ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

タグ:冬の小鳥 ( 3 ) タグの人気記事

        2010 BEST 10 OF
          殿様の試写室 
                        -5-

f0165567_6201671.jpg

                イタリアンレストラン“アマルフィ”の半円形の窓に映った光る海

                     ♪パンパカパ~ン♪
                   いよいよ1位と2位の発表です。
              しかし、この段階にきて、まだ迷っているとのです。
                   え~い、男は愛嬌、女は度胸だい!
                         いきます。


                     2位 冬の小鳥  
                        겨울새(旅人)
                        Une Vie Toute Neuve

f0165567_6213916.jpg

                 http://mtonosama.exblog.jp/14398672
                 http://mtonosama.exblog.jp/14418151/

ああ、このキム・セロンちゃんの演技には感動しました。
わずか9歳で悲しみと怒りと諦めをこれほど完璧に表現できるとは、まさに天才です。
父に棄てられ児童養護施設で暮らし、海外へ養子としてもらわれていく少女の物語でした。
監督の実体験を描いたこの作品。
そう、ウニー・ルコント監督は養子として、韓国からフランスへ渡った人です。
お涙ちょうだい映画ではありません。キムの熱演に心が震えるほど感動しました。

                    1位 君を想って海をゆく
                        WELCOME

f0165567_6224566.jpg

                 http://mtonosama.exblog.jp/15073145/
                 http://mtonosama.exblog.jp/15091252/

つい最近ご紹介したばかりの作品です。
あ、もしかしたら、まだ公開中ですね。記憶に新しすぎるからフェアじゃないよな、
とも思いましたが、やっぱり1位に選んでしまいました。
水泳、愛、別離、社会問題―――
映画にとっての必須テーマが、これでもか、とつまっています。
(もちろん、多くの方にとって水泳は必須というわけではないでしょうが^_^;)
みなさん、冬のドーヴァー海峡を渡ることは並大抵のことではありません。
感動の水泳シーンをぜひご自身の目でご確認ください。
水泳は移動手段であると同時に自由へ導く大きな翼でもあるのです。

感動した!

2010年とのの独断で決まったシネマBest10いかがでしたでしょうか?
2010年公開作はこれでおしまいです。
次回からは2011年の公開作をご紹介しますね。

しかし、時の過ぎ去るのは早いものです。

                           

ブログランキングに参加しています。
今日もポチッとお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♪12月22日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-12-22 06:43 | 映画 | Comments(8)
             冬の小鳥 -2-
                겨울새(旅人)
                Une Vie Toute Neuve
                A Brand New Life

f0165567_544659.jpg

  © 2009 Copyright DCG Plus & NOW Films, GLORIA Films. All Rights Reserved.

♪あなたは知らないでしょうね
 どれだけ愛していたか
 時が流れればきっと後悔するわ
 寂しい時や沈んでいる時は
 名前を呼んでください
 私はそこにいるわ…… 「あなたは知らないでしょうね」 

     1975年に韓国で大ヒットした清純派歌手へウ二のデビュー曲。
     2001年にアイドルグループ「ピンクル」が歌いリバイバルヒットしました。

少女は細い声で大好きなおとうさんに連れてきてもらった焼肉屋さんでこの歌を歌います。
新しいよそゆきの服を着て、おとうさんと二人で宿に泊まり、ケーキを買い、バスに乗り、
そして、冬枯れの畑の中に建つ大きな門のある建物に着きました。

ストーリー
1975年。9歳のジニが父に連れられてやってきたその建物の庭では
小さな子どもたちが遊んでいました。
ジニは父と離され、子どもたちのいる部屋に通されますが、
事情がわからないジニは表へ飛び出します。
その時、彼女の眼に映ったのは門の向こうへ去っていく父の後姿でした。

そこは、事情があって親と暮らすことのできない女の子たちを集めた
カトリック系の児童養護施設。

ジニは自分には親がいるのだと主張し、
院長先生に父と連絡を取ってくれるように頼みます。
食事にも手をつけず、寮母やシスターたちに反抗し続けるジニ。
とうとう脱走し、門の外へ飛び出しました。
でも、小さなジニがひとりでどこへ行けるというのでしょう。

日曜日、子どもたちはよそゆきに着替えて教会に向かいます。
年上のスッキが支度の遅いジニの世話を焼いてくれます。
礼拝中「父よ。なぜ私をお見捨てになったのですか」
という聖書の一節を聞くともなく聞くジニ。
その視線の先には仲良く寄り添う信者の父娘の姿がありました。

健康診断の日、施設に来た理由を医師に問われたジニはポツリポツリと語ります。
父親と新しい母との間に生まれた赤ちゃんの足に安全ピンが刺さっていたこと、
それが彼女の仕業だと思われたこと―――
語りながら、ジニの目から大きな涙がこぼれました。

f0165567_5452493.jpg

ジニとスッキは仲良しになりました。
ある日、2人は庭で傷ついた小鳥をみつけ、世話をすることに。
遠い外国で養子になることへの憧れを楽しそうに話すスッキのおしゃべりを聞きながら、
「わたしはどこにも行かない」とつぶやくジニ。
養子縁組を望むアメリカ人夫妻が施設にやってきたときも、
スッキは英語を交えて積極的に自己アピールしますが、ジニは何も話しません。
小鳥も死んでしまいました。

2人に関心を持ったアメリカ人夫妻が再び施設を訪れました。
スッキはジニに一緒に外国へ行こうと誘います。少しだけその気になるジニ。
ですが、スッキだけが彼らの養子になって、施設を出て行ってしまいました。

再び、心を閉ざすジニ。
そして、ジニはもう一度、院長先生に父の住所を訪ねてほしいと懇願するのでした…

9歳の少女は自分が父に捨てられるなどと、思ってもいませんでした。
スクリーンでジニが抵抗し、諦め、やがて、受け入れる様を観ながら、
エリザベス・キューブラー・ロスの「死の受容のプロセス」を思い出しました。

エリザベス・キューブラー=ロスが『死ぬ瞬間』の中で発表したもの。
以下のように纏められている。すべての患者がこのような経過をたどるわけではないとも書いている。
    否認 :自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階
    怒り :なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階
    取引 :なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階。
    何かにすがろうという心理状態である。
    抑うつ :なにもできなくなる段階
    受容 :最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階
(Wikipediaより)

f0165567_5463465.jpg

子どもが親に捨てられるということは、死に等しいことです。
施設に預けられれば、体だけは生きていくことができます。
でも、その心は死にかかっています。

ラストでは1人で飛行機に乗ってフランスに向かうジニの姿が映し出されます。
この映画のすべてがウニー・ルコント監督の実人生と重なるというわけではありませんが、
そのシーンを観れば、
ジニは新しい両親に迎えられ、素晴らしい子ども時代を過ごせるかもしれないし、
もしかしたら、やがて優れた映画監督になるかもしれない、という期待感が湧いてきます。

9歳でジニは「捨てられたこと」を受容し、
フランスで生きるという新しい人生を選択することになったわけです。

キム・セロンがいなければ、生まれなかったかもしれない映画です。
いやぁ、良い映画でした。

                            

ブログランキングに参加しています。
どうぞ、ワンクリックをお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♪8月18日に更新しました。いつも応援してくださって、ありがとうございます♪

冬の小鳥
脚本・監督/ウニー・ルコント、プロデューサー/イ・チャンドン、ロラン・ラヴォレ、イ・ジュンドン
出演
キム・セロン/ジニ、パク・ドヨン/スッキ、コ・アソン/イェシン、パク・ミョンシン/寮母、オ・マンソク/院長、ソル・ギョング/ジニの父、ムン・ソングン/医者
10月9日(土)より岩波ホール他全国順次公開
2009年、92分、韓国・フランス、韓国語、配給/クレスト・インターナショナル
http://www.fuyunokotori.com/

by mtonosama | 2010-08-18 06:21 | 映画 | Comments(6)
             冬の小鳥 -1-

                  겨울새(旅人)
          Une Vie Toute Neuve
          A Brand New Life


f0165567_5491983.jpg

   © 2009 Copyright DCG Plus & NOW Films, GLORIA Films. All Rights Reserved.

感動する映画の要素ってなんでしょうか。

脚本?
監督?
俳優?
観る人の感性?

おそらく、どれが欠けてもいけないと思うのですが、
この映画の中で、忘れ難い印象を与えてくれたのは
キム・セロンという名の9歳の少女。
主人公・ジニを演じた女の子です。
いえ、もう女優、いえ、表現者といってしまいましょう。

いかにもアジア的な静かな顔立ちのキム。
その奥二重の切れ長の目は、
彼女の心がとらえた悲しみ、痛み、喜び、そして諦めをあらわしていました。
それは湧き出した水がじわじわと大地を潤すような、静かだけれど、確かな感情表現です。

「ポネット」(‘96製作)という4歳の少女が主人公のフランス映画がありました。
「ポネット」と「冬の小鳥」を観て、理解できたことは、
子どもというのは何もわからない存在などではなく、
全身で、全力で、心の全てで、
自分の置かれた状況を理解しようとするものだということです。

f0165567_5504729.jpg
  
     だから、大阪で餓死した幼い姉弟はどんな思いで死を迎えたことでしょう。
     ドアを出て行く母親の背中が、彼らの目に映った最後の母の姿だとしたら、
     あまりにもむごいことです。
     あ、いけない。涙が出てきた。

タイトルをご覧ください。4つの言葉が並んでいます。
その内の韓国語はこの映画の主人公とウニー・ルコント監督の生まれた国の言葉。
映画の中で使われる言葉です。
そして、フランス語は監督が養女として暮らすことになった国の言葉。

そう、「冬の小鳥」は韓国から養子としてフランスに渡った監督の実体験から、
着想された映画です。
9歳のときにパリ郊外にある牧師の家に養女としてひきとられ、
フランス人として生きてきた監督は現在44歳。
彼女、もう韓国語は忘れてしまったので、
脚本はフランス語で書かれました。

主人公ジニを演じたキムがその演技力で、
深く印象づけてくれた施設での日々と心の移り変わりも、
監督が1975年から76年までを過ごした児童養護施設で抱いた感情そのままだそうです。

監督は言います。
脚本は、母国語である韓国語で書かれるべきでしたが、
私はすっかり言語を失っていました。
フランス語で書くことになりましたが、
私は映画という共通言語で書くことを信念としていました。
それこそが、私のハンデを補ってくれると信じていたからです


映画という共通言語―――
母国語を忘れてしまった悲しみに執着せず、映画という新しい言語を習得し、
素晴らしい作品を生み出した監督に拍手を送りたいです。

ところで、なぜ韓国から海外へ養子に行くのでしょうか?
実は、とのがドイツのコンスタンツという街に4週間ほどプチ語学留学したときのこと。
ルームメイトだったエーファ(スウェーデン人)のお姉さんが韓国からの養子と聞き、
「へえ」と思ったことがありました。

「韓国では戸籍法上の制約や血統主義の伝統もあって、
孤児が養父母を国内で見つけることが難しく、それを絶えずヨーロッパやアメリカに求めていた」
(渡辺直紀:武蔵大学人文学部日本・東アジア比較文学科准教授)
ということで、韓国国内では「孤児輸出」として社会問題にもなっているそうです。

エーファのお姉さんが暮らすスウェーデンですが、
1991年にスウェーデンの韓国人養子を取り上げた映画『スーザン・ブリンクスーアリラン』(日本題:スーザンブリンクのアリラン)が公開されて韓国内でも大きな反響を呼び、1998年に金大中大統領が海外の成人養子29人を青瓦台に招待して、韓国が育てられなかったことを公式に謝罪した(Wikipediaより)
とのこと。

f0165567_5524155.jpg

しかし、この映画のテーマは養子問題ではありません。

親に捨てられた子どもがその受け入れがたい事実とどのように折り合いをつけていくのか、
その心の軌跡が、キム・セロンという最高の女優を得て、描かれた作品です。

さあ、どんなお話でしょうか。この続きは絶対に見逃せません。乞うご期待であります。

                        

ブログランキングに参加しています。
どうぞ、ワンクリックをお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♪8月15日に更新しました。いつも応援してくださり、本当にありがとうございます♪

冬の小鳥
脚本・監督/ウニー・ルコント、プロデューサー/イ・チャンドン、ロラン・ラヴォレ、イ・ジュンドン
出演
キム・セロン/ジニ、パク・ドヨン/スッキ、コ・アソン/イェシン、パク・ミョンシン/寮母、オ・マンソク/院長、ソル・ギョング/ジニの父、ムン・ソングン/医者
10月9日(土)より岩波ホール他全国順次公開にてロードショー
2009年、92分、韓国・フランス、韓国語、配給/クレスト・インターナショナル
http://www.fuyunokotori.com/

by mtonosama | 2010-08-15 06:27 | 映画 | Comments(8)