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殿様の試写室

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タグ:吹石一恵 ( 2 ) タグの人気記事

           ゲゲゲの女房 -2-

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       (C) 2010 水木プロダクション/ 『ゲゲゲの女房』製作委員会

前回ではもったいぶってしまって、ごめんなさい。
さて、いよいよ後編、テレビとは違ったお楽しみを種明かしします。
そ・れ・は―――
って、ちょっとひっぱり過ぎですかね。

はい、映画の中で「墓場鬼太郎」「悪魔くん」などの原画制作シーンを楽しみつつ、
なんとその原画がアニメーションとして映し出されるという趣向。

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これがまた昔の幻燈(古いですね)のように、
あるいは「カリガリ博士」といった大昔の無声映画のように、
チラチラ、ぎくしゃくしたアニメーションで実に良い味を出しているんです。

なつかしさだけではなく、まだまだ暗闇が残っていた昭和の時代を呼び戻した
「ゲゲゲの女房」映画版。
テレビとは違ったぶきみ感も楽しめるのですが、はたしてどんなお話になっているのでしょうか。

ストーリー
お見合いから5日後、故郷・島根で慌ただしく結婚式を終え、
布枝と茂は調布の家にやってきました。
売れない漫画家の茂は、これでもか、というほどの貧乏暮らし。
食パンの耳も道端の雑草も2人にとっては大切な食べ物です。
食後はすぐに机に向かい、夜遅くまで漫画を描き続ける茂。

安来の実家で大勢の家族と過ごしていた布枝にとっては寂しい日々が続きます。
ある日、布枝は茂に頼まれて出版社に原稿料を受け取りに出かけました。
ところが、手渡されたのは半額。
「茂の漫画は暗過ぎて人気がない。文句があるなら払わないぞ」といわんばかりの編集者。
漫画のことも知らなければ、夫のこともよくわかっていない布枝でしたが、
“そげな言い方されたら”頭に来ます。
でも、茂は「誰も妖怪に見向きもせんなら、俺はいっそ妖怪と心中すーけん」と
飄々としています。

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ある晩、締切に間に合わない茂は布枝のために小さな作業台をこしらえました。
夫と並んでペンを走らせる布枝。毎日毎日コツコツカリカリと机に向かいます。
相変わらず、米櫃は空っぽでしたし、電気も止められてしまいました。
それでも、ロウソクの明かりで2人は描き続けます。

そんな日が続いていた、ある日のこと、1人の編集者が訪ねてきます。
漫画連載の依頼でした。「これで貧乏生活からさよならできる」と思った布枝でしたが…

テレビでご覧になった方も多いので、ストーリー紹介はいらないかもしれません。
でも、テレビと映画とで武良家の貧乏較べをしたら、映画に軍配が上がります。
だって、武良家でご飯食べさせてもらったことのある青年が、
「あいつ、とうとう餓死しちゃったよ」(!)なんて話が出てくるんですから。
昭和という時代は30年代に入っても餓死する人がいたんですね。

両親や祖父母はよくまあそんな時代を生き抜いて、子どもたちを育ててくれたものです。

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川ではあずきあらいが小豆を洗っていたり、暗い夜道をべとべとさんが歩いてきたり――
錆びたトタン屋根や波打ったような古い瓦屋根が目立つ町並みの貧乏くさい感じが郷愁を
そそります。

ただね、ただ、
とのはバルビゾン派でも写実主義者でもないのですが、
葉を落としたケヤキを望む寒そうなネギ畑の中で夏服を着ている布枝さんの姿、
これはまあなんということでしょう。
だって、貧乏で夏服を着用しているのではなく、夏のシーンなのですよ。
夫婦の貧しさ以前に、映画の製作現場にお金がなかったりしたのでしょうね。きっと。

でも、冬の景色を映し込むなら、冬服を着る、
夏服を着るなら夏の景色を映す。
どちらかを選んでほしかったとのです。

                         
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♪10月23日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪

ゲゲゲの女房
監督/鈴木卓爾、脚本/大石三知子・鈴木卓爾、原作/武良布枝(実業之日本社刊)、撮影/たむらまさき、アニメーション/大山慶、音楽/鈴木慶一
出演
吹石一恵//武良布枝、宮藤官九郎/武良茂、南果歩/武良琴江(茂の母)、坂井真紀/田所初枝(布枝の姉)、平岩紙/飯塚京子(布枝の義妹)、夏原遼/飯塚正夫(布枝の弟)、村上淳/金内志郎(茂の家を間借りする絵描き)、柄本佑/佐久間玄太(漫画編集者)、徳井優/ぬらりひょん、宮崎将/安井庄治(漫画家志望の学生)、鈴木慶一/都筑睦夫(貸本屋)
11月20日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
11月6日(土)島根、鳥取県にて先行ロードショー
119分、配給/ファントム・フィルム
www.gegege-eiga.com

by mtonosama | 2010-10-23 06:51 | 映画 | Comments(4)
          ゲゲゲの女房 -1-

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         (C) 2010 水木プロダクション/ 『ゲゲゲの女房』製作委員会

この半年、一日も欠かさずNHK連続ドラマ「ゲゲゲの女房」を観ていたとのです。
9月の終りに最終回を迎え、なんか寂しい思いに胸ふさがれていましたが、
映画「ゲゲゲの女房」の試写を観ることができました。

さてさて、映画版「ゲゲゲの女房」、
そこはかとなく漂う不気味感。しーんと明るい昭和の古屋。
これはまたテレビとはまったく違った味でございます。
半年間の長丁場連続ドラマと、2時間に満たないこと1分の映画とくれば、違っていて当たり前。
どちらが良いとか悪いとか、そんなことではなく、どちらの持ち味も楽しもうというのが
当試写室的楽しみ方です。

原作はご存知のように水木しげるの妻・武良布枝さんの自伝「ゲゲゲの女房」(‘08)。
発行部数40万部を超えたベストセラーです。
NHK朝の連続小説も同時期に企画が始まりました。
テレビは、夫の茂さんが大漫画家になって成功するまでの夫婦の奮闘を描いていましたが、
こちら映画版では布枝さんと茂さんが「おとうちゃん、おかあちゃん」と呼び合える関係を
紡ぐまでの日々が描かれています。

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映画では水木しげること武良茂を宮藤官九郎、布枝役を吹石一恵が演じます。
テレビの向井理が演じる茂さんはなんかとってもキレ者の漫画家という印象でしたが、
クドカン=宮藤官九郎はおっとりしていて、本物の武良茂さんこと水木しげるも
若い頃はこんな感じだったんだろうな、と思わせてくれました。
向井シゲルと宮藤シゲル。どうぞ見比べてくださいませ。

クドカンといえば、脚本家、構成作家、映画監督、俳優とマルチな才能の持ち主。
「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」といったテレビドラマの脚本家としての
幅広い活動が認められ、第41回ゴールデンアロー賞特別賞も受賞しています。

しかし、クドカン、映画での武良茂役は俳優として大当たり~!な役でした。
布枝さんを演じた吹石一恵の不機嫌そうな顔もなんとも良い味。
極貧時代の不機嫌顔、正直でよかったです。
NHK的優等生の松下奈緒ものんびりしていましたね。
でも、今に比べると、昭和の男女は貧乏に対して寛容です。

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ご存知の通り、お見合いの後たった5日で結婚した夫婦ですから、
言ってみれば他人と同じ。
最初のうちは目も合わせられないような2人が次第に夫婦として育っていくさまを
どこかほんわかとした昭和の雰囲気とともに楽しむことができました。

このほんわか感、なんだろうと思っていたら、どうも鈴木卓爾監督の持ち味のようです。
監督の初長編作品「私は猫ストーカー」(‘09)のあの空気。
http://nekostalker.jp/#/movie (←猫好きは要チェックです♪)
そのときのスタッフが引き続き参加していることも
なおさら心和む不思議な雰囲気を出している理由かもしれません。

そうそう、映画「ゲゲゲの女房」にはテレビとは違ったお楽しみもあるんですよ。
え、それはなにかって?
ふ・ふ・ふ。次回までのお楽しみということにいたしましょう。
乞うご期待です。

                      

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ゲゲゲの女房
監督/鈴木卓爾、脚本/大石三知子・鈴木卓爾、原作/武良布枝(実業之日本社刊)、撮影/たむらまさき、アニメーション/大山慶、音楽/鈴木慶一
出演
吹石一恵//武良布枝、宮藤官九郎/武良茂、南果歩/武良琴江(茂の母)、坂井真紀/田所初枝(布枝の姉)、平岩紙/飯塚京子(布枝の義妹)、夏原遼/飯塚正夫(布枝の弟)、村上淳/金内志郎(茂の家を間借りする絵描き)、柄本佑/佐久間玄太(漫画編集者)、徳井優/ぬらりひょん、宮崎将/安井庄治(漫画家志望の学生)、鈴木慶一/都筑睦夫(貸本屋)
11月20日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
11月6日(土)島根、鳥取県にて先行ロードショー
119分、配給/ファントム・フィルム
www.gegege-eiga.com

by mtonosama | 2010-10-20 06:49 | 映画 | Comments(6)