んだ
マルグレート・オリン監督が紹介する建物はオスロ・オペラハウス。

2008年オスロ市の海に面して建てられたノルウェー最大の文化施設。
スノヘッタ建築事務所の設計です。
オペラやバレエの舞台であり、レッスン場もあります。
海から続くかのような大きな屋根を人々は歩くこともでき
多くの市民が訪れます。
そう、あのバレエボーイズたちも。

オペラハウスは語ります。

「あなたが中に入るまで、あなたの筋肉がステップを踏むまで、
私はただの家だ。
家にできることは私の大理石に記憶を保つこと。
あなたが去ってもここに残ること。

あなたの跳躍と、希望と失敗を私に与えて。
それを鉄と木と記憶の箱にしまっておく」


ポンピドゥ・センター

監督はカリム・アイノス。
レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャーズによって設計され
1977年に開館したポンピドゥ・センター。
完成当初その奇怪な姿は
エッフェル塔が出来た時のパリ市民の驚きにも
まさるとも劣らないものだったことでしょう。

この建物が表現するのは人々の期待や陽気なユートピア。
幅の広いカルチャーを提供し、多くの人が訪れています。

その姿に似ず、早起きな建物は語ります。

「毎日私は夜明けの直前に目覚める。
それは私の大事な時間。人々が来る前に独りになれる時間だ。

私ができたばかりの頃人々は驚いた。
今私を見ても誰も騒がない。
日中、来館者は私の中をさまよう。
それぞれが何かを求めて。
夜になると人々は劇場とパフォーマンス・スペースにやってくる。

今はデジタル時代。
カルチャーマシンの私は暴力的で驚異的だとみなされたが
蒸気機関のような懐古的な存在になった。
世界が変わっていくのはわかっている。
私は毎日少しずつ古びながら人々の経験を学んでいる。
私は芸術作品だ。
私は古代都市に係留された飛行機だ。

私は楽観的に生命の可能性を感じる」

・・・

6つの建物のおしゃべりはいかがだったでしょう。
古い建物から新しい建物まで皆饒舌で
是非訪れて彼らの生の声を聴きたくなってしまいます。

監督達は皆一様に建物には魂がある
と言っていますが、本当にそうかもしれません。

ある建物に入ってホッとするものとそうでないものがあると思いませんか。
ホッとするのはその建物の魂と交感できたとき
そうでないときは気が合わないとき。

さあ、みなさまが交感できる建物はどれでしょう。






今日もポチッとお願いできれば嬉しいです♪
↓↓↓↓↓

にほんブログ村
☆2016年2月22日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

もしも建物が話せたら
監督/ヴィム・ヴェンダース、ミハエル・グラウガー、マイケル・マドセン、ロバート・レッドフォード、マルグレート・オリン、カリア・アイノズ
製作・提供/WOWOW、配給/アップリンク
2016年2月20日(土)渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー
2014年、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、オーストリア、フランス、アメリカ、日本、165分、英語、http://www.uplink.co.jp/tatemono/

by Mtonosama | 2016-02-22 05:12 | 映画 | Comments(4)

セバスチャン・サルガド
地球へのラブレター
-1-
The Salt of the Earth

f0165567_5431532.jpg

(C) Sebastiao Salgado (C) Donata Wenders (C) Sara Rangel (C) Juliano Ribeiro Salgado


セバスチャン・サルガドはこれまで戦争、難民、虐殺。
人間の弱さと世界の闇の部分を撮り続けてきました。

もう限界だった・・・
もはや人間の救済など信じられなくなっていた・・・

そう本人も語っています。

そして、戦地から地上の楽園を探す旅に出ました。
「GENESIS」。
辞書には〈起源〉、〈発生〉とあります。
もうひとつ〈創世記〉という意味も。

2004年から始まったこのプロジェクトは
ダーウィンの足取りを辿ることをコンセプトに
ガラパゴス、アラスカ、サハラ砂漠、ブラジル熱帯雨林など
地球の原始の姿をカメラにとらえるものです。

そのプロジェクトには既にセバスチャン・サルガドの長男
ジュリアーノ・リベイロ・サルガドが同行し、
もう何時間分ものドキュメンタリー素材がありました。

実はヴィム・ヴェンダースもシベリアとナミビアでの気球での
撮影旅行に参加する予定でしたが、病気のため泣く泣くキャンセル。
その代わり、セバスチャンの写真の選択とパリでのインタビューの撮影に専念しました。

f0165567_5475647.jpg

映画ではヴェンダースが選び抜いたセバスチャンの写真と
「GENESIS」の撮影の様子
妻レリアとの日々
長男ジュリアーノやダウン症の次男との暮らし
そして故郷ブラジルの大地に植樹する姿
などが描き出されています。

セバスチャン・サルガドを讃える言葉やその受賞歴。
彼についていくつも言葉を弄するよりもまずはその作品を見るべきかもしれません。
その写真には圧倒されます。
当試写室でお見せできないのは残念です。
ま、それは映画館で是非ご確認くださいませ。

被写体と共に何ヶ月も暮らす中から生まれる彼の画像には
被写体の苦悩や痛みも滲んでいるのですが、
なによりもそのような撮影方法は撮影者の心にも体にも苦痛をもたらします。
事実ルワンダ撮影から帰ってきたサルガドはそのあまりに衝撃的な惨状によって
鬱状態に陥った程です。

f0165567_5494941.jpg

ヴィム・ヴェンダースはサルガドの長男ジュリアーノ・リベイロ・サルガドの協力を得て、
この稀有な写真家の生涯最後の壮大なプロジェクト「GENESIS」の全貌を追います。
天地創造を思わせる荘厳な画像はまさに神の視線です。
その咆哮や息遣い、臭いまで感じられる海獣やペンギンの群れ。
その円い瞳に写り込んだサルガドの姿を見て、
ああ、これも写真なのか、と彼の写真の凄さを思い知らされます。

難民の悲劇、貧困、労働。
映画はサルガドの作品を見せながら、
故郷のジャングルを復元させるサルガド夫婦の現在の姿やこれまでの人生も描き出します。

しかし、なんといってもサルガドの作品群のすばらしさ。
その構図、視座。まさにGENESIS=創世記を彷彿させます。
オリジナルタイトルは”The Salt of the Earth”=地の塩。
この写真家は神の視線と神の手を持っているようです。
ヴィム・ヴェンダース監督は素晴らしい素材に出会いました。





今日もポチッとお願いします。
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆7月27日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター
監督/ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、プロデューサー/デヴィッド・ロジエール、エグゼクティブプロデューサー/ヴィム・ヴェンダース、撮影/ヒューゴ・バルビエ、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、音楽/ローレント・ピティガント
8月1日(土)Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー
2014年、フランス・ブラジル・イタリア、110分、日本語字幕/岩辺いずみ、字幕監修/吉田徹、提供/RESPECT(レスペ)、配給/ RESPECT(レスペ)×トランスフォーマー、特別協力/TASCHEN(「GENESIS」)、河出書房新社(「わたしの土地から、大地へ――セバスチャン・サルガド自伝(仮)」7月刊行予定)、http://salgado-movie.com/

by Mtonosama | 2015-07-27 05:57 | 映画 | Comments(7)

セバスチャン・サルガド
地球へのラブレター
-1-
The Salt of the Earth


f0165567_5591183.jpg

(C) Sebastiao Salgado (C) Donata Wenders (C) Sara Rangel (C) Juliano Ribeiro Salgado


わが敬愛するヴィム・ヴェンダース監督の最新作です。
そして、その監督が更に敬愛する写真家セバスチャン・サルガドの写真と人生と
思わず息を呑む光景から構成されたドキュメンタリー映画ときたら
これを見ない法はありましょうか。

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(‘99)、
『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(‘10)
http://mtonosama.exblog.jp/17198768/  http://mtonosama.exblog.jp/17210360/
などを送りだしたヴィム・ヴェンダース監督。

f0165567_62794.jpg

彼は写真家でもあるのですが、
ある日セバスチャン・サルガドが撮影した1枚のモノクロ写真に衝撃を受けました。
それはアフリカ難民の盲目の女性を写したものでした。

恐らくはそれほど年老いてはいないと思われますが、
眉間には深い皺が刻まれ、見えない目でカメラを凝視している女性。
心をざわつかせるような写真です。
その写真に感銘を受けたヴィムは
サルガドの写真展「人間の大地 労働」を観に行き、
猛烈なファンになってしまいました。


セバスチャン・リベイロ・サルガド
1944年2月22日、ブラジル、ミナス・ジェライス州(Minas Gerais)アイモレスの小さな農場主の息子として生まれ、サンパウロ大学で経済学修士を取得したのち、ブラジル大蔵省に勤務。69年にパリに夫人とともに移住。パリ大学で農業経済学博士課程修了。ロンドンに本部を置く国際コーヒー機関に勤務した後、73年にパリに移り、フリーの写真家となる。
ユージン・スミス賞はじめ40年にわたり50以上の報道写真賞を受けた報道写真家であり、生地ブラジルのジャングルの保全や復元に邁進する環境活動家としても知られている。パリを拠点に、飢餓や貧困、戦争などで過酷な状況に追い込まれた人々をテーマとし、現地に赴きモノクロ写真で被写体に何ヶ月も密着して撮影するスタイルで知られる。ブラジルの露天掘りの金山で働く人々を撮った「セラ・ペラダ金鉱」(‘86)などが代表作。1986年から6年をかけて23カ国を訪れて撮ったシリーズ「WORKERS」はサルガドの名前を世界に知らしめた。

主な写真プロジェクト
1978年 リオデジャネイロ郊外の住宅4000戸の生活環境問題を取材
1979年 ヨーロッパにおける移民の多様性を取材
1977~84年 ラテンアメリカの農民や全住民の子孫らの生活を取材
1984~85年 フランスの「国境なき医師団」の協力でアフリカ・サヘル地域の旱魃による飢餓を取材
1986~92年 集団的肉体労働の終焉を26ヶ国で取材
1994~99年 地球規模で移動する人々を取材
2001年 ユニセフと世界保健機構の「ポリオ撲滅キャンペーン」のため現地取材
2004~11年 GENESISプロジェクトのため、世界各国を取材

本当は彼の受賞歴や写真展、写真集などもご紹介したいところですが、
あまりにも膨大なので省略させていただきました。

f0165567_635654.jpg

本作でヴィム・ヴェンダース監督と一緒に監督をしている
ジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督はセバスチャン・サルガドの長男です。


ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
1974年パリに生まれる。1996年にアンゴラの対人地雷の使用を題材とした最初のドキュメンタリー「Suzana」をフランスのテレビ局アルテのために製作。エチオピア、アフガニスタン、ブラジルでドキュメンタリーを製作すると同時に、フランスのテレビ局キャナルプラス+とブラジルのテレビ局Globodeでニュース番組に携わる。The London Film Schoolを2003年に卒業。以後、主にフランステレビ局の短編映画とドキュメンタリーを製作。

さあ、一体どんな映画なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



今日もポチッとお願いします♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆7月24日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター
監督/ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、プロデューサー/デヴィッド・ロジエール、エグゼクティブプロデューサー/ヴィム・ヴェンダース、撮影/ヒューゴ・バルビエ、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、音楽/ローレント・ピティガント
8月1日(土)Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー
2014年、フランス・ブラジル・イタリア、110分、日本語字幕/岩辺いずみ、字幕監修/吉田徹、提供/RESPECT(レスペ)、配給/ RESPECT(レスペ)×トランスフォーマー、特別協力/TASCHEN(「GENESIS」)、河出書房新社(「わたしの土地から、大地へ――セバスチャン・サルガド自伝(仮)」7月刊行予定)
http://salgado-movie.com/

by Mtonosama | 2015-07-24 06:15 | 映画 | Comments(11)