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殿様の試写室

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     闇の列車、光の旅 -2-
                     Sin Nombre

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             c2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

東南アジアは貧しくとも、雨や湿気に包まれて生い茂る木々や植物の
もたらす恵みによって本質的には豊かな地域である

というようなことを作家・写真家の藤原新也がなにかに書いていました。

その伝でいけば、強烈な陽光と石と砂の大地は、そこに暮らす人々にとって
不毛と貧しさ以外のなにものでもないのでしょうか。
加えて、内戦や社会制度の不備などで生きるすべを失い
法の網からこぼれおちた人々は生きるために
〈豊かな北〉をめざすしかないのでしょうか。

ストーリー
サイラはホンジュラスに祖母と暮らしています。
ある日、父がアメリカから強制送還されて戻ってきました。
父の望みはサイラを連れて、再度アメリカに渡り
向こうに残してきた家族と一緒に暮らすこと。
サイラにとっては気乗りのしない提案でしたが
このままホンジュラスにとどまっていても、先行きは見えないまま。
彼女は父と叔父の3人でグアテマラ、メキシコを経由して
アメリカ・ニュージャージーをめざす長く危険な旅に出ることを決意しました。

カスペルはメキシコ・チアパス州でギャングの一員として暮らしています。
彼にはリーダーのリルマゴに知られたくない秘密がありました。
それは恋人のマルタ。
カスペルにとって、彼女との逢瀬だけが生きがいでした。
しかし、そんな甘い日々はあっという間に終わりを告げます。
リルマゴに犯されそうになったマルタは激しく抵抗した挙句
そのはずみで岩に頭をぶつけて死んでしまったのです。
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一方、チアパス州までようやく辿りついたサイラたち
彼女たちと同じようにアメリカを目指す移民たちでひしめきあう貨物列車の屋根に
乗り込みました。
鈴なりの移民を乗せて列車が動き始めたとき、人々の間から悲鳴が!

リルマゴとカスぺル、そして、カスぺルが仲間に引き入れた12歳のスマイリー
3人のギャングが、移民たちからなけなしの金品を奪うため
列車の屋根に上がってきたのです。

そして、リルマゴはサイラをみつけ、銃をつきつけて強姦しようと―――
それを見たカスぺルの脳裏には愛するマルタの姿が。
リルマゴから同じようなことをされ、死んでいったマルタの姿が浮かびます。
瞬間、リルマゴは手にしていた鉈(なた)をリルマゴに振り下ろしていました。

命より重い組織との絆――
越えてはいけない線を踏み越えてしまったカスぺル
この瞬間からカスぺルは組織を敵に回し、追われる身に。

スマイリーを列車から降ろし、カスペルは一人列車の屋根の上で膝を抱えます。
組織を裏切った彼はこのまま旅を続け、逃げていくしかありません。
ところが、サイラはそんな彼に幼く淡い恋心をいだくように。
そして…

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貧困からの逃亡と組織からの逃亡
2つの逃亡のドラマが狭い列車の屋根の上で展開されます。
邦題の「闇の列車、光の旅」にあるように光への旅になるのかどうか。
カスペルとサイラの旅はそれぞれの軌跡を描きます。

移民たちが命をかけて得ようとするもの
ギャングの少年たちが血の結束を固める理由。

それは安心して食べていけるだけの最低限の生活であり、家族です。

貧しさゆえに親に捨てられた子どもたちが
濃密な血の掟で成り立つギャング集団を家族の代わりとする。
そこで人を殺すことを覚え、貧しい人からも金品を奪う。
そして親や兄弟を殺された子はさらなる貧困に陥っていく――

カスペルの悲しい目がお気楽な殿の頭をガツンとぶちのめしてくれました。


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闇の列車、光の旅
脚本・監督/キャリー・ジョージ・フクナガ、撮影/アドリアーノ・ゴールドマン、音楽/マーセロ・サーヴォス、製作総指揮/ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
出演
パウリーナ・ガイタン/サイラ、エドガー・フロレス/カスペル(ウィリー)、クリスティアン・フェレール/スマイリー、テノック・ウェルタ・メヒア/リルマゴ、ディアナ・マルシア/マルタ
6月上旬 TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
2009年、アメリカ・メキシコ、スぺイン語、96分、配給・宣伝/日活、
http://www.yami-hikari.com/

by mtonosama | 2010-04-09 06:13 | Comments(8)