ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:中村俊喜さん ( 1 ) タグの人気記事

f0165567_51881.jpg

                      (c)2006 フジテレビ/東方吉祥
泣きながら生きて

テレビの人気番組が映画になるというのが最近多いです。
なんでしたっけ?「事件は現場で起きているんだっ!」って映画とか
ニュースで放映された24歳の乳ガン女性のドキュメンタリーが反響を呼び
映画化された「余命1ヶ月の花嫁」とか
アメリカだったら「セックス・アンド・ザ・シティ」がそうですね。
でも、どれも、映画としてつくられた作品です。

「泣きながら生きて」は2006年11月3日全国ネットで放映され、
反響を呼んだテレビドキュメンタリーです。
この映画は、テレビ番組がそのまま映画館のスクリーンで上映されます。
そこだけ見ると、実に安直、手を抜いているのでは…

が、しかし

「泣きながら生きて」は放映されて以来
多くの視聴者から、再放送やDVD化を望む声が高かった作品で
ある中国人一家の10年間を記録したドキュメンタリーです。

今回このテレビドキュメンタリーを異例の劇場公開とするために
一人の大学生が動きました。http://ameblo.jp/nakinagara-ikite/
「高校生の時、何のために勉強しているのか誰も教えてはくれなかった。
就職活動の最中、人はなぜ働くのかわからなくなった。
おおげさかもしれないけれど、僕の人生はこの作品に出会って変わった。
悩んだとき、きっとこの作品は、皆さんに寄り添って一緒に答え探しをしてくれると思います」
(慶大4年・中村俊喜さん)

本作の横山隆晴プロデューサー。彼の処女作はテレビドキュメンタリー
「別離(わかれ)の歌~飛騨高山の早春賦・『白線流し』」です。
その舞台が大学生の母校・岐阜県立斐太高校だったという偶然も重なり
今回の劇場上映が実現しました。

ストーリー
1989年、上海から35歳の中国人・丁尚彪(ていしょうひょう)さんが
希望に燃えて成田空港に到着しました。

丁さんは文化革命時、中国奥地の寒村へ下放され
ちゃんとした教育を受けることができなかった世代です。
妻とはその地で知り合い、共に苦労し、励ましあってきました。

上海で働きながら、人生の再出発を心に期していた丁さんは
ある日、街角で日本語学校のパンフレットを手にしました。
入学金と半年分の授業料で42万円。
夫婦二人が15年間働き続けないと得ることのできない金額です。
彼は親戚縁者に借金をして、お金をかき集めました。
「日本語学校で学び、日本の大学へ進学する!」

妻子を上海に残し、希望を胸に来日した丁さんでしたが、大変な現実に直面しました。

日本語学校の所在地は北海道の阿寒町。住所の末尾は「番外地」。
働いて借金を返しながら、勉強していこうと考えていた丁さんは
会社や工場はもちろん、店も、民家もない光景に息を呑みます。
日本で働きながら借金を返さなければ、勉強も続けられないし
中国へ戻ることもできません。

丁さんは、この町を脱出しました。そして、東京へやってきました。
学生でなくなった彼はビザを更新できません。
不法滞在者です。
再挑戦の夢は潰えました。

勉学への強烈な動機と意欲を持ちながら
断腸の思いで自身の夢を諦めました。
その代わり、我が子にそれを託したのです。
中国にいる家族とは何年も離ればなれのまま
早朝から、終電がなくなる時間まで、異郷で一人働き続ける丁さん。

娘は見事にNY州立大学に合格しました…


f0165567_5182929.jpg


「あなたの夢かもしれないけど、よくも10年もほったらかしにしてくれたわね。
女でもできたんじゃないの?」
「自分の夢を諦めたからって、私におしつけてないでよ」
ま、これが一般的な妻子の反応だと思うのですが。

優しく夫を支える妻と優秀な娘。
加えて、10年にわたる取材の結果が成功物語に終わったから
感動するのでしょうか。

確かに「泣きながら観る」しかないくらい、ハンカチが手放せません。

     上海からNYへ向かう娘が24時間のトランジットを利用して7年ぶりに会いに来ても
     不法滞在者ゆえに空港まで迎えに行くことも、旅立つ娘を送ることもできず
     成田空港の手前で京成電車を降り、見送る丁さん。

     妻もまた娘を訪ねるNYへのトランジットを利用して10年ぶりに夫に会います。
     服を新調し、美容院に行った妻。丁さんも東京案内のルートを考え、部屋を整えます。
     10年ぶりの新婚旅行のようにときめく2人。
     でも、やはり京成電車を空港の手前で降りて、いつまでも妻の乗った電車を見送る丁さん。
     声をしのばせて泣く妻。


f0165567_5184846.jpg


この話、単なる美しい家族愛や勉強好きのお父さんや娘の話ではありません。
どん底に落ちても諦めない丁さんの強さ。決して希望を失わない前向きな姿。
成績優秀な娘。我慢強く夫を信じ、支え続ける妻。
奇跡のようなこの3人の資質から生まれた感動のドキュメンタリー作品です。

いよいよ上海に帰ることになった丁さんは網走の語学学校跡を訪れます。
この地が彼の死にものぐるいの生活の始まりだったはずなのに
丁さんは深々と学校に向かって頭を下げました。

中国人も日本人もありません。
丁さんの人としての素晴らしさに殿も頭を下げたい気持ちになりました。

泣きながら生きて
ナレーター/段田安則、企画・プロデュース/張麗玲、構成・編集/横山隆晴、張煥琦、
撮影/張麗玲、張煥琦、遠藤一弘、横山隆晴、演出/張麗玲、張煥琦、
プロデューサー/横山隆晴、製作・著作/フジテレビ、東方吉祥
2006年、日本、カラー、108分
11月28日(土)新宿バルト9ほか全国順次上映
http://nakinagara.net/


ブログランキングに参加しています。
よろしかったら、ワンクリックをお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♡いつも応援してくださり、ありがとうございます♡
by mtonosama | 2009-11-08 05:33 | 映画 | Comments(12)