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魔女と呼ばれた少女 -2-
REBELLE(WAR WITCH)

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(C)2012 Productions KOMONA inc.

戦闘中、精霊を見ることのできる少女は、自身も、自身が所属する軍の兵士も、守ります。
だから、少女は魔女と呼ばれているのですが。

観客もまた不思議な魔術世界に守られながらアフリカの大地を感じることができます。
笑うこともできます。
さあ、コモナのひとり語りが始まりますよ。


ストーリー
コモナ12歳
わたしの村に”グレート・タイガー”が率いる反政府軍がやってきた。
彼らはわたしに銃を与え、両親を殺すことを命じたの。
死の間際までわたしの身を案じて「兵士に逆らうな」と言ってくれる両親に向って
泣きながら引き金をひいたわ。
その後、兵士たちと森の奥にやってきた。厳しい訓練の日々。逆らえば殴られる。
泣くことも許されない。
だけど、お腹がすくと先輩の“マジシャン”が内緒で食べ物を分けてくれた。

戦闘の日が来た。
最前線でドキドキしていると亡霊たちが現れ、「逃げろ!」と合図した。
魔法の樹液を飲んで亡霊の姿が見えるようになったわたしは
敵の居場所を見破ることのできる魔女と呼ばれるようになった――

コモナ13歳
グレート・タイガーの魔女となったわたしは特別な力を持つ銃をもらった。
わたしの仕事は、亡霊が見えたら報告すること、そして、コルタンという黒い石を運ぶこと。
政府軍がコルタンを盗むために襲ってきた。
大勢の亡霊に守られたわたしは無事だったわ。
でも、先輩の”マジシャン”はいずれわたしも殺されると言った。
わたしは一緒に逃げることにしたの。
彼はプロポーズした。わたしは父から聞いた通り「白いオンドリをさがして」と応えた。
それはこの世で一番探すのが難しいものだからよ。

村人たちの協力でわたしたちは色の白い人たちだけが暮らす集落に案内された。
そこでマジシャンは白いオンドリを捕まえ、わたしにプレゼントしてくれたの。
夫婦になったわたしたちは肉屋のおじさんの家に身を寄せた。
おじさんも家族を惨殺された人だった。
皆で食卓を囲み、仕事を手伝い、原っぱで愛し合う。幸せだったわ。

そんな幸せは長くは続かなかった。大勢の追手が”魔女”のわたしを連れ戻しに来たの。
「彼女はおれの妻だ!」と追手の前に立ちはだかるマジシャンを銃殺するように命じられた。
わたしは抵抗した。
だけど、無理やり引き離されたとき、追手は彼の首にナタを振り下ろした――

コモナ14歳
部隊長の夜の相手をさせられ、わたしは子どもを宿した。
両親の亡霊もわたしを苦しめる。
ある夜、わたしは大きなおなかで逃げ出した。
逃げ込んだ病院で大切な銃を奪われそうになり、わたしは暴れたわ。
暴れていたら留置場に入れられてしまったけれど、
親切なおまわりさんが肉屋のおじさんのところに連れていってくれた。
でも、両親の亡霊にうなされておかしくなってしまったわたしは
おじさんたちに迷惑をかけたくなくて家を出たの。

ひとりで子どもを産んだわたしは故郷に向った。両親の亡霊は待っていたわ。
ふたりの骨や服のきれはしを埋葬し、唄を歌ってお弔いした。

子どもの名前はマジシャンにした。彼のような勇敢な男になるように……


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子ども兵士。
実態を知らず、いきなり本作を観たら、かなりショッキングであります。

映画の最初でコモナが両親を銃殺するシーン。
徴兵した子ども兵士が逃げ出すことのないようにこんなむごいことをさせるのだそうです。
帰る場所を奪ってしまうというのです。
簡単に補充がきくからと子ども兵士は捨て兵として最前線に送られたり、麻薬を使って洗脳されたり・・・・・
少女たちはさらに性的暴力も受けています。

が、しかし――
過酷な運命に直面させられながらも、コモナは生き抜いていきます。
彼女のつややかな褐色の肌や健康的な筋肉に、その本来の強さを見ることができます。

なんとも力強いコモナ。生命そのものです。
サンドベージュの大地に流れるアフリカ音楽。
コモナに求婚するため、白いオンドリを求めるマジシャン。
陽気な村人たちが「お前、結婚したいんだな」とマジシャンを冷やかします。
大笑いされて照れ笑いするマジシャン。
楽しいシーンです。
知らなかった世界に魅了されました。

何があっても生き続けなきゃ、とコモナの姿が教えてくれます。
生きることは試練ではありますが、
生きていてこその希望もあり、喜びもあるのですね。
たしかに困難ではありますが。





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☆3月8日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

魔女と呼ばれた少女
監督・脚本/キム・グエン、撮影/ニコラ・ボルデュク、美術/エマニュエル・フレシェット、衣装/エリック・ポワリエ、製作/ピエール・イヴァン、共同製作/キム・グエン
出演
ラシェル・ムワンザ/コモナ、アラン・バスティアン/反乱軍リーダー、セルジュ・カニング/マジシャン、ラルフ・プロスピエール/肉屋のおじさん、ミジンガ・ムウィンガ/グレート・タイガー、スターレット・マサタ/コモナの母親、アレックス・ヘラボ/コモナの父親、ドール・マラルー/コルタン商人、カリム・バマラキ/バイクの男、セフォラ・フランソワ/肉屋のおばあさん、ジョナサン・コンペ/親切な警官、マリー・ディルー/呪術師、ガウナ・ガウ/アルビノ村の“師匠”、レナーテ・ウェンボ/診療所の看護婦、アレクシ・サブウェ/診療所の男、ニコラ・フランソレ/NGOの男、カザディ・ザディオ/強面の男、ボナヴェントゥーラ・カバンバ、アンジェル・オキト/陽気な農民の妻、アニエス・ムジンガ/トラックの女性、モーゼ・イルンガ/霊柩車の運転手
3月9日(土)シネマート新宿他にて全国順次公開
2012年、カナダ映画、フランス語・リンガラ語、90分、提供・配給/彩プロ、後援/ケベック州政府在日事務所、http://majo.ayapro.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-03-08 07:02 | 映画 | Comments(6)
魔女と呼ばれた少女 -1-
REBELLE(WAR WITCH)

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(C)2012 Productions KOMONA inc.

「魔女と呼ばれた少女」は子ども兵士を描いた映画です。

以前、「イノセント・ボイス―12歳の戦場―」(‘04)という中米エルサルバドルの少年兵士
を主人公にした映画を観たことがあります。
その折、その脚本を書いたオスカー・トレスさんにお会いする機会がありました。
まだ30代の明るく陽気な青年。
彼の脚本は、80年代にエルサルバドル政府軍に強制徴兵され、
12歳で従軍させられたという実体験が盛り込まれたものです。
彼の明るさと、内に抱える重さの齟齬に厳粛な気持になった記憶があります。

「魔女と呼ばれた少女」はアフリカ・コンゴ民主共和国を舞台にした映画です。
監督・脚本はキム・グエン。
お話は、コモナという少女が、
12歳で兵士にされ、13歳で恋をし、14歳で赤ちゃんを産み、
新しい生活に向うまでの2年間を独白するという形で進行します。

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このコモナのような子供兵士が世界19ヶ国で25万人以上いるといわれています。
そして、その19ヶ国中の9ヶ国がアフリカ諸国なのだそうです。

本作の舞台となるコンゴ民主共和国はレアメタルはじめ天然資源の豊かな国。
植民地支配を経て、独立した後も、
そうした資源をめぐる権益争いや大国の利害に翻弄され、未だに情勢不安が絶えません。

そんなコンゴの首都キンシャサで2011年6月オールロケを敢行したのがキム・グエン監督。
父はベトナム人、母はカナダ人で、2002年に”Le Marais”でデビューしました。
ベルリン国際映画祭で銀熊賞を獲得し、
本年度アカデミー賞にもノミネートされた本作は彼の4本目の作品となります。

深刻なテーマではありますが、明るさと呪術めいた不思議さも漂う映画です。
そもそも監督が本作を描くきっかけがちょっと変わっていました。
10年前に自らを神の生まれ変わりと称して反政府軍を率いるビルマの双子少年兵を
ニュースで観たというのです。
戦争という血なまぐさい場にありながら、なぜか神話的なその話にひきつけられたのが
本作を誕生させるきっかけでした。

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コンゴの人々の持つ陽気さや優しさ、アフリカの大地に潜む精霊の力を、
外国人が形にするとこうなるよ、ということなのかもしれません。

演技を越えた人々の明るさや優しさは
主役のコモナやマジシャンや子ども兵士たち、
陽気な農民のおじさんやおばさん、警察官、看護婦さんたちといったキャストが皆
オーディションで選ばれた現地の人たちだからかもしれません。

あ、そうそう、オーディションで選ばれたコモナ役のラシェル・ムワンザですが、
彼女はなんとストリートチルドレンでした。
ストリートで発見された彼女、
本作でトライベッカ映画祭やベルリン映画祭で主演女優賞を受賞したのです。
まさにシンデレラです。
現在は監督たちが組んだ養育プログラムのもと、現地の学校で教育を受けています。
人生には何が起こるかわからないということを地で示してくれているようです。
彼女のためにも一日も早くコンゴの政情が安定することを祈ります。

さあ、どんなお話なのでしょうか。続きは次回までお待ちくださいませ。



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魔女と呼ばれた少女
監督・脚本/キム・グエン、撮影/ニコラ・ボルデュク、美術/エマニュエル・フレシェット、衣装/エリック・ポワリエ、製作/ピエール・イヴァン、共同製作/キム・グエン
出演
ラシェル・ムワンザ/コモナ、アラン・バスティアン/反乱軍リーダー、セルジュ・カニング/マジシャン、ラルフ・プロスピエール/肉屋のおじさん、ミジンガ・ムウィンガ/グレート・タイガー、スターレット・マサタ/コモナの母親、アレックス・ヘラボ/コモナの父親、ドール・マラルー/コルタン商人、カリム・バマラキ/バイクの男、セフォラ・フランソワ/肉屋のおばあさん、ジョナサン・コンペ/親切な警官、マリー・ディルー/呪術師、ガウナ・ガウ/アルビノ村の“師匠”、レナーテ・ウェンボ/診療所の看護婦、アレクシ・サブウェ/診療所の男、ニコラ・フランソレ/NGOの男、カザディ・ザディオ/強面の男、ボナヴェントゥーラ・カバンバ、アンジェル・オキト/陽気な農民の妻、アニエス・ムジンガ/トラックの女性、モーゼ・イルンガ/霊柩車の運転手
3月9日(土)シネマート新宿他にて全国順次公開
2012年、カナダ映画、フランス語・リンガラ語、90分、提供・配給/彩プロ、後援/ケベック州政府在日事務所、http://majo.ayapro.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-03-05 07:27 | 映画 | Comments(6)