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殿様の試写室

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午後8時の訪問者
-2-
La Fille Inconnue

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(C)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINEMA - VOO et Be tv - RTBF (Television belge)


あの時こうしていれば良かった。
あんなことをしなければ良かった。

人生にそんな思いはつきものです。

自分を危険な立場に追い込みながらも
真相をつきとめようとする女医を演じたのはアデル・エネル。
2013年にセザール賞助演女優賞
2014年には同賞主演女優賞を受賞した若手実力派女優です。

とてつもなく美人ではないかもしれませんし、
華奢な体つきでもありません。
しかし、息づまるような迫真の演技には是非ともご注目ください。

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ストーリー
ジェニーは間もなく大病院に好待遇で迎えられる予定の医師。
体調を崩し、入院した高齢の医師の代わりとして
小さな診療所で診察していた。
彼女の許には研修医のジュリアンがいる。
ある日、患者の発作を目の当たりにして
身動きできなくなったジュリアンをジェニーは厳しく責める。
それ以来、彼はジェニーの話を聞こうとしなくなってしまう。

間もなく勤めることになる病院から
歓迎パーティへの誘いの電話を受けていた時、
診療所のドアフォンが鳴る。
午後8時。診療時間は終わっている。
応じようとするジュリアンに「患者に振り回されてはダメ!」としかるジェニー。
ジュリアンは無言で診療所を出ていってしまった。

歓迎パーティではシャンパンがふるまわれ、
上司はジェニーの優秀さを褒めそやし、病院内には彼女の部屋も用意されていた。

翌日、診療所に刑事がやってきて、
近くで身元不明の遺体が発見されたことを告げる。
監視モニターを調べたところ、
昨夜、午後8時にドアフォンを押していた少女が
その遺体の当人だった。
警察は身元不明の遺体は公共墓地に埋葬するしかないという。

罪悪感にうちひしがれたジェニーは少女の写真をスマホで写し、
時間を見つけては名前を訊ねて回った。

あの夜以来連絡が途絶えたジュリアンを訪ね、
少女の写真を見せて名前を知らないか訊いた。

患者たちにも訊ね歩く内、娼婦であるらしいことがわかった。
少しずつ真相に迫り始めた頃、
ジェニーは襲撃され、「この件に近づくな」と脅される……

少女の手がかりを探りながら、
小さな診療所は、貧困や国籍などが原因で大病院には行けない人々にとって
必要とされていることを知ったジェニー。

キャリアアップの寸前で、
先輩医師として研修医ジュリアンの指導的な立場にあると同時に
後輩になめられてはいけないという思いを抱える中で起きた事件。
「そこまでしなくともいいのでは?」
と思える彼女の行動。

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ベルギー版赤ひげとも言いたくなるジェニーを見ながら
若いってこういうことなんだなぁ、
と、150歳は神妙な想いを抱かざるをえませんでした。

今後ジェニーには午後8時のドアフォンに応えていればよかった
という思いがついて回ることでしょう。
そして、
誰しもまた
あの時ああしておけばよかった
という気持ちをお持ちのことと思います。
でも、でもね、
その結果、ジェニーのように少し成長するという可能性も
あるのかもしれませんよね。

それにしても
ダルデンヌ兄弟監督、作品発表ごとに進化していくようですよ。




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午後8時の訪問者
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、第一助監督/カロリーヌ・タンブール、
撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、製作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド
出演
アデル・エネル/ジェニー・ダヴァン、オリヴィエ・ボノー/ジュリアン、ジェレミー・レニエ/ブライアンの父、ルカ・ミネラ/ブライアン、クリゼット・コロニル/ブライアンの母、
ナデージェ・エドラオゴ/ネットカフェの受付
4月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2016年、ベルギー=フランス、106分、カラー、配給/ビターズ・エンド、http://bitters.co.jp/pm8/

by Mtonosama | 2017-04-09 05:47 | 映画 | Comments(6)

午後8時の訪問者
-1-

La Fille Inconnue

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(C)LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM – FRANCE 2 CINEMA - VOO et Be tv - RTBF (Television belge)


『サンドラの週末』から2年、
http://mtonosama.exblog.jp/23970021/ http://mtonosama.exblog.jp/23980790/
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の最新作がやってきました。

この二人としては珍しいサスペンス仕立ての映画です。
しかし、ダルデンヌ兄弟監督のこと。
祖国ベルギー、いや、ヨーロッパが直面する問題を抉り出しつつ、
心を揺らすヒューマンミステリーに仕上げています。

路面から伝わる寒気が心も体も凍てつかせるようなベルギーの冬。
午後8時、診療時間はとっくに過ぎています。
女医のジェニーが勤める診療所のドアフォンが鳴りました。
ジェニーは応じようとするインターンを制します。

翌日、刑事が訪問。
診療所の近くで身元不明のアフリカ系少女の遺体がみつかったというのです。

それはまさに診療所のモニターに映っていた少女でした。
少女は誰なのでしょう?
そして、なぜ死んでしまったのでしょう?
ドアフォンを押して何かを伝えようとしていたのでしょうか?

ジェニーがドアを開けていれば、彼女は死なずにすんだのでしょうか?

自分を責めながらも少女の足跡を辿るジェニー。
そして、いつしか彼女自身危険に巻き込まれていくのですが……

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と、いきなり暴くか。150歳。

いえ、暴きません。暴きませんよ。

いや、しかし、いつまでも枯れることのないダルデンヌ兄弟です。

作品を発表するごとにカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、
2度のパルムドールの他、数々の映画賞を世界中で受けています。
本作も第69回カンヌ国際映画祭で『ロゼッタ』がパルムドールを受賞して以降
7回連続コンペティション部門に出品という快挙を成し遂げました。

ドアフォンを無視したために移民の少女が殺されてしまう…
キャリアアップを捨て真相を探り始める若い女性医師。
彼女の罪悪感と苦悩に寄り添いつつ、
ベルギーに暮らす移民にもまなざしを向けることを忘れないダルデンヌ兄弟。
日常に潜む闇や不条理を
冬の都会の寒々しい風景をバックに浮き上がらせていくんですね。

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今回もいわゆるヨーロッパのヨーロッパらしい場所は登場しません。
寒そうな河沿いの道。
高速道路の高架下。
飾りっ気も何もない殺風景な診療所。
狭いアパート。

ベルギーワッフルもなければ、ベルギービールもありません。
ルネ・マグリットだって全く登場しません。
綺麗でスタイルの良い女優さんも出ません。

でも、ベルギーの映画です。
そして、ヨーロッパが抱える問題をしっかり描き出す作品なんですよね。
あ、綺麗な女優さんが出ないと言いましたが、
ジェニーを演じたアデル・エネルは良かったですよ。
女優は綺麗でスタイルがよくなければいけないって
いったい誰が決めたんですかねえ。

さあ、いったいどんな映画なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございます。





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午後8時の訪問者
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、第一助監督/カロリーヌ・タンブール、
撮影/アラン・マルコアン(s.b.c)、製作/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、ドニ・フロイド
出演
アデル・エネル/ジェニー・ダヴァン、オリヴィエ・ボノー/ジュリアン、
ジェレミー・レニエ/ブライアンの父、ルカ・ミネラ/ブライアン、クリゼット・コロニル/ブライアンの母、
ナデージェ・エドラオゴ/ネットカフェの受付
4月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2016年、ベルギー=フランス、106分、カラー、配給/ビターズ・エンド、http://bitters.co.jp/pm8/

by Mtonosama | 2017-04-06 05:35 | 映画 | Comments(4)